2022年10月 7日 (金)

久しぶりにいいと思ったETF(Wisdomtreeの中国を除く新興国ETF)

長い間ご無沙汰しています。

 

ここには書いていませんでしたが、もうとっくの昔にフィナンシャルフリーダムは達成していて、労働者を卒業して日々気ままに過ごす毎日を送っております。なので、ここに書く情報等も持ち合わせていなかったのですが、最近のコロナ禍、中国不動産市場崩壊、ロシアのウクライナ侵略等、世の中は足元で激動しています。その中で、正直何とかならないかと思っていたところに最近Wisdomtreeが出したETFがその個人的ニーズにまさにドンピシャだったので、久しぶりにこのブログでその情報について書いてみようと思います。

 

まず、その商品から。

 

ティッカーシンボルはXC。正式名称はWisdomtree Emerging Markets ex-China Fundです。おそらくは出たばかりなので、米国証券口座を持っていないと投資できないビークルなのではないかと推測します。ちょっと調べてみたところ、わかりにくいのですが、おそらくは新興国の指数から、国の支配率が一定以上の株式を除いた指数を作り、そこから中国株を除いた指数を作り、この指数に追随するETFを作ったのがこの商品のように私には読めました。しかしながら、非常に記述が難しくて私が正しく読めているかは不明ですので、興味を持たれた方はこの点は是非ご自身で確認されてください。まだまだローンチしたばかりで数十億円規模の商品だったように思いましたので、まだ待ちの態度でも良い商品と思いますし、似たようなコンセプトのETF商品も既に何個かあるようです。最大手の商品は既に100億円規模にまで育っているものもあるようです。そちらの方を検討するのも一考かと。

 

私がこの商品をとてもよいと思った理由は、昨今のロシアのウクライナ侵略と中国の不動産崩壊に続く一連の騒ぎに関係しています。ロシアがウクライナ侵略を開始してから、ロシアのとあるエネルギー企業が突然配当を停止しました。どうも戦費調達のために、ロシア政府がエネルギー企業が生み出した利益をごっそり徴収することになったために配当できなくなったからのようです。中国ではここ最近、一部銀行の預金凍結や不動産の完成が見込めないためのローン者の支払い拒否等の不動産関連のバブル崩壊のきしみがしきりに聞こえてきます。私は新興国市場に主にWisdomtreeのDEMに投資しているのですが、このETFは中国比率も中国大手銀行等の中国不動産に関連する企業比率も非常に高い。これから、中国の不動産バブル崩壊が起こればこのETFはその影響を大きく受けるだろうことは想像に難くない。その時、ロシア国家の戦時の傍若無人な振る舞いを見てれば、投資家の権利など中国は平気で踏みにじる可能性があることも容易に想像できます。

 

純粋なインデックス投資家なら、こう言ったいわゆる予見に類するものは完全に機能しない排除すべきものとして、こういうものを含んだ全世界ポートフォリオを持つのが王道なのかもしれません。しかしながら、個人的にはその立場は今現在取れないと考えています。現実に今のロシアや中国等の独裁国家を見て、投資家の権利が将来ちゃんと守られるとはとても思えない。運良く、中国の不動産バブル崩壊が大した影響を与えることもなく、台湾侵攻で中国が世界に迷惑をかけることもなく、中国のポートフォリオから大きなリターンを得る将来もあるかもしれませんが、それを逃したところで個人的に将来困ることもないだろうことが分かりきっていると思うので、ポートフォリオ上の潜在的なリスクは外しておく手しかないと考えています。

 

そうは言ってもポジション変更には、多額の利益を出す必要があってその利益にかかる税金もばかにならないですので、将来、暴落があって利益が殆ど出ない状況が来ないかと期待していて、そう言った局面でこういうETFに切り替えていきたいと思っています。

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2016年4月11日 (月)

マイナス金利の世界での金融機関と個人の立場の逆転

マイナス金利が日本に適用されてからはや数ヶ月、MMFの運用資金受け入れ停止やら投資信託の現金部分の手数料徴収等、その影響は徐々にここそこに現れ始めているように思います。あちこちでこの伝統的でない政策の起こり得る行く末についての議論もたたかわされているものと推測します。

しかしながら、当方がその議論の内容を斜めに読んでいる限りにおいて、今のところどこでも議論されていないように思える点が一点あります。誰も語っていないと思えるだけに、もしかしたら議論を提示する価値があるかもしれないと思い、今日はこの点についてつぶやいてみようと思います。

