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2007年3月

2007年3月27日 (火)

ドルコスト平均法について

いわずと知れたドルコスト平均法について、これを国際分散投資で用いる場合の私見について、今回は触れて見ようと思います。

ここで、ドルコスト平均法とは、通常、株式や投資信託等の資産を毎月やその他定期的な時間間隔で一定金額ずつ買っていく投資方法で、このようにすると上下変動の激しいリスク資産について、一株、一口あたりの平均購入金額を低く抑え、もってリターンを高めることのできる可能性のある投資方法です。

しかしながら、すべてのケースで平均購入金額を低く抑えることが出来るわけでは当然なく、その株式や投資信託が一本調子で上がり続ける場合には、投資のタイミングが遅れるため、リターンもかえって小さくなってしまうというデメリットがあります。

したがって、ドルコスト平均法が有効な資産の動きは、

長い間底練りをする資産

ボラティリティが高く、しかも往来相場を示す資産

であって、逆にドルコスト平均法が裏目に出るケースは

一本調子に資産があがり続ける場合

になります。

問題なのは、「将来の資産の動きは、未来を占う水晶玉を持たない一般の人にとって読みきることは難しく、そのような人はドルコスト平均法は裏目に出てしまう場合があり、また逆に将来の動きが読みきれてドルコスト平均法のデメリットが回避できる人はそもそも、ドルコスト平均法といった投資法は必要ない」という、ある意味での自己矛盾が存在しているということです。

また、例えば、世界株式が、概念的な無リスク金利より+3~5%程度の無リスク資産超過収益率を持つものと仮定し、そして上下対称の10%程度の年率ボラティリティがあると想定して見ます。

すると、今1,000万円の資産があって、これを毎年100万円ずつドルコスト平均法で投資すると、最初に1,000万円全額を一時に投資するのと比べると、明らかに投資リターンの期待値は下がってしまいます。1年後に投資される100万円は期待値として1年間の平均収益率を失い、2年後に投資される100万円は期待値として2年間の平均収益率を失います。

ここで、10%のボラティリティの存在があるではないかという指摘があるかもしれませんが、ボラティリティは上下対称でぶれる可能性がある特性を持っていますので、平均や期待値を求める場合は上下の可能性が相殺してその影響が消えることになります。

すなわち、正のリターン期待値を持つ資産に対し、ドルコスト平均法を用いて投資時期を全体的に遅らせると、確実にリターン期待値は減少します。

では、なぜドルコスト平均法は非常にポピュラーであって、一般的に支持されている投資法なのでしょう?

1つには、もともと給与生活者等の投資を想定して、毎月給与のうち一定額をドルコスト平均法で投資するといった事例を想定しているものと思われます。もともと一時に投資できる資金がなければ、遺失期待利益額自体も存在しないわけで、そのデメリットもそもそも存在しないわけです。

では、まとまった資金があるケースで、なぜドルコスト平均法での投資が選ばれたりするのでしょう?これは私見ですが、行動ファイナンスが指摘する「後悔回避」と呼ばれる人間の性質が色濃く影響を与えているものと考えます。すなわち、投資可能額全額を一時に投資して、最大期待リターンを得られるポジションを得ることのメリットよりも、その一時投資の直後に市場が急落して、「ああ、この急落後に資産が買えていたら・・・」と後で後悔するのが嫌だという発想により、このような好ましくないシナリオで後悔するような行動をあらかじめ避けようとする人間の性質が投資法の選択に影響を与えているわけです。

これも行動ファイナンスが指摘するポイントですが、人間は利益の好ましい影響よりも、同額の損失の好ましくない影響の方が2倍大きく感じるらしいことが指摘されています。このような人間の感じ方が、期待リターンを最大にするよりも、期待リターンをわざわざ下げても損失ケースでより後悔しない選択を選びがちにさせているものと思われます。

なので、このような人間心理の罠に陥って、よくよく考えてみると意義が感じられないドルコスト平均法投資の用い方をしていないかを考えて見るのも、場合によっては有意義かもしれません。

ちなみに、私は投資用に割り当てた資産はいつもその瞬間に全額投資しています。国際分散投資の場合、正直言って、急落を待っていたりすると、最悪半年一年と投資できず、10%のオーダーのリターンを取り逃したりしますので。期待リターンが高く、分散が効いていてリスクの小さい、現代投資理論に沿ったビークルに投資する場合ほど、一般にドルコスト平均法による投資の意義は小さくなっていくのかもしれません。

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2007年3月25日 (日)

パッシブ運用に対する非難

インデックス投資すなわち、パッシブ運用に対する非難に、「世の中のすべての人がパッシブ運用を行うようになると市場の効率性が落ちる」(主張1)、したがって、アクティブ運用のための企業価値算定、銘柄選択を行っているものは、世の中に市場の効率性という付加価値を提供するために欠くべからぬ存在であり、「パッシブ運用者は、このようなアクティブ運用者の努力、成果を横取りするフリーライダーである」(主張2)というような主張がまことしやかに述べられているようです。

これは、一種の詭弁だと思います。

まず、このような主張をするアクティブ運用者、アナリストといった人達は何も、世の中の市場の効率性を改善するといった高邁な目的のために自己犠牲を厭わず、自らの仕事を追及しているとはとうてい思えないのです。

考えても見てください。アクティブ運用者やアナリストは、

「我々は世の中の常識からかけ離れた低賃金でも、市場の効率性を維持改善するために、自己犠牲の精神で日々最大限の努力を行い続けている。だからファンドの顧客も、アクティブファンドに投資すれば、高確率でインデックスファンドよりも低リターンになるとしても、市場の効率性維持のためにその不利を受け入れ、アクティブファンドに投資し続けて欲しい。」

といっているわけでは決してありません。実情は全くの正反対で、

「我々のアクティブ運用や銘柄選択は、長期においては高確率でインデックスファンドに負けるほど、付加価値のあやしいものだけど、みんながパッシブ運用を指向したら、我々の食い扶持がなくなり、もはや高額給与を得ることは不可能になってしまうから、お客は利口に自らの最大利益を追求することなどせずアクティブファンドに投資し続け、法外な手数料を支払い続けて欲しい。」

というのが彼らの本音だと思います。

自分が市場のためになんら犠牲を払っていないのに、お客に市場のために犠牲を払えとは、なんと都合のよい主張でしょうか。

ここで、もう一度、彼らの主張をよく見て見ましょう。

まずは(主張1)ですが、もし、世の中のすべての人がパッシブ運用を行いはじめ、市場の効率性が落ちたとすると、このような主張者にとってまさに絶好のシチュエーションが到来するのではないでしょうか。このような市場の非効率性を利用し、破格の儲けを生み出して、破格の待遇や破格の利益を享受すればよいだけのはずです。まさか、自分たちは聖職者で、市場の非効率性の指摘は行っても、それを利用して個人的利益を最大化することはしないとでもいうつもりなのでしょうか。日頃、ベンチマークに勝つアクティブαを求め、レポートの精度の高さとその先見の明を主張し、高給与を追及しているのに?

