« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

2007年5月

2007年5月31日 (木)

日本国債

題名は忘れてしまいましたが、昔読んだ本の中に、「国債は次世代への税金に等しい」という主旨のことが書いてありました。至極最もな話ではあります。本日はこのテーマで思うことを書いて見ようと思います。

例えば、今日、国が1億円の国債を発行し、国民のAさんがこの国債を購入したとします。これで1億円の札束が、Aさんから国に渡ります。

その後、国は国を維持するための費用にこの1億円を費消します。例えば、中央官僚への給与支払いや議員に支払うお金等に費消します。

1年後、国債の利子支払いの時期がやってきました。(めんどうなので、利子は年1度の支払いとします。)ちょうどAさんが所得税100万円を納入してくれたので、そのお金をそのままAさんに国債の利子として支払います。

毎年そのようなことを繰り返し、Aさんの支払う税金がそのままAさんに返されます。そうこうしているうちに国債の満期がやってきました。この年、ちょうどAさんが亡くなって、国に相続税が1億円入ってきましたので、その1億円を、国債の所有者であるAさんの遺族にそのまま渡しました。

あれ、この例では、国債の利子と元本の支払いは、全てAさんとその遺族にかかる税金で賄われていますね。そして、国は最初に手にいれた1億円は自分で使ってしまっています。

この例で言えるのは、国は国債を発行して借金をしているのではなく、実際は、国が将来の税金徴収額を前倒しで手に入れてすぐに費消するために、国債というツールを使っているだけだということです。

これが、「国債は次世代への税金に等しい」という言葉の本質だと思います。

なぜ、こんな話を急にはじめたかと言えば、最近、「国債は買ってはいけない!」という本を読んで、冒頭の理屈を久しぶりに思い出したからです。

この本でも、本質的に同種の理屈が展開されているように思えます。

上記の理屈が正しいとすれば、国債は、実は国民にとって資産ではないかもしれないことがわかります。国債発行により、国民の資産として国債の額面が計上されますが、国民にとっては同時に将来の元本と利子相当の追加の税金支払いが新たに必要になりますので、その将来税金追加支払額の現在価値である国債の額面金額が国民の新たな負債として計上されることになるからです。

なんと!驚きの結果です。

もちろん、ミクロの一人一人にとって、国債を買ったら、その特定の個人に対して国債相当分の将来税金徴収があるわけではないので、ミクロの一人一人にとって、国債は資産計上できる資産であることは明白です。

しかしながら、国民全体で見れば、国債の資産計上額と国債発行に伴う将来税金追加支払い必要額現価が論理的に概ね等価になるだろうこともおそらく明白です。

この論理を延長しますと、できるだけ国債をたくさん持って、他の国民の将来税金徴収金額の還元を受けるのが、論理的に最も合理的な態度となるように思うのですが、どうもこの結論もなんだかしっくりきません。

論理的には、至極正しいように思えるのですが。

論理の迷宮に迷い込んだ気分です。

もし、これまでの論理が正しかったとして、我々はいかに振舞うべきなのでしょうか?

ありったけの個人資産を投入して国債を買いつけることとすれば、個人というミクロベースでは、他人の将来税金で国債の将来利息と元本が支払われるので、リターンは高くなるかもしれません。それでも、自分自身の所得税や消費税といった税金支払いがある限り、ネットのリターンは極小、あるいはマイナスになってしまうかもしれません。

我々は、マイナスサムのゲームのマイナス幅を最小にするしか道はないのでしょうか。しかも、日本国債を集中買いすれば、日本国のデフォルトリスク満載のリスク集中資産ポートフォリオになってしまいます。

やはり、国際分散した株式投資等のリスク資産の保有により、日本国の将来の酷税に勝てるほどのリターンを得るのが、良策のようです。

ということで、いかにも手前味噌の結論になってしまいましたが、上の論理は本当に正しかったのだろうか・・・

眠れなくなりそうなので、とりあえず忘れておくことにしましょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月30日 (水)

印紙税

今日の中国本土株の下げは、印紙税の値上げがきっかけのようです。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070530NT001Y38230052007.html

2倍3倍のマネーゲームが展開されているであろう市場にしては、ずいぶん細かい税率変更に大きく反応しましたね。

この間の2月27日の、中国本土株をきっかけにした世界株式市場の下落は、当日夜の米国市場の大きな下落から、他国市場の本格的下落へと波及していったように思います。

不思議なのが、多くの国の株式市場で3月5日に底値をつけ、そこまでの累積下落率が軒並み、6%から9%程度といった非常に似通った水準だったことです。

前回のように、世界の株式市場が軒並み中国閉鎖市場の下落幅と同程度の値幅で下げていくのも過剰反応しすぎのように思いますが、米国景気の先行きが怪しげであるだけに、米国市場の反応は注目してしまいます。

さて、今回はどんな展開になりますか。今夜の米国市場がその後の各国市場の展開のキーになるかもしれません。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年5月29日 (火)

ETF vs MutualFund

何日か前に、新興国株ファンドであるQFFOXと、新興国株ETFであるEEMやVWOの運用成果を当ブログで比較してみました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_ce0d.html

運用成果については、少なくとも調査した比較可能な過去の直近の期間においては、QFFOX(ファンド)の方に軍配が上がりましたが、将来どうなるかは残念ながらわかりません。

カントリーポートフォリオの違いやファンドの運用方針等についても調べていますが、運用成果の差につながる決定的な理由についても今のところ残念ながら解明するに至ってはいません。

というわけで、新興国投資において、今後もあいも変わらず、ファンドとETFへの分散投資が続きそうです。

このテーマは、私の中では結構長きに渡り決着しないテーマで、昔も、ある掲示板にこのテーマに関する記述をしています。

//(以下、某掲示版への当方記述より転載)

 ■題名 : ETF vs MutualFund
 ■名前 : V-Max
 ■日付 : 06/2/26(日) 14:32
 --------------------------------------------------------

    ▼xxxxxxさん:

>この組み合わせをETFで組むことも可能で、
>IOOとEEMとでできそうです。expense ratioは若干低くなります。
>
>VーMaxさんが、ETFの組み合わせでなく、ミューチャルファンドの組み合わせ
>を選ばれた理由はどのようなものでしょうか。

ETFでも似たような(世界株+新興株)の構成で保有しています。

ミューチャルファンドについては
米国投資信託は非常に長期のトラックレコードがあるファンドが
多くあり、少なくとも日本のファンドよりその実力に信頼感が
持てる。
とくに新興国については政治リスク等を含め、ファンドの方が
ETFよりも機動的な対応が期待できる。(という希望的観測)
ただし、やはり将来の高パフォーマンスは保証されているわけ
ではなく、期待はずれの結果になるリスクがある。

ETFについては
確実に平均的なパフォーマンスを確保できる。またコストが非常に
低いことからその面でミューチャルファンドの平均を大きく超える
結果も期待できる。
ベンチマークに完全に沿った運用になるので、政治リスクその他の
ベンチマーク自体が急に不適切になったような事態に対応すること
が難しい。(と推測している)

といった感じで両者にメリット、デメリットがあり、どちらか一方
が絶対的に優れているという結論に個人的に到達できないので、
両方持つことにしています。
これもちょっと性質は異なりますが、分散投資の考え方の一種と
とらえています。

ご参考になりましたら幸いです。

//(以上、某掲示版への当方記述より転載終わり)

前のブログで書きましたとおり、当時は新興国株ETFに対してちょっと懐疑的な見方をしながらも、運用結果にかかる分散の観点から、新興国株ETFも分散保有している姿が明らかに見て取れます。

この延長で、今も新興国株ETFと新興国株ファンドのどちらか一方に寄せることができずにいます。

また、当方にとって、世界バリュー株ETFと世界バリュー株ファンドのどちらがより好ましいビークルかという点も、明らかにしたいテーマです。

しかしながら、この点については、バリュー株のその能力は下げ抵抗力に大きく現れてくるものと思いますので、やはり大きなバブルとその崩壊の一山超えて見ないと、おそらくきちんとした結論を出すことは出来ないのではないかと推測しています。

まだまだ、このテーマについては結論が出せそうにありません。少なくとも5年10年はかかりそうです。まあ、長期投資ですから、ゆっくり見ていきましょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月27日 (日)

バリュー株投資ビークルに乗る際の心構え

左のサイドバーで載せている世界バリュー株ファンドのPGVFXのアニュアルレポート(2006年12月)を見ていたら、このファンドとMSCIworldとの、長期パフォーマンス比較の数字が載っていました。この数字の動きから、バリュー株投資をする場合の典型的な動きがわかり、またバリュー株投資のメリットもわかり、かつバリュー株投資をするときの落とし穴もわかります。なので、今回は、このパフォーマンス数字を取り上げて、それらの点をご紹介したいと思います。

まずは、各年のパフォーマンス数字からです。

          PGVFX  MSCIworld  diff

1990   -11.74%   -17.02%     5.28%

1991    17.18%     18.28%    -1.10%

1992     9.78%     -5.23%    15.01%

1993    25.71%    22.50%      3.21%

1994   -2.78%      5.08%     -7.86%

1995   31.81%     20.72%    11.09%

1996   23.32%     13.48%     9.84%

1997   34.56%     15.76%    18.80%

1998   -8.85%     24.34%   -33.19%

1999   16.50%     24.93%    -8.43%

2000   -5.82%    -13.18%     7.36%

2001    2.21%     -16.82%   19.03%

2002    3.82%     -19.89%   23.71%

2003   47.06%     33.11%    13.95%

2004   23.63%     14.72%     8.91%

2005   10.52%      9.49%      1.03%

2006   24.57%     20.07%     4.50%

対比しているベンチマークは、MSCI World, EAFE and USA Indexes, net dividends reinvested ("MSCI World, net")とのことで、源泉税をも含む配当の効果も考慮されたベンチマークのようです。比較対象のベンチマークとしては、適切なベンチマークと思われます。

この17年の結果をまとめると以下のとおりとなります。

                     PGVFX  MSCIworld

年率リターン      13.1%        7.5%

累積資産成長   8.06倍    3.43倍

言うまでも無く、PGVFXの圧勝です。年率リターンでは、PGVFXの13勝4敗となっています。PGVFXを持っていれば、およそ4分の3の確率で、毎年の年率リターンでベンチマークに勝ったことになります。