当方が、このマイナス金利で着目している点の一つが、持てるものと持たざるものの立場の逆転です。ただし、マイナス金利で借りる側と貸す側の逆転について、すなわちマイナス金利が進展すれば、いずれ実際にお金を貸す側が利子を払って、お金を借りる側が利子を受け取ることになるという真逆の現象については、マイナス金利の帰結として非常に明らかなことであって、その将来想定される世界はすでにあちこちで議論されていると思いますし、この至極明白なポイントについて改めて言及したいわけではありません。
当方が今回のエントリーで言及したいのは上の逆転現象ではなく、今まではお金を集めることにより有利な運用機会を得ることができたという運用の世界の優位性が、現状のペーパーマネーの世界でのマイナス金利という条件によって、逆転し始めているのではないかということです。
例えば、個人の手元に10万円があれば、これを財布の中に入れておけばマイナス金利の支払いを回避することは簡単にできます。これが一人一人の10万円を集めて運用するMMFになるとどうでしょうか?MMFでは流動性の高いビークルへの投資によってマイナス金利の影響を避けることが途端に困難になります。これは実際にマイナス金利政策が採られて以降、相次いで運用資金受け入れ停止に陥ったMMFが出現したことで明らかな通りです。10万円や100万円くらいのオーダーであれば、財布の中に入れておくか本棚の本の間にでも挟んでおけばマイナス金利の影響を受けずにすませるのは簡単なのに、多くの資金が集まった途端、このマイナス金利の影響を回避するのが極めて困難になってしまいます。
この状況は、通常の正の金利の世界で起こることとは真逆だと思います。運用の世界では資金を集めれば集めるほど効率的な運用が可能で、かつ小口であれば決して得ることはできなかった投資機会を得ることも可能になります。この状況と優位性がマイナス金利の部分では逆転してしまうわけです。なので、ヨーロッパのどこかの国のようにマイナス金利の幅が1%を超えてきたり、銀行等の機関がマイナス金利の経営に与えるインパクトに耐え切れず、最初は大口法人顧客、次に個人顧客の口座への手数料徴収といった形で、次々とマイナス金利の影響を末端に転嫁するようになっていけば、この逆転現象は資産運用の世界の隅々までに行き渡るのではないかと思います。
そういう将来世界が実現するかどうかはなお不明ですが、もしそこまでたどり着くとすると、Fixed Interestの運用の世界は資金を集めれば集めるほど不利になると思います。銀行預金はマイナスリターンであっても資金保全したい大口だけが残り、投資信託もFixed Incomeのものは存在意義を失い消えて無くなり、生命保険も非常に高い死亡保障効果や高額先進医療等、いざというときの支払いが保険料に対して非常に高額なものしか価値が無くなり、売れなくなるといったことが起こるのではないでしょうか。

これが、将来の我々の運用にどう影響していくことになるのか、はなはだ不透明な話ですが、そのような世界では構築するポートフォリオや運用の考え方も、今まで我々が当然のこととしていた前提とはかなり異なるものになるかもしれません。

個人的に、マイナス金利の行く末からはちょっと目が離せません。
 

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2016年3月30日 (水)

ファンドの現金部分に手数料 ー マイナス金利の影響

投資信託の現金部分から手数料が徴収されることになるようです。

本日の日経新聞夕刊の一面にちょっと小さいですが記事が載っています。

この記事によると、信託銀行が提供する「特定金銭信託」と呼ばれる預金口座に、例えば三菱UFJ信託であれば0.06%の手数料を徴収するとのことです。4月中旬から適用とのことです。記事にははっきり書かれていないようにも見えますが、ファンドが運用する資金の現金の部分の運用が影響を受けるとのことですので、ファンドの余資の運用資金がこの信託銀行の提供する「特定金銭信託」に行っていて、そのせいでファンド運用の現金部分に手数料がかかるという風に読めます。

これも記事によれば、従来、信託銀行はコール市場で余資を運用していたが、マイナス金利政策適用以降の利回り低下で、日銀当座預金への預け入れを増やしたとのことです。
通常は、ファンドの現金保有部分はごく一部ですので、基準価格等に目に見えて影響が現れることはないものと推測されますが、個人へのマイナス金利の影響が現れ始めていると読めますね。

