インデックス派?それともバリュー派?
自分の中でよく、インデックス投資派としての考えと、バリュー株投資派としての考えがぶつかることがあります。
例えば、ポートフォリオにインド株ETFを加えようかどうしようかと考える時。例えば、内外REITを加えようかどうしようかと考える時。両者の相反する考えが、自分の中で真っ向からぶつかります。
インデックス投資派は、イメージとしては平均と分散の世界です。どの資産も固有の期待値と標準偏差を持つ対数正規分布に従い、将来の姿はランダムウォークでわからない。だから、分散投資による個別銘柄リスクの除去が唯一の合理的な投資戦略になります。国際分散投資の考え方もある意味これに近いものがあります。
対して、バリュー株投資派は、投資ビークルを擬似債券として認識します。したがって、この擬似債券としてのリスクは、この擬似債券クーポンの支払いが、企業環境や国の景気の悪化等により、想定を下回ってしまうこと。なので、できるだけその国や銘柄を理解し、将来のそのリスクがどれほどあるのか理解したくなります。また、投資ビークルが擬似債券と思えば、その債券としての条件、すなわち、クーポンの水準が低いものは投資ビークルとして論外という結論になってしまいます。
なので、インデックス投資派としては、ポートフォリオのリスクを分散し、リスクリターンをより効率的にするため、インド株も内外REITも買いたいと思うのですが、バリュー株投資派としての考えが、歴史的にも相対的にも高PERなインド株や、国債とほとんど変わらない水準まで買い上げられた、US、日本、イギリス等のREITは買っちゃいけないとブレーキをかけます。
今のところ、私の中での勝負は、バリュー株投資派としての判断が圧勝しています。なので、インド株ETFもREITも、今のところ全く保有していません。
しかしながら、バリュー株投資派にも非常に大きな弱みがあります。それは、必然的に手を出せる案件が狭まることです。日本株の個別銘柄にフォーカスするバリュー株投資家が、今そのデメリットを一身に受けているものと思います。評価したバリューが市場で日の目を見るのに、半年かかるのか、1年なのか5年なのか、誰にもわかりません。今の日本の新興株など、バリューの観点から魅力的な個別株式は結構見受けられると思いますが、果たしていつ報われるのか見当もつきません。
インデックス投資派の基本発想である、分散投資による個別銘柄リスクの除去がここで大きく力を発揮するわけです。国際分散投資により個別の国に属するリスクも分散、軽減できるのです。今、日本の個別株のバリュー投資家が苦しんでいる中、国際分散投資で世界のETF等を分散保有している方は今ホクホクだと思います。正直いって、経験上、後者は概ねいつもホクホクです。分散投資の価値もとてつもなく大きいと思います。
なので、インデックス投資派の発想も、個人的には決しておろそかにすることはできません。結果、私の中では、いつもこの両者のしばしば相反する意見を調整し続けることが必要になります。宗旨ははっきりしていたほうがすっきりしていてよいのですが、なかなかそうも行きそうにありません。これからも、何とか両者の考えの折り合いをつけながら、投資を続けていくことになりそうです。
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コメント
2つのジレンマに悩まれている状況が目に浮かびます。私もそうですから。ということで、インデックス投資ベースのポートフォリオを組成し、(なんちゃって)バリュー投資な考えを持ち込んだ運用方法を考えています。
私のブログでエントリしてますのでよかったらご覧ください。ご意見をいただけると幸いです。(たくさん突っ込んでやってください)
#宣伝になってしまいました。すいません。
それにしても、本当に悩ましい問題ですね。バリュー投資的に考えるとおっしゃるとおりインド株もREITも組入れない結論が懸命だと思いますが、しかし(結果的に)バリュー判断で買いの水準まで調整をせず、どんどんあがっていった場合を考えると・・・。
あー悩ましい(笑)
投稿: (ひ) | 2007年5月22日 (火) 21時23分
コメントありがとうございます。
共通の悩みですね(笑)
本当に共感します。
続きは貴ブログで。
投稿: VMax | 2007年5月22日 (火) 23時12分