« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月

2007年4月30日 (月)

ホームバイアスという障害

先日書いた「通貨分散」というブログの中にも、日本人の一般的な投資ポートフォリオ中の日本株式や日本債券等の日本資産比率の高さの中にも存在している、一種の落とし穴があります。

それが、今回の題目であるホームバイアスです。

投資のアセットアロケーションを考える際には、誰でも知らず知らずのうちに、自国資産の投資割合を非合理に多く設定しがちな傾向があります。それがホームバイアスであり、その原因は、いわゆる知らないものを無条件に恐怖し、拒否しがちな人間一般の心理からきているものだと思います。

「いやいや、日本の株式や日本の国債のほうが、外国資産よりもその内容がよくわかっているから、そのようなビークルに投資すべきであって、よくわからないものに投資すべきではないんだ。」

といわれると、はい、その通りですというほか無いのですが、果たしてホームバイアスにかかっている人は、本当にホームのことをよくわかっているのでしょうか?

日本株式(あるいは持ち株)のPERは今いくらでしょうか?ROEは?日本国の負債総額は?日本国の経済成長率は?

これらに答えられるしっかりした方は、ぜひちょっとだけ踏み出して、その数値を他国と比べて見てください。海外投資をする意味が発見できます。(それで、ホームバイアス解消です。)

このような質問に答えられない方、「いや、おれは日本製品の良さを肌身で感じられるからいいんだ。」という方、商品の良さと株式のリターンは必ずしも比例しません。世界一の精緻な商品と技術力を誇る日本の株式の長期リターンが世界各国対比でとてつもなく悪いのも、日本株式のROEがとてつもなく低いのも、このことを如実に物語っています。

また日本は、世界一に近い経済成長率の低さをも誇っているということをご存知でしょうか?バフェットの言う、株式は毎年会社が生成する利益を擬似配当とみなした擬似債券に等しいと考えれば、日本は株式のこの擬似配当部分の将来の成長ののりしろが世界でもっとも小さい国のひとつなのです。うーん、何で日本株式のPERは世界のその他の国よりも高いんでしょうか?不思議です。

日本のことがわかればわかるほど、日本に集中投資する資産ポートフォリオは不安になります。

というわけで、資産ポートフォリオ中の日本資産が多い方は、自身がホームバイアスに陥っていないかどうか、日本資産に集中するその理由は合理的かどうかを一度自問してみる価値はあると思います。

ちなみに、ホームバイアスに陥りがちなのは、日本人だけでなく世界共通です。米国民も1990年代後半のUS大型株相場を経験し、「S&P500やNYダウ以上にすばらしい投資ビークルはない」とばかりに自国株式に集中投資してその後のパフォーマンス不振を食らい、またITバブルでNasdaqに集中投資してその崩壊をもまともに食らい、不遇の2000年代を送っています。なので、米国資金はそれまでの極端なホームバイアスの反動か、ここのところ自国株式から世界株式への流れがずっと続いているようです。

ホームバイアスは万国共通と思うと、すこしは安心しますね。

最後に、ホームバイアス回避のために、株価指数を作っている、例えばモルガンスタンレーといった会社に頼るのも、個人的にはあまり良い方法ではないと思います。すなわち、MSCI世界株式指数の比率に応じて世界に分散投資すればいいだろうというのも、ホームバイアスとは対極ではありますが、一種の思考停止だろうと思います。

なぜなら、精緻な検証をしたわけではありませんが、おそらく間違いなく、日本のバブル絶頂の時代以降しばらくは、世界株式指数に占める日本株式の比率は最高だったはずです。また1990年代後半の米国大型株絶好調の時代の存在も、その後の指数における米国株比率の上昇とその後の指数の相対的パフォーマンス悪化に色濃く影響を与えているのではないかと思います。つまり、時価総額比率の指数は客観的ではありますが、いわゆる市場の後追いで、まさに天井買いの底値売りを地で行くことになりかねないやり方でもあるわけです。

このような時価総額の指数に対するアンチテーゼがWisdomTreeのやっていることやJeremy Siegelの主張していることの意味でもあります。

何事も安易な解決法には落とし穴があるということで、ここから先は「正解の無い世界へようこそ」ということになると思います。進むも進まぬも、自己責任でご自由にということです。

| | コメント (0) | トラックバック (6)

2007年4月29日 (日)

ベトナム株投資のあれこれ

特にベトナム株投資をやるつもりもさらさらないのですが、最近ブログの世界でもベトナム株が騒がしく、ちょっと気になりましたのでその様子を調べて見ました。

ダイヤモンドZAIの6月号にも新興国の特集があって、ベトナム株式についてもまとめてありましたので買ってみました。

この雑誌によると2006年下旬から2007年初旬にかけてベトナムVN指数は約2倍(指数値は1200弱)にまで成長しています。(この雑誌、完全にあおってますね。)

では、足元どうなっているかなと調べると

http://viet-kabu.com/stock/vnindex.php

なんと指数は923.89まで落ちていました。(2007年4月25日現在)

どおりでベトナム株関連ブログがいま騒がしいわけです。

とは言え、この規模の新興国に証券口座を作って資金を突っ込むのだから、25%程度の下落は十分計算内で覚悟の上だろうと思います。

次に、この雑誌の記事の最後で挙げられている日本の証券会社で買えるベトナム株ファンド(除く他国を含むバランスファンド)のうち、半年程度ですが運用実績のあるファンドを選んでその内容を調べて見ました。(ここではその名前を具体的に挙げないことにします。)

直近大きく下げたとはいえ、2006年下旬から2007年初旬までの指数の高パフォーマンスを考えれば、その投資信託も2倍近くに増えているはず、と考えて運用報告書を覗いてみると、2006年10月5日運用開始で設定来騰落率は、なんと12.28%!

えっ、1桁少ないんじゃないの?と思って運用報告書をよく見ると、運用資産の現金比率にその理由がありました。なんと、現金比率が70.9%もあるのです。ヒストリカルに調べて見ても、常に現金比率が60~80%のレンジで推移しています。

これじゃあ、ベトナム株式市場の年末年始の2倍のパフォーマンスを享受できるわけないわなと納得。でも、まだわからないのが、なぜこのファンドはフルインベストメントしないのか?です。

ファンド概要に、この疑問に答える一文がありました。

「ベンチマークは定めず、絶対リターンを目指した運用を行います。」

とのことです。

どうも、割高のときには現金比率を高め、割安のときに現金比率を低める形の調整を行うファンドという触れ込みのようです。

この調整により、年末年始の2倍への急騰劇を見事に取り逃したようです。

でも、3割程度の資金がベトナム株に回っていて市場が2倍になったのだから、基準価格も3割増しになっていなければならないのに、2月の運用報告を見ても、実際は直近3ヶ月で12%程度しか上がっていません。