このような主張は、「市場の効率性が落ちても、自分はアクティブαを生み出す能力はないので、そこでより儲けることはできない。だから世の中がパッシブに向かわないようにして今までどおりの規模の高手数料をもらい続けるのが一番だ。」というふうに言っているようなものなのです。

次に(主張2)を見て見ましょう。パッシブ運用者が、アクティブ運用者の市場の効率性維持のための努力、成果を横取りするフリーライダーであるとの非難ですが、もしアクティブ運用者が市場の非効率性維持のために貢献できているならば、それはすなわちその非効率性の修正の過程において市場から直接的に見返りが得られているはずです。それはあたかも市場のゆがみから利益を得る、裁定取引業者やヘッジファンドのように。アクティブ運用者はそのアクティブ運用能力により直接的に市場から見返りを得るべきで、それができないアクティブ運用者にはもともと市場価値がないはずです。

パッシブ運用者はアクティブ運用者になんら不利益を与えない存在です。それどころか、アクティブ運用者にとって、無知にもインデックス全銘柄に無作為に投資するパッシブ運用者はメシの種であるはずです。パッシブ運用者はアクティブ運用者がその能動的な銘柄選択により、もはや買う価値のなくなった銘柄を拾ってくれ、とても価値のあるお宝銘柄を不用意に売ってくれる大切な売買相手のはずなのですから。

それにも関わらず、パッシブ運用者をフリーライダーと非難するのは、実はアクティブ運用者自身が、自身のアクティブ運用に付加価値を感じていないことの裏返しではないかと思います。すなわち、アクティブαを生成できていれば、インデックス運用はいわば彼らにとってそのアクティブαを生み出すための良いお客様であるはずで、逆に、アクティブαどころかアクティブマイナスαになっている現実があるからこそ、その負けている相手のパッシブ運用を目の敵にするわけです。

実際、きちんとした文献を当れば、実は、新興国市場等の非効率な市場においても、アクティブ運用は非常にお粗末な成果しか出せていないことがわかります。つまり、「(少なくとも)非効率な市場においては、アクティブ運用の価値は存在する」というアクティブ運用側の主張自体が、根拠のない主張である可能性が高いのです。このような実際の統計結果から、「アクティブ運用が市場に付加価値を提供しており、パッシブ運用はそれにフリーライドしている」という主張の怪しさを感じていただけると思います。そして、「パッシブ運用が蔓延すると市場の効率性が損なわれるので、アクティブ運用がパッシブ運用よりもパフォーマンスが良くなる」というまことしやかな主張の怪しさも、このような実例を知ることによって判明します。

まとめますと、パッシブ運用を行う人がどれだけ多かろうと少なかろうと、アクティブ運用で付加価値を生み出せる人は、市場から直接、その能力に応じた見返りが得られるはずです。だから、パッシブ運用者をフリーライダー呼ばわりする必要もさらさらなく、かえってよいお客様であるはずなのです。実際は、アクティブ運用で付加価値を生み出せずパッシブ運用に負け続けている多くのアクティブ運用者は、付加価値を生み出してもいないのに、パッシブ運用者にその付加価値を横取りされていると主張しています。

なんとナンセンスな主張でしょうか。

市場には見えざる手があり、市場の効率性を維持するために誰にも何の自己犠牲を強いることなどなく、完全に自己の利益のためにアクティブ運用を行う人間が必ず出現します。なので、市場関係者はパッシブ運用による市場の効率性喪失の心配をする必要などさらさらないものと思います。自由市場が勝手に調整して到達するアクティブ運用とパッシブ運用の均衡点に任せればよいのであって、アクティブαを生み出せない運用者が、詭弁を用いて市場をアクティブ運用に引き戻そうとするなど、ナンセンス極まりないものだと考えます。

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2007年3月24日 (土)

バリュー株優位(その3)

「バリュー株優位」というタイトルで世界株に投資する時のバリュー株投資ビークル(ETF)を紹介しましたが、ここでこのような投資行動の元となる統計的な背景をご紹介するのにふさわしい資料がありましたので、今回はそれをご紹介しようと思います。

下記リンクHPのレポート(pdf)をご覧ください。

http://www.dir.co.jp/consulting/report/pension/pension-mngt/05110101pension-mng.html

このレポートを要約しますと以下の通りです。

・グロース株に対するバリュー株優位は、大型株に対する小型株優位に比較するとよりはっきりした現象であること

・バリュー株優位は世界中の株式市場で確認できる普遍的現象であること

・バリュー株はグロース株やブレンドポートフォリオと比較して、ただリターンが高いだけではなく、ボラティリティも小さいケースが多い(すなわち、より低リスク高リターンな特性である)ことも重要なメリット

・それでも1年単位の運用期間で見ればグロース株の方がバリュー株よりもパフォーマンス優位である年も多く、短期の運用ではバリュー株投資が報われる可能性は丁半ばくちとあまり変わりがなさそう(特にアメリカ市場の場合)

このレポートでは、たとえ10~20年の運用でバリュー株が優位であったとしても、企業年金等の機関投資家は単年度決算であることが通常であるため、バリュー株投資へ運用スタイルを傾けることが一般的には難しいことにも触れられています。

これを私が意訳しますと、機関投資家はしょせんサラリーマンであって企業の1年決算での評価を免れることができないため、長期のバリュー株効果は重々承知はしていても、バリュー株に運用ポートフォリオを傾けて、運悪くグロース株の年がやってきてしまった場合、ベンチマークに運用結果が劣ってしまい、低評価や左遷、クビ等が待っている可能性が高いため、10年20年後の通算の成果を重視したポートフォリオを構築することが非常に困難である、ということです。

このようなところにもバリュー株効果が何十年も継続している理由の1つがあったのですね。

我々が自身の資産運用を行うときには、上司や会社に単年度結果で投資運用の成果をあれこれ評価されることは当然のことながらありません。したがって、短期的な運不運に左右されることなく、10年20年単位の運用でより大きな成果が得られる可能性の高い運用ポートフォリオにベットすることが可能です。これは機関投資家に対して個人投資家が非常に有利である点の1つです。

この個人投資家の優位性をぜひフルに生かしたいものです。

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2007年3月22日 (木)

USバンガードETFの実力

日本の海外株式ファンドの実力を、過去5年のパフォーマンスで測ることにより、先日お示ししました。

その内容を要約すると、ファンドの世界の一般論通り、インデックスファンドが大多数のアクティブファンドに勝っている現実と、そのインデックスファンドもその信託報酬水準を大きく越えてベンチマークに負けているという、これまた悲しい現実でした。

ここで、このような悲しい現実を回避するのにUS上場ETFはどれだけ助けになりそうかを見るために、USバンガードのETFのパフォーマンスを見てみることにしましょう。

以下のHPの右下の"Total return chart [pdf]"をご覧ください。

https://flagship.vanguard.com/VGApp/hnw/FundsVIPER

1ページ目のVTIの数値で、米国株式の運用能力を見ることが出来ます。

5年間の年率リターンで見ると、VTIの8.27%に対し、ベンチマークが8.34%とベンチマークに対して、わずか0.07%の劣後にとどまっています。また、この0.07%はこのVTIの信託報酬に一致します。とてつもない精度の運用ですね。さすがインデックス運用の大家です。

