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2007年5月 1日 (火)

BRICs

今日の日経新聞の夕刊は、珍しくBRICs関連の投信の記事が1面トップでした。

記事の主旨は、同じ新興国であるBRICsの中でも、投資する国によって投信の運用成績に大きな差が出てきているということを示すものでした。

記事の内容は、

中国A株>>その他中国株>東欧・ロシア>インド

という順序でパフォーマンスが大きく異なっていることを示していました。(その他の国の記載も若干あったのですが、省略させていただきました。ご興味ある方は、実際の日経新聞夕刊にあたってみていただければと思います。)

BRICsをしっかり理解して投資されている方にとっては、その結果についてわざわざ日経新聞に教えてもらうまでもなく、よくご存知のことだろうと思いますが、日経新聞は「なぜこうなるのか」の部分について何も語らないので、BRICs、特に中国の構造をよく知らない読者に対してミスリーディングになっているのではないかと、老婆心ながら心配になります。

すなわち、この記事を読んだ素人さんの中から、「ほう、中国A株とは年利120%も稼げるほど、優れものの投資市場なのか、一丁中国A株のファンドに投資してみるか。」と考える人が続出しないでしょうか?日経新聞の記者さんは、すべてわかっていて紙面の都合上、これに関することを書かないのか、それとも記者さん自身も中国市場の本質について知らないまま、罪作りな記事を書くことになっているのか、何とも判別できません。

もし、これを読んでいる方で、まさに上のように考えられた方が万一いらっしゃったら、中国市場のしくみを真剣に調べて、中国A株に投資することの意味をきちんと理解できたという自信を得てから、それでも投資したいという場合に限って投資されることをお勧めします。

ちなみに、私は中国A株に投資することは一生ないと思います。非合理な価格形成に基づく鉄火場に突っ込む資金は持ち合わせていませんので。また、いずれこのような不合理な市場制度も消滅せざるを得ないのではと推測しています。

なお、実はBRICsの中でも、国によって割安度は大きく異なることが、良く知られています。

http://plaza.rakuten.co.jp/isbrics/diary/20070316/

左のサイドバーでご紹介しています広瀬氏のこのサイトで、BRICs4カ国のPERを確認することができます。実は4カ国のうち、インドだけが歴史的にも相対的にも割高であることがわかります。

すなわち、BRICsの中でインドのリターンが優れない理由として、割高割安指標からみた理由があったのです。(それが全てとは決して申しませんが)

逆に言うと、PER指標からいうと、BRICsのうちインド以外の国は先進諸国等と比べてもなおも割安であって、その成長性を加味すれば相対的な割安度のある魅力的な状況を保っていると言えると思います。

なお、米国証券口座を通じたBRICs投資を考える場合は、以下のサイトが非常に情報が早く、参考になると思います。(参考のためにロシア系のETFのページを引っ張ってきました。)

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-319.html

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-313.html

また、以下の記事を追っていくと、米国証券口座でBRICs等の新興国投資を行う場合のETFやCEFの知識を効率的に得ることができると思います。

http://www.thestreet.com/_yahoo/funds/etf/10346742.html?cm_ven=YAHOO&cm_cat=FREE&cm_ite=NA

ただし、ETFについては、特にロシア系のETFは、まだ出たばかりで流動性も低く、なかなか手を出しづらい状況なのではないかと思います。もう少し様子を見たほうがよいかもしれません。ETFの代わりにCEF(Closed End Fund)でお茶を濁しておくという手もあるかと思います。

では、さらなるBRICsの将来性に乾杯!

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