また、下げ抵抗力を見てみましょう。

「最悪のケース」

運用期間   1年     2年    3年    4年    5年   6年  7年

PGVFX       -11.74%   -3.74%  -0.06%    2.22%    6.12%  42.80% 76.10%

MSCIworld  -19.89% -33.36% -42.15% -27.72% -11.66% -3.27% 16.14%

すなわち、最悪の年に投資してしまったら、MSCIworldの場合には、元本復帰するのに、6~7年もかかってしまったことになります。これが、PGVFXの場合は3~4年ですんだわけです。また、最悪のタイミングで資産購入した場合、MSCIworldであれば、累積で42.15%の下落に耐える必要があったのに対して、PGVFXであれば、たった11.74%の下落に耐えればよかったことになります。

こういう数字を見てみると、バリュー株投資をすることのメリットがはっきりとわかります。

それでは、このようなバリュー株投資ビークルに乗ることの落とし穴はないのでしょうか?これも上のデータが如実に示してくれています。

          PGVFX  MSCIworld  diff

1998   -8.85%     24.34%   -33.19%

1999   16.50%     24.93%    -8.43%

PGVFXに投資していた場合、もっともきつい逆風に1998-1999の2年間に晒されていたことになります。PGVFXは1998年にはベンチマークに対し-33.19%、1999年には-8.43%と、大きく遅れをとっています。2年間ベンチマークに対してこれだけ大きく遅れをとっていたら、このファンドを持続できる人のほうが少ないのではないでしょうか。

折りしも、おおよそグリーンスパン氏が「根拠なき熱狂」と警鐘を鳴らした時期に近いものと思われます。バリュー株投資は、米国市場の熱狂に置いてけぼりをくらってしまった格好です。ここで、我慢できずにPGVFXからMSCIworldインデックスに乗り換えてしまったら、およそ7年間元本復帰しない、MSCIworldのまさに最悪のタイミングに、乗換えを行うことになってしまいます。

実際、1990年にPGVFXへ投資をはじめ、2000年始に、PGVFXからMSCIworldに乗り換えたとすると、上記17年間の年率リターンは、8.07%にまで落ちてしまいます。

バリュー株投資ビークルの最悪の時期に、「バリュー投資が報われる」ことを信じられなければ、結果、ほとんど全てに近いバリュー株投資のベンチマーク超過リターンを捨ててしまうこととなるわけです。

これは、実に恐ろしいことです。

「バリューが報われる」ことを最悪の時期にも信じきれる人間でなければ、バリュー投資は徒労に終わってしまう可能性が高いことは、知っておいて損はありません。「全ての資産はいずれ本源的な価値に収束する」という信念を、バブルの宴の渦中においてもまわりに流されることなく貫き続けることができる人しか、おそらくバリュー投資の価値を手にすることはできないのです。

この例に限らず、よく言われる、「バックミラーを見て運転する愚」を冒してしまうとろくなことがないことは、十分腹に落としておく必要があります。

バフェットが、ITバブル時に、価値を生み出さない株が何十倍になろうとも無視を決め込んだように、バリュー株ビークルへの投資においても同種の能力が必要です。おそらく、その能力に対する見返りが、バリュー株ビークルの破格の超過リターンなのだと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年5月26日 (土)

タイミング投資をロードファンドでやる愚

私自身は、タイミング投資をやることは生涯無いと思いますが、その色気のある方に向け、ある種冷静な計算結果をお示しし、タイミング投資をする場合の明らかな注意事項を挙げたいと思います。

結論から申し上げますと、タイミング投資をロードファンドでやるのは可能な限り避けたほうがよく、それにハイウォーターマーク成功報酬が加わると、まさに自殺行為に近いと思われます。

では、実際の試算結果をお示しします。

対象市場の期待収益率(費用控除前):年10%

ロードファンドの購入手数料:3.15%、信託報酬:年2%、信託財産留保額:0.3%、ハイウォーターマーク成功報酬:20%、その他見えないコスト(カストディ費用その他):年1%

キャピタルゲインに対する税金:10%

以上の仮定のときに、対象市場が期待収益どおりのリターンを見せたとしたら、そのときの手取りリターンの結果は以下の通りになります。

(1年運用の場合)

((100-3.15)*(1+(0.10-0.02-0.01)*0.8)*(1-0.003)-100)*0.9=1.770101

(半年運用の場合)

((100-3.15)*(1+(0.10-0.02-0.01)/2*0.8)*(1-0.003)-100)=-0.77689

(3ヶ月運用の場合)

((100-3.15)*(1+(0.10-0.02-0.01)/4*0.8)*(1-0.003)-100)=-2.08872

すなわち、タイミング投資で3ヶ月勝負をし、その投資市場で期待リターンどおりの結果が得られたとすると、1回の勝負につき、2.08872%失うことになるわけです。

このようなタイミング投資を繰り返していくと、どんどん期待値に収束していきますから、平均的な人はこのような投資スタンスを取ると、毎年の運用成果は、

(100-2.08872*4)=91.64583%

の対年初資産残高になります。ざっくり毎年、1割弱の資産を失っていくわけです。

(例によって概算計算となっており、厳密には精緻な複利計算等を用いる必要があります。ただし、それにより物事の本質はほとんど変わりませんので、ここでは簡略計算を行っています。)

いや、自分は、平均的な人間より買いタイミングを図るに優れているので、投資資産の平均的なリターンよりも高いリターンが獲得できるはずだというふうに考える方もいるかもしれません。これが、オーバーコンフィデンスかどうかは神のみぞ知るというところですが、まあ、実際にそのような能力をもつ人が存在するとして、ベンチマークを負かすにはどれくらいの目利きが必要か、調べて見ました。

その結果は、

((100-3.15)*(1+(0.10*4-0.02-0.01)/4*0.8)*(1-0.003)-100)*0.9=3.334364

(100+3.334364*4)=113.3375%

という計算で、対象資産の期待リターン(10%)のおよそ4倍程度の期待リターンを示す(期待リターン年40%)機会をピンポイントで選択しつづける必要がありました。

まさにこれは神業です。そのような機会は5年や10年に1回とかそういったオーダーでしか起こらないと思いますので、しょっちゅうこのようなタイミング投資をしている人は、それだけで、不可能への挑戦をしていると言えると思います。

では、このタイミング投資をハイウォーターマーク費用のないノーロードファンドで行えば、どうでしょうか。明らかに、この不可能への挑戦のハードルは低くなるはずです。

((100-0.00)*(1+(0.10*2-0.02-0.01)/4*1.0)*(1-0.003)-100)*0.9=3.543525

(100+3.543525*4)=114.1741%

といった計算で、、対象資産の期待リターン(10%)のおよそ2倍程度の期待リターンを示す(期待リターン年20%)機会をピンポイントで選択しつづければ、ベンチマークに勝つことができます。

これでも普通は神業ですが、ハイウォーターマーク費用のあるロードファンドよりはずっとましです。

こういう、ある種冷酷な計算結果を知っていると、タイミング投資といった指向の投資行動はおのずと自重したくなります。

なるほど、賢く長期投資を行う人にタイミング投資で勝つのが難しいわけです。

では、戦地に赴く方々にご武運を。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月25日 (金)

グリーンスパンの憂鬱

グリーンスパン氏が実際にどう感じられているのか知る由もありませんが、相場というのは本当に皮肉なものです。

http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-200.html

まあ、ざっくり省略して表現すると、氏は「中国本土株はバブルだから、高確率で将来暴落する。でも世界経済はその影響を免れる可能性が高い。」と言っているように見えます。

しかし、その氏のコメントで動揺したのは、中国本土市場ではありませんでした。中国本土株は、今日も順調に上がったようです。

http://www.bloomberg.com/markets/stocks/wei_region3.html

本当に皮肉なことに、動揺しているように見えるのは、中国本土市場以外のその他の世界の株式市場の方です。

http://www.bloomberg.com/markets/stocks/wei.html

おそらく氏の適切と思える警告のおかげで、中国本土株とその他世界株のバリエーションのいびつな関係は、さらにその度合いを増してしまったのでした。これを皮肉と言わずしてなんと言うべきでしょうか。

氏は過去の米国市場の異常な状態を、確か「根拠なき熱狂」と表現したように思います。残念なことに、この氏の警告を無視するかのように、その後も2年くらいは米国市場の上昇が続いたものと記憶しています。その上昇が、その後のITバブルの崩壊や会計スキャンダルをより激しくする演出になってしまいました。

バブルはそれがバブルとわかっていても、いつはじけるかまったく見当がつかないのが普通です。中国本土株も、それがマネーゲームであるとわかっていても、おそらく参入する人がこれからも後を絶ちません。

それがバブルのある種の魔力だと思います。

これも、知っていることと、腑に落ちていることの差だと思います。このようなマネーゲームに参戦して運良く勝ってしまったら、逆に、本質的な価値のないマネーゲームで夢よ再びとなってしまい、将来より悲惨な不幸を呼んでしまうかもしれません。本質的な価値のある投資対象に投資する態度が身につかずに、将来より大きなポジションを建てることになるだろうことは、実はとても不幸なことかもしれないのです。失敗をして教訓を得るプロセスは、資金の小さいときに済ませておくに越したことはありません。

これもまた、投資家としての一種の通過儀礼でしょうか。

いずれにせよ、世の全ての投資家に幸あれと願わずにはいられません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月24日 (木)

ハイウォーターマーク費用のコストと意味

以前、中国A株の話題のときに、ハイウォーターマーク費用という言葉を使いましたが、今日はこの話題です。

この言葉の意味を念のためご説明すると、いわゆる資産が新高値を取ったときに、以前の高値との差額の一定パーセントを運用成果に対する報酬として運用者が徴収するタイプの費用のことを指します。

以前の話題の際には、日興の中国A株ファンドにこの費用が含まれていました。実質、運用によるリターンの15..75%は日興にもっていかれる勘定になります。

この費用、投資信託でプラスのリターンに対して適用されることについて、納得できますでしょうか?