3ページ目のInternational ETFsを概観してみましょう。2005年3月4日運用開始ですので、わずか2年間のトラックレコードですが、これだけあればインデックスファンドとしての運用能力を測るには十分です。

             年率リターン ベンチマーク  差

VGK(ヨーロッパ)   18.58% 18.67% -0.09%

VPL(パシフィック)  18.79% 18.95% -0.16%

VWO(エマージング) 24.50% 25.18% -0.68%

日本の海外株式インデックスファンドと違って、ほんとに見事な運用成果に見えます。このような結果を出せるファンド会社のETFで世界株式ポートフォリオを構成すれば、間違ってもベンチマークに1.5%も劣後するような情けないパフォーマンスになる心配をする必要はないものと思います。

他のETFの数字を見ていると、これはUSバンガードのみが有する特殊な能力であるようには思えず、他のUS市場ETFでも似たような良好な結果が得られそうに見えます。

こうして既存の選択肢と比較してみると、US上場ETFは日本人にとって本当に魅力的なビークルになっているなあと改めて思います。

海外株式ETFへ道を開いた楽天証券の英断にも賞賛の声を送りたいですね。

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2007年3月21日 (水)

勝率と期待値

今回は趣向を変えて、確率的、数学的なお話です。

ここに、丁半2分の1ずつの確率の賭けがあります。この賭けに勝ったら掛け金が2倍になり、負ければ掛け金を失うものとします。

この賭け事に、1度負けるごとに投資額を2倍にしていく方法を取れば、絶対に負けないという主張する人がいます。

確かに、

一回目で勝ち⇒1を賭けて2を手にする(2-1=+1)

二回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて4を得る(4-2-1=+1)

三回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて2を失い、4を賭けて8を得る(8-4-2-1=+1)

四回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて2を失い、4を賭けて4を失い、8を賭けて16を得る(16-8-4-2-1=+1)

・・・疲れてきましたのでこの辺で止めておきますが、このような賭け方をすると、いつかは必ず勝ちが舞い込むはずで、そのときは必ず掛け金合計より+1だけ多いリターンを得ることができます。

はて、そもそも丁半2分の1ずつのまさにゼロサムの賭け事ではなかったのでしょうか?なぜそのような賭け事に必勝の策が存在するのでしょうか?

実はこの賭け方は必勝法にはなっていません。例えば最初の掛け金が1万円だとすると、仮に10回負けたとすると、その次の掛け金は1024万円です。

20回連続負けたとするとその次の掛け金は、104億8576万円です。

だれもが資金量に限りがあり、負け続けたときに資金が尽きて資産のすべてを失い負ける確率が、非常に小さい確率ながら存在するのです。

すなわち、

(資金が尽きる前に勝ちが来る確率)×(+1)+(初めて勝ちが来る前に資金が尽きる確率)×(-資金が尽きるまでの総負け額)=0

という等式が成り立っており、無限に資金があるわけではないすべての人にとって、やはりこの賭け方でも所詮、ゼロサムゲームはゼロサムゲームなのです。

でも、この賭け方によって、賭けの性質にひとつ大きな変化が見られます。それは、資金が尽きて破産する事態にならない限り、必ず勝てるという形に賭けの形が変化しているところです。すなわち、最初の勝ちが来るまでを一回の賭けとして見ると、勝率がとてつもなく高くなっています。

勝率がとてつもなく高いけれども、賭けによる勝ち金額が、負けのときの負け金額よりもとてつもなく低いので、期待リターンを計算するとその期待値はゼロとなり、勝ち負けの帳尻が合ってしまっていて賭ける意味のない賭け事になっています。

こうやって例を挙げて示すとその賭け方の無意味さは明らかで、議論の余地もないものと思われますが、実際、人間は結構この心理的な罠にはまってしまう傾向にあります。

まず、本屋に行って株式や投資関係の棚に行くと、「株式投資でXX勝X敗」といったタイトルが目に付きます。人が期待値よりも勝率に反応する心理を知り尽くしたタイトルです。

例えばシステムトレードをやられる方はよくご存知の通り、勝率を高めようとすると得てして勝ちの際の利益額が小さくなり、システム全体として儲かりにくいシステムになりがちです。トレンドフォローのシステムでは実際、勝率は30~40%程度であったりすることが多く、勝率をわざわざ下げても、勝ちの際の利益額が負けの際の損失額を大きく上回るように設計するのが、システムトレードを設計する際の重要事項であったりします。

株式投資でも、「下手なナンピンすかんぴん」なんて言い回しがありますが、延々と倍々投資でナンピンをしていけば、その銘柄が倒産しない限り必ず勝てそうな気はします。でもそれは、その銘柄が万一倒産してしまったら、総資産がふっとんでしまう投資手法であることを意味しているのかもしれません。まさに最初に挙げたゼロサムゲームの賭け方に近い投資方法になっているように思います。

実は、このようなことは投資の初心者のみが行うものでもなく、有名なヘッジファンドであるロングタームキャピタルマネージメントが破綻した理由も結構似たようなものです。それは「どんな国の債券もデフォルトする可能性がある」ことを踏まえずに特定の2国間の国債の鞘を抜くポジションに集中投資しすぎてしまったという理由です。

行動ファイナンスの観点からは、人は負けるのがことのほか嫌いで、だから勝率に異常にこだわり、高い勝率と引き換えに確率的には低くても負けの際に致命的となる戦略をとってしまいがちです。

あなたは、高い勝率を得る代わりに大きな危険を背負ってはいませんか?

冷静にその期待値を計算することと、それでも発生の可能性がある負けに備えて必要な分散を心がけることが、賭け事に限らず投資においても必要なことだと思います。

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2007年3月20日 (火)

海外ETF投資の配当金と税金(その2)

今回はこの前の続きで、海外口座を通してETF等を購入した場合の配当金についての税金取り扱いを説明しようと思います。

海外口座を通してETF等を購入した場合に、国内証券会社の場合と大きく異なるのは、海外証券会社は日本国のために配当金の税金を源泉徴収してくれないことです。したがって、配当金収入がある場合は原則として確定申告により税金支払いを行う必要があります。

ここで、例外規定から先に触れておきます。サラリーマン等、所属会社が源泉徴収と年末調整をしてくれる立場におられる方は、このような副収入の合計が年間20万円以下の場合は、その副収入を申告する必要はありません。したがって以下は、この例外規定に該当しない方にのみ関係する話となります。

海外ETF等の配当金を申告する必要のある方は、これを配当所得として申告します。この際に例えば信用取引の支払金利といった配当金を得るための必要経費等を相殺することができます。前回ご説明しました配当金受け取りの際にUSで支払う非居住者の源泉課税額は、外国税額控除として支払税金額から控除することができます。

国内証券会社を通した場合と違って、源泉課税(10%)で課税関係を終わらせることができないので、かなりまとまった投資額で海外口座を利用していて所得が多く税率水準が高い場合は、国内証券会社を通すよりも課税取り扱いが不利になるものと思います。

この点だけ考えれば、国内証券会社で買える海外ETF資産は国内証券会社を通して購入する方が一般に有利なケースが多いと言えるかもしれません。他にも、購入手数料や為替手数料など、他の要素もあるので一概に有利不利を決めることはできないかもしれませんが。

