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2007年2月

2007年2月25日 (日)

ご当地ファンドの矛盾

昨今、地方銀行等でいわゆる「ご当地ファンド」の販売が盛んなようです。たぶん、地元の野球チームやサッカーチームを応援するような感覚なのでしょうが、実はこのようなファンドは、下記のような、一般の投資信託の存在意義に逆行する特徴を有している投資ビークルです。

・わざわざ、投資資産を地域限定し、投資の分散効果を減じており、投資の対リスクリターンを悪くしている。

すなわち、個人投資家が個別株式ではなく投信を選ぶ理由のひとつには、リスク/リターンが有利な投資をしたいので投資先の分散をしたいが、そのために個人で多くの個別株式銘柄を適切に保有管理していくのは非常に難しいため、専門の業者にそれを委託する、そういった根源的な理由があるはずです。(個々のお客がそれを理解しているかどうかは別として)

例えば、あるご当地ファンドは、自動車関連の株式の比率が全体の30%にも達しているようです。(TOPIXにおいては輸送用機器は10%程度)

例えば、このような業種、地域の偏った集中投資により、地元企業や集中投資先の経営が悪化したら、保有しているご当地ファンドが大きく下がるだけでなく、自分の地元の地方税収入が激減して、地方税の値上げや行政サービスの低下、地方行政の破綻等のダブルパンチを食らう可能性が高まります。

まさに、給料で自社株積み立てをする愚に近い発想と思われます。

また、この「ご当地ファンド」に投資することにより、ご自身の居住する地域に根ざしたリスクをも増幅しています。

この集中リスクは上記のような単純な企業業績悪化のみで発生するわけではなく、例えば地震などの災害でも全く同じ負のダブルパンチを食らう可能性もあります。(家等を失ったら、負のトリプルパンチかもしれません。)

こういった様々な集中リスクを避け、分散による対リスクリターン向上という便益を個人投資家に提供するのが、投資信託の本来の存在意義なのではないでしょうか?

うがった見方をすれば、地元野球チームを応援したくなる人の心理を、地域金融機関や投資信託会社にうまく利用されているような気がします。

地元企業で応援したい企業があるのなら、ぜひ、個別に投資されることをお勧めします。そうすれば、1%~3%といった販売時手数料も、年1.5%もの運用費用も払う必要がなくなります。その浮かせた費用の半分でも地元に寄付、還元すれば、地元経済や地方財政にずっと貢献できるのではないでしょうか。

えっ、そんな地元企業はない?なら、ますます「ご当地ファンド」に投資してはいけません。経済的便益もなく、リスクを増幅させるのはまさにナンセンスです。国際分散投資による良好なリスク/リターンを示す投資ビークルを利用してどんどん利益を出し、どんどん税金を払って地域経済に貢献しましょう。

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2007年2月24日 (土)

クレディセゾンとバンガード(その3)

セゾン投信の2本目のファンドの内容が発表されたようです。

詳しくは、下記リンクをご参照ください。

http://today.reuters.co.jp/investing/FinanceArticle.aspx?type=domesticFunds&storyID=2007-02-23T081500Z_01_TK3084015_RTRIDST_0_JAAESJEA906.XML

このブログの主旨と全く合わないファンドなので、コメント無しとしてもよかったのですが、一言だけ。

「なぜ、さわかみとバンガード(日本株式インデックス)のミックス?」

日本のお客は、さわかみファンドを単体で買うことができるのに、なぜ、このファンドを買って、ファンドオブファンズの上乗せフィーを払わなくてはならないのか!

これは、もしかして、昔懐かしい「ドラクエを発売初日に買いにきたお客に、売れ残りゲームソフトとの2本セットで売る、抱き合わせ販売」でしょうか?まさか、バンガードの日本株式インデックスファンド(しかもファンドオブファンズの上乗せフィー付)にドラクエのような抱き合わせ販売でも売れる力があるとでも考えているのでしょうか?

ちょっと、冗談のような内容です。(当方の勘違い、読み違い等、何かの間違いであれば良いのですが)

セゾン投信、どうも、ちょっとずれている気がします。

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FX投資は儲かるか?

ブログを書き始めて、初めてわかりましたが、インターネットの世界では「FXであなたも月100%のリターン!」なんて刺激的な内容のものが有料で販売されていたりするのですね。

昔は、確か電話の「ダイヤルQ」(記憶があやふやですが)で、株式の銘柄情報をテープで流してお金を取るようなものがありましたが、何だかそれと同じにおいがします。

計算してみるとわかりますが、100万円を握り締めてこの「月100%のリターン」の投資を行って、その通りの成果が出たとすると、1年後には40億円、2年後には16兆円になります。それどころか、3年後には、驚くなかれ、6京円(単位あってるかな?)。うーん、すごいですね。為替マーケットを1人で制してしまいそうです。

そんなノウハウが1万円や数万円で売られているなんて不思議だとは思いませんか?月100%のリターンを生む投資ができる人の時間給だと、1商品数万円の商品販売に関わること自体が非効率、かつ時間の無駄かと思います。

それどころか、おそらく世界で最も巨大なマーケットといえる為替市場で月100%のリターンが出せる投資ノウハウを持っていれば、間違いなくヘッジファンドの世界でもトップに立てると思います。その人はただ米国に渡るだけで、年俸数十億円や数百億円稼げるはずです。