このペイオフは、いわゆるコールオプションの買いポジションのペイオフにほぼ等しいと思われます。要は、運用者は、相場が上がればその一部%を貰え、仮に相場が下がっても何の支払いの必要がないのです。

う、うらやましい・・・というのが、普通の反応だと思います。バブルでボラティリティの高くなった市場で、下がったときのリスクゼロで上がったときだけその上昇の一部をいただけるなんて。まさにゼロリスクハイリターンのポジションです。

通常、こんな虫のいいポジションがただで手に入ることは、合理的なマーケットではありえないことです。このポジションに大きな価値があるということはすなわち、このポジションを得るためには、通常高いプレミアムを支払う必要があるのです。

さて、ここで中国A株ファンドを運用している日興は、投資信託を買って実際に中国A株のリスクを取っているお客に対し、このコールオプションのプレミアムを支払っているでしょうか?答えは当然、Noとなります。

この中国A株ファンドのお客は、運用者である日興に、コールオプションの買いポジションをただで献上しているのです。

フェアな市場においては、リスクを取った者だけがそのリスクポジションから得られるリターンを手にすることができます。相場変動に関して、フリーランチの機会は普通、存在しないはずなのです。では、なぜ日興はフリーランチをエンジョイすることができるのでしょうか?

ここで、より一般的にこのハイウォーターマーク費用が利用されているヘッジファンドのケースを考えて見ましょう。

もし、あなたがヘッジファンドを運用できるほどの能力があって、お金さえあれば、市場のゆがみから無リスクでリターンを生成することができるとします。でも、元手がないのでポジションを立てることができず、せっかくの能力を生かすことができません。もし、このとき、あなたの能力を知る、となりの金持ちのAさんが10億円をポンとあなたに渡し、「キミの能力をフルに生かして、無リスクで利益を得る運用をしてほしい。もしリターンを得ることができたら、そのキミの類まれなる能力と成果の見返りとして、そのリターンの20%をキミに支払うこととしよう。」と言ったとしたらどうでしょう。まさしくこれがヘッジファンドの始まりだと思います。

そうです。ハイウォーターマークの成功報酬は元々、類まれなる運用能力等をもつ特異な才能の持ち主と、そのような非凡な運用能力は持たないが有利な運用を求めるお金持ちの、相対取引条件だったはずなのです。

すなわち、通常の投資信託でハイウォーターマークの成功報酬が問題なのは、特定市場のロングポジションを持つことは、別に特異な能力がなくても、世の中のだれもができることだからです。

サルでもできる仕事に対して、厚かましくもハイウォーターマークの費用を請求する方もする方ですし、そんなサル仕事に成功報酬を支払う方も支払う方です。まともな神経を持つ運用者の提供するビークルであれば、例えばベンチマークを上回った分に対してのみハイウォーターマーク費用を請求する等の、生成した付加価値に対してだけ成功報酬を請求する、筋の通ったフィー体系になっているものです。

ただし、おそらく日興としての言い分としては「中国A株に直接投資できる権利を中国政府から獲得するには、多大な苦労と労力があったのだ。その仕事が、類まれなる仕事だったのだ。」というに違いありません。その言い分が正当かどうかは、Matter of Opinionだと思いますが、もしその主張が正しかったとしても、それでも、ゼロリスクハイリターンのポジション獲得を正当化することはできないと思います。なぜなら、その成果は過去の1時点の成果なので市場連動の成果ではなく、固定費用換算できるタイプの労力や成果であるわけですから、市場に関するオプションポジションとして市場連動費用の形でお客に請求すべきものではないと考えるからです。

ちなみに、コールオプションとしてのハイウォーターマーク費用をオプション評価式でざっと計算してみました。

スタート時運用額100、運用開始時の運用額を超えた部分に対して20%のハイウォーターマーク成功報酬、無リスク金利3%、ボラティリティ40%という仮定で計算したら、そのオプションプレミアムは、

1年運用期間の場合:3.43

3年運用期間の場合:6.09

となりました。すなわち、この例でもし3年運用の場合であれば、経済的には、ファンド購入時の支払い手数料のほかに、追加で6.09%の手数料を払っているに等しいことになります。(ただし、上記計算は簡略化された仮定に基づく計算ですので、厳密性に欠けるおそれがあります。この点、ご注意ください。)

これで、まちがいなく元々ハイリスクハイリターンビークルであったものは、ハイリスクミドルリターンやハイリスクローリターンビークルに近くなってしまいます。ハイウォーターマーク費用を見つけたら、そのような成功報酬を払うに足る、類まれなる付加価値を提供してくれる相手かどうか、また、類まれなる付加価値に対してのみ支払うストラクチャーになっているかどうかを確認した方がよいと思います。取ったリスクに見合わない低リターンのビークルにつかまっていては、フィナンシャルフリーダムはより遠くなるばかりですから。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年5月22日 (火)

初めての新興国株投資ビークル

私の初めての新興国株投資ビークルはこれでした。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&pgid=hetopquote&Symbol=QFFOX

米国証券口座を開設してから、左のサイドバーにあるようなUS投資信託を用いて投資を始めたのですが、ポートフォリオ中に新興国へのエクスポージャーが必要だと思って、選んだのがこのQFFOXでした。

これら投資信託は、購入後、今でも全く手をつけることなく、私の投資ポートフォリオの一角を占め続けています。運のよいことに、このファンドもその他の世界株ファンドも好調に推移し、概ねベンチマークを上回る運用を続けてくれています。

ただ、以前も当ブログに書きましたが、これらの運用成果の良いファンドも1つ問題があります。これらのファンドは毎年、キャピタルゲインディストリビューションがあって、これが結構高額になることが多く、これを日本で配当所得として申告すると総合課税による税金支払いとなるため、結構な高率の税金支払いとなってしまうのです。これはおそらくUS投資信託一般の問題だと思います。

なので、構造的にキャピタルゲインディストリビューションがないように思われるETFの方が、ネットの運用成果は良くなるのではないか、そうであれば、US投資信託での運用を続けるよりは、EEM等の新興国株式に投資するUSETFに乗り換えた方が良いのではないかという疑問です。

(この点についても、前に「今後の投資方針」というブログで書きました。)

ただし、乗換えとなると今までの運用リターンに対して20%もの税金(源泉分離課税)がかかってしまいます。したがって、乗換えするかどうかは慎重に判断する必要があります。

やはり、明らかにETF運用の方が将来のネットの運用リターンが高いことが見込まれなければ、なかなか乗り換えする気になれません。

そのような観点で、QFFOXのパフォーマンスをEEMやVWOと比較して見た結果が以下の通りです。

                          QFFOX     EEM      VWO

1day                     0.88       0.13      0.22   

1week                   1.94       1.86      2.01

1month                 5.70       3.13      3.44    

3month                13.50      7.07      8.78         

YTD                    18.72     11.05    12.38

1year                  37.33     30.13    30.61      

3year annualized  40.25     37.30         -

(単位:%、2007年5月21日現在)

このようなパフォーマンス状況であれば、毎年配当所得で余計に税金を払っても、QFFOXでの運用を継続する方が間違いなく有利です。(将来のパフォーマンスは保証されていませんが。)

なので、QFFOXの運用の定性的要因も調べつつ、この投資信託での運用をもうしばらく継続してみようと思います。

なお、この検証をしている最中に、昔この運用ビークルをメインで運用していたときの思考を思い出しました。QFFOXで運用していて良好なパフォーマンスを得ているところで、EEMというETFが存在していて、このETFに投資すれば運用コストは年1%も節約できることを知りました。

このとき、私がどう考えたかといえば、

「成長速度が速く、投資環境がめまぐるしく変わる新興国で、硬直化したベンチマークに沿った運用を行うようなスタイルでは、新興国市場の本当の平均値を的確に捉えることは難しいのではないか。また、ロクな運用実績もないETFに大事な資金をつぎ込むのもちょっと気が進まないな。」

といった感じでした。今のような楽天証券のETF取り扱いに対してブロガーの絶賛の声が上がる状況とは、天と地の差です。私だけかもしれませんが、「インデックス運用であるETFでは新興国での投資で有効な成果を出すことは難しいだろう。」と非常に懐疑的な見方をしていました。

それでも、蓋をあけてみて、QFFOXがコスト要因でEEMに負け続ける結果になるのもいやなので、EEMにも少しずつ投資をはじめ、今ではEEMにも結構な額を投資する状況になっています。

今でこそ、書籍等の情報により、エマージング市場においてのアクティブ運用の結果も、先進国市場に負けず劣らず一般に結構ひどいことを知り、新興国市場におけるインデックス運用の価値も理解するようになっていますが、昔は、自分自身も新興国ETFを胡散臭いものと考えていたとは、時代の変遷は劇的なものだなあと感慨深く思います。

しかし、国際分散投資に漕ぎ出したばかりのよちよち歩きのときに、このファンドやその他の良質な世界株ファンドに出会えたことは、本当にラッキーだったと思います。5,000だとか3,000だとかクレイジーな水準にまで落ち込んだ日本の投資信託の基準価格はまさに悪夢でした。このようなUSファンドでどんどんUS口座の運用資産が増加していくのを見て、冗談抜きで、宝物を見つけたように思えたものです。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年5月21日 (月)

特選!バリュー株投資ビークルまとめ

かなり書いたブログも多くなって、後から見ていただく方にとって特定テーマへの情報アクセスが難しいように思います。ブログというツールは、やはり日記として最適となるように設計されていて、系統だった整理は難しい感じです。

そこで、当方よりお伝えしたいテーマごとに関連あるものを一括りにしたブログを書くことによって、その関連をわかりやすくして、また同時にアクセスを容易にしてみたらどうだろうかと考えました。

なので、今回は米国証券口座で買える、バリュー株投資ビークルに関する過去ブログを一まとめにしてご紹介したいと思います。

まず、最初のブログです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_271d.html

この記事で、US投資信託QFVOXとUS市場ETFのEFVをご紹介しています。ともに、米国除く世界株ビークルで、ベンチマークとして参照しているEFAを長期リターンで上回っています。

次はこのブログです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_6d50.html

この記事では、US株式市場ビークルとして、US市場ETFのIWNをご紹介しています。このビークルも、ベンチマークとして参照しているSPYやIWMを長期リターンで上回っています。

なぜ、一般に効率的と言われる株式市場でこのような現象が起こっているのでしょうか。その直接的な解はおそらく誰もきちんと示すことはできないでしょうが、超長期の世界中の株式市場で、延々とこの現象が起こり続けていることは、学者その他の様々な分析により裏付けられています。

このブログで、そのような実証分析の1つを引っ張ってみました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_a1a8.html

この現象をアノマリーとして見たとき、間違いなく、超長期の株式市場で機能し続ける数少ないアノマリーであると思います。個人的には、ヘッジファンドの裁定リターンの将来性よりもよっぽど信頼性が高いと思っています。ヘッジファンドの裁定については所詮10~15年の話で、裁定行動の実績年数が短いため、将来はその効果が消えてしまう恐れがありますが、このアノマリーはほんとうに年季が入ったものです。