ほんとのところは、このファンドの規模(残高100億円強)が既にベトナム株式市場から見て大きすぎるのではないでしょうか。

ベトナム市場規模を調べてみると、以下のような情報がありました。

http://viet-kabu.com/news/general/051222101113.html

ちょっと古い記事ですが、2005年12月時点のベトナム証券市場の時価総額はわずか3000億円弱で、そのうち株式+投信の市場規模がなんと、350億円程度なのです。後で本屋で調べて見ると、2006年12月時点ではホーチミンで1兆円程度、ハノイで4000億円程度にまで市場規模が拡大しているとのことですので、株式+投信の市場規模も1000億円は超えてきているのだろうと思いますが、いかんせん小さな市場です。

また、下記の記事を見ても、1日の市場取引総額よりも、このファンドの規模の方がすでに大きいことがわかります。

http://www.viet-kabu.com/news/general/070425082131.html

上記ファンドはベトナム市場自体が小さすぎて、自らの買いで値がつりあがるので、フルインベストメントしたくてもたぶんそれが困難な状況にあり、また自らの買いの力で株式購入価格がつりあがるので、市場の上がり幅の3分の1の上がり幅しか取れないのではと思います。

こんなファンドに投資した人はほんとかわいそうです。投資額のたった3割しかベトナム株式を買えていないのに、高額の信託報酬は資産全体にかかってしまいます。また株式投資部分からも市場の上がり幅の3分の1のゲインしか得られません。結果、ベトナム株式市場というリスクの高い市場に投資しながら、その市場指数の10分の1程度のリターンしか、このファンドの投資家は得ていないのです。

もし、資金が多すぎてベトナム株式市場で消化できないなら、新規投資資金の受付は停止すべきです。

あるいは、このファンドの謳い文句のとおり、本当に意図的にキャッシュポジションを調整しているとすれば、このファンドのその動的投資方針と能力により、年末年始の2倍の急騰劇を見事に取り逃したことになります。全くもって見事な運用能力です。

果たして、このファンドの購入者はこんな運用で満足しているのでしょうか。摩訶不思議です。

上記の雑誌には、ベトナム株投信の利点として、「情報のチェックを含め、お任せできる!」と書いてありますが、株式投資部分で市場の3分の1程度のパフォーマンスしか出せず、しかも市場の2倍への急騰劇の中、現金比率を6~8割に保ち、市場の上昇を見事に取りのがすファンドにはちっともお任せできません。

このようなファンドには近づかないのが身のためだと思います。また、平気でこんなファンドを取り上げる、この雑誌の記事もお粗末極まりないものと思います。読者の方もくれぐれも自分の目で見て確かめてから商品を買うようにしてください。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2007年4月28日 (土)

通貨分散

ユーロが強いですね。

http://quote.yahoo.co.jp/q?s=eurjpy=x&d=c&k=c3&t=1y&l=off&a=v&z=m&h=on&q=l&p=m65,m130,s

今、これを書いているところで、163円台に乗ってしまいました。

このチャートを見ていたら、昔のことを思い出しました。

ある時、嫁の両親に、こうお願いしました。

「円は米ドルを除く世界通貨に対し、もう5年以上も一方的な円安が続いている。日本人はドル円しか見ないから、世界的な他通貨に対する円の独歩安に気づいていないけれども、このトレンドには何かしらの意味がある可能性がある。外貨MMFでもいいから、資産の一部を主要世界通貨に分散して、実質購買価値の低下を防止するための資産ヘッジポートフォリオを考えてくれ。」と。

で、後日。

嫁の親が証券会社に行って買った外貨資産は、米ドル債と豪ドル債でした。

まさに、がっくりしたのを今も覚えています。証券会社のセールスは外貨を、高金利を得るためのビークルとしか考えずに、直利の高い豪ドル債やニュージーランドドル債を個人に勧めることしかしないのです。今起こっているような、ユーロに対する円安といった可能性を踏まえた通貨分散の発想が全く無いことにあきれてしまいました。そこで、言った一言が、

「ユーロを買わなきゃ、通貨分散として意味がない!」

でした。

日本の金融機関と日本人の金融オンチぶりを如実に示す事例です。

http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person11/060901_person11.html

ここで為末大選手の語る世界の人々の通貨に対する態度と比較すると、なんと日本人は遅れていることか。

それにしても、円安はどこまで行ってしまうのか。1ユーロ150円で大台だと感じたのがうそのようです。まさに円は20世紀のポンドの再来なのか。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_06ed.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_34c2.html

このような将来のリスクに備えた資産ポートフォリオが望まれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ブログのメンテナンス

このブログのビークルであるココログも多少は進化しているようです。

昨日、いくつかのブログツールを新たに導入しています。

1.新しいブログツールで、右のサイドバーのカレンダー上で月を移動できるようにしました。(いままでこれが出来なかったことの方が驚きですが)

2.同じく新しいブログツールで、人気記事ランキングを表示するようにしました。税金取り扱いと海外証券口座開設方法に絡む記事が上位にきていますね。

また、投資情報サイトとして高品質な内容だと個人的に判断しており、かつ個人的にも読ませていただいてるサイトを「お勧め投資情報サイト」として左のサイドバーに乗せることとしました。

どんどん、個人的な世界観満載のサイトになっていきます。HP作成能力もない一個人が自由に、好き勝手な世界観を表現できるブログというツールは本当に便利なツールだなあと思います。

しかしながら、このブログのスタンス通り、それに溺れず、読んでいただく方のリスクリターンの向上等に役立てる内容にしたいと思っていますし、それが実現できることが個人的な望みでもあります。

http://max999.cocolog-nifty.com/about.html

ご参考になれば幸いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月27日 (金)

物語で読み解くファイナンス入門(その2)

今回は前回紹介しました本の続きです。

標題の本の中で、もうひとつ興味を引いたのがワイン投資に関する記述です。

面白いことにワインも投資対象として十分な意味をもつとのことで、その要因としては、ワインは年数が経るごとにおいしくなり価値が上がること、また年数を経るごとに飲んでしまって消失するものが多く希少価値が上がっていくことといった要因があり、適切に管理保有しているとプラスの投資リターンが期待できる投資対象であるとのことでした。

また、過去平均すると株式に比べてリターンは低いが、特定の年度の特定のワインに投資すると、株式のリターンを上回る結果が得られたこと、すなわちワインの目利きができて何年、何十年に一度の価値あるポイントを押さえられる実力のある人にとっては、株式市場よりも大きなリターンを得ることができる可能性のある市場だとのことです。

これを読んで、ああこれは、不動産や絵画等と株式の関係と一緒だなと思いました。これらの投資対象も目利きの実力者にとっては株式よりもずっと大きなリターンを得られる可能性に満ちているけれども、平均的には、これら市場のリターンは株式市場から得られるリターンに大きく劣ってしまうのが長い資本主義市場における過去の結果だと思います。

これに関連して不思議なのは、過去の資本主義市場の長い歴史の中で、不動産は株式資産に比べて明らかにパフォーマンスは低かったのに、なぜ不動産投資が好まれ、また不動産で実際に財をなす人が多いのかという疑問です。

現時点においては、この疑問は私の中で以下のように整理されています。

まず、不動産投資の場合は、銀行等がお金を貸してくれて非常に高レバレッジの投資が可能なこと。いかに高配当の株式銘柄に投資し、堅い確率で借金返済可能な見込みが立ったとしても、なかなか銀行は株式投資のためにお金は貸してくれません。貸してくれるのは、信用取引でとてつもない高利を要求する証券会社だけです。この違いが、早くお金持ちになりたい人にとっては、高レバレッジポジションを持てる不動産投資の方が有利との結論に結びつく大きな理由となっているのではと考えます。