昨日だったか、同じ日経新聞でCitiのエコノミストの方が、理論的にはこのマイナス金利は、現金保管コストに相当する水準と同水準のマイナス0.5%からマイナス1.0%程度にはなり得るとの見解を示していたように思いますが、いずれマイナス金利がそういった意味あるオーダーの水準になっていく可能性を考えたら、将来の運用の世界はもしかすると今までの常識とはかなり異なる世界になっているかもしれません。

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2016年3月11日 (金)

初めてのカバードコール

先日、初めて、カバードコールポジションを立ててみました。

前の記事で、高配当株ETFの配当がフィナンシャルフリーダムの自身の理想のコア資産と記載したのですが、フィナンシャルフリーダム達成後は、コア資産の配当がちょうど基本的な生活費をまかなう水準になるようにコア資産の水準を調整していく必要があり、そのためにはコア資産を単純に積み上げるだけではなく、多すぎるときには減らしていくことも必要になってきます。

個人的な目標は、無限に個人資産を増やしていくためにどんどん取るリスクを増やしていくことには無く、必要のないリスクテイクを際限無く増やしていくつもりは毛頭ありません。なので、今回は自身の勉強の意味も含め、今までやったことのないリスク低減手法にチャレンジしてみました。

今までであれば単純に、売り指値を指してコア資産を減らそうとしていたのですが、今回は非常に短期のコールオプションを売って、売り指値でコア資産ポジションを減らす以外のポジション調整の手段を用いてみました。

売り指値を指して、「高値で売れればラッキー、売れなくても現状維持で配当収入を得る」の代わりに、「カバードコールポジションにして、高値になれば権利行使されて売れてラッキー、上がらなければ配当とコールオプションプレミアム収入でOK」というポジションにしてみたわけです。前者と後者の違いは、後者の場合は一旦、売値に達すること等が仮にあっても、精算日に行ってこいになっていたら売れずに、代わりにコールオプションのプレミアムが丸儲けといったペイオフの差になります。

まだ、個人的にこのペイオフの差について完全に消化できているとは思えませんが、ポジションを持ちながら、じっくり理解、整理していきたいと思っています。

いくつになっても、新しいものに対するチャレンジは刺激的ですね。この間のMacBook Airといい、単純に新しいものへのチャレンジは刺激になります。
今回、ポジションを立てる仮定で、この分野では日本では差金決済しかできないとか、USよりも個別株やETFのオプションが充実していないとか、米国と日本での差がかなりあるようだということを学びました。まだ、とても学びが十分とは言えませんが、これからも知的興味を満たす学びがあるのだと思うととても楽しみです。

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2016年3月 6日 (日)

現在、自身にとって最適と思えるフィナンシャルフリーダムポートフォリオ

タイトルの通り、現在の自身にとって最も心地よいフィナンシャルフリーダム達成後のポートフォリオのイメージについて書いてみようと思います。

これは、多分に個人の好みとか、得意不得意、あるいは個人的な経験に基づく安心感のようなものや先入観等も含まれており、他の方に当てはまる普遍性は全くないものと承知しています。なので、単なるフィナンシャルフリーダム後の最終形に関する個人的嗜好とでも捉えていただくのが良いかと思います。
まずベースのフィナンシャルフリーダムを維持するためのエンジンとして、過去、このブログでの主軸の投資商品であり続けた、高配当株ETFを据えたいと思います。理想としては、世界的に分散された高配当株ETFの配当で、年間のベーシックな生活費は全てまかなえるのが個人的理想です。
このアプローチの利点は主に2つあるかと思います。
まず1点目は非常にありふれたものですが、フィナンシャルフリーダム達成後は、生活のためには働かないことが前提ですので、毎月、毎年、生活に必要な金額が概ねキャッシュで入ってくることが主に人間心理的な観点からはかなり重要なことになってくるかと思います。多くの人がリタイア後の収入として、株式よりも投資用不動産を重視する人間心理に相通ずるものがあると思います。
また、この安定的なキャッシュを求める心理からすれば、株式投資の時価は人間心理的に考えて非常に不安定なものに映ります。市場が勝手に決める価格をベースにした時点で、今はバブルではないのか?これからの恐慌により時価が何分の一になったりはしないのか?この資産はフィナンシャルフリーダムを支えるのに本当に十分なものなのか?といったことを判断するのがかなり困難になってきます。それはどんなに多額の市場時価を有する株式であっても、例えばそれがPERが何十倍のETFや何百倍の株式であった時点で、その市場価格を支えるのは企業の今の稼ぐ力ではなく、その企業の力の将来の大幅な成長力等に関する市場評価等という、なんともあやふやなものを頼りにすることになってしまうからです。このアプローチでは、いつも市場の割高、割安と、将来の成長性や景気の回復等に関する、全くつかみどころのない市場認知の傾向に気配りし続けなければならなくなります。
これはとてもじゃないが、やってられないです。

