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2007年4月27日 (金)

物語で読み解くファイナンス入門(その2)

今回は前回紹介しました本の続きです。

標題の本の中で、もうひとつ興味を引いたのがワイン投資に関する記述です。

面白いことにワインも投資対象として十分な意味をもつとのことで、その要因としては、ワインは年数が経るごとにおいしくなり価値が上がること、また年数を経るごとに飲んでしまって消失するものが多く希少価値が上がっていくことといった要因があり、適切に管理保有しているとプラスの投資リターンが期待できる投資対象であるとのことでした。

また、過去平均すると株式に比べてリターンは低いが、特定の年度の特定のワインに投資すると、株式のリターンを上回る結果が得られたこと、すなわちワインの目利きができて何年、何十年に一度の価値あるポイントを押さえられる実力のある人にとっては、株式市場よりも大きなリターンを得ることができる可能性のある市場だとのことです。

これを読んで、ああこれは、不動産や絵画等と株式の関係と一緒だなと思いました。これらの投資対象も目利きの実力者にとっては株式よりもずっと大きなリターンを得られる可能性に満ちているけれども、平均的には、これら市場のリターンは株式市場から得られるリターンに大きく劣ってしまうのが長い資本主義市場における過去の結果だと思います。

これに関連して不思議なのは、過去の資本主義市場の長い歴史の中で、不動産は株式資産に比べて明らかにパフォーマンスは低かったのに、なぜ不動産投資が好まれ、また不動産で実際に財をなす人が多いのかという疑問です。

現時点においては、この疑問は私の中で以下のように整理されています。

まず、不動産投資の場合は、銀行等がお金を貸してくれて非常に高レバレッジの投資が可能なこと。いかに高配当の株式銘柄に投資し、堅い確率で借金返済可能な見込みが立ったとしても、なかなか銀行は株式投資のためにお金は貸してくれません。貸してくれるのは、信用取引でとてつもない高利を要求する証券会社だけです。この違いが、早くお金持ちになりたい人にとっては、高レバレッジポジションを持てる不動産投資の方が有利との結論に結びつく大きな理由となっているのではと考えます。

また、株式と違って毎日取引市場で値がついていないので、不動産は時価の変動が認識されにくく、保有時の恐怖感を感じにくいというポイントも結構大きいのではと思います。もし結構高配当な株式銘柄を信用取引で購入している状態と、毎月家賃が入ってくる不動産投資を借金して高レバレッジで行っている状態を想定すれば、それらの基礎条件が同じであれば、理屈上ほとんど同じような投資を行っていることになると思われます。でも前者は恐ろしいナンセンスな投資で、後者は常識的な普通の投資になってしまうのはなぜでしょうか?どちらも、1銘柄に集中して投資しており、自己資金の何倍、何十倍のポジションを持っており、その借金して購入した投資ポジションのリターンから借金返済する目論見であることには全く変わりありません。

もし、不動産取引市場がとっても流動性が高く、毎日寄り付き価格がわかって不動産投資の資産マイナス負債の価格が毎日算出できたとしたら、かえって恐怖心が増すのではないでしょうか。例えば、「今日の下落で自己資金分が全部吹っ飛んで、債務超過になってしまった!」とか。高レバレッジ投資なのですから、市場が下落すればこのようなことはしょっちゅう起こりえます。このような事態を眼前に突きつけられることがないというのが、実際に取っているポジションとその集中度がもたらす本質的リスクが認識されにくい理由なのではないでしょうか。

個人的には、不動産投資がもたらす集中リスク、例えば地震や欠陥住宅等で上モノが使い物にならなくなるリスク、例えば会社や学校移転といった予測不能な空き室リスクといったリスクをとって、何倍何十倍のレバレッジ投資をしたいとは思わないので、原資産として最もリターン期待値の高い株式投資にフォーカスしています。

人生は一度きりです。高レバレッジはうまくいけば破格の成功を実現する強力なエンジンになりますが、逆に働くと再起不能な状態へと導く負の強大な力にも成り得ます。そのポジションに賭けて加速成功を目指すも人生、それを避けて確度の非常に高いフィナンシャルフリーダムを目指すもまた人生、選ぶのは一人一人の個人の考え方次第だと思います。

ただ、後者の方がより一般的で多くの方の採り得るフィナンシャルフリーダムの達成の仕方だと思っています。

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