このような要素があるので、海外証券会社を通した投資の場合は、配当の他にも多額のキャピタルゲインディストリビューションが出たりするオープンエンドやクローズドエンドの投資信託よりもETFの方が一般に税効果は高い(無駄な税金支払いが極力避けられる)ものと思います。逆に言うと、海外証券口座での投資では、税効果の不利を補って余りあるほどのアクティブαを稼げる見込みがなければ、ETFでなく投資信託を選ぶことのメリットはなかなか見出せないものと思います。

上記については、下記のリンクも参考になると思います。(残念ながら英語のサイトですが、言わんとするところは中ほどの表だけ見ても十分把握できると思います。)

http://finance.yahoo.com/etf/education/06

確定申告自体は慣れてしまうと以外と簡単に思えてくるものなのですが、経験がないとかなり大きなハードルに感じてしまうかもしれません。しかしながら、現状では配当金で確定申告をかわしても、資産の売買で確定申告の必要性が生じうる申告制度になってしまっています。またUS証券口座開設等によって広がる投資のキャパシティは、今まで紹介しました通り非常に魅力的です。ぜひ、このような点に怯まずに、多くの方が海外投資の世界に踏み出して欲しいと思います。

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2007年3月19日 (月)

インデックスファンドがベンチマーク通りに回らない理由

前回、日本の海外株式ファンドの実力について、モーニングスターのHPのデータを用いて実際のパフォーマンスを比較することで調べました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5273.html

そこで定石どおり、コクサイのカテゴリーで7つのインデックスファンド集団が、たった1つのアクティブファンドを除いて、他のすべてのアクティブファンドに勝利している姿を確認することができました。

でも・・・、と不満を感じられた方も中にはおられたかもしれません。これら7つのインデックスファンドの平均パフォーマンスを計算すると6.89%でした。一方でこれらインデックスファンドがベンチマークとするMSCIコクサイのパフォーマンスは8.43%です。実に1.54%もアンダーパフォームしています。なぜ、このような結果になるのでしょう?インデックスファンドはベンチマークを正確にトラッキングするファンドではなかったのでしょうか?

実は海外株式インデックスファンドがベンチマークにパフォーマンスで大きく劣後する要因がいくつかあります。今日はこれらの要因についてお話したいと思います。

1.まず最初に考えなければならないのが、信託報酬です。例えば中央三井外国株式ファンドの場合は0.84%の信託報酬がかかります。ファンド自体ができるだけベンチマークを複製するように運用しますので、このようなフィー徴収の分だけベンチマークにパフォーマンス劣後します。

2.外国株式ファンドで考えなければならないのは、それぞれの国において配当金にかかる外国投資家への源泉徴収税です。海外ETFの配当金と税金のところでも説明しましたUSでの配当金への10%の源泉税徴収と同じ事象です。通常、2国間の租税条約で国外の投資家への配当金支払いの場合の源泉徴収税率が定められており、その水準は国家間ごとに異なるようですが、だいたい10%から20%程度のようです。例えば、ファンドの所有株式の平均配当率が3%で源泉徴収率が10%の場合、3%×10%=0.30%だけ、各国への源泉徴収税の支払いのため、パフォーマンスが落ちます。

3.ファンドの受託銀行は日本の信託銀行がなるのが通常ですが、扱っているのが世界中の株式ですので、その先をたどっていくとさらなるカストディ(資産管理を行う業者)が介在することになっているものと思われます。日本株式のファンドのように系列の証券会社が会員となっている証券取引所で資産の売買がすべて事足りるわけではないので、最終的には世界の証券取引所の会員となっている業者に取引がつながれて、その株式資産も電子的な形ではあってもそれぞれの末端のところで保有の記録がなされているはずです。このような状況を支えるために、日本資産に投資するよりも多くの関係者へのコスト支払いがかさむ構造となっていることが、容易に推測されます。また、この手のコストはいわゆる管理コストですので定額制の要素が強く、残高の少ないファンドにおいては特に負担が非常に重くなっていて、パフォーマンスを大きく削る1要素となっているのではないかと思います。

4.これは3の要素にも出てきたポイントですが、残高の少ないファンドにおいてインデックスファンドのトラッキングエラーを小さくしようとすると、インデックスのすべての銘柄をインデックスの通りに買う事はとても不可能で、いきおい、主要な国の主要な大型株を買うことで終わりになってしまうことが多いものと思います。ここで思い出していただきたいのが「大型株よりも小型株のほうがパフォーマンスが良い」という一般論です。インデックスファンドとしてベンチマークからのトラッキングエラーを最小にすることを宿命付けられたファンドは、ファンドの残高が十分なければインデックスを正確に複製することは難しく、しかも流動性があって買いやすくトラッキングエラーも発生しにくい各国大型株で構成されたファンドは必然的にベンチマークにパフォーマンス劣後しやすい状況となります。

残念ながら私は投資信託業界の人間ではないので、上記の要素についてはかなりの推測が混じっており正確なものではないかもしれません。しかしながら、実際、日本の海外株式インデックスファンドのリターンはベンチマークに大きく劣るのが通常で、またその要素のいくつかは構造的なものです。

なので、日本の海外株式インデックスファンドが信託報酬水準を大きく越えてベンチマークに劣後するのは、ある程度までは必要経費と思うべきかもしれません。またそれでも、アクティブファンドのパフォーマンスに比べたらずっとましですし。

一方、これが米国の投資信託であったら、米国市場のETFであったらどうなるのか、私にも詳細はわかりません。しかしながら、世界最大の証券市場である米国市場を本拠地としたファンドやETFであれば、2,3,4の各要素において、それぞれにある程度の改善が見られるのではないかとの期待があります。今後のパフォーマンス推移等を注意深く見ていこうと思っています。

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2007年3月18日 (日)

日本の海外株式ファンドの実力

日本の海外株式ファンドについて、ブログの中で、「悲惨なパフォーマンスしか示せない」などと述べたりしていますが、ここでその現実を再度確認するために、日本のモーニングスターのホームページを使ってパフォーマンスを調べてみました。

このホームページで、国際株式・グローバル(F)という条件で検索し、為替ヘッジをしない国際株式ファンドを検索しました。すると、日本除く海外株式ファンド(コクサイ)と日本含む海外株式ファンド(ワールド)が出てきました。このファンド群の中から、5年以上のトラックレコードがあるファンドを抽出し、また特殊なカテゴリーに投資するファンドやDC年金用のファンド等、個人が買えそうにないファンドを取り除くと、36個のファンドが残りました。

さて、結果はいかに。

その結果をお示しする前に、比較の基準となるベンチマークの値をお示しします。

MSCIコクサイの過去5年の年率リターン:8.43%

(中央三井外国株式インデックスファンドのマンスリーリポートより計算)

MSCIワールドの過去5年の年率リターン:6.59%

(MSグローバルバリューエクイティオープンのマンスリーリポートより計算)