他方、企業が自らの稼ぎの中から生み出す配当を基礎に考えれば、企業がその年に生み出した利益のうちの、企業が継続的に事業を行うための必要な再投資額を除いたフリーキャッシュの一部が配当に回ってくることはある意味自明なことかと思います。これは、よく分からない将来のビジネス状況に関する市場の評価に比べたら、ずっと確かで信頼できるものです。たとえこれ自体、景気やビジネスの好不調等に伴い変動する性質のものであったとしても、市場のパーセプションの変化によってPER一桁から極端なケースでは100倍近くまで変化し得る市場価格に比べれば、圧倒的に安定していて信頼できる指標となります。
この1点目の理由によって、今もコアの資産として投資している高配当株ETFについて、その配当受け取り額を気にすることはあっても、そのETFの市場価格を計算したり、その市場価格の上下を気にかけたりすることは全く無くなっています。この点は昔からそうで、かなり昔にもそのことを当ブログに書いたような気がします。
2点目としては、高配当株投資は一種のバリュー株投資で、一定程度学術的にその優位性が認められている数少ない投資アプローチであることが挙げられます。これも、当ブログでさんざん主張してきた点であります。

こういった理由によって、フィナンシャルフリーダムを達成した後の生活を支えるコア資産として私は高配当株ETFをメインに据えたいと思います。

当然のことながら、上で記述した通り、確実に実現された企業利益(企業活動により生み出したキャッシュによって裏付けられたもの)を基礎としているのが配当ではありますが、企業のビジネスの好不調や景気の良し悪し等で、この配当の水準も将来増減し得ます。なので、そのリスクを踏まえた上で、将来想定されるライフイベントによって想定される支出額を超えて、このリスクに備えたキャッシュを確保することを目指します。

この必要キャッシュの考え方には幾つもアプローチがあり得ると思います。例えば、最悪ケースとして配当の水準がたとえ半分になったとしても、国の年金がもらえる時点まで、保有キャッシュからの補填により生活費がまかなえることを目標にしても良いと思います。また所詮、最悪の事態は恐慌のような事象だと考えて、国の年金がもらえる時までに1回くらい至上最悪の恐慌が来ることを想定して、その間の資金をまかなえるキャッシュを有するという考え方でも良いかと思います。

ここで個人的に国の年金がもらえないことは想定していないことがお分かりかと思います。個人的には、年金をもらう側と支える側の比率の変化を踏まえた非常に保守的な年金開始時の想定や年金額の想定を置く必要はありますが、年金がもらえないという極端な前提に立つ必要はないのではと考えています。人口動態統計はよく言われる、いわば「すでに起こった未来」ともいうべきもので、何十年も先までかなり正確に予期ができる部類の話だからです。

また、フィナンシャルフリーダム達成後は、極端な話、世界中のどこに住んでも自由であり、職場から近くなければならないという制約からも完全にフリーになることを意味するわけですから、将来の不確定事象に対応する手段は、全く信頼できない自身のマーケットタイミングの能力に置くのではなく、足元の状況に対応して、どこに住むか、どんなライフスタイルで生活するかといった、支出、コストの方をコントロールしていくことをイメージしています。

こんな感じで、フィナンシャルフリーダム達成後の個人的な理想のポートフォリオは、世界分散高配当株ETF+セーフティキャッシュの組み合わせと考えています。
読まれる方の何らかの参考、ヒントになりましたら幸いです。

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2016年2月27日 (土)

マイナス金利

個人的に今、注目していることの一つに、マイナス金利があります。日本もいよいよマイナス金利の世界に踏み込んだばかりですが、世界を見渡せば、日本より先にマイナス金利の世界に踏み出した国々がヨーロッパに数多く存在します。

実際にマイナス金利を導入すると一体どんなことが起こるのか、日本だけを見る限り未知の出来事ですが、海外の情報にも着目すれば、既知の出来事になるかもしれません。個人の資産運用に従事されている方々に、それら海外の先行事例を提供することは有意義なことかもしれませんので、この手の話のサイトに何が書かれているか分析してみるのも価値があるかもしれないと思い立ちました。