そのことが垣間見えるのが、このブログです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_1bcd.html

記事自体は本の紹介なのですが、図らずも、国際分散投資でも避けられなかった大きな市場下落である1929年の世界恐慌の時代を含む投資期間においても、バリュー株投資は有効に機能し、有名な経済学者のケインズがこのバリュー株投資によって、こんな最悪の時代にも資産を大きく成長させたことがこの書籍から読み取れます。(本の紹介なので、その内容をすべて書くことはしていませんが)

最後は、最近有名なJeremy Siegel氏の関与した高配当株ETFを紹介するブログです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_df91.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/etf_396e.html

このUS市場ETFのDLSは米国除く世界株式市場に投資するETFで、小型高配当株に投資するETFです。このETFの実績はまだ短いですが、この高配当株一般の優位性自体は結構有名です。NYダウ銘柄においても、「ダウの犬」と呼ばれ、ダウ銘柄のうち高配当な株に限定して投資するとNYダウを継続的に上回ることが出来ることが良く知られています。

上の最後のブログでJeremy Siegel氏の記事を載せていますが、ここで高配当株が持つさらなる非常に好ましい特質を書いた記述部分を紹介します。

According to my research, dividend-weighted indexes outperform capitalization-weighted indexes and are particularly valuable at withstanding bear markets. For example, the Russell 3000 Index lost almost 50% of its value between the bull market peak of March 2000 and the October 2002 low. Over this same period, a comparable total market dividend-weighted index was virtually unchanged. A dividend weighted index did have a bear market, but it only corrected by 20%. Moreover, the dividend-weighted index bear market didn't start until March 2002, and it lasted only six months (compared to 24 months for the cap-weighted index). The dividend-weighted index is now about 40% above its March 2000 close, whereas the S&P 500 and Russell 3000 are still not yet back to even. A similar performance occurred in other bear markets.

(上記の英文は、Jeremy Siegel氏の書いた、

http://webreprints.djreprints.com/1497650936231.html

の一部です。)

「私のリサーチによると、配当加重インデックスは時価総額加重インデックスをアウトパフォームしており、ベアマーケットに耐えるような状況で特に価値がある。例えばRussell3000インデックスはブルマーケットのピークである2000年3月から2002年の最安値までにほぼ50%下落した。その同期間において、比較可能な配当加重トータルマーケットインデックスは実質的に、その価値は変わらなかった。配当加重インデックスもベアマーケットを経験したが、その調整はたった20%であった。さらに、配当加重インデックスのベアマーケットは2002年の3月まで始まらなかったし、それはたった6ヶ月間しか続かなかった(時価総額加重インデックスの場合、24ヶ月も続いたのにも係わらず)。配当加重インデックスは今、2000年3月末よりも40%だけ高い位置にいるが、S&P500とRussell3000はいまだに、イーブンにさえ戻っていない。別のベアマーケットでも同様の結果が起こっている。」

(訳は私の勝手な翻訳ですのでその内容の正確さは保証できません。あらかじめご了承ください。)

以上を全てまとめますと、バリュー株、高配当株ビークルは、ベンチマークである時価総額インデックスより、通常ボラティリティが低く、ベアマーケットにおいての下げ抵抗力が強く、長期リターンが時価総額インデックスよりも明らかに高い、という一般的な傾向があるということになります。

こういったアノマリーが消えることなく、資本主義の歴史とともに、世界中で延々と続いていることは、ある意味驚きではあります。しかしながら、実際、私はずっとUS投資信託等を用いてその効果を享受してきましたし、これからもこのアノマリーが消える日まで、ずっとこのスタンスで投資をし続けていくと思います。

このブログが皆様の投資の何らかのヒントになり、お役に立てれば幸いです。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2007年5月20日 (日)

日本の証券口座の残高

資金の一部は日本に残して日本の証券会社に置いて、ポートフォリオのうち日本株部分は日本でポートフォリオを構築するようにしているのですが、海外口座の資産残高はどんどん伸びているのに、日本の口座は一向に増えません。

感覚的な話ですが、最近では2005年を除き、ずっとそんな経験をし続けているように思います。

米国証券口座を作って国際分散投資を始めてから、投資のイメージががらりと変わりました。投資自体は1990年代から行っていますが、それまでは、投資して増やすというよりは、投資してお金を捨てているような感触でした。まさにバケツに穴が開いているような感じです。

米国証券口座を作ってノーロード投資信託やETF等を買い始めてから、買ったその日から上がりはじめて、評価損の時期自体が全く存在しないという経験を数多くして、そのとき投資のイメージが180度変わったことは、今でもはっきり覚えています。

最近は、楽天証券などの有利な証券会社を用いて国際分散投資をする等、アプローチ次第で、日本の証券会社でも同じような良い経験をすることが可能になってきました。

少しでも多くの方が、高額の販売手数料と信託報酬等といったコスト要因や、また日本株式市場のローカルな不調といった要因で、資産が沈んでいく経験ではなく、買ったその日から報われ始める良い経験を積み重ねて、投資に対してよいイメージを持ってもらいたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月19日 (土)

人民元

人民元の1日の許容変動幅が拡大されるようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070518-00000175-jij-int

為替が自由化されていないのが、過剰流動性の発生⇒中国本土株式市場のバブルの大きな理由だと理解していますので、正常化の方向ではあると思います。

まちがいなく、このような力学から、元高の方向に加速していくのだろうなと思います。

だんだん、中国本土株バブルウォッチャーになってきた気分です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月17日 (木)

インデックス派?それともバリュー派?

自分の中でよく、インデックス投資派としての考えと、バリュー株投資派としての考えがぶつかることがあります。

例えば、ポートフォリオにインド株ETFを加えようかどうしようかと考える時。例えば、内外REITを加えようかどうしようかと考える時。両者の相反する考えが、自分の中で真っ向からぶつかります。

インデックス投資派は、イメージとしては平均と分散の世界です。どの資産も固有の期待値と標準偏差を持つ対数正規分布に従い、将来の姿はランダムウォークでわからない。だから、分散投資による個別銘柄リスクの除去が唯一の合理的な投資戦略になります。国際分散投資の考え方もある意味これに近いものがあります。

対して、バリュー株投資派は、投資ビークルを擬似債券として認識します。したがって、この擬似債券としてのリスクは、この擬似債券クーポンの支払いが、企業環境や国の景気の悪化等により、想定を下回ってしまうこと。なので、できるだけその国や銘柄を理解し、将来のそのリスクがどれほどあるのか理解したくなります。また、投資ビークルが擬似債券と思えば、その債券としての条件、すなわち、クーポンの水準が低いものは投資ビークルとして論外という結論になってしまいます。

なので、インデックス投資派としては、ポートフォリオのリスクを分散し、リスクリターンをより効率的にするため、インド株も内外REITも買いたいと思うのですが、バリュー株投資派としての考えが、歴史的にも相対的にも高PERなインド株や、国債とほとんど変わらない水準まで買い上げられた、US、日本、イギリス等のREITは買っちゃいけないとブレーキをかけます。

今のところ、私の中での勝負は、バリュー株投資派としての判断が圧勝しています。なので、インド株ETFもREITも、今のところ全く保有していません。

しかしながら、バリュー株投資派にも非常に大きな弱みがあります。それは、必然的に手を出せる案件が狭まることです。日本株の個別銘柄にフォーカスするバリュー株投資家が、今そのデメリットを一身に受けているものと思います。評価したバリューが市場で日の目を見るのに、半年かかるのか、1年なのか5年なのか、誰にもわかりません。今の日本の新興株など、バリューの観点から魅力的な個別株式は結構見受けられると思いますが、果たしていつ報われるのか見当もつきません。

インデックス投資派の基本発想である、分散投資による個別銘柄リスクの除去がここで大きく力を発揮するわけです。国際分散投資により個別の国に属するリスクも分散、軽減できるのです。今、日本の個別株のバリュー投資家が苦しんでいる中、国際分散投資で世界のETF等を分散保有している方は今ホクホクだと思います。正直いって、経験上、後者は概ねいつもホクホクです。分散投資の価値もとてつもなく大きいと思います。

なので、インデックス投資派の発想も、個人的には決しておろそかにすることはできません。結果、私の中では、いつもこの両者のしばしば相反する意見を調整し続けることが必要になります。宗旨ははっきりしていたほうがすっきりしていてよいのですが、なかなかそうも行きそうにありません。これからも、何とか両者の考えの折り合いをつけながら、投資を続けていくことになりそうです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年5月16日 (水)

楽天証券、止まりませんね。

今度はEPP(アジアパシフィック(除く日本)の米国市場ETF)だそうです。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20070516_01_us_01.html

http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=EPP&fdtab=snapshot

ご参考まで。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

個人向け国債の不振(その2)

先日、個人向け国債の販売が不振であるらしいことについて、当ブログで取り上げてその原因を考えて見たのですが、その後、以下のブログを読んで、それまで腑に落ちなかった部分が氷解しました。

http://practicalinvest.seesaa.net/article/41749117.html

銀行での個人向け国債の不振の理由で、キャンペーン金利による短期定期預金へのシフトという記事内容にずっとひっかかっていたのですが、種明かしは「抱き合わせ販売」のようです。

そう言われて見れば、もうずいぶん前から、短期定期預金(短期割り増し金利付)+投資信託or仕組預金の抱き合わせ販売を、銀行はこぞってやってましたね。

新聞の広告等で見て、「こんなのだれがひっかかるのだろう?」と思っていましたが、ところがどっこい、個人向け国債が大打撃を受けるほど、この手の販売が成功しているとは!