このあたりの理屈はわかる人にはごく当たり前の理屈で、「いまどきこんなものに引っかからないよ。」という感じでしょうが、まずは初歩の初歩について触れてみました。

冒頭のキャッチフレーズを見て、「ちょっといいな。やってみたいな。100%は無理としても50%ぐらいなら出来るかも。駄目もとで買ってみようかな?」なんて思う人は危険です。持ち金が多い人は特に。高レバレッジビークルでご自身の資金を吹っ飛ばす前に、投資について真摯に勉強されることをお勧めします。

次の機会は、もうちょっと専門的な話をしようと思います。

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2007年2月22日 (木)

日銀追加利上げと円安

日銀が追加利上げ(0.25%⇒0.50%)を明らかにしてから、逆に市場では一気に円安に振れましたね。

米ドル円相場は119円台から、現在(22日21時)121円を大きく超えてきました。

本来ならば、日本の金利が上昇して、外国通貨との金利差が縮小したのですから、相対的に日本円の魅力が外貨に比べてアップしたことを意味し、円高になるのではと思われる局面でもあります。

しかしながら、実際、蓋を開けてみると大幅な円安でした。

こういう現象を相場の世界では「材料出尽くし」とか「理外の理」といったりするのだろうと思いますが、こういう場面は市場と対峙しているとしょっちゅうあり、つくづく相場を張ることの難しさを感じます。

おそらく、様々な人がそれらしい後講釈をあちこちで述べているのだろうと思いますが、重要なことは、「日銀が追加利上げを決めたら、短期的には円安に振れる」と事前に主張していた人はなかなかいなかっただろうことです。知的(と思われているよう)なエコノミストであれば特に、「えっ!円高じゃないの?」と一般人に頭の構造を疑われかねませんので、まずこういったことは言わないのではと思います。

エコノミストも、これからは一方的な円安は進まないと言ったばかりなのに円安に大きく振れてしまってばつが悪くなっている人がいるのではないでしょうか。

まさに理外の理、FXで短期の鞘抜きをしている人も、日銀の行動を的確に予測し、かつ相場に破れてしまった人がいるのではないかと思います。

日銀決定を読みきっていても短期相場に破れることもあります。「急がば回れ」とはよく言ったもので、これは投資にも当てはまります。どちらに転んでもよしと思える投資ポートフォリオを構築して、短期相場など張らずに悠然としていれば、市場の半数以上に高確率でらくらく勝ててしまう。まさにインデックス運用と同じような現象です。

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2007年2月21日 (水)

クレディセゾンとバンガード(その2)

「クレディセゾンとバンガード」のところで触れた、セゾン投信のバンガードのファンドの1本目の概要が判明したようです。

http://today.reuters.co.jp/investing/FinanceArticle.aspx?type=domesticEquities&storyID=2007-02-16T092722Z_01_TK3077641_RTRIDST_0_JAAESJEA001.XML

詳しくはリンクを見ていただくこととして、個人的には求めていた形ではなかったのでちょっと残念です。

具体的には、債券と株式がお任せ比率で決められているバランスファンドになっているところが、個人的に×でした。

かならずしも、一般論としてだめというわけでは全然ないのですが、株式と債券の比率は、資産運用のポートフォリオデザインの要でもあり、個々のニーズによりその適正比率は大きく変わり得るところだと思います。また、通常の日本国債券については、現状の低金利状況を踏まえて、個人のポートフォリオに入れるかどうかも、異なるニーズや嗜好があり得る点だと思います。

個人的には、トヨタ・バンガード海外株式ファンドの代わりとなる、MSCI世界株式指数に準じた世界株式ポートフォリオで構成されたインデックスバランスファンドを期待していました。今回は、個人的な切り替えニーズにマッチしておらず、ちょっと残念です。

でも、運用関係費が0.78%と、世界バランスファンドとしては良質のもので、どちらかというとミドルリスクミドルリターンを指向し、積み立てニーズをもつ、まさにセゾンがターゲットとするお客様にマッチしたよいファンドなのではと思います。

セゾン投信はあともう1本出すらしいので、個人的にはそちらに期待することにしましょう。

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リスクをとってリスクヘッジ?-外国資産投資の意味

奇妙な表題と思われるかもしれませんが、「何が本当のリスクか?」という視点で物事を見れば、通常、リスクを取る行為とみなされるものがリスクヘッジになっていたり、リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっていたりということが往々にして起こります。

もう、既にその1例をお示ししました。

「仕組預金等、名目の元本を保全することに固執して、実質購買力が失われるリスクを平気で取る傾向にある人が多いこと」が「リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっている」実例でした。

今回は、外国資産投資もこれに当てはまるというお話をしようと思います。

私の経験上、年配の方は特に、外国資産は怖い、わからないといった反応で、ご自身の資産ポートフォリオにほとんど外国資産が含まれていないといった方が非常に多いように思います。

このような方は、「外国資産や外貨を持っていると為替リスクを背負うことになるので危険」と考えているように思われます。

このような発想で、多くの預貯金と、よく知っているつもりの少々の日本株式といった資産のポートフォリオ構成であるとすると、

円安による輸入物価の高騰や、それによる、あるいは他の理由による円通貨のインフレ等が発生したとき、あなたの資産はどうなるでしょうか?

あなたの資産の実質購買力は確実に減少します。

一方で、資産の一部で外国資産、例えば外貨MMF等の短期外貨資産を持っていたら、同じ状況でどんな結果になるでしょうか?

円安により、外貨MMFの円建ての資産額は増大し、これが、輸入物価の上昇による生活コスト増をまかなうための原資となります。また円通貨のインフレであれば、外貨の部分はインフレによる実質購買力の毀損はなく、通常の状況では外貨建て短期金融資産による投資においても実質購買力は維持向上しますので、このような状況による被害が軽減あるいは無くなります。

また、ここ数年言われ続けている、日本国の大借金体質はどうでしょう?このまま順調に日本国の借金が天文学的に増えていくと、安心して円通貨を持っていたいという人は増えるでしょうか?減るでしょうか?