なのでとりあえず、この記事では以下のリンク記事を勝手翻訳してみようと思います。例によって、これは勝手翻訳なので、どこかに翻訳間違い等があっても責任が取れませんので、その旨よろしくお願いいたします。
今回、翻訳にトライしてみたのは、以下のリンク先記事です。
http://www.bloombergview.com/quicktake/negative-interest-rates
以下、翻訳です。
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標題:マイナス金利
マイナス金利を支払う銀行を想像してみてください。預金者は銀行口座を維持するために費用を支払う必要があるのです。全くもってクレイジーな話に思えますが、ヨーロッパの中央銀行の幾つかは実際に彼らが管理する重要な金利水準をマイナスに設定し、一年以上の間その状態のままにしています。今、日本もそうしようとしています。これはある意味、すでにその他の手段を使い尽くした後の、経済を再生させるための賭けでもあります。またこれは外国からの資金をその他の場所に向かわせる(すなわち通貨安誘導のための)手段でもあります。いずれにせよ、これは金融市場を歪め、その選択自体、後に非難される可能性のあるオーソドックスではない選択なのです。でももし、このマイナス金利がワークするならば、世界の中央銀行にとっても新たなる時代の幕開けにもなり得ます。
現在の状況
日本の中央銀行は1月29日にマイナス金利の採用方針を発表し、マーケットを驚かせました。この動きは、ヨーロッパの中央銀行の最初のマイナス金利適用のチャレンジから遅れること5か月半の出来事でした。今の所、実際の適用範囲は限定的ですが、政策担当者はゼロ未満金利の適用により積極的になっています。ECBはMario Draghiの金利はすでに底を打ったという以前のコメントにもかかわらず、12月3日にマイナス政策金利の世界に踏み込みました。今や、銀行はオーバーナイト金利として0.3%を中央銀行に支払う必要があります。スウェーデンもすでにマイナス金利に踏み込んでいて、デンマークはこれをユーロとの通貨ペッグを維持する手段として使用しています。スイスも1970年以来初めてのマイナス預金金利に動いています。中央銀行が借入金利のベンチマークを提供し始めてから、マイナス金利は様々な固定金利証券にまで広がっています。2015年末までには、ユーロ圏で発行された政府債権の3分の1の金利はマイナスになっています。それは、満期まで証券を保有する投資家は最終的に元本に満たない金額しか受け取れないことを意味します。Julius Baerは大口預金者に対してマイナス金利をすでに適用しましたが、多くの銀行は預金を失うことを恐れ、マイナス金利を顧客へ転嫁することを未だ躊躇しています。
その背景
マイナス金利はいわば自暴自棄のサインです。すなわち、伝統的な政策手段が全て効果がないことが判明し、新たな政策手段に踏み込まなければならなかったことを意味します。中央銀行は弱い借り手にお金を貸さずにまとまったお金を抱えている銀行を罰しているのです。マイナス金利はユーロ圏のような非常に大きな経済圏で適用された前例はありません。これが機能するかどうかはまだ時期尚早ですが、Draghiは2016年1月に、彼が目的を達成する手段として実行する手法には制限がないと述べています。ヨーロッパはUSや日本のように債券購入プログラムに踏み込む前にマイナス金利の方を先に選択しました。ヨーロッパと日本の政策担当者は双方とも、デフレに突入することや価格下落のスパイラルによって経済回復が損なわれることを防ごうとしています。ユーロ圏ではまたユーロ通貨が生まれて以降最大となる信用の不足や過去最大の失業率に対してその改善に取り組んでいます。
行われている議論
理論的には、ゼロ未満の金利は会社や個人の借入金利コストを減らし、借入需要を増加させます。しかし実際には、この政策によってメリットより多くのデメリットが発生する可能性があります。もし銀行が預金を預かるのにコストを徴収するようになれば、現金はタンス預金として貯蔵されるでしょう。US Federal ReserveのチェアマンであるJanet Yellenは2013年11月に、たとえ預金金利がプラスであってもゼロに近くなってしまえば、金融機関が資金調達するマネーマーケットを混乱させてしまうと述べています。2年後に、彼女は経済環境の変化があればマイナス金利はUSにおいても現実的な選択肢となり得ると述べています。ドイチェ銀行のエコノミストは、マイナス金利は銀行や現金保有者の間で事前に恐れられたほどには広がっていないとし、それはある程度は銀行がマイナス金利を顧客転嫁しなかったからだと述べています。しかしながら、銀行がそのコストを自前で吸収できる度合いには限りがあり、銀行の貸付金利と預金金利の差額の縮小が彼らのプロフィットマージンの低下をもたらし、ついには銀行が貸付をしたがらなくなる事態に繋がりかねないとの懸念があります。また未だかつてない低金利によって国家間の通貨安競争を勃発させかねないとの懸念も強まっています。
//---------------------------------------------------------------
かなりゆるい意訳になっており、原文の趣旨が歪められているかもしれません。原文記事内にリンク部分も多くあり、正しい翻訳のためにはさらなる検証が必要かもしれません。もし後日、不適切な翻訳部分があれば随時修正する予定ですので、その旨ご了承ください。
 

