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2007年2月21日 (水)

リスクをとってリスクヘッジ?-外国資産投資の意味

奇妙な表題と思われるかもしれませんが、「何が本当のリスクか?」という視点で物事を見れば、通常、リスクを取る行為とみなされるものがリスクヘッジになっていたり、リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっていたりということが往々にして起こります。

もう、既にその1例をお示ししました。

「仕組預金等、名目の元本を保全することに固執して、実質購買力が失われるリスクを平気で取る傾向にある人が多いこと」が「リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっている」実例でした。

今回は、外国資産投資もこれに当てはまるというお話をしようと思います。

私の経験上、年配の方は特に、外国資産は怖い、わからないといった反応で、ご自身の資産ポートフォリオにほとんど外国資産が含まれていないといった方が非常に多いように思います。

このような方は、「外国資産や外貨を持っていると為替リスクを背負うことになるので危険」と考えているように思われます。

このような発想で、多くの預貯金と、よく知っているつもりの少々の日本株式といった資産のポートフォリオ構成であるとすると、

円安による輸入物価の高騰や、それによる、あるいは他の理由による円通貨のインフレ等が発生したとき、あなたの資産はどうなるでしょうか?

あなたの資産の実質購買力は確実に減少します。

一方で、資産の一部で外国資産、例えば外貨MMF等の短期外貨資産を持っていたら、同じ状況でどんな結果になるでしょうか?

円安により、外貨MMFの円建ての資産額は増大し、これが、輸入物価の上昇による生活コスト増をまかなうための原資となります。また円通貨のインフレであれば、外貨の部分はインフレによる実質購買力の毀損はなく、通常の状況では外貨建て短期金融資産による投資においても実質購買力は維持向上しますので、このような状況による被害が軽減あるいは無くなります。

また、ここ数年言われ続けている、日本国の大借金体質はどうでしょう?このまま順調に日本国の借金が天文学的に増えていくと、安心して円通貨を持っていたいという人は増えるでしょうか?減るでしょうか?

このような理由で、将来、予想もできないほどの円安が待ち構えている可能性も否定できません。

日本は少子高齢化の面からいっても、世界で最もひどい状況にあると言え、主にこのような理由によるものと思われますが、世界最低水準といってよいほどの経済成長率の低さをも誇っています。

理由は異なりますが、過去20世紀において、世界の最先端の資本主義市場としての地位を失ったイギリスでは、実際、驚くほどのポンド安がこの世紀に発生しています。

これらの日本国固有の状況や先進斜陽国の過去の実例等を考えると、為替リスクを避けて外国資産を持たないことは、果たしてリスクを回避していると言えるでしょうか?実は、大きなリスクを取っていることになってはいませんか?

これが、今日の表題の「リスクをとってリスクヘッジ?」の意味です。

円建てで元本を割ることが、本当のリスクなのか。そのリスクが回避できれば、極端な話、その元本ではコーヒー一杯も飲めない状況になるリスクは被ってもよいのか。ご自身のリスクを真摯に直視すれば、リスクについていつもとは違った側面が見えてくるのではないかと思います。

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