このそれぞれのベンチマークを上回ったファンドからご紹介します。

MSCIコクサイのベンチマークを上回ったコクサイカテゴリーのファンドはただ1つ。

朝日N-vest グローバルバリューオープン:15.67%

MSCIワールドのベンチマークを上回れたワールドカテゴリーのファンドはたった2つ。

AIGワールド株式オープン:9.04%

グローバル・グロース・オポチュニティーズ:7.99%

日本の海外株式ファンドの代表格である中央三井外国株式インデックスファンドはコクサイのカテゴリーで、朝日N-vest、日立外国株式インデックスに続き3位で7.02%でした。

また、このコクサイのカテゴリーでは、

2位:日立外国株式インデックス:7.45%

3位:中央三井外国株式インデックス:7.02%

4位:りそな/SS外国株式インデックス:6.95%

5位:すみしん外国株式インデックス:6.92%

6位:PRU外国株式マーケットパフォーマー:6.72%

7位:ステート外国株式インデックス:6.64%

8位:ドイチェ・世界株式F(インデックス連動型):6.53%

のように、インデックスファンドが2位から8位まで軒並み上位を占めていました。すなわち、9位以下に殆どすべてのアクティブファンドがひしめいていることを意味します。海外株式ファンドにおいてもインデックス運用の有利性は明白です。

それでも、ベンチマークの8.43%と比較すると、インデックスファンドと言えどもパフォーマンス劣位は明らかです。

海外株式ETFの必要性と価値がここにあります。

また、ベンチマークを大きく上回っている朝日N-vest、AIGワールドともに、バリュー株への投資にフォーカスしていること、両者とも海外のバリュー投資に定評のある運用会社に実際の運用を再委託していることが共通しています。(日本の投資信託会社に中抜きされず、直接これらの有能な海外の投資信託会社のファンドに投資できればどんなによいかと思うのですが。)

ちなみに、左のタブでご紹介している米国で買える推奨ファンドの過去5年間の年率パフォーマンスは円建てに直すと以下の通りでした。

PGVFX(中型バリュー世界株):16.85%

VHGEX(大型バリュー世界株):14.76%

(MSCIワールドの年率リターン:6.59%との比較数値となります。)

このような例を見てもバリュー投資の優位性が見て取れます。

最後に、抽出した36本の日本の海外株式ファンドの平均パフォーマンスは5.37%、最悪のパフォーマンスは-1.03%でした。

インデックス運用の有利性やバリュー投資の優位性、運用コストの重要性がとてもよくわかる結果です。

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2007年3月17日 (土)

海外ETF投資の配当金と税金

ちょっと時期を逸してしまいましたが、確定申告の季節が終わりましたね。

楽天証券の最近の快挙(?)もあって、最近、海外上場ETFの注目も非常に高まっているようにも思います。ここで、海外ETFに投資した場合に毎年もらうことになる配当金とその税金について簡単にご紹介し、これから何らかの形で海外ETF投資に踏み出したい方々への情報提供をさせていただこうと思います。

まずは、楽天証券をはじめとする国内証券会社で海外ETFを購入したケースです。

この場合は、日本の市場の株式やETFを購入した場合と全く同じ取り扱いとなります。なのでほとんど説明はいらないと思いますが、1点注意したいところがあります。例えばSPYやEFA等、米国上場のETFを国内証券会社で購入した場合、現状ではUS本国で非居住者源泉税率である10%が配当金から源泉徴収されます。そのUSで源泉徴収された残りの配当金に今度は日本の証券会社が10%の源泉徴収を行うので、通常90%×90%=81%の配当手取り額となってしまいます。

これで何もしなければ、このまま19%の税金が日米両国に取られたままとなり、これで課税関係は完了させることもできます。でも配当金に対して日米に2重取りされたままがくやしい場合、確定申告を行って、USで取られた税金を外国税額控除といった形で支払税額より控除することができます。

ただし、所得税の課税所得に対する税率が20%以上の方は申告すると余計に税金を持っていかれる羽目になるものと思います。国内会社を通したこのケースでは、申告しないで課税関係を合法的に終了させることが認められていますので、このような方は申告しないのが利口です。

また、サラリーマンの方で専業主婦の奥様をお持ちの方は、配偶者所得が年間38万円の基礎控除の範囲内であれば配偶者控除を受け続けられるので、奥様が口座名義人として口座を開いて38万円以内の配当金になる範囲で投資を行って年末に確定申告を行えば、国内源泉徴収分を外国税額控除できれいに取り戻せると思います。また、サラリーマンの方の合計所得金額が1千万円以下の場合、奥様の合計所得金額が38万円を少々超えたとしても、配偶者特別控除の適用によりほぼ同一額の配偶者控除額が維持できます。詳しくは国税庁のタックスアンサーをご覧ください。

http://www.taxanswer.nta.go.jp/1195.htm

次回は海外口座を通してETF等を購入した場合の配当金についての税金取り扱いを説明しようと思います。

(次回はこちらです。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/etf_0f07.html

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2007年3月16日 (金)

複雑系と株式市場

最近、「投資の科学-あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い」という本を読みました。

本屋で最初で見かけてから、不思議と気になりながら買う気は起こらず、最近になって買った本です。そして購入してからもなかなか読もうという気にならなかったのに、電車で読み始めるとあっという間に読んでしまいました。

私は、年に100冊くらいは優に本を読む人間ですが、このようなパターンの本は珍しいです。普通は、買ったらあっという間に読みきってしまうか、積読で決して読みきることはないという2パターンに分かれてしまうことが多いのです。

内容についても、いろんな意味で刺激を受ける本でした。

この本に書かれていたことのうち、本日ご紹介しようと思うのが、株式市場は複雑系として捕らえるべきものであり、いつも明確な原因と結果というわかりやすい関係で市場が動いていると考えるべきではないという主張です。

これは、まさに的を得た主張であり、しかも今非常にタイムリーな話題でもあると思います。

例えば、日銀が金利を上げたら、円安に動いたこと。

例えば、国外の投資家がほとんど関与することのできない中国上海株式市場という閉じた市場での下落がなぜか世界の市場に波及したこと。

昔から、理外の理、材料出尽くしといった様々な言葉で表現された、市場のつかみどころの無さについて、この本は複雑系がもたらす非再現性や非論理性とでも呼ぶべき現象として説明しています。

また、人間は明らかな原因と結果の関係を欲しがるので、例えば市場が暴落した場合、何がその原因となったのか解明しようとするが、それは往々にしてわからないことが多いといいます。しかしながら、株式市場を1つの複雑系として考えると、あるきっかけがあっても、あるときはそれが暴落につながり、またあるときは何も起こらないといったことが起こりうる、それが複雑系の特質であると主張します。

これは、市場と長年接してきた方々であれば、まさに「うん、うん。」とうなずきたくなる内容だと思います。市場と長年対峙していれば、正に不可思議としか思えない市場の反応を何度も経験し、「AだからB。だからC。」といった論理的なアプローチで相場の将来を予測することの不確かさをいやというほど思い知っています。

このような意味で、経験上把握していることが「ああ、こういうことだったんだ。」といった形ですっと腑に落ちる、そんなきっかけを与えてくれる本でした。

マーケットの不思議を感じたら、開いてみるとよい本だと思います。

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2007年3月15日 (木)