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2016年2月25日 (木)

Macbook Airのトラックパッドのなんという使いやすさよ

大変長らく、ご無沙汰しております。

それはそうと、最近Macbook Airを購入したのですが、そのトラックパッドの使い易さといったら。もう、Windowsノートパソコンのトラックパッドのイメージしかない人間からしたら、ちょっとしたカルチャーショックです。

Apple製のMagic Mouse2なるものも一緒に買ったのですが、もうマウスの出る幕が無い。(笑)
何十年も生きてきて、今更特に新しいデバイスでも無い既存のノートパソコンというデバイスで、こんなカルチャーショックを受けることになるとは。これはもっと早く知りたかった。何年なのか何十年なのかわかりませんが、かなり人生の時間を無駄にしちゃった気がします。
いやいや、本当にわからないものです。新しいものにはトライしてみるものですね。

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2013年3月24日 (日)

Wisdomtree四半期配当

また配当金再投資の季節です。WisdomtreeのETFにも配当が出ています。

http://www.wisdomtree.com/about/pdf/2013/WisdomTree-ETFs-Declare-Distributions-985.pdf

US市場が投資対象のものは毎月配当に変わっているみたいですね。

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2012年12月26日 (水)

WisdomtreeETF 四半期配当

また、四半期配当の季節がやってきました。WisdomTreeETFも配当が出ています。

http://www.wisdomtree.com/about/pdf/WisdomTree-WisdomTree-ETFs-Declare-Distributions-899.pdf

また、しっかりと配当金再投資を行っておきます。

ところで、最近、為替の動きが気になります。政治や金融政策の方はさておき、日本の貿易収支、経常収支の方に着目しています。このまま赤字トレンドが定着していくと、為替、金利等、どうなっていくのか。見逃せないと思って注目しています。

それでは、今年も良い年末をお過ごしください。

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2012年9月25日 (火)

WisdomtreeETF 四半期配当

また、四半期配当の季節です。あやうく忘れるところでした。

http://www.wisdomtree.com/about/pdf/WisdomTree--875.pdf

また、しっかりと配当再投資を行っておきます。

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2012年7月12日 (木)

アマゾンのスマートフォン戦略

当方が長らく着目しているスマートフォン、タブレット市場で最近、にわかに話題になってきているのが、表題のアマゾンのスマートフォン市場の参入のうわさです。

例えばAsusとの端末製造協業の話だとか、関連特許の市場からの購入や、他社携帯端末関連幹部の採用といった話が今、ニュースで踊っています。

以前は単なる噂話レベルであったのが、状況証拠的な情報が集まってきて、だんだん信憑性が高まっている状況だと思います。

この件に関連し、あまりUSでも日本でも話に挙がっていないのが、これが実質はGoogleAndroid陣営対Amazonの戦いであると考えられるという点です。

タブレットの話でも以前書いた話ですが、Amazonがもし、古いAndroidOSを用いて自前アプリ市場と自前の音楽、ビデオ、電子書籍等エコシステムを擁した上で便利な総合エコシステムを構築してしまうと、お客もアプリのデベロッパーも広告主も、それぞれの利益のために、GoogleのAndroidではなくAmazonの古いAndroidベースのエコシステムを目指すことになり、ここで少なくともGoogleのOS供給会社とインターネット上の広告元締めとしての立場は崩壊し、Googleがタブレットの世界でOSを真剣に開発、改善して市場浸透していく意味を失います。