また、株式と違って毎日取引市場で値がついていないので、不動産は時価の変動が認識されにくく、保有時の恐怖感を感じにくいというポイントも結構大きいのではと思います。もし結構高配当な株式銘柄を信用取引で購入している状態と、毎月家賃が入ってくる不動産投資を借金して高レバレッジで行っている状態を想定すれば、それらの基礎条件が同じであれば、理屈上ほとんど同じような投資を行っていることになると思われます。でも前者は恐ろしいナンセンスな投資で、後者は常識的な普通の投資になってしまうのはなぜでしょうか?どちらも、1銘柄に集中して投資しており、自己資金の何倍、何十倍のポジションを持っており、その借金して購入した投資ポジションのリターンから借金返済する目論見であることには全く変わりありません。

もし、不動産取引市場がとっても流動性が高く、毎日寄り付き価格がわかって不動産投資の資産マイナス負債の価格が毎日算出できたとしたら、かえって恐怖心が増すのではないでしょうか。例えば、「今日の下落で自己資金分が全部吹っ飛んで、債務超過になってしまった!」とか。高レバレッジ投資なのですから、市場が下落すればこのようなことはしょっちゅう起こりえます。このような事態を眼前に突きつけられることがないというのが、実際に取っているポジションとその集中度がもたらす本質的リスクが認識されにくい理由なのではないでしょうか。

個人的には、不動産投資がもたらす集中リスク、例えば地震や欠陥住宅等で上モノが使い物にならなくなるリスク、例えば会社や学校移転といった予測不能な空き室リスクといったリスクをとって、何倍何十倍のレバレッジ投資をしたいとは思わないので、原資産として最もリターン期待値の高い株式投資にフォーカスしています。

人生は一度きりです。高レバレッジはうまくいけば破格の成功を実現する強力なエンジンになりますが、逆に働くと再起不能な状態へと導く負の強大な力にも成り得ます。そのポジションに賭けて加速成功を目指すも人生、それを避けて確度の非常に高いフィナンシャルフリーダムを目指すもまた人生、選ぶのは一人一人の個人の考え方次第だと思います。

ただ、後者の方がより一般的で多くの方の採り得るフィナンシャルフリーダムの達成の仕方だと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年4月26日 (木)

トリプルチャンス

ちょっと見ない間に、米国証券口座のFirstradeで、新規口座開設の場合に、

1.$2,000以上で100回のフリートレード(取引手数料なし)

2.$25,000以上で、他のブローカーからのAccount Transfer Feeの$100までの補填

3.$50,000以上で、$100のキャッシュ進呈

というトリプルチャンスのサービスをしているようです。

こんなにサービスして儲かるのか?という疑問がわいてくるほど、USでは新規口座開設時のサービスが過激になってきてますね。

どうも、4月末までの期間限定サービスのようです。

ご参考まで。

(長いこと口座を持っている既存顧客にもちょっとはサービスして欲しいものです。)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年4月25日 (水)

物語で読み解くファイナンス入門

最近、標題の本を読みました。

私がこのタイプの本を読む目的はズバリ「自分のスタンスと丸反対の本を読んで自己を省みる」目的です。すなわち、バリュー株投資等で超過リターンを狙う立場でいるので、全く反対の立場である「市場は効率的であるので、そのような行為は無意味である」という立場の学者の本をあえて読んで見て、自己の行為とスタンスを客観視するという目的で、上記のような本をたまに読むようにしています。

しかしながら、今回は失敗だったようです。

この本にはイギリスの経済学者であるケインズの話があって、彼が資産運用者としてもとても優れていて、彼が運用責任者を務めたケンブリッジ大学の基幹ファンドの1927年から19年間のリターンは年率で約13%、対し同期間の英国株指数は▲0.11%と、彼の運用は破格の超過リターンをはじき出していることが記述されています。(世界恐慌のイベントを含む運用期間であったことにも着目してください。)個人としても、彼の死亡時の資産額は1990年の通貨価値で50~60億円だったことが、同著中で述べられています。

明らかにこれは、バフェットと同じバリュー株投資の結果である可能性が非常に高いなあと思いながら読み進めると、案の定、彼がタイミング投資や思惑に基づく投資等の様々な運用の失敗の後にたどりついた運用スタイルの境地が書かれてあり、その内容はここでは省略しますが(興味ある方は上記の本をお読みください)、紛うことなきバリュー株投資のスタンスでした。

ということで、今回の読書は私の当初の目的からは失敗でしたが、まあ収穫があったということにして良しとしましょう。(過去、何かの書籍で既に読んだ内容かもしれませんが)

興味があれば、読んで見てください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月22日 (日)

タイミング投資

タイミング投資を個人的に定義してみると、「売買のタイミングを図ることによって、より投資リターンを高めようとする行為」となるでしょうか。

タイミング投資が上記の定義に収まる行為であるとすると、個人的にタイミング投資やそのような発想を捨ててから、何年になるでしょうか。皮肉なことに、そのような行為を全く行わなくなってから、かえって個人的な投資のリターンは格段に上がりました。

すなわち、下落相場を避けて上昇相場だけを取ろうという欲を捨て、常時市場にい続けることを選び、自身のタイミング投資能力によるリスク管理から、国際分散ポートフォリオによる分散投資効果によるリスクコントロールをするという発想に転換したことにより、投資リターンを格段に向上させることができたということです。

右肩上がりの下のようなビークルに乗っていたのですから、結果的に見れば、タイミング投資よりも良い結果を導いたことは当たり前と言えば当たり前です。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=QFVOX&fdtab=snapshot

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=PGVFX&fdtab=snapshot

しかしながら、このような投資ビークルを選ぶために偶然や常人の能力を超えた力が必要なわけではなく、普通の能力の持ち主が、リスクリターンの良いことが見込まれる分散ポートフォリオを、また過去の株式市場において機能してきたバリュー株アプローチの発想を、合理的に追求していくだけで選んでこれることは、着目していただける点だと思います。

もちろん、ある時点の判断は確率的なものであって、上記のようなビークルであっても、判断時点から何年もの間低迷する可能性もあったわけですが、それでも株式市場の歴史は、上記のようなアプローチで長期の株式分散投資を行えば、圧倒的な高確率で大きく報われることを証明しています。長期投資で資産を成長させることに腹を決めたら、短期的な運不運にとらわれる必要はないのです。

日本の株式市場のみを見て、日本の株式で資産を増やそうとすると、なかなかこのようなスタンスに立てないのではないかと思います。市場全体が右肩上がりではなく、日経平均はいまだにバブルの頂点に遠く及ばないところをうろうろしています。また、ひと頃よりはだいぶ下がりましたが、それでも日本株式のPERは20倍程度で諸外国と比べるとまだまだ高い値にとどまっています。このような市場環境では、動きのある銘柄を選んでタイミング投資で鞘を抜いて資産を増やすしかないという発想になってもしかたないのかもしれません。

