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2007年2月25日 (日)

ご当地ファンドの矛盾

昨今、地方銀行等でいわゆる「ご当地ファンド」の販売が盛んなようです。たぶん、地元の野球チームやサッカーチームを応援するような感覚なのでしょうが、実はこのようなファンドは、下記のような、一般の投資信託の存在意義に逆行する特徴を有している投資ビークルです。

・わざわざ、投資資産を地域限定し、投資の分散効果を減じており、投資の対リスクリターンを悪くしている。

すなわち、個人投資家が個別株式ではなく投信を選ぶ理由のひとつには、リスク/リターンが有利な投資をしたいので投資先の分散をしたいが、そのために個人で多くの個別株式銘柄を適切に保有管理していくのは非常に難しいため、専門の業者にそれを委託する、そういった根源的な理由があるはずです。(個々のお客がそれを理解しているかどうかは別として)

例えば、あるご当地ファンドは、自動車関連の株式の比率が全体の30%にも達しているようです。(TOPIXにおいては輸送用機器は10%程度)

例えば、このような業種、地域の偏った集中投資により、地元企業や集中投資先の経営が悪化したら、保有しているご当地ファンドが大きく下がるだけでなく、自分の地元の地方税収入が激減して、地方税の値上げや行政サービスの低下、地方行政の破綻等のダブルパンチを食らう可能性が高まります。

まさに、給料で自社株積み立てをする愚に近い発想と思われます。

また、この「ご当地ファンド」に投資することにより、ご自身の居住する地域に根ざしたリスクをも増幅しています。

この集中リスクは上記のような単純な企業業績悪化のみで発生するわけではなく、例えば地震などの災害でも全く同じ負のダブルパンチを食らう可能性もあります。(家等を失ったら、負のトリプルパンチかもしれません。)

こういった様々な集中リスクを避け、分散による対リスクリターン向上という便益を個人投資家に提供するのが、投資信託の本来の存在意義なのではないでしょうか?

うがった見方をすれば、地元野球チームを応援したくなる人の心理を、地域金融機関や投資信託会社にうまく利用されているような気がします。

地元企業で応援したい企業があるのなら、ぜひ、個別に投資されることをお勧めします。そうすれば、1%~3%といった販売時手数料も、年1.5%もの運用費用も払う必要がなくなります。その浮かせた費用の半分でも地元に寄付、還元すれば、地元経済や地方財政にずっと貢献できるのではないでしょうか。

えっ、そんな地元企業はない?なら、ますます「ご当地ファンド」に投資してはいけません。経済的便益もなく、リスクを増幅させるのはまさにナンセンスです。国際分散投資による良好なリスク/リターンを示す投資ビークルを利用してどんどん利益を出し、どんどん税金を払って地域経済に貢献しましょう。

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