GoogleのNexus7は、可能性のあるこの未来を回避するための、Googleの最大限の努力の結果だと思います。

Googleが7インチタブレットを目指したのは、そのAmazonによる独自エコシステム構築、拡大という、Googleにとって最悪の未来を回避するための最大限の努力であって、自社戦略の死という結論を回避するための、ある意味必然的なディフェンシブムーブと言えると思います。

他方、Amazonにとっては、別にGoogle殺しのためにわざわざこのような行動を採っているわけでは当然なく、単にGoogleやAppleに自社の将来のデジタルビジネスの命運をゆだねることになる、受動的な未来を回避したいという一心だと思います。

だから、リアクティブなタブレット分野のGoogleのアクションとは違って、Amazonの7インチタブレットへの当初フォーカスは、Googleだけではなくタブレット市場を占拠している先発企業のAppleをもターゲットとしたものだったと思います。価格を主要なキーコンペティティブアドバンテージとして、Amazonの体力の許す限りのタブレット市場の制覇をもくろんだはずです。

しかしながら、その結果は、Amazon幹部の望むほどの市場の制覇にはつながっておらず、Amazonの現在のKindleFire端末の売上レベルでは、自社の保有する燃焼可能な資本を使いきることすらできない状況だと推測します。

これでは、自らが回避したかったデジタル関連販売ビジネスの他社による制覇が実現してしまい、Amazonにとってまことに困った未来が待っています。

そこで、次の一手ですが、この一手をインチダウンのスマートフォンの方向に進むのは、Amazonにとって至極現実的でスマートな判断ではないかと個人的に考えます。

以下にその理由を記します。

(理由その1)

アマゾンが使用するであろう、古いAndroidOSにはそれに適した数多くのアプリが存在し、開発者にとって、最小限の努力でAmazonのアプリエコシステムに参加できる下地があると思います。タブレットの世界では、大きな画面に適したアプリがそもそもAndroidエコシステムには実質的に存在せず、Appleにタブレット分野でアプリの世界で戦いを挑むためには、優れたタブレッド用アプリを、AndroidOSのアプリ開発者に、流用でなく1から作り上げてもらう必要があります。これは、おそらくはある意味、無理難題で敷居の高すぎる話ではないかと思います。この観点で言うとスマートフォンの世界はAmazonにとって非常に敷居が低く、相対的に御しやすい状況にあると思います。AndroidのスマートフォンはOSが分断化していて、最新AndroidOSに最適化したアプリよりも、古くて今の市場で最もメジャーなAndroidOSバージョンに最適化されているアプリが、最も多く市場に存在しているだろうと推測されることもAmazonにとって追い風だと思います。AndroidOSの深刻な断片化がAmazonにとっては有利に働くわけです。

(理由その2)

世の中には価格が最も重要で、そのためには最新のOS機能だとか最新のサービス等をあきらめても良い、あるいはあきらめざるを得ないという顧客の市場が必ず存在します。しかもスマートフォンの市場では、この市場が果てしなく大きいことはもう証明されている事項だと思います。先進国でも貧富の差の激しい国々の下位市場や、新興国市場等、Amazonが価格で勝負しようとしたときには、このフロンティアは果てしなく広大です。Amazonが資本を燃やしてデジタル市場の顧客ベースを広げようとしたときには、ある意味最適な採り得る方向性ではないかと思います。

上でAmazonがスマートフォンに向かう合理性について、大きく2つの理由を挙げましたが、このような理由によりAmazonのこの戦略の方向性は同社にとって非常に親和的なものになっていると思います。

他方で、当然のことながら、障害やハードルもあると思います。キャリアとの関係や顧客へのリーチの問題、タブレットに比したスマートフォンのデジタルコンテンツの購買傾向の弱さ等といった少なくないハードルをクリアしていく必要がAmazonにはあり、決して簡単なことではないと思います。それでも、Amazonにとっては、燃焼可能な資本は全て燃焼させて、自社のモバイル顧客ベースを広げなければ、彼らの将来はお寒いものになってしまうリスク満載なのですから、出来るだけ確実に彼らの燃焼可能な資本を燃焼させて顧客ベースを広げることのできる可能性の最も高い手段を選ぶのは、非常に合理的な選択、判断だと思います。

他方、Googleにとっては、タブレットで直面した、AndroidOSを使われてかつGoogleをハブられる形でのエコシステムを他社に構築されるリスクに、スマートフォンの分野でも直面することになるわけです。ますます、GooglePlay対Amazonエコシステムの戦いを、将来目にすることができること請け合いだと思います。