自信過剰と株式投資

行動ファイナンスが論じる、投資に際しての人間が持つ自信過剰に関する示唆は実はとても有益です。

これについてよく例に出されるのは、車の運転技術に関しての質問です。

「あなたは平均的な人よりも車の運転が上手だと思うか?」

という質問をすると、50%をはるかに超える人が、Yesと答えるそうです。すなわち、現実は平均以下の技術しかない多数の人が「自分は平均以上」と考えているわけです。

この、ある意味幸せというかおめでたい人間の一般的な性質は、人の人生をよりよいものにするのに多大な貢献をしているはずです。誰だって自分を有能な人間でかつ価値ある人間だと思いたいですし、たとえそれが一人よがりの身勝手な判断であっても、「自分は価値のない人間だ」と思いながら人生を過ごすよりも、ずっとハッピーでかつ前向きであり、またそのような前向きな解釈と態度により、結果的に高確率で価値ある人生を送れることに繋がるだろうからです。

しかしながら、投資の世界においては、この人間が種の保存等のために獲得してきた、例えばリスクをことさらに嫌悪する特質等といった、様々の利点がじゃまになります。この人間が生来もつ自信過剰の特質も、おそらく人間の種の繁栄に多大な貢献をしてきた特質であろうと思いますが、投資に際してはリターンをことさらに減らす原因となり得ます。

投資のプロであるファンドマネージャーが、長期的にことごとくベンチマークに敗れていっている現実がありながら、自分の銘柄選択や売買タイミングの直感的な判断等によりベンチマークに勝つことができると思うのも、ある意味この自信過剰の一種であると思います。

またFXで毎月100%や50%のリターンが出せるかもしれないと考えて無駄にお金を無くすのも、リスク無しに毎年10%のリターンが得られるという投資話にひっかかるのも、自分だけは大丈夫、自分だけはだまされないといった自信過剰のなせるわざかもしれません。

ここで、投資の神様と祭り上げられるほどの世界的に優れたリターンを稼ぎだした人たちが、年間どれほどのリターンをはじき出してきたかご紹介しますと、分野はそれぞれ異なれども、実はそのリターン水準は年20%~30%程度であることが多いのです。

これは通常の株式投資の分野である、ピーター・リンチ、ウォーレン・バフェットもそうですし、ジョージ・ソロスをはじめとする、ヘッジファンドの伝説を支える神様たちのパフォーマンスもだいたいこの水準です。

単純な算数ができる人ならば、あるいはエクセルが使える人ならば、年利20%から30%で何十年も回すことができたら、実際どんな資産が構築できるかはすぐに計算できます。

はっきりいって1人で使いきることはちょっと難しいほどの資産が構築できてしまいます。だから、ウォーレン・バフェットは伝説の人なわけです。しかしながら、実は、株式自体が過去10%といったオーダーの年率リターンを示すビークルなのですから、実際は世界一の投資の神様でさえ、ベンチマークプラス10%から20%以下でしか資産を回せないわけです。

この状況で、例えばFXで月利10%から20%のリターンを上げ続けようとすることは、おそらく通常の人にとっては不可能への挑戦に近いものになります。

投資の世界で勝利するには、こんなホームランは実際、必要ないのです。株式等の長期的に無リスク超過リターンの見込めるビークルに長期投資するだけで十分すぎる資産が構築できることを、過去の歴史は示しています。

それでも多くの人は、早期に破格の成果を得ることを目指して、複利の効果が得られる人生の時間を無駄に費やします。

これは、私自身の自戒でもあります。間違いなく、投資を始めた時点でこの知識が腑に落ちていれば、とっくの昔にフィナンシャルフリーダムを達成できていたはずです。

これを読んでいただいた方の幾人かでも、このような投資に関する回り道を回避してくれたら、私にとってこれ以上の喜びはありません。

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2007年3月13日 (火)

バリュー株優位(その2)

先日、バリュー株優位という題目で、世界的にバリュー株がグロース株に対してパフォーマンス優位であることを紹介し、US除く世界株ETFで実際にバリュー株投資を実践する場合のビークルについてご紹介しました。

当然のことではありますが、このバリュー株優位は、米国株式市場でも一般に成立しています。今日は、この米国株式市場での状況と、ETFで米国バリュー株投資をする場合のビークルをご紹介します。

以下のリンクをご覧ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=iwm;range=20000526,20070312;compare=iwn;indicator=split+volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

このグラフで、IWM(Russell2000 Index ETF)、IWN(Russell2000 Value Index ETF)の両者を比べています。

IWMは小型株全般、IWNは小型バリュー株に投資するETFですが、そのパフォーマンスはIWN(バリュー株投資)の方が大きく上回っています。

Russell2000 Indexは、NYダウ指数やS&P500指数に比べて対象企業が多く、より広範囲な米国株式市場をカバーするインデックスの1つです。

なので、SPYが大型株への投資なのに対し、IWM自体も小型株への投資になっており、SPYよりもIWMのほうが一般にパフォーマンスが良くなる傾向にあります。

以下のリンクをご確認ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=spy;range=20020313,20070312;compare=iwm;indicator=split+volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

すなわち、

SPY(大型株)<IWM(小型株)<IWN(小型バリュー株)

というパフォーマンス傾向を示しており、これは先日書いた、

「大型株よりも小型株の方がパフォーマンスがよい。」

「グロース株よりもバリュー株の方がパフォーマンスがよい。」

という一般論そのままのリターン傾向となっています。

したがって、過去の米国市場を含む世界的な長期パフォーマンス傾向から、米国株投資に際し「小型株かつバリュー株」にベットして超過リターンを目指したいと考えるならば、SPYの代わりにIWNに投資すればよいことになります。

IWNの信託報酬は0.25%程度、IWMの信託報酬は0.20%程度となっており、小型株、バリュー株に投資するコストも非常に低廉なものに収まっています。

日本市場では、日本株でバリュー株に投資するファンドさえお世辞にも充実しているとはいえないお寒い状況であり、それと比べるとなんと米国の投資家は恵まれているのでしょう。

本当にうらやましい限りです。

このような点も、私が米国証券口座での投資をお勧めする理由の1つです。

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2007年3月11日 (日)

バリュー株優位

「勝率XX%でX億円」といったような本ではなく、株式投資に関するしっかりとした本を読みこなしていくと、どうも世界的に株式市場の長期パフォーマンスには下記のような傾向があるようだとわかります。

大型株よりも小型株の方がパフォーマンスがよい。

グロース株よりもバリュー株の方がパフォーマンスがよい。

低配当株よりも高配当株の方がパフォーマンスがよい。

上記の傾向はあくまでも、長期のパフォーマンスの話です。例えば、グロース株の方がバリュー株よりパフォーマンスがよい年も当然のことながら結構あります。でも累積パフォーマンスを比較すると、世界のたいていの市場で、バリュー株のほうが圧倒的にリターンが良いのです。

(興味がある方は、その筋の書籍を当ってみてください。)

現代金融理論では、リスクとは一般にボラティリティのことを示すので、ボラティリティの大きい小型株の期待リターンが大型株のそれより高いというのは、理論上も筋が通っています。