おそらく、これは一種の悪循環だと思います。日本の株式市場全体が全般的に収益性が低く割高であるので、余計に株式の価値に投資するのではなく、投機市場としての鞘抜きアプローチに走ってしまいがちになるのではないでしょうか。

しかしながら、企業の価値に投資するのではなく、タイミング投資に走れば、基本的にその投資はゼロサムに近くなり、投資の期待値はゼロリターンに近くなります。そのようなビハインドな投資手法で年10%や20%のリターンを上げようとすれば、やはり人並みはずれた能力が必要になるのではないでしょうか。

今、ブログの世界においても、日本の新興市場に投資している方の悲鳴が聞こえます。そのような方がもし、世界の他の先進国の新興市場や新興国市場にも投資する分散ポートフォリオを組んでいれば、今の耐え難い状況は回避できていたかもしれません。

世界に目を向け、日本国に集中しているリスクを一部でも分散するだけで、助かることは多々あります。一人でも多くの方が、タイミング投資ではなく、分散投資のアプローチで自らの投資ポートフォリオを守るすべを見出していただくことを願って止みません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年4月21日 (土)

株式ETF投資の売却損益と税金(その2)

前回は下のリンクの通り、国内証券会社を通じて海外株式ETFを購入した場合の売却損益にかかる税金のお話をしましたので、今回は米国証券会社を通じて米国市場株式ETFを売却した場合の売買損益にかかる税金のお話をしようと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/etf_fd99.html

国内証券会社を通じた売却と異なる部分は、売却益に対する税率です。現在の軽減税率10%が適用されるのは、国内で事業免許を得ている証券会社を通じた売却のみのようで、海外の証券会社を通じた売却の場合は20%の税率が適用されると解釈するのが、法令上妥当な解釈のようです。

左のサイドバーでご紹介している「外貨建て資産投資の所得・相続・贈与税」という書籍でも上のような解釈に基づいた記述になっています。

ただし、税務署の人もこのようなニッチな法令解釈に通じている人はめったにいないと思いますし、また税務署が軽減税率で良いと認めるならばわざわざ高い税金を払う必要もないでしょうから、もしかすると10%の税率区分による申告で認められている方もいるかもしれません。

個人的には、厳密な法令解釈に耐えられるよう、申告時には海外証券会社を通じた売却の場合は未公開分の株式として申告し、売却益に対し20%(国税15%)の税金を払う形で申告しています。

ということで、国内証券会社を通じた売却に対し、今のところ税金取り扱いは海外証券会社の方が不利な税率となっています。なので、海外証券口座で頻繁な売買を行うと、かなり不利な税制取り扱いにさらされることになります。

とはいえ、このブログのスタンスでは、実際に売却するのは10年後かもしれないし、20年後かもしれません。今の軽減税率取り扱いも、今のところあと2年程度しか継続する保証はなく、長期の投資家にとってはあまり意味のある判断材料ではありません。

やはり、目先の税制取り扱いにとらわれることなく、コストが安くリスクリターンのよいビークルを選び、途中で含み益を実現することを可能な限り回避して資産を複利で大きく成長させつづけることが、長期国際分散投資を指向する場合は重要なことだと思います。

なお、US証券会社での売却の場合も、USでは売却益に対し税金がかかることはありません。また、日本での申告の場合の為替の計算や、過去の損失が3年間繰り延べできること等も、日本の証券会社を通じた売却の場合と一緒です。

また、前回書き忘れましたが、当然のことですが、会社がその給与所得から税金を源泉徴収するサラリーマンの方で給与収入が2000万円以下の場合、副収入が年間20万円以下であれば、その副収入を申告する必要はありません。すなわち、海外証券会社でも国内証券会社でも、年間利益が20万円以内で、その他の利益や収入等がなければ、このような方は確定申告の必要もありませんし、譲渡所得に対する税金支払いの必要もまたありません。これはきちんと認められた権利ですので、該当する人はしっかりその権利を行使しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年4月20日 (金)

小型高配当株ETFのその後

以前、「小型高配当株というバリュー」という題目で、米国証券口座では米国を除く世界株のカテゴリーで小型バリュー株への投資がETFで実現可能となってきていることをお示しし、DLSというWisdomTreeのETFを紹介しました。また、このETFは高配当株に投資するETFで、これも過去の資本主義市場に存在し続けてきた、低配当株に対する高配当株優位を利用する、一種のバリュー株投資であることを述べました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_df91.html

題材にしたからには、人柱になって買ってみようということで、ブログを書いてからすぐにDLSを買ってみました。結果、成り行き買いでスパッと買えてしまいました。

DLSはWisdomTreeのETFの中では日々の出来高がかなり多い方で、下記の米国市場ETFのリストの中でも比較的上の方に存在するので、将来はわかりませんが、現在のところは流動性にあまり問題はなさそうです。

http://news.morningstar.com/etf/Lists/ETFReturns.html?topNum=All&lastRecNum=1000&curField=8&category=0

ひとつ気になったのが、100株超注文したのに、100株だけ約定して残りが約定しないという経験をしたことです。もしかするとこのETFは100株単位でしか取引できないのかもしれません。また、昔WisdomTreeのETFで全然成り行き注文が約定しなかった経験があるのですが、これは流動性の問題ではなく、もしかすると100株未満の注文であって注文単位の問題で約定しなかったのかもしれません。

もしそうであれば、WisdomTreeのETFを個人的に毛嫌いする理由が1つ減ったことになります。

とりあえず面倒なので、本当にそうなのかどうか調べるところまでしていませんが。

(その後、オサーンさんから情報をいただきまして、100株未満でもDLSを成り行きで普通に買えたそうです。なので上記現象はもしかすると、当方の使用している証券会社固有の現象なのかもしれません。)

なお、前回の「小型高配当株というバリュー」という題目ですが、少し日本語として変なふうに感じられたかもしれません。実は、

小型高配当株という(投資クラスとしての価値〔バリュー〕)

小型高配当株というバリュー(株投資の一形態)

の2つの意味を掛けてつけた題目でした。

これをちゃんとした題名にすると

小型高配当株というバリュー株投資の価値(バリュー)

となってしまって冗長なので、言いたい2つの意味のどちらにも取れる1文を作ってみたのが、ちょっと変に感じる題目の背景です。

最後に、Jeremy Siegelの書いたこの文章を載せておきます。この中で高配当株投資のさらなる非常に好ましい特質について触れられています。もし興味があれば、下のリンクを読んで見てください(英語ではありますが)。

http://webreprints.djreprints.com/1497650936231.html

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年4月19日 (木)

株式ETF投資の売却損益と税金

楽天証券での海外市場株式ETF取り扱い等もあり、初めての海外市場ビークル購入を検討していて、その売却時の税金等の取り扱いがどうなっているのか知りたい方もいると思い、今回は国内証券会社でUS市場株式ETFを買って、それを売却した時の税金取り扱いについて書いてみようと思います。