誰でも利用可能なフリーなOSとして市場拡大を図った戦略のコインの裏側に、自由であるがゆえに、OS開発会社を完全にハブり、OS開発会社にとって何のメリットの無い形のエコシステムを他社がそこで構築する自由も存在します。これはまさに皮肉であり、コインの表裏と言うのが最適な事象だと思います。

Amazonは今後はタブレットではなく、スマートフォンの世界で注目に値する会社になってきていると思います。将来の市場変動の可能性とポテンシャルを有しており、今後の動向が楽しみです。

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2012年7月 5日 (木)

Microsoftタブレットの矛盾とGalaxyNexusのUSでの販売差し止め

Microsoftタブレットのコンセプトの矛盾について、前にエントリーを書きましたが、同じような議論を展開しているUS記事がやはり出てきているようです。

http://www.thestreet.com/story/11606376/1/windows-8-redmond-we-have-a-problem.html?puc=yahoo&cm_ven=YAHOO

仕事に使えるタブレットが膝の上で使えない矛盾が、上記記事中でも指摘されています。その他のポイントについても、Outlookに関するポイント等、興味深い記事です。

そういえば、やはりGoogleはAppleのSiriを追随してきましたね。全くもって予想通りの展開です。これからGoogleがSiriと競合しながら、どうやって自身のビジネスモデルを壊さない道を模索していくのか、見ものだと考えています。

これでGoogle陣営は、キャリアのドコモ、端末製造のSamsung(と開発中画面がリークされているHTC)、およびOS会社のGoogleの全ての関係者がAppleのSiriを追随してきたことになります。MeTooCopyが足元ではソフトウェア分野に移っていることを如実に物語っている事象だと思います。

面白いのが、足元でSamsungのタブレットとスマートフォンのGalaxyNexusがUSで販売差し止めになっていますが、そのうちのGalaxyNexusの差し止めの直接の原因となっているのがAppleのSiriに関係する特許であることです。USの裁判ではそれ以外の複数のAppleの特許もSamsungによって侵害されている可能性が高いとされているのですが、そのうち現在の販売の現場で現実の差別化要因として機能していることが見込まれる最新のソフトウェア分野でのこのMeTooCopyに限って、侵害の可能性が与える影響を看過出来ないとして、商品差し止めに至っているわけです。

この裁判所の判断は、「USの特許制度は壊れている」と主張する、Googleをはじめとする多くの関係者の主張について、その妥当性のありかを考えさせる結果となっていると思います。US裁判所は特許が有効であることが見込まれるだけではなく、その侵害がマーケットに与える影響をも考え合わせた上で商品差し止めすべきか否かを判断しています。

Appleは同社の端末でSiri機能を実現するために企業買収をし、時間をかけてデータセンター等のインフラ整備を含む開発準備を行っています。同社は長期のロードマップを持っていて、それに従って着々と準備をしてきただろうことは、状況証拠からも明らかです。

翻って、MeToo企業群はどうでしょうか?ドコモ、Samsung、HTC、Googleと、先発企業が時代の先を見てこつこつと準備して導入した機能を、ローンチを見るや否や、皆、臆面もなくMeTooCopyに走っています。

これが市場の常とは言え、やはり醜い。

もうひとつの醜い姿であり、かつ皮肉であるのは、「USの特許制度は壊れている」と主張するGoogleや、Samsung、HTCといった企業群が、その壊れているかもしれない特許制度ですら想定しなかった、標準特許によるライバル企業商品の差し止めに走っているところです。

自らが、どの企業も差別せずライセンスすると約束した上で標準特許採用された特許を、よりにもよって自ら課した約束を反故にする形で、ライバル会社商品差し止めのための武器として使用しています。

言うまでもありませんが、これら特許に価値があるのは、標準特許採用されたからであって、特許内容自体が生み出している価値ではありません。「自社はもしこの特許が標準特許として業界に採用されたら、気に入らない企業の商品をこの特許を盾にして差し止めに動く」と宣誓していれば、そんな特許は業界標準としては決して採用されず、競合する別の特許が業界に標準として採用されていただろうことは至極明らかなことです。

だから、EUもUS当局も、モトローラ(=Google)やサムソンを独禁法違反の疑いで調査中なわけです。

スマートフォンとタブレットの分野では今、特許の世界で風雲急を告げており、面白い展開を見せています。ちょっと目が離せません。

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