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2007年3月16日 (金)

複雑系と株式市場

最近、「投資の科学-あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い」という本を読みました。

本屋で最初で見かけてから、不思議と気になりながら買う気は起こらず、最近になって買った本です。そして購入してからもなかなか読もうという気にならなかったのに、電車で読み始めるとあっという間に読んでしまいました。

私は、年に100冊くらいは優に本を読む人間ですが、このようなパターンの本は珍しいです。普通は、買ったらあっという間に読みきってしまうか、積読で決して読みきることはないという2パターンに分かれてしまうことが多いのです。

内容についても、いろんな意味で刺激を受ける本でした。

この本に書かれていたことのうち、本日ご紹介しようと思うのが、株式市場は複雑系として捕らえるべきものであり、いつも明確な原因と結果というわかりやすい関係で市場が動いていると考えるべきではないという主張です。

これは、まさに的を得た主張であり、しかも今非常にタイムリーな話題でもあると思います。

例えば、日銀が金利を上げたら、円安に動いたこと。

例えば、国外の投資家がほとんど関与することのできない中国上海株式市場という閉じた市場での下落がなぜか世界の市場に波及したこと。

昔から、理外の理、材料出尽くしといった様々な言葉で表現された、市場のつかみどころの無さについて、この本は複雑系がもたらす非再現性や非論理性とでも呼ぶべき現象として説明しています。

また、人間は明らかな原因と結果の関係を欲しがるので、例えば市場が暴落した場合、何がその原因となったのか解明しようとするが、それは往々にしてわからないことが多いといいます。しかしながら、株式市場を1つの複雑系として考えると、あるきっかけがあっても、あるときはそれが暴落につながり、またあるときは何も起こらないといったことが起こりうる、それが複雑系の特質であると主張します。

これは、市場と長年接してきた方々であれば、まさに「うん、うん。」とうなずきたくなる内容だと思います。市場と長年対峙していれば、正に不可思議としか思えない市場の反応を何度も経験し、「AだからB。だからC。」といった論理的なアプローチで相場の将来を予測することの不確かさをいやというほど思い知っています。

このような意味で、経験上把握していることが「ああ、こういうことだったんだ。」といった形ですっと腑に落ちる、そんなきっかけを与えてくれる本でした。

マーケットの不思議を感じたら、開いてみるとよい本だと思います。

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