しかしながら、一般にグロース株はバリュー株よりも圧倒的にボラティリティが大きく(例えばUSのNasdaq市場をイメージしていただけるとボラティリティの大きさが容易にイメージできると思います)、理論的にはボラティリティが大きければ期待リターンが高いはずなのに、過去の世界中の株式市場で超長期にわたってバリュー株の方がリターンが高かったという動かしがたい統計事実があります。

「高リスク高リターン」「低リスク低リターン」であるべき理論世界にいる学者にとっては非常に困った事態であり、いろんな理論的説明が試みられていますが、このような現象についてコンセンサスの取れた学術的結論はまだ得られていないものと思われます。

(例えば、「リスク=ボラティリティではない。」とか行動ファイナンスの観点からのアノマリーとしての説明だとかいろんな説明が有り得ます。)

ここで、学問を究める立場ではなく、投資によりフィナンシャルフリーダムを効率的に達成しようとする立場で考えると、以下のようなスタンスに立つことができます。

それは、世界中の学者が考えても誰もが納得できる理論で説明しきれない現象の論理的正解を求めるよりも、とりあえず過去の世界中の資本主義市場において継続的に起こり続けている現象は将来も起こり続ける蓋然性が高いと考え、その方向にポートフォリオをいくぶんでも傾けることによって超過リターンをねらってしまおうというスタンスです。

例えば、以下のようなグラフをご覧ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=qfvox;range=20020310,20070309;compare=efa;indicator=dividend+volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

米国証券会社で買えるQFVOXというUS除く世界バリュー株ファンドと、US除く世界株ETFのEFAを比較しています。

少なくとも過去はバリュー株であるQFVOXがEFAを大きく上回っています。ただし、残念ながらQFVOXの信託報酬は非常に高いので、もしかするとその要因により、将来は過去とは違った結果となってしまうかもしれません。

現在はUS市場のETFもどんどん充実しており、昔は世界のバリュー株ポートフォリオを構築しようとするとQFVOXのようなファンドの中から選ぶしかなかったのですが、今はETFでも世界バリュー株に投資できます。

下記をご覧ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=efv;range=20050805,20070309;compare=efa;indicator=dividend+volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

世界バリュー株にベットしたければ、EFAを購入するかわりに上記のようなEFV(iShares MSCI EAFE Value Index)というETFを買うのも良い方法だと思います。(信託報酬は0.40%と低廉な水準に抑えられています。)

EFVのモーニングスターリンクは下記をご利用ください。

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=EFV&fdtab=snapshot

金融の世界も、他の世界と同じく、すべてが解明されているわけではなく、また完全に効率的な世界でもないかもしれないことがわかります。

なので、金融市場をどこまで効率的市場と思って付き合い、どこから非効率的な市場と思ってポジションを取るかによって、将来の結果は良い方にも悪い方にも大きく変わり得ます。本当に難しく、また面白い世界です。

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2007年3月10日 (土)

Vanguardの新しいETF(海外ETF)

グッドニュースは不思議と重なりますね。

今度は米国証券口座をお持ちの方に朗報です。

バンガードが米国以外の世界株式市場に投資するETFを上場したようです。

ティッカーコードはVEUで、米国以外の新興国市場をも含む世界株式市場を対象としたETFのようです。信託報酬に相当するExpense Ratioは0.25%と、非常に低廉に押さえられています。

今朝、日本の証券会社である楽天証券がEFAとEEMの取り扱いを開始するニュースを書きましたが、このEFA+EEMのポートフォリオをこのVEUで代用することが出来そうです。

詳しくは以下のリンクをご参照下さい。

https://flagship.vanguard.com/VGApp/hnw/FundsSnapshot?FundId=0991&FundIntExt=INT

もし、新興国株式のエクスポージャーを増やしたければ、以下のVWO(バンガードの新興国株式ETF:信託報酬0.30%程度)を追加で買えばよさそうです。

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=VWO&fdtab=snapshot

米国市場ETFもどんどん便利になっていきますね。ポートフォリオ構成を再考する必要があるかもしれませんが、うれしい悲鳴です。

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朗報です!楽天証券でEFA、EEM(海外株式ETF)の取り扱い開始

グッドニュースです。

楽天証券でEFA(米国を除く海外株式ETF)、EEM(新興国市場株式ETF)の取扱開始がアナウンスされました。

実際の取り扱いは3月20日からのようです。

詳しくは、下記のリンクをご参照ください。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20070309_02_us_01.html

楽天証券で既に取り扱っているIVV(米国S&P500株式に連動するETF)と合わせて使えば、容易に世界株式ポートフォリオを構築することが可能となります。

それぞれのETFについては、このサイト左の「米国証券会社で買えるお勧めETF」のところで紹介していますので、ご参考としてください。

また、IVVのモーニングスターリンクは下記をご覧ください。

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=IVV&fdtab=snapshot

これで、日本の個人投資家の国際分散投資のキャパシティが一気に広がりますね。本当に朗報です。

私も、楽天証券に口座開設して、今トヨタ・アセット海外株式ファンドに入れている資金を移していくことを検討します。(トヨタに年1%程度も抜かれるのはほんとナンセンスです。)

皆さんも、日本の投資信託会社の海外株式ファンドで年2%近くの信託報酬を抜かれるのは全く持ってナンセンスだと思います(しかもたいていの海外株式ファンドのパフォーマンスは悲惨だったりします)ので、楽天証券海外ETF利用を検討されることをお勧めします。

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2007年3月 8日 (木)

米国証券口座(Firstrade)の紹介サイト(2)

昨日に続いて、Firstradeを紹介しているブログを見つけましたのでご紹介いたします。

下記のリンクをご覧ください。

http://otsu.seesaa.net/article/35470017.html

いやいや、見事に関連情報がまとめられています。

非常に参考になるブログだと思います。

個人的にFirstradeの良いところを挙げると、配当自動再投資が投資信託のみならず、個別株式でもできそうなところです。(個人的に試したことはないのですが。)

ちなみにAmeritradeでは、外国人は投資信託でも分配金再投資の取り扱いは出来ませんでした。ということで、Firstradeの機能はその価値を感じる人にとっては貴重かもしれません。

DRIP投資(配当金再投資を行う投資方法)に興味ある人は特に魅力的な証券会社に成り得ると思います。

ご参考としてください。

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2007年3月 7日 (水)

米国証券口座(Firstrade)の紹介サイト

標題につき、米国証券口座開設方法等に関して丁寧に説明されているサイトがありましたので、ここでご紹介します。

下のリンクをご覧ください。

http://indexfund.jp/article/26912885.html

http://blog.goo.ne.jp/kokorofund/c/bf8267ca6cc3a93d0d02f82ef5e5c05b

きちんと手間をかけてまとめられていたり、開設希望の質問者に回答したりされており、このような方々には本当に頭が下がります。

米国証券口座を開設してみたい方は参考にされるとよいと思います。

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2007年3月 6日 (火)

複利効果と税金

投資の複利効果と税金の関係は通常、切っても切れない関係にあります。なぜなら、中途の税金支払いは、資産運用上の複利の魔力を大きく減ずる要素となるからです。

ここで、簡単な試算結果をお示しします。

100万円を30年間投資して、この期間中8%の利回りで資産が回ったものと仮定します。途中で分配金等ないものとすると、30年後の運用成果はおよそ1,006万円にもなります。ここで、キャピタルゲインに対して20%の課税があったとすると、手取りの金額は825万円となります。

その一方で、運用成果に対して毎年分配金支払いがあって、分配金に対して20%の源泉分離で課税された後に分配金を再投資することを仮定すると、30年後の課税後の受取額は、643万円程度になってしまいます。

毎年、課税されて少しずつお国に抜かれることで複利運用効果が減じられ、最終的に180万円以上も手取り金額が少なくなってしまうことになります。

これが、受け取りの必要がない人は決して毎月配当ファンド等を買ってはいけない理由でもあります。まさに「塵も積もれば山となる」ということわざ通りの結果です。

同様の理由により、投資信託の信託報酬のちょっとした差も、上記のような計算で、長期の運用の後には驚くほどの運用成果の差になってしまいます。

上記のような計算はExcel等の表計算ソフトを使えば誰にでも簡単に出来るものですので、信託報酬の差異や分配方式の違い等に直面したら、実際に表計算ソフトで試算してから投資判断を行うと、無駄に投資成果を大きく損なうことを避けることができます。

このように考えていくと、投資信託の分配金とはなんと無駄な機能なのかという気になってきます。本当に受け取りが必要な人のみが、定期的あるいは不定期に受け取りが出来るような機能があれば十分ではないかと思います。すなわち、分配金再投資のしくみを作るくらいなら、分配金を無くして部分引出のオプションの取り扱いを可能とし、本当に受け取りが必要な人や必要な場合にのみ税金支払いをするような形にすればよいと思うのですが。ほんと世の中のしくみはナンセンスなものが多いですね。

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2007年3月 3日 (土)

ベンチマークを変えるファンド

投資信託(ファンド)の中には、ベンチマークをころころ変えるものもあるようです。

ここで、投資信託のおけるベンチマークの位置づけと意味について言及してみたいと思います。

例えば、ファンドの運用者が自らの投資判断に基づき、日本株、外国株、外国債券、為替、商品と、縦横無尽に投資対象を変えるような運用者であれば、そのようなファンドをあなたは買いたいでしょうか?

日本株へ投資するファンドだと思って買っていたのに、気づいたらファンドはタイ株に投資していて、暴落を食らって信託財産が大きく毀損していたとしたら、どう思うでしょうか。こんなはずではなかった、こんな勝手な運用を気づかずに行う投資信託会社の商品なんか買いたくないと思うのではないでしょうか?

いや、ベンチマークに相対的に勝つことを目指すファンドより、投資ビークルを縦横無尽に変えることによって、絶対収益を目指すファンドの方が魅力的だという風に考える方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。「ファンドの運用者が自らの投資判断に基づき、日本株、外国株、外国債券、為替、商品と、縦横無尽に投資対象を変えるような運用」と言えば、実質的に「グローバルマクロ」と呼ばれるヘッジファンドの運用形態の1形態に属する運用なのではないでしょうか?

もし、たかが投資信託の運用者が「グローバルマクロ」の運用でジョージ・ソロスのような卓越した能力があるとすると、その運用者はなぜ、海を渡り、ヘッジファンドの運用者として何億円、何十億円といった年俸を得ていないのでしょうか?

すなわち、上記の疑問から、高確率で以下の結論にたどり着きます。

「たかが投資信託の運用者に、グローバルマクロでの良好な運用判断と成果は期待できない。」(もし、万一そのような運用者が投資信託会社にいたとしても、そのような能力者はすぐにヘッジファンドに転身するであろうから結論は同じとなります。)

実際、過去の日本の証券会社は、「タクティカル・アセット・アロケーション(TAA)」だとか、「ファンド・オブ・ファンズ」といった様々な分野で、この自らで投資対象を能動的に選んで追加的付加価値を生成することに失敗しつづけているように見えます。

ここで表題に戻りますが、もし普通の投資信託会社が「自らで投資対象を能動的に選ぶことで追加的な運用成果という付加価値を生成する能力がない」とすれば、ベンチマークをころころ変える会社やファンドは、彼らの能力がない分野で、わざわざ顧客の意向を無視して顧客資産をリスクに晒しているということになり、そのようなファンドは買ってはいけないということになります。

また、ファンド・オブ・ファンズについても、投資分野やそのアロケーションを適切に変更して付加価値を提供しようとするファンド・オブ・ファンズについては、おそらくその追加費用に見合った価値はないであろうことになります。

資金を預ける相手の能力を見極め、能力もない相手や要素に無駄に対価を払うことをやめることによっても、投資のパフォーマンスは向上します。このようなことも覚えておいて損はないものと思います。

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2007年3月 1日 (木)

通貨取引のコスト

中国株の下落等を契機として、世界株式市場の波乱と為替の急激な円高が起こりましたね。いまごろ、東洋経済の記者さんはまさに溜飲を下げているところかもしれません。

でも、円安(2)で紹介しましたとおり、為替は円ドルだけではなく、かつ円は米ドル以外の通貨に対しては軒並み円安が6年以上も続いています。なので、ずっと前から米ドル以外の海外資産をもっている人にとっては、これくらいの円高は痛くも痒くもないといったところだと思います。

なぜ、円は米ドルを除く世界通貨に対して驚くほどの円安が続いているのか、個人投資家に資するために、金融雑誌はそのような特集をして欲しいものです。

なんだか、表題と全く違う話となってしまいましたが、ここで表題に戻りますと、国際分散投資を行う際には、円を海外通貨、たいていは米ドルに換える必要があります。銀行で円をドルに換えると片道1円も取られてしまうのが通常です。証券会社の場合は銀行よりは安いですが、それでも50銭くらい取られてしまうのが通常でしょう。これが、FX(通貨証拠金取引)口座であれば、例えば5銭とかのスプレッドしかかからなかったりします。(別途、小額の固定費用も徴収される場合があります。)

確かにこれは魅力的なところではあります。

なので、FX会社を使って円を低コストでドルに替えてすぐに、他の会社の口座にドルベースで送金するというようなウラ技もあるようです。(個人的にはそこまでしたことはありませんが)

FX会社にとってはこのような使われ方はたぶん想定外で、うれしくないものと思われますが、通貨取引のコストを節約したい方にとってはよいやり方かもしれません。今もできるかどうかわかりませんが、研究してみる意味はあるかも。

米国証券会社の中には、円とUSドル等の交換を5~10銭程度で行える会社も実はあります。海外投資口座を持ち、国際分散投資を行うことが目的であれば、このようなUS証券会社の口座を開くのもよいと思います。

それにしても、日本の銀行や証券会社が、リアルタイムレートで通貨取引を行って5銭程度の費用徴収しかしなければ、そもそも通貨取引のコストで悩む必要もないのです。システムが整備された現代では、1日中同一レートを適用し、そのリスクの裏返しに1円もスプレッドを取るなんてビジネスは前近代的でナンセンス極まりないと思います。しかしながら日本の銀行や証券会社がこのおいしいビジネス構造を容易に手放すとは考えにくいですので、このコストが気になる場合は何らかの自衛手段が必要です。

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