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2007年3月22日 (木)

USバンガードETFの実力

日本の海外株式ファンドの実力を、過去5年のパフォーマンスで測ることにより、先日お示ししました。

その内容を要約すると、ファンドの世界の一般論通り、インデックスファンドが大多数のアクティブファンドに勝っている現実と、そのインデックスファンドもその信託報酬水準を大きく越えてベンチマークに負けているという、これまた悲しい現実でした。

ここで、このような悲しい現実を回避するのにUS上場ETFはどれだけ助けになりそうかを見るために、USバンガードのETFのパフォーマンスを見てみることにしましょう。

以下のHPの右下の"Total return chart [pdf]"をご覧ください。

https://flagship.vanguard.com/VGApp/hnw/FundsVIPER

1ページ目のVTIの数値で、米国株式の運用能力を見ることが出来ます。

5年間の年率リターンで見ると、VTIの8.27%に対し、ベンチマークが8.34%とベンチマークに対して、わずか0.07%の劣後にとどまっています。また、この0.07%はこのVTIの信託報酬に一致します。とてつもない精度の運用ですね。さすがインデックス運用の大家です。

3ページ目のInternational ETFsを概観してみましょう。2005年3月4日運用開始ですので、わずか2年間のトラックレコードですが、これだけあればインデックスファンドとしての運用能力を測るには十分です。

             年率リターン ベンチマーク  差

VGK(ヨーロッパ)   18.58% 18.67% -0.09%

VPL(パシフィック)  18.79% 18.95% -0.16%

VWO(エマージング) 24.50% 25.18% -0.68%

日本の海外株式インデックスファンドと違って、ほんとに見事な運用成果に見えます。このような結果を出せるファンド会社のETFで世界株式ポートフォリオを構成すれば、間違ってもベンチマークに1.5%も劣後するような情けないパフォーマンスになる心配をする必要はないものと思います。

他のETFの数字を見ていると、これはUSバンガードのみが有する特殊な能力であるようには思えず、他のUS市場ETFでも似たような良好な結果が得られそうに見えます。

こうして既存の選択肢と比較してみると、US上場ETFは日本人にとって本当に魅力的なビークルになっているなあと改めて思います。

海外株式ETFへ道を開いた楽天証券の英断にも賞賛の声を送りたいですね。

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コメント

いつも勉強させてもらっています。

ちょっと過去のエントリーなので、見てもらえるか分かりませんが、駄目もとで質問させてもらいます。

最近、アメリカの証券会社であるIBの口座を開設したのですが、以下の点で実際に同口座で投資すべきか迷っています。Vmaxさんは米国証券でETFを購入されているようですので、御意見聞かせて下さい。

(1)日本の投信利用との比較

最近では、住信-STAMインデックスファンドシリーズのように安いコストの投信がでてきています。信託手数料だけで比較すると、IBでETFを直接する方が有利ですが、IBでの為替手数料(わずかですが)、購入手数料を考慮すると、日本の証券会社で日本の投信を購入するのとそう大きな差はない気がします。特に、管理面での手間を間考えると日本の投信の定期購入もいいのではないかと思い始めたのですがどう思われますか?

(2)i-shareなどのETFとバンガードのETFの比較

信託手数料で比較する限り、各アセットクラスでバンガードのETFを購入する方が有利です(例えば、EEMとVWOで2倍近い信託手数料の差があります)。しかし、売買量では、SPY等各々のクラスの1位ETFとかなり違いが出ています。信託手数料を優先させるべきか、売買量(流動性リスク)を優先すべきかについて、判断できないでいます。この点どう思われますか?

投稿: サラリーマン | 2008年1月12日 (土) 06時59分

サラリーマンさん、はじめまして。

ご質問の件、正直、両者とも正解のない話でお答えするのが難しいです。

なので、両者のご質問について、私が重要と考える点に触れる形でお答えさせていただきたいと思います。

(1)日本のインデックス投信とUS市場ETFを比較する際は、信託報酬で比較するのは結構危険です。当方のブログでも過去取り上げましたとおり、運用成果を下押しする要素は信託報酬だけではありません。私の経験上は、ファンドの規模や運用効率、インデックス運用技術の問題その他たくさんの要素によって、ベンチマークに対し、年率で追加で0.2%程度から、下手したら0.5%とか1.0%程度余計にやられることが、特に日本の外物インデックスファンドでは良くありました。
ですから、両者を比べる場合は、信託報酬やイニシャルコストを比べるだけではなく、配当要素を適切に織り込んだ、出来るだけ長期の実際のリターンのトラックレコードを直接比較した方がよいと思います。
そういう実際のデータに当たり、現実の姿を直視した上で、日本のインデックスファンドへ投資するか、楽天証券等で米国市場ETFを買うか、あるいはIBで買うか、個人個人のメリデメ判断の上で決定すればよいものと思います。

ちなみに、私は数十年の超長期投資を想定しており、日本の外物インデックスファンドの長期のトラックレコードのひどさは身にしみて感じているので、日本の外物インデックスファンドに投資する気は全く起こりません。

ただし、このような判断も人それぞれです。当然、同じデータと数値を見て外国証券でETFを買う意味が感じられない人もいると思います。

万人に通じる正解はないと思います。なので、自分でデータにあたり、想定する投資行動において将来もたらされる結果を推定した上で、個人の効用を基準に個人で判断し、結論を出すことに勝る方法はないと、私は考えています。

(2)これについても、考え方は人それぞれだと思います。ごく当たり前の考え方としては、売買が頻繁である方はスプレッド差の取引コストが重くなりますので、流動性が高くビッドアスクスプレッドの狭いisharesのETFがベストだと思います。逆に20~30年放置するつもりであれば、多少のスプレッド差など無視してよいと思いますのでVangardがベストフィットという結論もあると思います。
両者の将来の長期のベンチマークトラック能力にも差があり得ますので、isharesとVanguardの両方もっておくという判断もあり得ると思います。私もそういう判断をして行動することが良くあります。

以上、まとまりがないかもしれませんが、回答とさせていただければと思います。

ご参考になりましたら幸いです。

投稿: VMax | 2008年1月12日 (土) 10時06分

突然失礼します。貴殿が2007年3月当時述べておられたUS市場ETFの購入は、現状では楽天証券の他にもSBI証券、Monex証券でも可能であるという認識でよろしいでしょうか?、そうであるならば大変喜ばしい投資環境が、海外証券会社に口座を開設せずとも実現するということになろうかと思いますが、いかがでしょうか?
お手すきの時間帯にご回答を賜れれば幸いです。

投稿: 年金運用おじさん | 2010年9月28日 (火) 18時22分

年金運用おじさんさん、コメントありがとうございます。

ご認識はすべてその通りであると認識しております。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2010年9月30日 (木) 19時29分

やっぱりそうですか。
ご回答ありがとうございました。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。

現状、近未来の日本国債の債務不履行に備え、USDへの資金待避を準備中です。(ただし日本国内で)

US市場の外貨建てETFの分散投資も、その待避の一環です。

ではまた。

投稿: 年金運用おじさん | 2010年10月 9日 (土) 19時17分

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