お客の程度が低いのか、銀行の手口が巧妙なのか、果たしてどちらなのかはわかりませんが、この手の販売が個人向け国債が売れなくなるほど蔓延っているという推定は、状況証拠からしてどうも正しそうですね。

この場合は、銀行は企業貸付という本業をやっているのではなく、実質投資信託等の販売手数料割引販促キャンペーンというフィービジネスをやっているだけになります。そして、いくら短期の高金利の預金を集めてこようと、確実に販売手数料と信託報酬の販売会社取り分で儲かるので、企業貸付案件の想定などする必要はなく、無限に集めて最悪預金部分は現ナマで寝かせておいても全然問題ないわけです。

記事から、こんな簡単な銀行の構造も見抜けなかったとは。我ながら情けない。しかし、腑に落ちなかったところに合点がいき、とてもすっきりしました。

もし、銀行から抱き合わせ販売の提案があった場合は、その投資信託やそれに類する代替商品が、ネット証券でノーロード等で販売していないかどうか、またそもそも、そのような投資信託等が自分にとって必要なのだろうかと自問してみる必要があります。

それにしても、銀行は着実に昔の証券会社の道をそっくりそのまま歩んでいるように見えますね。しかも手口が数段低レベルです。例えば、

・金利10%ただし適用は1ヶ月のみ、その後普通金利で1年解約不能といった外貨預金(しかも往復2~4円の為替手数料付)

・短期限定高金利預金と投資信託等の抱き合わせ販売

・解約不能な仕組(デリバティブ)預金

銀行でも、いずれ過去の証券会社のワラントやリンク債、デュアル債といったような手の込んだ手口に発展していくのでしょうか?それとも、このまま、上記のような比較的初歩的な手口でお客を引っ掛け続けていくのでしょうか?

また、まだ聞こえてきませんが、いずれ郵便局もフィービジネスのノルマ達成のために、こういった方向にビジネスを傾斜させてくるかもしれません。一億総自己責任時代がやってきそうです。自分のお金を守れるのは自分だけです。銀行等に不利な商品を買わされないためにも、マネーリテラシーを向上させていく必要があると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月14日 (月)

名著「株式投資の未来」の罠

表題の書籍は、個人的にも間違いなく名著であると考えており、当ブログの左サイドバーに載せていることでお分かりの通りです。

この書籍の主張の1つは「成長の罠」であり、「成長する株式が必ずしも高リターンをたたき出すわけではない」という主張で、これも至極もっともな主張です。

この主張は、新興国投資の部分でも述べられており、強力な成長国でありながらパフォーマンスが最悪だった例として、中国株を挙げています。実際、この書籍中で、1992年に$1000だった中国株が2003年に$320にまで落ちてしまっている例を挙げています。

このセンセーショナルな例にも、おそらくなんら誤りはないものと思います。成長する国だから、その将来株式リターンが高くなるわけでは必ずしもない。だから、その成長を株式が既に織り込み済みであるのか、それとも織り込みが不十分でファンダメンタルの観点で魅力的な超過リターンの可能性が見込めるのかという観点の判断が必要です。この書籍はすばらしく正当なことを述べていると思います。

唯一残念なのは、この真実をよりセンセーショナルに見せるためだろうと思いますが、中国本土株式市場の例を挙げているところです。これまで当ブログで何度も述べています通り、中国本土市場は特殊な市場です。その構造上、今の中国A株のように、ファンダメンタルからかけ離れて上にも下にも果てしなく行き過ぎる宿命を持った市場です。このようなセンセーショナルな例を見ることで、この書籍を読んだ多くの方が、新興国市場は近寄るべきでない理不尽な市場であると誤解してしまいかねないことです。

実際、このブログの世界においても、この名著を引き合いに出して、新興国の投資に警鐘を鳴らし、あるいは自身新興国への投資はしないと述べられている方々があちこちに見つかります。

「成長する国の株式リターンが必ずしも大きくなるとは限らない。」

この正しい主張の後に来るべき理屈は

「だから、そのバリュー(割高/割安)等をきちんと把握して投資判断すべきだ。」

であって、

「だから、新興国への投資はできるだけ避けるべきだ。」

につながるわけではありません。

実際、上記書籍が取り上げた期間において、中国本土株ではなく、香港ハンセン指数に投資していれば、軽く2倍以上に増えていました。つまり、合理的に価格形成された市場であれば、その成長は将来リターンとして受け取れる可能性が高いのです。

新興国は、その市場がきちんと開放され、他の先進国市場と裁定が働いている正常な市場の場合、新興国ディスカウントになっていることが多く、その新興国の超過リスクに見合う超過リターン期待値が込められた価格形成になっていることが論理的に自然であり、実際そのような状態があちこちで見つかります。

それにもかかわらず、表題の名著を読んで、「新興国市場は成長の罠にかかっており投資するに値する市場ではない」といった反応で、そこにあるかもしれない新興国ディスカウントをはなっから見逃すのは、あまりにもったいないと思います。

投資のスタンスは人それぞれで、別に全ての人が新興国に投資すべきだとかは全然考えていないのですが、毎日何千人、何万人が見に来るような著名なブログで、表題のような書籍や識者の権威とともに、新興国投資への警鐘を鳴らされると、その影響力は結構計り知れないものと思います。

今の時代、米国の会社等においても、国内市場では株主が要求するROEが出せずに、目の色を変えて新興国市場に取り組んでいたりします。このような時代において、識者も含めた、十把一絡げの「新興国株式投資は危険」といった方向の警鐘は、かえって害が大きいのではないでしょうか。

以前、ご紹介しました「日本経済のリスク・プレミアム」の書籍では、近年の日本株式市場のファンダメンタルリターンはとてつもなく低く、地を這っていることがわかります。そして、日本の株式市場の実際のリターンは超長期で、ファンダメンタルリターンにきれいに収束していることも…

そのような株式市場しか持ち合わせていない国の株式は、考えようによっては最も危険であることも有り得ます。ファンダメンタルリターンがもたらすアップサイドが世界でもっとも見込めない国であるとすれば。

国は成長するに越したことはないのです。企業の売上が毎年増えていくに越したことはないように。大切なのは、それが織り込まれすぎて、高成長なのに株価が割高状態になっていないかどうかを確認する必要があることです。間違っても、成長するかしないかはリターンに関係ないということではありません。日本のように、成長力が世界で飛びぬけて低いのにPERは高い、そのほうがずっと危ないと思います。

「天は自らを助くる者を助く」

一例をもって全てを切り捨ててしまっては、そこにあるかもしれないチャンスを見つけることはもはや不可能になります。それを捨てるのもひとつの立派な投資判断ではありますが、私は、後に続く方々に、そこに見るべきチャンスがあるかもしれませんよ、投資を先進国に限ることは何かのリスクを回避しているかもしれませんが、別のリスクをテイクしていることになっているかもしれませんよ、という逆の警鐘を鳴らしたいと思います。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

個人向け国債の不振

個人向け国債の販売が不振なのだそうです。

http://keizai-no-news.seesaa.net/article/41603661.html

http://fund.jugem.jp/?eid=332#sequel

http://fund.jugem.jp/?eid=335#sequel

http://blogs.yahoo.co.jp/nikotama1001/11235445.html

http://blogs.yahoo.co.jp/naoznet0417/48776700.html

http://blog.so-net.ne.jp/FXspeed/2007-05-12-1

記事によると、銀行の短期定期預金にキャンペーン金利を乗せて銀行が積極的に販売しているせいだと書いてあったりしますが、どうも腑におちません。銀行が預金を積極的に集めるためには、企業貸付のニーズが好景気等により旺盛になっていおり、かつ貸付スプレッドが広がっているという状況が必要です。貸付投資先がたくさんあり、大きな儲けが想定されているわけでもなさそうなのに、銀行がキャンペーン金利で資金集めに走るのはいかにも不自然です。

個人的に、この話題に詳しいわけでもなく、詳細に状況を知ることのできる立場にいるわけでもないので、100%推測で話をする他ないのですが、上記のような腑に落ちない点があるので、その他の仮説を考えて見ました。そこで個人的に想定できるその他の仮説は、

1.日本の将来の大きな金利上昇の可能性が小さくなったという市場コンセンサスが醸成されてきた。

2.単に金融機関が手数料稼ぎの態度を強めている。

3.銀行のデフォルトの可能性が小さくなり、逃避商品としての意味を失い始めた。

4.日本国のデフォルトの可能性が認識され、日本国債に資金を投入する個人投資家が減った。

5.単に個人向け国債を買ってもよいというお客が一巡し、伸び悩みになっている。

どれが正解なのか、あるいはその他の要因があるのかはわかりませんが、このようなときは単一の要因と言うよりは様々な複合的な要因の合成の場合が多いように思います。

10年ものの減少が激しいとのことで、上の仮説の1が結構有力です。実際、10年物個人向け国債の変動金利の基準となる10年国債の金利はここしばらく低位安定しています。また、日銀も容易にどんどん金利を上げていけるような状況になく、10年国債金利に連動する変動金利が得られる商品の魅力は、お世辞にも高まっているとは言えそうにありません。

郵便局での売上が減っており、その一方で郵便局での投資信託販売があいかわらず好調とすれば、郵便局をはじめとする金融機関がより手数料稼ぎに走っているという、仮説2も有力です。

また、もともと日本のお客は、将来のインフレリスクや市場金利変動リスクについての理解が十分だとはとても思えません。なのでお客のうち10年物個人向け国債の金融商品としての価値を十分理解している人の比率はとても低いのではと推測します。もしそうであれば、必ずしも本質的ニーズで売れていたわけではないことから、販売一巡するとなかなかそれ以上売れなくなると言う、仮説3及び5も結構あり得る話です。

おそらく購入顧客としてはお年寄りが多いだろうことから、あまり日本の財政等に興味を持っている人は多いとは思えず、仮説4はちょっとありえないような気がします。

ということで、仮説1,2,3,5の複合現象というのが、今の個人的推測になりました。おそらく、銀行、証券会社、郵便局の今の売れ筋商品がつかめれば、もっと精度の高い分析ができるのだろうと思います。新たな強力なはめ込み商品が出現しているといった落ちがなければよいのですが。

日本国も国債安定消化のための戦略見直しが必要になってくるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月13日 (日)

車の故障

先日、車が故障してエンジンがかからなくなってしまいました。

これははじめてではなく、ほんの1、2年前にも同じようなことがあり、以前はバッテリーの問題で、新しいものに取り替えました。そのときも1ヶ月以上放置したのですが、今回もすでに1ヶ月近く放置しています。

もともと街乗りでしか使わないので、無いと多少不便なときはあるのですが、特にぜひ必要というほどのことは無いのです。なので、めんどうで放置してしまいがちです。

こういうときに気づくのが、いかに車に起因する支出が家計の多くを占めているかです。車があると、休みのとき、ついイトーヨーカドーとかに家族で繰り出し、本を3冊買って5千円、家族で食事をして3千円、子供とゲームセンターで遊んで2千円と、軽く万札が飛んでいきます。