国内証券会社でUS市場株式ETFを購入、売却した場合は、その取引は、国内株式や国内市場ETFを売買した場合に準ずることとなり、それらの取引と本質的に違いはないと思います。例えば、売却益は譲渡所得として源泉分離課税取り扱いとなり利益の10%(現時点)の税金支払いが必要なこと、特定口座でなければ個人で税金の申告が必要なこと、損失の場合は3年間繰り延べて将来の利益との相殺が可能なこと(ただし、要申告)等です。

追加的に必要となるのが、為替の計算です。損益を計算する際には購入時と売却時のそれぞれの為替レートに基づき円換算して損益を算出する必要があります。そのレートは証券会社が提供するレートでもたぶん大丈夫だと思いますし、下記のような信頼できる民間機関の提供するレートを使用してもよいと思います。(心配ならば所轄の税務署等へ問い合わせても良いでしょう。)

http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/information/market/historical.html

もしかすると、海外市場ETFを初めて購入される方で、売却益に海外と国内で2重に課税されるのではといった心配をされる方がいるかもしれません(杞憂かもしれませんが)。US市場株式ETFでは、売却時の海外での課税はないと思います。なので、配当とは違って、2重課税の心配や申告時の外国税額控除での海外支払税金の取り戻しといった手続き等の心配は不要と思います。

ということで、国内証券会社を通じたUS市場株式ETFの売却の場合は、その他国内株式といった類似の商品と税金に関する取り扱い自体、何らほとんど変わるところがないと言ってよいのではと思います。

なので、気軽に踏み込んでいただける投資ビークルなのではと思います。

とはいえ、当ブログのスタンスである長期国際分散投資を目的にして、例えば楽天証券のEFA+IVV+EEM等を買うことを想定した場合、実際に売却することになるのは、10年後、あるいは20年後かもしれません。その頃には、上で述べたような状況はまるっきり様変わりになっている可能性もあります。

そんな状況でも、殆ど不滅と思われる真理があり、それは「将来どんな税金取り扱いになっていたとしても、売却時までに増やせるだけ増やしておくこと以上に今出来る有効な戦略はなく、そのためには投資ビークルのコストが低くリスクリターンが良いことが大事である」ということです。だからこそのETFであり国際分散投資であるわけです。

これをきっかけに楽天証券でUS市場株式ETFを購入する人が増えて、日本の証券会社が目を覚まして、投資家の方を向いたビジネスを始めるような展開にぜひなって欲しいものです。

最後に、日経225、S&P500(米国)、DAX(ドイツ)、FTSE(英国)、Hang Seng(香港)の5指数の超長期チャートを作って見ました。下のリンクをご覧ください。1国に投資資金を集中してしまうことのリスクと、日本でのこんな最悪な時代にも、国際分散投資ならば資産をこんなにも増やしていくことができたという過去の事実がわかります。日本のしょぼい投資信託等と違ってこのようなパフォーマンスのほとんどをきれいに取れる、そんな投資が日本の証券会社で手軽に出来る時代がやってきたのですから、ぜひとも有効に活用したいものです。http://finance.yahoo.com/charts#chart7:symbol=^n225;range=my;compare=^gspc+^ftse+^gdaxi+^hsi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月16日 (月)

米国証券口座(Interactive Brokers)の紹介サイト

以前、Firstradeについて丁寧に紹介しているサイトを当ブログで下記の通りご紹介いたしました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/firstrade_d789.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/firstrade_902b.html

今回は、Firstradeと並んで日本の個人投資家が簡単に口座を開くことができるInteractive Brokers LLC証券会社をご紹介しようと思います。

下記のリンクの下の方のInteractive Brokers(IB)に関する説明をご参照ください。

http://www.panrolling.com/seminar/070324.html

上記は商業サイトですが、IBの特徴をわかりやすく示しているのでリンクしました。(パンローリングやその商品と当方は何の利害関係もありませんのであしからず)

上記サイトにもかなり的確にまとめられてますが、この証券会社のメリットを個人的にまとめると以下の通りです。

・口座開設手続きのほとんどがウェブ上で済んでしまいます。パスポートコピーや住所を証明する書類(電気やガスの請求書等)はFax等で送ればOK。日本語がわかる専門の担当者がいるようで、確認に1日から数日かかることもありますが、それらの提出書類は全部日本語のもので事が済んでしまいます。

・手数料が非常に安い。例えば米国株式やETF等の売買手数料は1ドル程度。他のUS証券会社と比べても激安です。また、円をドルに換えるときの手数料は数百円で、レートのビッドアスクスプレッドはその時々によって異なりますが、たった5銭程度であることが多いです。

・IBはベースカレンシー制度を採っており、円をベースカレンシーにして円で口座に入金すれば、円をドルに換えるのをIB口座の中で出来ますので、銀行に1円ものスプレッドを取られなくて済みます。

・世界の株式市場にアクセスできます。いつからかは忘れましたが日本株式も買えるようになりました。(私は以前、実際に4桁証券コードで日本株式を発注してみたことがあり、実際に買えてしまいました。)

逆にデメリットを挙げると以下の通りになります。

・データフィーとして月額10ドルの費用がかかる。(マーケットデータを見ないで良ければ、この10ドルは必要ないかもしれません。でも指値注文したい場合は、発注画面でビッドアスクレートが自動的に拾えなくなるので発注ミスのリスクがあり、個人的には結構危ないと思います。この辺は自己責任で。)

・取引所で取引されていないオープンエンドのファンド(投資信託)は取り扱っていない。

・どちらかというと先物、オプション、商品といったデリバティブ取引等に強い証券会社なので、ツール等が本格的で、逆に言うと初心者の方にはとっつきにくいかもしれない。

IBに関するその他注意点、情報等として以下のようなものがあります。

・過去の個人的経験では、ベースカレンシーを円にして口座開設し、キャッシュ口座に設定したら、US市場のETFや株式を買うことができませんでした。IBに問い合わせしたらマージン口座に設定してくださいと言われ、設定変更した記憶があります。(ただし、US口座では、自己資金の範囲内で株式等を買っている分にはマージン利子支払いの必要はないので、マージン口座でも何の実質的な問題もデメリットもありません。また今でもこの制約があるのかどうか不明です。)

・最近、IBはトップページの日本語HPを作成しています。また日本語対応ヘルプデスクサービスも開始し始めたようで、日本人顧客獲得に積極的になっている姿勢が見えます。

http://www.interactivebrokers.com/jp/main.php(日本語TopPage)

http://www.interactivebrokers.com/en/main.php(英語TopPage)

・また近く株式公開をするようで、最近口座保有者に対し、IPO参加の案内がきています。(個人的に参加する予定はさらさらありませんが)

・他のUS証券会社と同じくSIPC保証があり、1顧客あたり$500,000(6000万円程度)の保証がかかっています。IBはさらにLloyd'sの追加保証を掛けてSIPCでカバーしきれない部分に対し追加の保険を掛けているようです。

http://www.interactivebrokers.com/en/general/education/faqs/accountProtection.php?ib_entity=llc

毎月10ドルの固定費用がかかることが嫌気されることが多いIBですが、一月に1、2回程度取引があれば、トータルの手数料は他証券会社と同等か、かえって安く上がりますので、その他にも為替や送金のコストを劇的にセーブ出来るIBを使う意味はあると思います。個人的には、日本で円をドルに換える手数料や銀行の外貨送金手数料の高さに辟易していますので、日本円でIBに送金して米ドルに換えて、他のUS証券会社へWire送金して投資信託を買ったりといった使い方もしたりします。(IBは月1回まではWire手数料は無料です。)

とここまで書いたら、なんと駒沢公園散歩人さんが、IB口座開設方法に関するブログを書かれていました。下のリンクをご参照ください。

http://komazawapark.blog99.fc2.com/

その他にもIBの賢い利用方法等が書かれており、非常に参考になります。私も勉強になりました。

(私自身、IBを使いこなせていないなあと思ってしまいました。)

最後に1点、ベースカレンシーを円にすると、日本のCITIBANKのIB名義口座に円で送金することになるのですが、もし日本のCITIBANKに口座を持っている方であれば、CITIBANKに電話して「送金したいので振込用紙送れ」とお願いして郵送でIBへの送金手続きを行うことも可能です。しかも自行内送金で手数料無料です。間違いなく、最小の手数料と労力で米国株や米国市場ETFが買える手段になっていると思います。

ご参考としてください。

| | コメント (11) | トラックバック (5)

2007年4月15日 (日)

今後の投資方針

私が行っている株式投資に関する国際分散投資ポジションについて、当ブログを書き始めてからも、結構な外部環境変化等がありました。

そこで、それらを踏まえつつ、今後の株式国際分散投資ポジションについて考えている方針と方向性を整理してみました。

(1)国内証券会社の海外株式ETF取り扱いの開始

言わずと知れた楽天証券のUSETFの取り扱い開始に伴い、日本の証券会社で運用している資金を楽天証券に移し、IVV+EFA+EEMで国際分散投資ポジションを構築することにしました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_40f4.html

現在のトヨタ・バンガード海外株式ファンドその他には、少なくない含み益が存在しますが、幸いにも日本の証券会社を通じた売却時のキャピタルゲイン課税は今10%と軽減されていますし、早期に利益に課税されるマイナス効果よりも、運用費用軽減による長期的なパフォーマンス向上効果の方が圧倒的に大きいので、このスイッチは先送りせず早くやればやるほど経済合理的と判断しています。

(2)US市場のETF選択肢の充実とその他選択肢との有利・不利に関する個人的理解の向上

USETFも継続的に進化、充実し続けています。個人的には、左のサイドバーでご紹介しているような、世界バリュー株式ファンドに投資して非常に良好なパフォーマンスを享受してきたのですが、最近はUS市場ETFでもどんどん似たようなポートフォリオが構築可能になってきました。なので、最近はUS証券口座ではニューマネーでファンドは買わず、ETFで世界バリュー株ポートフォリオを構築するようにしています。

US投資信託ではなくUSETFに傾斜してきている背景には、投資信託の多額のキャピタルゲインディストリビューションがあります。ファンド中の売買に伴い発生する利益は必ず分配しなければならないというルールがあるのかどうかはわかりませんが、毎年実際に多額のキャピタルゲインディストリビューションがあり、これを配当所得として日本で申告しています。これが総合課税で課税されるので、このキャピタルゲインにかかる実質税率が結構高く、投資効率を大きく殺いでしまいます。したがって、今の個人的状況でUS投資信託での投資を正当化するためには、この一般の投資信託のキャピタルゲインディストリビューションにかかる高率の税金という不利益事項を考慮した後でも、ETFポートフォリオよりも運用パフォーマンスが良いことが必須となります。

(この点は下のリンクのブログの中でも、以前に取り上げています。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/etf_0f07.html

この点については、双方の有利・不利をなお継続的にウォッチしていく必要があると思っていますが、ETFで自由に世界バリュー株ポートフォリオが構築可能となってきた今の状況では、US投資信託にUSETFに対しそれほどの高パフォーマンスを期待することは難しそうな気がしています。

今後も継続的に状況をウォッチしながら、現在の認識が間違っていなければ、保有ビークルについてもUS投資信託からUSETFへのスイッチを順次行っていこうと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月13日 (金)

楽天証券口座開設手続きを開始しました。

ちょっと前に下のリンクのように、ファンドから海外株式ETFに乗り換えることによる、長期投資における信託報酬節減の効果を試算し、海外ETFに乗り換えるべきか否かといった、商品乗換えにかかる将来シミュレーションをしました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_ea3d.html

あらためてこういった試算をしてみると、トヨタ・バンガード海外株式ファンドでトヨタアセットに年1%程度も抜かれているのが、本当に我慢ならなくなってきました。また同時に、長期的にこれほどパフォーマンスの差のつく、個人投資家にとってすばらしい投資の道を初めて開いた日本証券会社である楽天証券の英断を、我々個人投資家が動かないことにより他の証券会社に無視を決め込まれ、結果的にその英断が無駄に終わってしまわないように、我々個人投資家の意思を態度で示す必要があると思うようになってきました。

日本の海外株式インデックスファンドのパフォーマンスの無様さと、USETFの優れたパフォーマンスを再確認いただくには、それぞれ以下のリンクをご参照ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_16aa.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/usetf_b23b.html

私の日本の証券会社の資金など、ネット証券業界にとっては米の一粒のようなものだけれども、その1人1人の行動が、塵が積もって山となり、ひいてはこの業界全体に変化を与える力となることを願いつつ、楽天証券の口座開設手続きを開始しました。

ということで、マネックスさん、トヨタアセットさん、さようなら。

楽天証券さん、これからどうぞよろしく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月11日 (水)

為替の円安と為替変動の長期的影響

為替の円安トレンドがまた顕著になってきました。

下のリンクをご覧ください。

http://quote.yahoo.co.jp/m3?u

このページの下のチャートを見ると2月下旬から3月上旬の波乱で乱れたチャートが、各通貨でまた円安のトレンドにきれいに復帰してきているように見えます。

市場は今週末のG7で円安が主要議題にならないと見透かしているのでしょうか。

実際、対ユーロと対豪ドルでは既に円は新安値を更新してきています。(新聞はユーロ円しか話題にしていませんが)

日経ネットではこの豪ドル通貨の強さに関して、こんな記事が書かれています。

http://markets.nikkei.co.jp/column/fxwatch/index.cfm

さて、実際のG7はどうなるでしょうか。このまま何事も無く通過し、さらなる円安トレンドが加速していくのでしょうか?それとも?

世界の株式へ長期の国際分散投資をしている限りにおいては、株式の超長期のリスクプレミアムがもたらす期待リターン累計の方が為替のボラティリティよりも通常圧倒的に大きくなるので、当面どちらに進んでもらってもたいして問題はないと考えているのですが、純粋な興味本位で注目しています。

なお、上記のロジックは、期待リターンは経過年に直接比例しますが、ボラティリティは経過年の平方根に比例するという、期待値とボラティリティの性質の違いに起因しています。

例えば、世界株式の年率リターンが10%、対円の海外通貨為替の年率ボラティリティも10%、運用期間が25年とすると、

25年後の期待リターンは10%×25年=250%

25年後の為替ボラティリティは10%×(「25の平方根」すなわち5)=50%

という計算になるので、超長期の株式運用になればなるほど、株式リターンが為替のボラティリティに打ち勝つ可能性が加速度的に高くなっていく構造にあるのです。

(ここでは、資産の分布を対数正規分布と仮定し、その自然対数の右肩の正規分布の平均とボラティリティを想定した論理を展開しています。このような仮定においてのみ複数年リターン期待値が単年リターン期待値の年数倍になります。また実際の資産の分布はかならずしも完璧な対数正規分布に従うわけではありませんが、上記のような議論の範囲においてはその結論には概ね相違ありません。)

後半はずいぶん数学的な話になってしまいましたが、経過年数が長くなればなるほど、ボラティリティよりも期待値の影響が相対的に強くなる理論的構造を理解いただければ幸いです。またこのロジックは、リスクプレミアムの存在する資産への投資の場合、長期投資になればなるほど報われる可能性が高まる理屈でもあります。

長期投資の優位性は、このような形で理論的にも明確に示すことができるところが、結構意外なことかもしれませんがおもしろいところです。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

海外証券口座の為替リスク

海外証券口座に関係する話で、為替リスクに関してよく誤解しがちな点があります。

1.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建ての中国株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

2.ルクセンブルグの証券口座を開設し、円をユーロに換えて送金。そのユーロ資金でユーロ建てロシアファンドを購入。この投資にユーロ円の為替リスクは存在する?

3.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建ての日本株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

答えはすべてNoです。(ただし、円を他通貨に換えてから資産購入までの為替変動は考えないものとします。)

これ、簡単なようで、結構あちこちでこんがらがった記載等が見受けられますので、題材としてみました。

他人のことは言えず、自分もたまにこんがらがることがあります。例えば、今度のG7においての米国サイドのドル安要請といったニュースを聞くと、

ドル安⇒円高⇒米国証券口座資産減少

と、つい連想してしまいます。でもこのうち、2番目の⇒が厳密には正しくないのです。米国証券口座で投資していても、かなりの部分がETFを通じて米国以外の他の国の株式へ投資されているので、対USドルでの円高、円安はその米国以外の国への投資部分においては全く影響を及ぼさないのです。それらの部分については、例えばユーロMSCIに投資している部分はユーロ円の、英国に投資している部分はポンド円の影響を受けるのです。

そうです。このような投資で、本質的にどんなリスクを取っているのか簡単に判断するには、途中を省略して最初と最後だけ考えればよいのです。例えば、上記の1の例では、日本円資金を拠出して、中国株式を購入したのですから、中国元と日本円の為替リスクと中国株の中国元ベースでの資産価格変動リスクを有していることになります。

同じように3の例を考えて見ると、日本円資金を拠出して日本株式を購入していますので、なんら為替リスクを取っておらず、取っているリスクは日本株式の円ベースでの資産価格変動リスクのみです。

わかる方にとってはなんでもないことなのですが、海外証券口座で投資をしていて、取っている為替リスクについてついこんがらがってしまう場合には、このような判断の仕方が役にたつと思います。

(後日、リクエストにお応えして、上記で述べたような構造を実際の計算でお示しした追加のエントリーを書いています。以下をご覧ください。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_b923.html

| | コメント (3) | トラックバック (3)

2007年4月 9日 (月)

商品乗り換えの有利・不利

最近、日本国内でのETF等の新規取り扱いや米国市場でのETF新規上場といった事例が多く、商品を乗り換えるべきか否かと悩む状況も多いのではと思います。

例えば、私の卑近の例で言いますと、日本の証券会社に置いてある資金で買っているトヨタ・バンガード海外株式ファンドを楽天証券の海外株式ETFであるEFAに乗り換えるべきか否かといった事例です。

その他にもインド、中国といった新興国株式投資のために、その他の選択肢がないので仕方なく、馬鹿高い運用フィーをがまんして日本の証券会社で買える投資信託を買っていたのだけれども、そろそろ楽天やユナイテッドワールドのETFに乗り換えたいといった事例等もあるかと思います。

ちなみに下のリンクのブログ中で触れられている「投資信託 見えにくいコスト」によるとHSBCインド株オープンの総コストはなんと年4.36%程度にもなるそうです。(信託報酬:2.15%、その他信託財産から払われるコスト:2.26%)

http://straddlefc2.blog96.fc2.com/

この明示されずに取られるコストのほとんどがいわゆるカストディコスト(保管管理費用)のようですが、なんともまあ、すさまじいコスト負担です。

もしかすると、この他にも、例えば通常の海外株式ファンドでかかっている、現地で徴収される税金等がさらにあるかもしれませんので、お客の総負担はさらに高率になっている可能性もあると思われます。

これらのすさまじいコスト負担が、ETF購入でどれだけ圧縮できるものなのか、また日本で販売されているこれらインド、中国株式ファンドが果たしてアクティブαを生み出しているのか否かは、ちょっと調べたことがないのでわかりませんが、たぶん調べるまでもなく、ETFに乗り換えた方が断然よいという結論になるのではと推測します。

ここで、私の卑近な例である、トヨタ・バンガード海外株式ファンドから楽天ETFのEFAへの乗り換えをするか否かという事例を多少デフォルメして、Excelでその有利不利を試算してみました。

前提は、

現在までのキャピタルゲイン:投資元本の50%

乗り換え時のキャピタルゲイン税率:10%

乗り換え前ビークルの信託報酬:1.35%

乗り換え後ビークルの信託報酬:0.35%

運用ビークルの将来リターン:年10%

で計算した資産推移結果が、以下の通りです。

年 乗換しない 乗換えする    差

0   150%   145%  -5.0%

1   163%   159%  -3.8%

2   177%   174%  -2.4%

3   192%   191%  -0.7%

4   208%   209%   1.3%

5   226%   229%   3.7%

10  340%   363%  23.2%

15  512%   575%  63.0%

20  770%   910% 139.2%

ということで、この事例では、乗換え時のキャピタルゲイン課税額は信託報酬1%の毎年の節減で4年でちゃらになっておつりが来る計算になりました。10年20年といった長期投資をするなら迷わず乗り換えすべしという結論です。まあ、当たり前の結論ですね。

(なお、個別事例においては、両者の将来パフォーマンスの違いや見えないコストの差、さらには乗換え時の売買手数料等といった様々なその他の詳細検討が必要かと思います。上記の試算においてはそれらを無視してデフォルメした計算を行っておりますので、その点、ご注意ください。)

しかし、信託報酬1.0%の差というのは長期の運用では本当に大きく効いてきますね。本当はすぐにでも乗り換えたいくらいなのですが、証券口座がこれ以上増えるのも管理が面倒ですし、困ったものです。がんばってEFA等のUS市場ETFを取り扱ってくれませんかね、マネックスさん!

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年4月 8日 (日)

ウォーレン・バフェットの知恵

かのウォーレン・バフェット氏に関する書籍を読むと、彼は自身の持ち株を評価するのに、その市場価格ではなく、その会社自体の純資産増加額でその成果を判断し続けたそうです。まさに世界的なバリュー投資家がそうである理由の一端をここに垣間見ることができます。

すなわち、市場が総悲観で、多くの人が自身の保有株式を市場で叩き売り、悲鳴と絶望の声が飛び交う中にあって、自身の株式の市場評価額がたとえ60%下落しようとも、保有する会社のビジネスはなおも継続的に純資産を増加させ続けているという「価値」に着目し続け、自らの保有株式を叩き売ることなく超長期のバリュー投資を続けることができたからこそ、バフェット氏は世界的な投資家になれたのだと思います。

また逆に、自らの保有しないIT株がいくら高値を更新し続けようとも、その会社のビジネスが「価値」を創造しておらず、また理解不能なビジネスである限り決して投資はしないという、真に逆の状況での態度も、氏の比類なきパフォーマンスを大きく支えたものと思います。

氏の投資方法は、まさに哲学的な「無知の知」という言葉がぴったり来る、ほんの少数の自身がそのビジネスの価値をよく理解できる価値ある会社にのみ集中投資するものです。その氏の能力や活動からして、殆どの人間よりも様々な会社のビジネスがとてもよく理解できそうなものなのに、自分の理解できない多くの会社には全く手を出さないという徹底したものです。

なので、生涯かけて少数の会社のビジネスを理解しようとする活動、分析を続け、その少数の株式に圧倒的な集中投資をし続けるといった氏のスタンス自体は、おそらく多くの人にとって精神的、環境的にも真似しずらいものだろうとは思いますが、マーケットという人間集団がもたらす狂気に巻き込まれないための対処方法として考えた場合の、『「価格」ではなく「価値」に着目しつづけること』という氏のアドバイスの価値は、当方を含め万人にとって非常に大きいものではないかと思います。

いつか必ずやってくるマーケットの狂気に備える意味でも、自身のぶれない評価軸をしっかりと確立しておくことが、ぜひとも必要なことであると感じます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 7日 (土)

投資のスタンス

自分の中ではごく当たり前で、わざわざ書くまでもないことであっても、他人にとっては決して当たり前ではなく、書かなければわからないことがあります。当ブログの根幹となっている投資のスタンスも、一度しっかり書いておかないと、最初から継続的に一通り読んだ人にしかその根幹は伝わらないのではないかと思い、また何か書くそのたびごとに、その根幹にあるスタート地点から書き始めるのも結構しんどいので、当ブログにおける投資のスタンスを、「当ブログのスタンス」として左上のプロフィール中で表現することにしました。

http://max999.cocolog-nifty.com/about.html

当ブログのそれぞれの細切れの内容が、何を目的、目標にして書かれているのか、どのような投資目的に合致した内容なのかを確認していただくために、プロフィール中の「当ブログのスタンス」を利用していただければ幸いです。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年4月 5日 (木)

小型高配当株というバリュー

「バリュー株優位」の題目で、以前、大型株に対する小型株優位、グロース株に対するバリュー株優位、低配当株に対する高配当株優位という一般論について紹介しました。

また、EFAに投資する代わりにEFVに投資することにより、米国を除く世界株式ポートフォリオをETFで構築し、かつバリュー株寄りに寄せることが可能なことをお示ししました。

今回は、世界株式ETFではなかなか難しかった小型バリューの組み合わせで、かつ高配当株の優位性を利用するETFをご紹介したいと思います。

もともと低配当株に対する高配当株の優位性も結構有名だと思いますので、このあたりのことを詳しく知りたい方はその類の書籍を当っていただければと思いますが、これもある意味グロース株に対するバリュー株優位の一形態だと思います。

ぱっと見では、力強く成長していき、配当余力は分配せず、会社内での設備投資や新規市場開拓等の更なる成長原資にしていくグロース株(成長株)の方が長期的にずっと高いパフォーマンスを示しそうなものですが、実際は全くの逆で、地味に高配当を長期的に続ける株式を配当金再投資で投資していったほうが、たとえ税金控除後の配当金再投資であっても、長期的にはずっとよいリターンを示す傾向にあるというのが一般論としての過去の歴史です。

これが、DRIP投資(配当金再投資による投資方法)が指向されるゆえんでもあります。

ここでも、「バリュー株優位」でも書きました、「世界中の学者が考えても誰もが納得できる理論で説明しきれない現象の論理的正解を求めるよりも、とりあえず過去の世界中の資本主義市場において継続的に起こり続けている現象は将来も起こり続ける蓋然性が高いと考え、その方向にポートフォリオをいくぶんでも傾けることによって超過リターンをねらってしまおう」というスタンスで、US証券口座で買えるETFを紹介したいと思います。

下記のリンクをご覧ください。

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=DLS&fdtab=snapshot

このDLSというETFに投資することにより、米国除く世界の小型かつ高配当株にベットすることができます。

このWisdomTreeという会社は比較的新しい会社で、ETFとしての歴史も短いので、過去のトラックレコードでこの投資アイディアの優位性の実現を確認することはなかなか難しいのですが、このETF自体がインデックス運用のETFで、そのインデックス自体のバックテストにより過去の優位性を確認することができます。

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=43#backtest

もちろん、実際のトラックレコードではなく単なるバックテストですので、その信頼度は多少劣りますが、市場で小型株優位、高配当株優位が持続する限り、将来もそれなりに似たような結果になることが期待できると思います。

最後に、この高配当株優位という現象に対する解釈の私見をとりあえず書いておきます。実際は大半の企業というのは、自らのビジネスの優位性のありかを知っているようで、実はよく知らないということが結構普通に起こっています。なので並の企業は、フリーキャッシュフローを、実際にはシナジーが発生せず、強みも発揮できない分野に進出することに利用し、高確率で多角化に失敗していくというのが、マーケティングやブランディングの世界でよく言及されたりする典型的現象です。また世界的投資家のウォーレン・バフェットもこれに類する現象を「横並びの強制力」というふうに呼んでおり、その中で、「競合先のやることは事業拡大でも買収でも何でも無批判に真似してしまう」愚かな一般企業の習性を指摘しています。

すなわち、「自らの強みを知り」、「その強みにフォーカスし続け」、「多額のフリーキャッシュフローを毎年生成し」、「その成果を強みの無い無意味な事業拡大等に費消せず、株主へ高配当で還元し続ける」一部の賢い企業を、高配当株投資は効果的に抽出することにつながっているのではと考えます。

まあ、このあたりの解釈は、たぶん学者でも誰もを納得させる理論で説明しきることはできないでしょうから、話し半分に聞いていただくこととして、過去の統計的な優位性の存在の方を重視、確認いただくのがよいと思います。

なお、個人的にWisdomTreeのETFはほんのちょっとしか保有しておらず、その理由は、

歴史が浅く、これから10年20年と継続して同じETFを良質な内容で安定的に提供し続けてくれるかどうかに確信があまりない。

日々の出来高が少なく、流動性が劣っているものが多い。

といったものです。

ですが、このようなブログを書いていることもあり、ここは人柱になってDLSを多少なりとも買ってみようかと思います。

また、この内容に類することで何か追加的に判明しましたら、この場で情報提供したいと思います。

(その後の人柱の結果は以下の通り後日まとめております。下のリンクをご覧ください。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/etf_396e.html

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »