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2007年4月22日 (日)

タイミング投資

タイミング投資を個人的に定義してみると、「売買のタイミングを図ることによって、より投資リターンを高めようとする行為」となるでしょうか。

タイミング投資が上記の定義に収まる行為であるとすると、個人的にタイミング投資やそのような発想を捨ててから、何年になるでしょうか。皮肉なことに、そのような行為を全く行わなくなってから、かえって個人的な投資のリターンは格段に上がりました。

すなわち、下落相場を避けて上昇相場だけを取ろうという欲を捨て、常時市場にい続けることを選び、自身のタイミング投資能力によるリスク管理から、国際分散ポートフォリオによる分散投資効果によるリスクコントロールをするという発想に転換したことにより、投資リターンを格段に向上させることができたということです。

右肩上がりの下のようなビークルに乗っていたのですから、結果的に見れば、タイミング投資よりも良い結果を導いたことは当たり前と言えば当たり前です。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=QFVOX&fdtab=snapshot

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=PGVFX&fdtab=snapshot

しかしながら、このような投資ビークルを選ぶために偶然や常人の能力を超えた力が必要なわけではなく、普通の能力の持ち主が、リスクリターンの良いことが見込まれる分散ポートフォリオを、また過去の株式市場において機能してきたバリュー株アプローチの発想を、合理的に追求していくだけで選んでこれることは、着目していただける点だと思います。

もちろん、ある時点の判断は確率的なものであって、上記のようなビークルであっても、判断時点から何年もの間低迷する可能性もあったわけですが、それでも株式市場の歴史は、上記のようなアプローチで長期の株式分散投資を行えば、圧倒的な高確率で大きく報われることを証明しています。長期投資で資産を成長させることに腹を決めたら、短期的な運不運にとらわれる必要はないのです。

日本の株式市場のみを見て、日本の株式で資産を増やそうとすると、なかなかこのようなスタンスに立てないのではないかと思います。市場全体が右肩上がりではなく、日経平均はいまだにバブルの頂点に遠く及ばないところをうろうろしています。また、ひと頃よりはだいぶ下がりましたが、それでも日本株式のPERは20倍程度で諸外国と比べるとまだまだ高い値にとどまっています。このような市場環境では、動きのある銘柄を選んでタイミング投資で鞘を抜いて資産を増やすしかないという発想になってもしかたないのかもしれません。

おそらく、これは一種の悪循環だと思います。日本の株式市場全体が全般的に収益性が低く割高であるので、余計に株式の価値に投資するのではなく、投機市場としての鞘抜きアプローチに走ってしまいがちになるのではないでしょうか。

しかしながら、企業の価値に投資するのではなく、タイミング投資に走れば、基本的にその投資はゼロサムに近くなり、投資の期待値はゼロリターンに近くなります。そのようなビハインドな投資手法で年10%や20%のリターンを上げようとすれば、やはり人並みはずれた能力が必要になるのではないでしょうか。

今、ブログの世界においても、日本の新興市場に投資している方の悲鳴が聞こえます。そのような方がもし、世界の他の先進国の新興市場や新興国市場にも投資する分散ポートフォリオを組んでいれば、今の耐え難い状況は回避できていたかもしれません。

世界に目を向け、日本国に集中しているリスクを一部でも分散するだけで、助かることは多々あります。一人でも多くの方が、タイミング投資ではなく、分散投資のアプローチで自らの投資ポートフォリオを守るすべを見出していただくことを願って止みません。

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