このような理由で、将来、予想もできないほどの円安が待ち構えている可能性も否定できません。

日本は少子高齢化の面からいっても、世界で最もひどい状況にあると言え、主にこのような理由によるものと思われますが、世界最低水準といってよいほどの経済成長率の低さをも誇っています。

理由は異なりますが、過去20世紀において、世界の最先端の資本主義市場としての地位を失ったイギリスでは、実際、驚くほどのポンド安がこの世紀に発生しています。

これらの日本国固有の状況や先進斜陽国の過去の実例等を考えると、為替リスクを避けて外国資産を持たないことは、果たしてリスクを回避していると言えるでしょうか?実は、大きなリスクを取っていることになってはいませんか?

これが、今日の表題の「リスクをとってリスクヘッジ?」の意味です。

円建てで元本を割ることが、本当のリスクなのか。そのリスクが回避できれば、極端な話、その元本ではコーヒー一杯も飲めない状況になるリスクは被ってもよいのか。ご自身のリスクを真摯に直視すれば、リスクについていつもとは違った側面が見えてくるのではないかと思います。

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2007年2月19日 (月)

個人にとってのALM(2)

昨日、「個人にとってのALM」でご紹介したように、ご自身にとっての負債(Liability)は何かを考え、それに出来るだけマッチした資産(Asset)ポートフォリオを考えることが、個人にとってのALM(アセット・ライアビリティ・マネージメント)の出発点になると思います。

例えば、借金もローンもなく、子供も巣立って、自身の将来の生活費のみを考えればよい年金のみ収入の人を考えてみます。国と企業年金で不足する額が毎月10万円で、仮に余命が20年だと置くと、

不足額月額10万円×12ヶ月×20年=2400万円

となりますので、現在2400万円の資産を持っているとしたら、この時点でご自身の資産と負債は等しく、マッチしています。(A=Lの状態)

では、これを将来においてもA=Lが維持し続けられるようにするにはどうしたら良いかと考えたときに、前回ご案内したようなインフレ連動債券が存在すると非常に都合が良いのです。

すなわち、仮にこの人が2400万円をインフレ連動債券に投資したら、将来インフレが起こってもデフレが起こっても、将来の生活に必要な実質購買力は保たれている状態を維持し続けることができます。

インフレが起こったら、将来生活に必要な額が増えます(負債Lの増加)が、他方、インフレ連動債券に投資している資産額(A)も論理的に同額だけ増えるので、A=Lの関係が保たれるのです。

上記は、非常に単純な例で、これほど単純な状況にある人は実際にはいませんが、自身の負債(Liability)に着目して、それに見合った資産を持つことにより、将来、資産が負債を下回ってしまうリスクをコントロールするのは、実は企業においてはごくごく当たり前のリスクマネージメントの初歩であり、個人においてもこのような発想を出発点にして、どういった資産運用を行っていくべきかを考えていく必要があると思います。

この出発点から、例えば

-国の年金がインフレをキャッチアップできるかどうか、あるいは現在の年金水準を維持できるかどうかが疑わしいので、インフレ連動債投資額を増やす。(インフレ連動債の代わりに個人向け10年国債で代用する。)

-現在の資産残高が2400万円もないので、将来の負債をまかなうために、働けるうちにもう少し働いて資産を積み上げる。あるいは、よりインフレ抵抗力がある株式、不動産等に一部投資する。

-日本国の債券への集中投資は不安。そこで、一部はUSドル、ユーロといった外貨の投資に振り向ける。

-平均の余命よりも長生きする可能性もあるので、生命保険会社の年金商品(終身年金)に一部資金を振り向ける。

といった、個人個人の都合や状況等に応じた様々な応用をしていくことにより、個人にとってのALMは実現していくものと思います。

「元本を失いたくないので元本保証」といった短絡的な判断で金融商品を購入し、実は手数料をぼったくられて資産はろくに増えず、また解約不能な商品で身動き取れず、かつ満期にはインフレが進んでいて、帰ってきた資金の実質購買力は地に落ちているなんて目にあわないよう、金融に関するリテラシーをアップさせていきましょう。

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2007年2月18日 (日)

個人にとってのALM

以前に何度も書いていますが、「自分にとって何が本当のリスクか?」ということに真剣に向き合わないと、容易に元本保証や表面利率の高さにつられて、金融機関にだまされることになってしまいます。

運用資金は墓にいっしょに現金で埋めてもらうつもりでない限りは、ご自身あるいは遺族がモノに換えるために存在しているものですから、その実質購買力の維持拡大が究極的な資産運用の目的であり、その実質購買力の喪失危険のあるナンセンスな商品が「見える」ようになることが、自立した「投資者」、ご自身の資金の「運用者」となるためにはぜひとも必要なことだと思います。

実は海外では、このような資金の実質購買力ヘッジのために、ある意味理想的な投資ビークルが、海外の投資家向けに存在しているという話をしたいと思います。

それは、「物価連動国債」あるいは「インフレ連動国債」と呼ばれる、国が発行する債券です。通常のこのタイプの国債は、CPI(消費者物価指数)の増加に合わせて、債券の元本とクーポンが同一の比率で増加していくしくみになっており、CPIで測った将来のインフレ率を超えるリターンがあらかじめ確保されているという、ある意味優れものの債券です。

例えば、米国の証券会社口座を開設すれば、債券が買える証券会社であれば、米国のインフレ連動国債を買うことができます。またこれらの債券で構成されたETFも存在し、債券が買えない証券会社でも下記のようなETFを買うことにより、米ドル建てでのインフレヘッジが可能です。

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=TIP&fdtab=snapshot

このような債券は、米国、ドイツ、オーストラリアと言った先進各国で発行されています。

日本では、インフレ連動国債は日本国が発行しているのですが、現状では機関投資家向けのビークルであって、個人投資家が買うことはできないようです。なので、インフレ連動国債でファンドを組成して、個人向けに販売している投資信託会社があります。ただ、残念なのが信託報酬が1%近かったりして、あまり魅力的なファンドになっていないところです。

表題のALMはアセット・ライアビリティ・マネージメントを意味します。すなわち、個人の主なL(ライアビリティ:負債)は将来のご自身の生活コスト等のモノの価格なのですから、個人のA(アセット)はその負債にマッチするような資産ビークルで投資するのが、最もリスクの少ない投資ポートフォリオであって、それが個人のアセット・ライアビリティ・マネージメントのスタート地点ではなかろうかと考えます。

日本国もそのあたりをきっちり考えて、個人向け投資教育をしながら、個人向けに魅力的な物価連動国債を提供するくらいのことをやってほしいものです。

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2007年2月15日 (木)

仕組預金の罠

最近は様々な銀行で、いわゆる仕組預金と呼ばれる、デリバティブを内包した預金商品が売られているようです。

この商品の典型的な特徴は、預金満期を顧客ではなく、銀行側が決めるというところにあります。すなわち、将来の市場金利状況によって、あらかじめ提示した条件で継続したほうが有利か、それとも継続せずに満期にしてしまって預金終了させたほうが有利かを「銀行が」判断し、実際の預金満期が事後的に確定することになります。

いわば、銀行側が事後的に有利なほうを選択できる権利を顧客から買い、顧客側はその価値ある権利を銀行に売り渡し、その見返りとして報酬(オプション料)を得る、典型的なオプション取引になっています。

顧客が得るオプション料は、この仕組預金の場合は、通常の預金では得られない追加的な上乗せ金利となります。仕組預金を買いたいお客は、通常の預金よりも高い預金金利を目当てにしているものと思われます。

正当なオプション取引であれば、両者の取引される潜在的価値は取引時点では同一であり、どちらが結果的に得するかはある意味フェアな丁半ばくちの形になっているはずで、その取引自体になんら問題はありません。

問題の1つは、販売側と購入側には明らかな情報格差があって、このような一般個人を対象とするデリバティブでは、購入者が圧倒的に不利な条件になっていることが通例であることです。通常のこのようなリテール商品では、私の経験上は、そのオプションにかかる支出とそのオプションから得られる収入の比は60~70%程度であることが多かったです。この比率を返戻率と呼ぶことにしましょう。

これらのオプションを一種の投機だと見ると、同じく投機のパチンコの返戻率は90%程度といわれています。これが宝くじの場合、50%程度と言われます。

簡単に言えば、1万円を握り締めてパチンコに行くと、帰りの財布の中身は平均的には9千円になっているということを意味します。仕組預金のオプションはそのパチンコより圧倒的に不利な賭けになっている可能性が高いのです。

すなわち、銀行等の金融機関で仕組預金取引をするということは、預金金利の一部で、パチンコよりも圧倒的に不利で、宝くじよりはましなばくちをするのとあまり変わらないということになります。

まあ、確率的に負けていくことが半ば運命付けられたパチンコや宝くじを楽しむ人が世の中にはたくさんいることを考えれば、預金商品の中に非常に不利なばくち要素が入っていることがあながち問題とは言えないのかも知れません。

もう1つの問題は、「元本保証とインフレリスク」のところでも以下のように書いた、

「投資をする人はいつの時代も名目の価値保全には異常に執着する傾向がありますが、自身の将来の生活コストに関係する実質価値保全にはとんと興味を示さないどころか、名目価値保全のために実質価値を失っていくリスクを平然と取ってしまう傾向にある」

という、非常に数多くの人の「実質価値保全よりも名目価値保全にこだわってしまう愚」に関係する心理を、金融機関が利用していると思われることです。

例えば、今現在の1万円が一年後に確実に1万500円に増えて、元本を失うことのない商品を選ぶとします。

この商品を買えば一年後には必ず増えて帰ってくるとしても、実質価値が保全されているかどうかはわかりません。1年前に1万円で買えた商品が、極端な話、2万円に値上がりしているかもしれません。

通常の人は、お金という紙切れを墓場に持っていきたいわけではなく、お金と引き換えに、生活物資その他のモノを買うためにお金を管理しているのですから、1万円が1万500円に確実に増えたとしても、その間にモノの価格が2倍に跳ね上がってしまっては、生活者にとって大きなリスクに直面してしまいます。

すなわち、1万円が元本割れせずに確実に1万500円になる商品よりも、モノの価格が2倍になったときは、確実に1万円が2万円以上に増え、モノの価格が半分になったときは、確実に1万円が5千円以上で帰ってくる投資ビークルの方が、生活者の将来生活リスクはヘッジされているので、安全な商品であるはずです。

同じことが上記の仕組預金にも言えます。将来、市場金利が異常に上がって物価も上がってしまうケースを想定した場合、仕組預金に投資してしまっていたら、銀行に有無を言わさず満期を延長されてしまい、周りの人がもらう金利水準よりも低い金利で我慢しなければならなくなり、またその間、どんどん物価が上がって投資金の実質購買力がどんどん下がってしまうのを、ただただ指をくわえて見ていることしか出来なくなります。

お金の額面が減るのがリスクか?それとも以前買えた必要なモノが買えなくなってしまうことがリスクか?をしっかり考える必要があります。そうしなければ、銀行をはじめとする鵜の目鷹の目の金融機関にあざとく誘導され、わざわざ本当のリスクでないものを重要と錯誤し、パチンコよりも不利なばくちにお金を捨て続ける愚を犯すことになってしまいます。

くれぐれもご注意ください。

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2007年2月13日 (火)

国内証券会社で買える海外ETF

米国証券口座を開設することで、世界最大のETFラインナップ等、投資の可能性が大きく広がることはすでに述べました。しかしながら、言語の壁や管理のわずらわしさ、万一の相続等、ハードルが高いのも事実です。

海外で証券口座を開く決断はできないが、海外ETFのメリットは享受したいという場合は、限定的ながら、日本の証券会社で購入する方法があります。

現時点で私が把握している限りで、最も広範囲な海外投資が可能なETFを揃えているのは日興コーディアル証券です。

米国、ヨーロッパ、オーストラリア、中国(香港)、韓国のインデックスに連動するETFを取り揃えています。

ただ、残念なことに、インターネット注文には対応できていないようです。

インターネット注文対応している証券会社では楽天証券が海外ETFを取り扱っています。

米国、中国、香港、インドのETFがラインナップされています。あと、ヨーロッパのETFがあれば大雑把な世界株ポートフォリオが構築できそうなのですが、現状では楽天証券でのETF世界株ポートフォリオ構築は難しそうです。

ただし、この証券会社はUS株、中国株等の取り扱いに非常に積極的な証券会社です。近い将来、EFA(US除く世界株)等のETFのラインナップもあり得るかも知れません。

楽天証券で口座開設された方は、みんなで海外ETFの取扱拡充を訴えましょう。

日本の証券会社で海外ETFの世界株ポートフォリオを自在に構築できる日が早く来て欲しいものです。

(なお、後日(2007年3月9日)に楽天証券はEFA(US除く世界株ETF)とEEM(新興国株式ETF)の取り扱い開始をアナウンスしました。日本の証券会社で海外ETF世界株ポートフォリオが構築できる日がこんなにも早く来たことは、本当に喜ばしい限りです。詳しくは下記リンクをご覧ください。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/efaeemetf_e69a.html

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2007年2月12日 (月)

米国証券口座開設で実現できること

「海外市場ETFという選択肢」に書きましたが、米国証券会社の口座を開くことで、世界最大のボリュームとバラエティをもつETFが購入可能になります。

これらETF群にアクセスするだけで、米国株、米国以外の世界株、エマージングマーケット、US短期および長期債券、USインフレ連動債、米国以外の債券、USおよび世界のREIT、ゴールド、貴金属、石油等の商品といった様々な投資対象に投資することが可能になります。

これだけでも非常に魅力的ですが、米国証券口座を開設すれば、さらに、以下のような投資商品にアクセスできるというメリットがあります。

    非常に豊富で魅力的な投資信託

米国は世界で最大の金融市場であり、競争も厳しく、手数料も世界一低廉な市場です。投資信託もノーロードのものが多く、信託報酬も日本と比べると魅力的なファンドがたくさんあります。

例えば、世界株式ではこのようなファンドが購入できます。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=VHGEX&fdtab=snapshot

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=PGVFX&fdtab=snapshot

    ADR(米国預託証券)に投資することで世界中の会社の株式が実質的に購入可能

世界中の国の会社が、世界最大の金融市場である米国で資金調達しようとするため、米国の証券市場にアクセスすれば、世界中の株式に実質的にアクセスできます。

このようなメリットのある米国証券口座が、FAXや郵送で申込書等を送るだけで、日本にいながらにして簡単に開設することができます。

ほんのちょっとのチャレンジで、通常の日本人にはアクセスできない有利な投資ビークルにアクセスでき、日本の景気と将来性に依存する、ある意味危険性が非常に高く見返りが小さいかもしれない日本人の投資ポートフォリオを大幅に改善することが簡単にできるようになります。

ぜひ、チャレンジしてみてください。

なお、当ブログの書籍紹介で、米国証券口座開設のためのマニュアルとして使える、「海外投資実践マニュアル 2 アメリカ」を紹介しておきました。米国証券口座を開設してみたいが、そのための道案内を望まれる方は参考にされるとよいと思います。

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2007年2月11日 (日)

海外市場ETFという選択肢

「クレディセゾンとバンガード」でも述べましたが、株式の国際分散投資を日本人が行おうとすると、なかなか適切なビークルが見つかりません。

そこで、いっそ不便で不利な日本市場を飛び出てみてはいかがでしょうかというのが、今回の内容です。

橘玲氏の本「臆病者のための株入門」の最後の章に、このことが述べられています。

橘玲氏は、国際分散投資ポートフォリオを、米国市場に上場されているSPY(米国S&P500に連動するETF)とEFA(米国以外の世界株式市場に連動するETF)を50対50の比率で構成することを提案されています。

【SPY】

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=SPY&fdtab=snapshot

【EFA】

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=EFA&fdtab=snapshot

上記のようなETFは株式と同じくUS証券市場で取引されており、US証券会社の口座を開設して注文を出すことで購入することができます。

SPYの日本でいう信託報酬に相当するもの(年あたり運用費用)は0.1%、EFAも0.35%と破格の水準です。日本の海外株式ファンドの年2%近い信託報酬とは雲泥の差です。

SPY、EFAだけではなく、日本人が狭い日本市場を飛び出てUS市場にアクセスできれば、下のリンクのような、様々なタイプの魅力的なETFが購入可能となります。

http://news.morningstar.com/etf/Lists/ETFReturns.html?topNum=All&lastRecNum=1000&curField=8&category=0

US市場にアクセスできれば、事実上、世界にアクセスできることが、米国市場ETFのラインナップだけ見ても実感できます。

狭い日本の投資商品しか知らない方にはもしかしたら別世界に見えるかもしれません。これからの時代、大きな経済成長率を見込むことが非常に困難な国の投資案件だけに固執すれば、その運用成果は非常に限定的なものに留まってしまう確率が高く、それだけに自分から国境を越えた有利な投資に踏み出すことの潜在的メリットは大きいものと思います。

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2007年2月10日 (土)

投資信託「運用レポート」の怪

日本株式のインデックスファンド等の運用レポートを見ていると、何故かインデックスファンドの方が、ベンチマークであるTOPIX等より明らかにパフォーマンスが良いことがあります。

「インデックスファンドなのにベンチマークよりもリターンが良いなんて、なんてすばらしいファンドなのだろう。」

なんて思ってはいけません。種明かしは「インデックスファンドのリターンはその構成株式の配当金の効果が運用成果に反映されているのに、配当除きのベンチマークと比較しているから」です。

例えて言えば、A君とB君が同じ国語と算数の試験を受けて、先生が採点結果を知らせるときに、A君の結果を不当に良く見せるために、A君は国語と算数の点数の合計を、B君は算数の点数をわざと除いて国語の点数だけを知らせるようなものです。

実際、インデックスファンドはアクティブリスクを可能な限り排除し、いかにベンチマークと同じ資産構成で100%に近い連動率を達成するかが優秀なファンドの条件なのですから、通常、道理がわかる人ならば、

「ベンチマークより明らかによいパフォーマンスである。」

⇒インデックスファンドなのに不当にアクティブリスクを取っている。

⇒インデックスファンドとしては落第ファンドだ。

というふうに誤解してしまいかねません。したがって、上記のように、わざと異なる条件でファンドとベンチマークを比較して、インデックスファンドのパフォーマンスをよく見せようとする投資信託会社は、なんと間抜けなことをしているのかということになります。

ここまでは、単なる笑い話として済ますことができるかもしれませんが、これをアクティブファンドでやっている会社もあります。アクティブファンドの場合は、このような表示方法は一種の詐欺と言えるのではないかと思います。なぜならば、アクティブファンドの場合は、アクティブリスクを取って、ベンチマークを上回るパフォーマンスを目指すファンドだからです。すなわち、実際は配当込みのベンチマークと比べたら大したパフォーマンスでもないのに、わざと配当除きのベンチマークと比較して、当該ファンドの運用者がベンチマークを大きく上回るアクティブαを生み出す運用能力があるかのごとく誤解させる意図があるものと思われます。

このようなアクティブファンドの運用会社の詐欺的表示にだまされないために、ベンチマークとの比較表示を見つけたら、そのベンチマークがファンドのベンチマークとして適切なものとなっているかどうかをチェックされることをお勧めします。

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2007年2月 9日 (金)

元本保証とインフレリスク

いつの時代でもそうなのかもしれませんが、元本保証の商品が人気で、最近は変額年金等がこのカテゴリーの中心のようです。

投資をする人はいつの時代も名目の価値保全には異常に執着する傾向がありますが、自身の将来の生活コストに関係する実質価値保全にはとんと興味を示さないどころか、名目価値保全のために実質価値を失っていくリスクを平然と取ってしまう傾向にあることは、本当に不思議で、かつ非常に残念なことです。

当ブログでも書籍紹介しましたが、『投資「4つの黄金則」』の書籍において、USにおける株式、長期債券、短期証券の名目リターンと実質リターン(年率)の結果がそれぞれ提示されています。

           名目リターン 実質リターン

                    (インフレ率控除後)

株式        9.89%   約6%

長期債券     4.85%   約1%

短期証券     3.86%   約0%

(1900年からの統計。この期間のインフレ率は年平均3.6%。)

投資元本が保証される商品で、名目でゼロ以上のリターンを確保することにはこだわっても、その商品の期待平均リターン水準を検討し、それが将来のインフレリスクに対する抵抗力のある商品であって、実質購買力を維持拡大させていくことが期待できる商品かどうかに注意を払っている商品購入者はあまりいるようには思えません。

投資資金は、自身の墓に札束を持っていくために投資に回されるわけではなく、普通、自身の将来の生活コスト等に回されるわけですから、その実質購買力を維持拡大していける投資結果が期待できる投資ビークルかどうかを慎重に検討する必要があります。

こういった視点で眺めれば、例えば株式比率が15%とか25%のバランスファンドで保険費用と信託報酬が合計で年2~3%もかかるような変額年金商品の場合は、投資のネットリターンが将来インフレ水準に勝てるかどうかが非常に怪しく、実質購買力保全の観点で非常にリスクの大きい商品であることから、購入するに値しない商品であると言えるのではないかと思います。

元本保証(名目のリターン)に固執して、実質リターン(インフレ調整後の期待リターン)に無頓着な投資家が多いのは、将棋にたとえた「王より飛車をかわいがり」ということわざがまさにぴったりはまる現象だと思います。

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2007年2月 8日 (木)

グロソブの代替案

前回、グロソブの問題点として挙げた点を整理すると、

1.複利運用効果の喪失と無駄な税金の支払い

2.高い運用費用にも係わらずアクティブ運用のプラスα成果が確認できない(どころかマイナスαになっている)こと

となります。

したがって、取り立てて年金代わりに受け取る必要がない人で、外国国債相当のリターンを得る国際分散投資を行いたい人は別の投資手段を考えた方がよいのではと思います。

私自身はこの分野はほとんどやっていないので詳しくはないのですが、以下のような手段が考えられるのではと思います。

1.証券会社のボンド・セレクト・トラストを利用して主要通貨のポートフォリオを作る

⇒分配金を出さないしくみであるらしいので、無駄な税金の中抜きを免れることができ、複利運用効果が享受できる。また1%を超える信託報酬を無駄に支払わなくてもよくなる。

2.USドル等の部分は、証券会社でゼロクーポン債を買うことも可能。

⇒同じくクーポンがないので、無駄な税金の中抜きを逃れることができる。また、売買と管理手数料の費用くらいでダイレクトにUSTreasuryが手に入るので、中抜きがほとんどなく、利回りが高くなる。(可能性が高い。購入額水準と後の売却、償還といった対応方法等にもよるかもしれない)

3.数は少ないが、外国債券インデックスファンドを買うという選択肢もあります。

⇒運用費用が低廉で、分配金がほとんど出ないしくみのファンドです。ただし、実は日本の投資信託会社の外国債券インデックスファンドも結構数がなく、また結構ベンチマークに負けていたりします。おそらく、規模が小さく外国債券の管理費用負けとなっているケースが多いのではと思います。

それにしても外貨物は一般に為替の手数料が、マイナー通貨では特にばかになりません。通常の外貨商品で、通貨の往復を頻繁に行うとパフォーマンスがどんどん損なわれてしまいますので注意が必要です。もしかしたら、FX会社等を使った裏技などもあるかもしれません。

おそらく、これからの時代、円のみに頼った資産運用は危険だと思います。なので、外国債券の運用ビークルは日本人にとって重要なツールであるはずなのですが、外国債券運用を考え始めるとまるで手足を縛られているかのような不自由さを感じますね。ほんと、困ったものです。

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2007年2月 7日 (水)

グロソブの問題点

前回の東洋経済の本の中でも触れられていましたが、グロソブは直近の12月1月と資金流出超だそうですね。

本当の所はわかりませんが、毎月配当株式ファンドやより高配当な海外債券ファンドに流れているという主旨の記事でした。

マーケットがよりリスクを取れるようになってきたのであれば真に結構なことなのですが、単にニュージーランド債券のファンド等に流れているだけであれば、その先のいきづまりが近そうです。(金融機関が手数料稼ぎで転がしている可能性もあります。)

前回、「グロソブ等は一般的にはよいファンドではない」と書きましたが、ここで、どこが問題なのか整理してみようと思います。

【グロソブ等毎月配当ファンドの問題点】

・分配をするため、複利の効果が期待できない。また、元本超の分配金部分には現状10%(将来的には元の20%に戻る可能性が高い)の税金がかかる。したがって、定期的な受け取りが本当に必要な人以外には、まさにお金をドブに捨てるしくみになっている。

・世界各国の国債に投資するだけなのに、1%をはるかに超える信託報酬が毎年運用費用として資産から引かれる。それだけの運用費用を取った見返りとしてのアクティブファンドとしての腕の見せ所は、ベンチマークと異なるカントリーアロケーションの判断のみに依存すると思われるが、そこでプラスアルファのリターンが稼げているとはとても思えない。(順調にベンチマークに負けている)

したがって、退職して受け取る年金が心もとない人等、本当に毎月受け取る必要がある人以外は、手を出すべき商品ではないと個人的に思います。

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2007年2月 6日 (火)

東洋経済

本日、本屋で週間東洋経済の「危険な資産運用」の表題が目に止まり、買ってみました。

内容は、一言で言うと「あなたのグロソブ大丈夫?円高リスクが高まっているよ」という内容でした。

私自身もグロソブをはじめとする毎月配当外債ファンドが一般にはよいファンドではないと思っています。しかしながら、この内容は、正直、「ずいぶん前からグロソブにお金を入れてユーロ等に対する長期の大きな円安効果を享受してきた人の方が、今までこのチャンスに指をくわえて見ているだけで、かつ今になって『円高リスクあぶないよ』とあおる記者よりも結果的にずっといい目を見てるな」と思います。

すなわち、米ドルを除く主要通貨では軒並み円安トレンドが過去6年もの間続いているのですから、以前からグロソブに投資していた人は十分円安効果のうまみを享受し、儲けを出しているわけで、少々の円高などいたくもかゆくもないはずです。

http://quote.yahoo.co.jp/q?s=EURJPY=X&d=c&k=c3&a=v&p=m130,m260,s&t=ay&l=off&z=m&q=l&h=on

上記のユーロのグラフを見てもらってもわかるとおり、6年程度かけて1ユーロ90円から最近では、160円近くまで円安が進んでいます。(そしてグロソブの最大の投資先はユーロソブリン債です。)

また、投信マーケットの圧倒的多くの資金がグロソブに集まっていて、そのグロソブの資金の半分近くがユーロで、円高による減価リスクを心配するのであれば真っ先にユーロ円を議論すべきなのに、なぜかドル円のことばかり書いてあるように見えるところも、結構ナンセンスです。

この手の週刊誌の記事は、所詮、危機感をあおってたくさん売ろうとしているだけだからだと思うのですが、いつも穴だらけです。

たぶん、もっと真剣に読むといくらでもつっこみどころはあるかと思います。みなさんもこの手の話にあおられないよう、ご注意を。

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2007年2月 5日 (月)

クレディセゾンとバンガード

国際分散投資をしようと思ったときに本当に困るのが、まともな海外株式ファンドが日本にはろくに存在しないことです。

海外株式ファンドは、平気で2%近くの信託報酬を取るファンドが多く、また海外株式の配当には現地で税金がかかるらしいこと等もあって、日本の投資信託会社の海外株式ファンドは得てして、とてつもなくみすぼらしいパフォーマンスであることが多いのです。

(海外株式ファンドを選ばれる際は、注意された方がいいです。)

私は、日本の証券会社ではマネックス証券のトヨタ・バンガード海外株式ファンドに投資し、上記の要因をある程度緩和してきました。それでもトヨタアセットにだいぶ抜かれてますので(信託報酬は合計で1.30%、それに対し、おおもとのバンガードの信託報酬はたった0.25%です。すなわち、日本のトヨタアセットに年1%以上抜かれているということです。)、今回のクレディセゾンとバンガードの提携はよい話です。

http://www.vanguardjapan.co.jp/news/news23.html

信託報酬の低い、良いバンガードの海外株式インデックスファンドがクレディセゾンで組成されて、切り替え可能であれば、すぐにでも切り替えたいところです。

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2007年2月 4日 (日)

円安(2)

前回の「円安」で書いた日本の構造的な要因について、以前ある掲示板に投稿した内容をここで紹介したいと思います。

以下、投稿//////////////////

V-Max - 07/1/14() 9:13 -

スワップ狙いの投資の是非は、ある意味外貨、為替に関する投資の是非に
似ていると思います。

スワップ狙いの投資は、「内外金利差は為替レートで概ね自動調整される
ので、円資産超過の金利収入は長期では元本の為替差損で相殺される」
として批判されることが多いのではと思いますが、これをいってしまうと
「内外金利差は為替レートで概ね自動調整されるので、外貨資産投資は
円資産投資の期待値に長期では近似する」と主張しているようなものなので、
ある意味外貨保有の意味自体を否定することになってしまいます。

日本ではドル円しか注目されないので、日本円が米ドル以外の通貨に対して
6年もの間、ほぼ一貫して円安傾向で推移していることが公に注目される
場面があまりないようですが、個人的には、これは20世紀のポンドと同じ、
先進国が世界の主役から落ちていく際のその国の通貨の超長期の下落トレンド
の始まりなのではないかと危惧しています。

http://quote.yahoo.co.jp/q?s=EURJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=GBPJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=CHFJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=AUDJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s

なかなか手に入りにくいのですが、上記のような先進国に対する円の下落
トレンドと同じく、中国、韓国その他新興国に対しても円は同様の下落
トレンドを描いているようです。

金融理論上ではスワップ狙いの投資、加えて外貨投資自体の意味まで
切捨てられてしまう可能性がありますが、実際、20世紀の英国ポンド
のように、フリーランチのない理論世界では想定できないような一方向
の巨大トレンドが為替では起こりえます。

金融理論では期待超過リターン0として、投機と判断される部類の行為
でも、実際世界では理論的、確率的にはおよそ発生し得ないような巨大
トレンドが往々に発生し、その順方向にポジションを取れば大きなリタ
ーンが得られます。
その可能性として今、妙味があるのが、米ドル以外の外貨買い円売り
ポジションなのだと思います。今のこのような円安(米ドル以外の通貨
に対して)が続く限り、円金利が非常に低いので、スワップ狙いの投資
は結果的に大きな実を結ぶことになると思われます。

まさに、ポジションを取るも自由取らぬも自由、すなわち、理論的に
期待値0だから投機でやらないという人も、それでも妙味があると考え
やるも自由。スワップ狙い投資の場合は今のところ、妙味を感じて投資
する人が恩恵をこうむる展開が続いているというところだと思います。
私個人は、このトレンドは超長期でつづく可能性があり得ると考え、
外貨資産(米ドル以外)を努めて保有するよう、心がけています。

以上、投稿終わり//////////////////

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円安

円安が進んでいますね。

今日の日経新聞ではやけに円安が強調されていました。

もうずいぶん前(6年ほど前)から米ドル以外の通貨に対する円安トレンドは継続しており、私もずいぶん前から外貨投資の必要性には注目していました。

いったいいつになったらマスコミはこの現象に気づくのだろうと思っていましたが、やっとこさマスコミも気づいたようです。

私は投資でフィナンシャルフリーダムを目指してしており、そのため株式を中心とした国際分散投資を行っています。

昨年も一昨年も海外通貨に対する円安で、投資のパフォーマンスはざっくり言って+10%程度かさ上げされていると思います。

日経新聞は、この円安は日本の超低金利政策のせいとしていますが果たして本当でしょうか?直近の日本のゼロ金利政策解除の時期から、かえって円安が加速しているのはなぜ?米国の短期金利の上昇が止まった最近は、米ドルに対しても円安がかえって進んでいるのはどうしてでしょう?

新聞に書いてある、いかにももっともらしい理屈は、往々にして後付けのいいかげんなものであることがよくあります。(読者がどこかの業界の専門家であれば、その専門分野の記事がいかにいいかげんかは、よく経験されていることでしょう。)

金融に対する記事も同じです。私は、この円安は現在の日本の国の構造的な要因によって起こっているのではと疑っています。

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初日

思い立ってブログを立ててみました。

これから私の趣味である読書と投資に関することを中心に書いていきたいと思います。

それではよろしくお願いいたします。

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