車が故障してから、私の財布の中身がなかなか減らなくなりました。少なく見積もっても月5万円以上は軽く浮いてしまいます。

季節も良くなって、駅や近くの店まで歩くといい運動にもなります。

前回もそう思ってしばらく車を修理しなかったのですが、今回もこのまま数ヶ月放置しておこうと思います。間違いなく浮いた資金は海を渡り、米国市場ETF等に化けると思います。投資よりも前に、投資するお金を作るために賢い生活をする技術と意思が必要なことを、こんな機会にはあらためて思い知らされます。

まず、収入よりも支出を少なくすること。これはフィナンシャルフリーダムを目指すためにも、その状態を継続するためにも、だれもが最初に身につけ、維持しなければいけない技術です。マイク・タイソン、ジャンボ尾崎といった挙げはじめればきりがない有名人も、有り余るほどの収入がありながら、おそらくこの簡単な技術がないため、生活が破綻したのでしょう。この手の話は、掃いて捨てるほどあります。

一定以上収入や資産があると、むしろ稼ぐ技術よりも、上のような資産を維持、拡大するための技術が致命的に重要になります。上の技術がないと、単に収入も支出も規模が大きくなり、単に破綻の規模が大きくなるだけだからです。有名人を笑うのは簡単ですが、カードローンや借金が溜まりに溜まって利息返済に汲々としたりすることは庶民においても普通に起こっていると思いますので、我々一般の庶民も有名人を笑えるほどの程度の差はないと思います。フィナンシャル・インテリジェンスは本当に重要だなとつくづく思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月12日 (土)

中国本土株式市場の知識

以前から何度もこの手の話題を取り上げていますが、中国本土の株式市場の知識を得ることはとても重要です。これを踏まえずに銀行や証券会社に中国A株ファンドをはめ込まれてしまう方がもしいるとすれば、非常に悲しいことであり、また悲しい結果が待っている可能性が高いと思います。

マネーゲームに参入する前に、それが丁半ばくちのマネーゲームであることを知っているに越したことはありません。

以下のサイトの直近の一連のエントリーを確認いただくことで、手っ取り早く中国株式市場の仕組みと中国A株に投資することの意味を学ぶことができると思いますので、ご紹介します。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/31550/2619976#2619976

このブログは、この中国株式市場のエントリーに限らず、とても高品質な新興国株式市場の情報を提供してくれている貴重なブログだと思います。

新興国株式市場にご興味ある方はぜひご参考にされることをお勧めします。

「価格でなく価値に投資する」、バフェットのみならず、偶然ではなく必然により資産を成長させてきた偉人たちが押さえてきたポイントを押さえるには、こういった価値に裏づけされない投資ビークルに乗って短期的にかつ楽してお金を作りたいという人間一般の「欲」に打ち勝っていく必要があります。投資をしていると、こういう心理的罠が次々とやってくることを知り、それを避け続ける決意を腹に持っておくこともフィナンシャルフリーダム実現のためには必要なことだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月11日 (金)

新興国ファンド

昨日の楽天証券のETF取り扱い追加に関連して、思うところを書いて見たいと思います。

最近、日経新聞に、投資信託の信託報酬が高止まりしているという記事がありましたが、実際に記事を良く見てみると、高止まりではなくさらに上がり続けているという記述の方が適切だったと思います。

その要因のひとつが新興国ファンドです。現状、どの新興国ファンドも2%程度の信託報酬が相場となっており、現状、投資信託会社(さらに言うとキックバックでその恩恵を受ける証券会社と銀行)にとって、ぼったくりのできる、まことに都合の良い商品になっています。

おそらく、このような高コスト(金融機関のぼったくり姿勢)の要因は、各新興国市場株式へのアクセスの難しさにあります。日本の一般の投資家がファンドを用いて新興国にアクセスするほか無いような状況であるがゆえに、多少ぼったくりでも売れるという力関係が生じ、2%前後というクレイジーな信託報酬相場が実現してしまっているのだろうと思います。

さらに、以前ご紹介しましたとおり、ファンドのコストは信託報酬だけではありません。カストディコストその他の一般には開示されない見えないコストが存在しています。以前、当ブログでご紹介しました某インド株投信のトータルコストは確か年4%を超えてましたね。そのうち見えるコストは信託報酬の2%程度であって、その他は見えないコストでした。

ぼったくり体質の投資信託会社に、この見えないコストの部分での企業努力を期待するのは現実的ではないと思います。すなわち、現状の新興国株投信では、見えるコストである信託報酬でぼったくられ、見えないコストでもおそらく確実にぼったくられているものと推測します。

楽天証券のBRICsその他の個別新興国へ投資する米国市場ETF導入のスタンスは、この傍若無人な金融機関のぼったくりビジネスに風穴をあけるものでもあります。そういう意味でも、私は今回の楽天証券のニュースを好意的に受け止め、さらなるロシア等の新興国ETF導入等も期待しています。

これを読んだみなさんも、もし高コストなブラジル投信などを保有していたら、ぜひ楽天証券のETFに乗り換えることを検討してみてください。投資信託のコストは信託報酬だけではないですよ。見えないコストでぼったくられてはいないか、くれぐれもご注意ください。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007年5月10日 (木)

楽天証券の挑戦

楽天証券、すごいですね。またもや新規米国市場ETFの取り扱いのニュースです。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20070510_01_us_01.html

今回は米国配当株、台湾、韓国、ブラジル、南アフリカ、中国の米国市場ETFです。

これで、楽天証券はロシア以外のBRICsはETFで全制覇です。

他のネット証券会社を完全に置き去りにしていますね。

私も実は米国証券口座で上のETFのうちのいくつかを持っているのですが、楽天証券でこれらが買えるとすると、本当にどちらで買うのがよいのか迷ってしまいますね。正直、半年前には想定もしなかった贅沢な悩みです。

このままどんどん突き進んで、我々のような米国証券口座派に、「もう米国証券口座は要らない!」と言わせるくらいになって欲しいものです。

私も、微力ながら、ブログでこのような楽天証券の成果を取り上げて、「安かろう悪かろう」ではなくたいてい「安かろう良かろう」となる金融商品の本質を指摘し続け、日本の投資家に対して良い環境を提供するイノベーションを起こしてくれている楽天証券が繁栄していくように、応援していきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ロシア株ETF-RSX

以前BRICsの題目でロシアのETFについて触れた際に、以下のようなコメントをしていました。

「ただし、ETFについては、特にロシア系のETFは、まだ出たばかりで流動性も低く、なかなか手を出しづらい状況なのではないかと思います。もう少し様子を見たほうがよいかもしれません。ETFの代わりにCEF(Closed End Fund)でお茶を濁しておくという手もあるかと思います。」

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/brics.html

ところがどっこい、モーニングスターのサイトを覗いて見たら、ロシアETFであるRSXの出来高は、既に結構な規模になっています。

http://quote.morningstar.com/ETFQuote.html?pgid=hetopquote&ticker=RSX

このページでもRSXの表示は結構上の方にあって、流動性には問題なさそうです。

http://news.morningstar.com/etf/Lists/ETFReturns.html?topNum=All&lastRecNum=1000&curField=8&category=0

運用実績はなおもこれからではありますが、ベンチマークとしているインデックスのパフォーマンスはこちらで確認できます。

http://www.vaneck.com/index.cfm?cat=3193&tkr=RSX

このページの下のIndex Providerのところをクリックしていくと見れます。

結構使えそうなETFですね。ありそうでなかったBRICsのETFですので、やはり大きなニーズがあるのですね。ロシアに投資するときは使ってみようかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 9日 (水)

日本経済のリスク・プレミアム(その2)

先日の「日本経済のリスク・プレミアム」という本の感想の続きです。

この本は、日本市場に関して実証統計分析を交えて様々な点について述べており、この本を読んでいると様々なテーマで物事を考えさせられます。

この本は、為替についても一章設けて、分析考察を行っています。

あまりにネタばれになってもいけませんので、この部分についてもさわりだけ、題名とサブタイトルから明らかにわかるような内容に限定してご紹介しようと思います。

大きなポイントは、円ドル相場の適正水準を分析を通じて探っており、また、理論的に為替リスクテイクにはリワードとしてのプラスのリターン期待値がないこと(これは純粋理論としては当たり前といえば当たり前ですが)について述べています。

円ドル相場の適正水準については、特に相対的購買力平価を用いて分析を行い、適正水準について議論しています。その結果は、私のイメージ(円高、円安の観点です)とまるで正反対であって、ちょっと驚きでした。分析結果がどちらに振れているのか、興味ある方はぜひこの本を買って読んで見てください。特に資産運用にご興味のある方は、この章に限らず、考えさせられるテーマが満載だと思います。

ここからは本の感想ではなく、上記に類するテーマに関する私見ですが、為替はほんとに難しいです。いつまでたってもそのしくみを理解できたと思えません。それでも、今わかっている明らかなことは、沈み行く国の通貨をもっていても良いことはなさそうということです。

この意味では、為替リスクテイクにプラスのリターン期待値はないという上の理屈と一見矛盾しそうですが、上の理屈は国の通貨にデフォルトリスクはないと仮定した理想的な理論世界の話であって、実際はこのリスクの存在だけでも通貨が割安になったり割高になったりするはずです。

純粋な通貨ではないですが、どこかで各国の国債のグラフを見たことがあり、ドイツ国債が世界大戦直後に無価値になっているのを見てある種の恐ろしさを感じました。グラフの棒が、まさに床に突き刺さっていました。

まあ、これはある種異常な、世界大戦の敗戦国といった状況での出来事で、現代の平和な時代には通常、非常に起こりにくいことではありますが、国債にしろ通貨にしろ、その可能性が微小ながら確実にあることは忘れてはならないと思います。(たしかアルゼンチンは実際にデフォルトしましたし、確か2度したのではなかったでしょうか。(記憶があいまいです。)またLTCMは国のデフォルトの可能性を踏まえなかったために破綻しました。)

また、実際のマーケットは、その恐れが増えたとか減ったとかだけで、市場のセンチメントを梃子にして行き過ぎるものだと考えており、為替の振れはそのような市場のセンチメントによってより大きな振幅を描くのだろうと思います。

ただし私は日本が確実に沈み行く国だとも考えていません。個人的にそのリスクも多少はあると考えていると言うことであって、そのための防衛的な通貨分散投資が有効だと思っています。

ここでも、前にも何度も書きました、何がリスクか?という問いかけが有効です。為替リスクを取りたくないから全て円預金で資産を保有していたら、日本国が斜陽化して円通貨の購買力は地に落ちてしまいましたということが仮にあれば、この人はリスクを回避していたのでしょうか?それともリスクテイクしていたのでしょうか?答えは明らかです。日本国の信用リスクに一点買いのリスクテイクをしていたとも考えられるわけです。

実はこの世にリスクの無いポジションはなく、誰もが何らかのリスクテイクしつづける以外に方法は無い。そしてその状況で有効なのは、リスクを避けることではなくて、リスクをマネージしていくこと。決して一点買いのリスクテイクをせず、賢く分散すること。可能な限り有利でリスクに対してリワード(見返り)の良いリスクを選んで取っていくこと。個人的にはこのようなリスクとリターンに関する世界観を持って行動しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 7日 (月)

新興国株投資に対する態度

新興国投資に対する態度について、自分の考えをまとめておきたいと思います。

昨今のマネー雑誌の中で、例えば中国本土株50%、ベトナム株50%といった、一種クレイジーなポートフォリオが踊る中、新興国株比率について投資資産のごく一部に留めるべきだという至極まっとうな意見があり、それはそれで100%適切で有益な意見であると思います。

正直、中国本土株50%、ベトナム株50%なんてのは個人的には、ポートフォリオでも分散投資でもなく、競馬と競輪を半々で勝負してますという姿に見えます。(あくまで個人的私見です。)

個人的なスタンスとしては、投資ビークルの本質的価値に着目した投資を指向していますので、中国A株、ベトナム株といった株はいま、まさに本質的な価値を無視したマネーゲームが繰り広げられていると認識しており、そのような投資ビークルは個人的なスタンスの上では真っ先に避けるべき対象です。

こういった、個人的にある意味論外な選択はともかく、十分思慮のある賢い方々の投資ポートフォリオの中で、主に評論家が述べる「新興国への投資は資産のごく一部に留めるべきだ」という意見を100%鵜呑みにするのもどうかと思うのです。

上記のような一種クレイジーな新興国株群とは違って、香港上場中国株やその他のBRICs等を見ると、全く別世界の姿が見えてきます。PERが10倍以下、経済成長率が6%や8%という、割安度や成長性から見たら先進国ではあり得ないくらい恐ろしく魅力的な条件が、新興国投資においては容易に発見できます。

この、恐ろしく魅力的な投資条件の理由については、新興国特有の政治リスクや制度リスク等に起因する部分が大きいものと思いますが、逆に言うと、このリスクテイクにはその見返りとして、先進国の投資ではなかなかお目にかかれないほどのプラスアルファの大きなリターン期待値が内在しているということでもあると思います。

先日の「日本経済のリスク・プレミアム」の著書においては、過去50年のオーダーの分析により、日本株式マーケットの実際のリターンは、長期においてはファンダメンタルリターンにきれいに収束しているという統計分析結果が示されています。

そして、50年前といえば、日本も立派な新興国といってよいのではと思います。このいかにもディスカウントされていそうな敗戦国としての日本株のリターンは1950年代は破格でした。この著書からは日本株式は1951年から1960年までの9年間程度で軽く10倍になっていることが確認できます。

つまり、新興国の割安状態は長期においてはリターンで報われる可能性が高く、新興国ディスカウントは1つのねらい目なわけです。

新興国を含めた経済自由化の流れの中で、様々な新興国が大きく成長し世界経済の中で無視できない大きな経済規模を占めつつある中、なお先進国と比較して大きな新興国ディスカウントにさらされているのであれば、そのリスクの内容を十分把握し、そのリスクを先進国やその他の有望な分散投資案件で散らしながら、積極的に新興国ディスカウントを取りに行くのも、十分妥当な投資行動なのではないかと思います。

また、上記著書の中で、世界株式の時価総額における米国株式の比率は50%である一方で、米国の世界経済に占めるGDP比率は1990年現在では31%にしか過ぎないことが記されています。明らかにこれから新興国の世界経済規模に占める比率はどんどん上がっていく中で、あいもかわらず世界株式ポートフォリオの50%を米国株式に投資し続けてよいのでしょうか。答えはありません。しかしながら、私個人はモルガンスタンレーを全く信用していません。彼らは我々のポートフォリオのリスクリターンを最大にするためには行動してくれないからです。

識者が「新興国への投資は資産のごく一部に留めるべきだ」と言っているので、ポートフォリオの5%に押さえてますというのも、やはり一種の思考停止なのではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月 6日 (日)

日本経済のリスク・プレミアム

GWの真っ最中ですが、やっとやっつけるべき仕事もだいたいひと段落し、ずっと積みあがっている本を読み始めています。

それで表題の本を読んだのですが、非常に興味深い内容が数多くあり、様々な学びの得られる良い本だと思いましたので、ご紹介したいと思います。

この本の中で、行動ファイナンスの先駆研究者の研究を紹介しており、それによると、想定運用期間が短い投資家ほど近視眼的な損失回避の傾向が見られること、それにより、そのような短期的投資行動を取る投資家ほど、投資資産に大きなリスクプレミアムを要求しがちであるという研究成果が書かれていました。

すなわち、測定方法にもよりますが、例えばアメリカで株式が安全資産に対し6%もの超過リターンがもたらされるのは、その投資家の多くが短期投資家であって、より多くのリスクプレミアムを要求するからという主張でした。

どのように測定するのか本書からだけでは不明ですが、実際のデータからもこの短期投資家ほど大きなリスクプレミアムを要求する現象が確認できるとのことで、その測定結果もグラフ等で示されていました。

6%のリスクプレミアム水準はちょうど1年保有の投資家のリスクプレミアム水準と同程度のようです。これを踏まえると、我々長期投資家の安全資産超過リターンは、圧倒的多くの1年程度の短期投資家のリスク回避性向によってもたらされていると考えて良いのかもしれません。

我々は世の主流派である短期投資家の方々に感謝すべきなのかもしれませんね。

この話で、もう1つ面白いポイントがあり、それは著書の中でエージェンシー問題と呼んでいる問題です。世の機関投資家の運用者は本来の受益者に雇われた代理人であって、3年から5年程度の短期間で判断され、結果が悪いとクビになりかねないため、運用目的からしたら本来なら長期投資ができてリスクが取れるのにもかかわらず、短期指向、リスク回避指向が強くなり、必要以上に債券その他の安全資産の比率が増えてしまう傾向にあるとのことです。これに限らず、代理人が介することにより本来の目的から外れていってしまうことを総称して、エージェンシー問題と呼ぶそうです。以前、これに類する話を当ブログでもちょっと書きましたね。

ここからは個人的意見ですが、こういったことを踏まえると、機関投資家の作るポートフォリオをそのまま無批判に真似ることにもちょっと問題がありそうです。

個人であれば、例えば、勤め人としての給与のうちの貯蓄可能部分が将来にわたって日本円のキャッシュインフローとして見込めること、現状の日本円金利では日本債券資産からのリターンは無視できるほど小さいこと等から、資産運用ポートフォリオ中に日本債券資産を持たないという判断も十分あり得るものと思います。

そもそも、伝統的な日本債券ファンドは通常、その殆どが日本国債で占められており、唯一存在する金利リスクによる変動は、超低金利の現在においては、資産下落の方向にしかほとんどその時価変動の動きが期待できません。すなわち、現状の日本債券にはポートフォリオのボラティリティを下げる役目しか期待できず、他資産の下落と日本債券資産の上昇による相殺といった分散効果を期待することは非常に難しい状況です。

このような状況では、ポートフォリオ構築の際にも、現状ではリターンがとてつもなく低く他資産との相殺効果も小さい日本債券を入れずに、ポートフォリオのボラティリティを下げる方策もやはり考えてみるべきでしょう。そういった意味で、証券会社のバランスファンドの設計なんかもなんだか芸が無いように見えます。

もともと唯一の正解の無い世界の話です。重要なのは、長期投資を指向しながら、一時的な急落で怖くなって安全資産に逃げ込んだりといった結果にならないよう、長期継続可能な水準にまでポートフォリオのリスクの水準を下げること、そのために分散投資のポートフォリオ設計を指向することだと思います。

このプロセスの中に、機関投資家の短期指向がゆえの偏向を混入させる必要はないものと思います。ポートフォリオ設計の際にも、個人ゆえの利点を最大限に生かすことができるはずです。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2007年5月 5日 (土)

マイホーム購入という不動産投資

おそらく、知っている人にとっては何を今さらという感じでしょうが、表題について軽く書いて見たいと思います。

似たようなことは、確か橘玲氏の書籍か、AICの書籍かどちらか忘れましたが、それらの書籍にも書かれている有名な話です。

でも実生活で、これに類するやり取りをすると???という反応を受けることが今だに多く、いわゆる金持ち父さんのロバート・キヨサキ氏の言うラットレースにはまり込む大きな要因が、今だにここにあるのではないかと思います。

ここで主張したい主旨は、「マイホーム購入は経済的にはれっきとした不動産投資である」ということです。

すなわち、「マイホームは自分で住むのだから、不動産投資ではない」というのは、少なくとも経済的にはおもいっきり間違っているという主張です。

ここで、簡単な例を挙げます。まずは不動産投資から考えます。

物件総額:5000万円(上モノ:4000万円、土地:1000万円)

自己資金:1000万円

借入金:4000万円

返済期間:30年、借入金金利:4%

でさくっと計算すると、毎月返済額は18.87万円程度になりました。

すなわち、この不動産投資でキャッシュフローから利益を得られる良い不動産投資であるためには、少なくとも家賃収入マイナス毎月必要経費が18.87万円を超過している必要があります。(この毎月のキャッシュフローがプラスなのが、まさにロバート・キヨサキ氏の言う、お金を運んできてくれる良い投資の最低条件です。)

ここで、仮にこの物件から得られる家賃収入が18.87万円だとします。この不動産投資を行う事業者をAさんとしますと、Aさんは毎月家賃収入18.87万円を得て、それを借金返済に右から左に回します。

ところが、Aさんが不動産投資をしようと購入したこの物件に、よんどころのない事情で自分が住むことになってしまいました。偶然ではありますが、借りていたアパートの賃料がこれも18.87万円だったので、このアパートの賃貸契約を解消して、この物件に引っ越して自分で住むこととしました。

するとあら不思議、不動産投資物件に自分で住むこととしたので、予定していた家賃収入がなくなってしまって、18.87万円の減収になってしまったのですが、その代わりにいままで借りていたアパートの家賃18.87万円を支払う必要がなくなったので、そのお金を不動産の借金返済に回すことが出来ました。

すなわち、Aさんは不動産投資していても、物件に自分で住んでも、将来キャッシュフローは全く同じで差がないのです。これは、とりもなおさず、マイホーム購入と不動産投資は、少なくとも経済的には全く同じ投資行為であることを明確に示していることになります。

実際は将来の賃料上昇等の要因等があって、上の計算のように単純ではありませんが、その場合にも、例えば借金返済方法を階段式にする等の調整をすると、全く同じ議論が維持できます。

ここで気がつくのは、もし不動産投資とマイホーム購入が経済的に同一の行為だとしたら、不動産投資では毎月のキャッシュフローを大きなプラスにすべく努力して良い物件を血眼になって探すのに、マイホーム購入時には、賃貸に回したときの毎月の想定キャッシュフローを考えなくて良いのだろうかということです。

マイホーム販売のセールスマンの必殺トークの1つは間違いなく、「借りるよりも買ったほうが毎月の負担は安い」といったトークだと思います。でも、おそらく純粋な毎月返済のみでこの状態にすることは難しく、実際はボーナス返済込みのプランでやっとこさ、賃貸家賃よりも毎月返済額を低くするのが実態かと思います。

それはすなわち、「マイホーム購入者は高確率で、不動産投資としては想定毎月キャッシュフローがマイナスの、駄目な不動産投資物件に投資している」という帰結にならないでしょうか?

もしかすると、これはマイホームを欲しがる一般大衆の心理が作り出す超過スプレッドなのかもしれません。この超過利益がおいしいから、たぶん不動産業者は、その不動産物件を賃貸に出さずにマイホームの欲しい個人に売却するのでしょう。マイホームの夢に浸っている個人の側とは対照的に、逆サイドの販売側には冷静な経済合理性が働いており、収益還元価格よりもはるかに高く売れるから、おそらく彼らは個人に売却するのです。

ロバート・キヨサキ氏が言う、キャッシュインフローをもたらす良い投資ではなく、逆に想定キャッシュフローがマイナスの非常に不利な投資案件に、勤労人生の初期に高レバレッジでつかまってしまうから、一般にラットレースから抜け出すのが非常に困難になってしまうのではないでしょうか。

当然、マイホームを持つ精神的価値といったものがあることも重々承知しており、そのために大きなプレミアムを支払って当然という考え方もあるかと思いますが、少なくともその精神的価値と、本質的に不利な投資案件に高レバレッジでつかまってしまい、フィナンシャルフリーダムは大きく遠のいてしまうというネガティブ要因を天秤にかける必要があるのではないかと思います。

そうしなければ、本質的にラットレースから抜けられるか否か、あるいは抜けようとするか否かという重大な決断を、マイホーム購入時に無意識に、またそうと知らずに行うことになってしまうかもしれません。

「マイホーム購入は経済的には不動産投資と同じ」という理屈は、知っていて損はありません。というか、主体的人生を歩むためにはぜひ知っておかなければならない理屈なのではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2007年5月 4日 (金)

中国A株

個人的には中国A株に投資するつもりはさらさらないのですが、日経新聞夕刊が取り上げたりもしていますので、インターネットでさくっと引ける情報をこのブログでも提供してみようかと思います。

http://blog.mag2.com/m/log/0000216071/

この情報が、中国本土市場の雰囲気をとてもよく伝えていますね。

まさにバブルの雰囲気満載です。これは、いつか来た道、日本でも米国でもありました。中国A株市場は閉鎖市場であるだけに、こうなってしまうと、どこまで派手に上がって、どんなふうに派手にクラッシュするのか、なんとも見当もつきません。

マネーゲームと割り切って参加したい向きもあるかと思いますし、それを否定する気もさらさらないのですが、今ちょっと情報を引っ張って見たら、日本で中国A株に投資できるたぶん唯一のファンドの日興のファンドはなんと15.75%の成功報酬費用(ハイウォーターマークのようです)がかかるようです。

http://www.citibank.co.jp/ja/deposits_investments/mutualfunds/products/mutualfundpages/nkcas_details.html

マネーゲームにこの高額かつ非対称のテラ銭はつらいですね。仕手株で勝負するようなものなのに、さらに勝ち目が薄くなります。ペイオフがパチンコや競馬、競輪に近くなります。

ということで、このマネーゲームに参入される方におかれては、そのご武運を祈っております。

パチンコ、競馬や競輪をしていたら永遠にフィナンシャルフリーダムに到達できない恐れがありますので、このブログではこういった宴にではなく、価値の裏づけのある市場に投資することを、あいもかわらず旨としていきます。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007年5月 3日 (木)

娘に贈る12の言葉

ジム・ロジャースの「人生と投資で成功するために-娘に贈る12の言葉」という本を読みました。

稀代の投資家と呼ぶべきか、投機家と呼ぶべきか、定義は難しいですが、あのジョージ・ソロスと一緒にクォンタムファンド(ヘッジファンド)を運営し、破格のリターンを生み出したヘッジファンドの世界の伝説の1人です。この筆者が、遅くに授かった幼い娘に向けて、投資と人生をダブらせながらその貴重なエッセンスを語ります。

まず最初に、授かった幼い子に対する愛情に溢れている本です。私も子供を授かったときの気持ちを思い出しました。

次に、稀代の投資家らしく、重要な投資の本質を端的に表現している本です。私も読んで見て、やはり耳が痛い部分がありました。(他人の情報を鵜呑みにすることなく、自分自身で納得できるまで調べること等、これが重要だとわかっていてもなかなか徹底することは難しいものです。)

3番目に、娘に向けて、そして読者である投資家に向けて、自分が得たもの(お金等ではなく考え方)を分け与えたいという気持ちに溢れています。私も、ジム・ロジャースの知見と英知に比べると、足元にも及ばないとてつもなくレベルの低いものではあっても、「もし投資を始めたときに、今腑に落ちているものがはじめから自分にあれば、こんな回り道はしなかったのに。また後に続く人にはこんな回り道をして欲しくない。」といった気持ちは押さえようも無く沸いてきますので、筆者の上のような思いはこの本を読んでいてもひしひしと感じ、共感します。

でも、おそらく私を含め、ほとんどすべての人は貴重な英知を自分のものにするには、様々な回り道と多大な時間のロスが必要で、それが自分の腹に落とすための必要経費なのではないかと思います。それが知っていることと、わかることの違いだと思います。これはおそらく投資に限らず、人生全てに言えることではないかという気がします。たぶん、その多大なロスや回り道自体が、実際は人生の大きな醍醐味なのでしょう。

この筆者は、投資での回り道はたぶんほとんどなさそうですが、さんざん時間をかけて年を取ってはじめて、いままで否定していた子を持つ意味と価値を腹に落としたことが、この本を読むとはっきりわかります。

そんなことを考えさせてくれる本でした。投資の本で心を揺さぶられることはそうそうありません。まちがいなく二重丸で、お勧めだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 1日 (火)

BRICs

今日の日経新聞の夕刊は、珍しくBRICs関連の投信の記事が1面トップでした。

記事の主旨は、同じ新興国であるBRICsの中でも、投資する国によって投信の運用成績に大きな差が出てきているということを示すものでした。

記事の内容は、

中国A株>>その他中国株>東欧・ロシア>インド

という順序でパフォーマンスが大きく異なっていることを示していました。(その他の国の記載も若干あったのですが、省略させていただきました。ご興味ある方は、実際の日経新聞夕刊にあたってみていただければと思います。)

BRICsをしっかり理解して投資されている方にとっては、その結果についてわざわざ日経新聞に教えてもらうまでもなく、よくご存知のことだろうと思いますが、日経新聞は「なぜこうなるのか」の部分について何も語らないので、BRICs、特に中国の構造をよく知らない読者に対してミスリーディングになっているのではないかと、老婆心ながら心配になります。

すなわち、この記事を読んだ素人さんの中から、「ほう、中国A株とは年利120%も稼げるほど、優れものの投資市場なのか、一丁中国A株のファンドに投資してみるか。」と考える人が続出しないでしょうか?日経新聞の記者さんは、すべてわかっていて紙面の都合上、これに関することを書かないのか、それとも記者さん自身も中国市場の本質について知らないまま、罪作りな記事を書くことになっているのか、何とも判別できません。

もし、これを読んでいる方で、まさに上のように考えられた方が万一いらっしゃったら、中国市場のしくみを真剣に調べて、中国A株に投資することの意味をきちんと理解できたという自信を得てから、それでも投資したいという場合に限って投資されることをお勧めします。

ちなみに、私は中国A株に投資することは一生ないと思います。非合理な価格形成に基づく鉄火場に突っ込む資金は持ち合わせていませんので。また、いずれこのような不合理な市場制度も消滅せざるを得ないのではと推測しています。

なお、実はBRICsの中でも、国によって割安度は大きく異なることが、良く知られています。

http://plaza.rakuten.co.jp/isbrics/diary/20070316/

左のサイドバーでご紹介しています広瀬氏のこのサイトで、BRICs4カ国のPERを確認することができます。実は4カ国のうち、インドだけが歴史的にも相対的にも割高であることがわかります。

すなわち、BRICsの中でインドのリターンが優れない理由として、割高割安指標からみた理由があったのです。(それが全てとは決して申しませんが)

逆に言うと、PER指標からいうと、BRICsのうちインド以外の国は先進諸国等と比べてもなおも割安であって、その成長性を加味すれば相対的な割安度のある魅力的な状況を保っていると言えると思います。

なお、米国証券口座を通じたBRICs投資を考える場合は、以下のサイトが非常に情報が早く、参考になると思います。(参考のためにロシア系のETFのページを引っ張ってきました。)

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-319.html

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-313.html

また、以下の記事を追っていくと、米国証券口座でBRICs等の新興国投資を行う場合のETFやCEFの知識を効率的に得ることができると思います。

http://www.thestreet.com/_yahoo/funds/etf/10346742.html?cm_ven=YAHOO&cm_cat=FREE&cm_ite=NA

ただし、ETFについては、特にロシア系のETFは、まだ出たばかりで流動性も低く、なかなか手を出しづらい状況なのではないかと思います。もう少し様子を見たほうがよいかもしれません。ETFの代わりにCEF(Closed End Fund)でお茶を濁しておくという手もあるかと思います。

では、さらなるBRICsの将来性に乾杯!

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »