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2007年5月11日 (金)

新興国ファンド

昨日の楽天証券のETF取り扱い追加に関連して、思うところを書いて見たいと思います。

最近、日経新聞に、投資信託の信託報酬が高止まりしているという記事がありましたが、実際に記事を良く見てみると、高止まりではなくさらに上がり続けているという記述の方が適切だったと思います。

その要因のひとつが新興国ファンドです。現状、どの新興国ファンドも2%程度の信託報酬が相場となっており、現状、投資信託会社(さらに言うとキックバックでその恩恵を受ける証券会社と銀行)にとって、ぼったくりのできる、まことに都合の良い商品になっています。

おそらく、このような高コスト(金融機関のぼったくり姿勢)の要因は、各新興国市場株式へのアクセスの難しさにあります。日本の一般の投資家がファンドを用いて新興国にアクセスするほか無いような状況であるがゆえに、多少ぼったくりでも売れるという力関係が生じ、2%前後というクレイジーな信託報酬相場が実現してしまっているのだろうと思います。

さらに、以前ご紹介しましたとおり、ファンドのコストは信託報酬だけではありません。カストディコストその他の一般には開示されない見えないコストが存在しています。以前、当ブログでご紹介しました某インド株投信のトータルコストは確か年4%を超えてましたね。そのうち見えるコストは信託報酬の2%程度であって、その他は見えないコストでした。

ぼったくり体質の投資信託会社に、この見えないコストの部分での企業努力を期待するのは現実的ではないと思います。すなわち、現状の新興国株投信では、見えるコストである信託報酬でぼったくられ、見えないコストでもおそらく確実にぼったくられているものと推測します。

楽天証券のBRICsその他の個別新興国へ投資する米国市場ETF導入のスタンスは、この傍若無人な金融機関のぼったくりビジネスに風穴をあけるものでもあります。そういう意味でも、私は今回の楽天証券のニュースを好意的に受け止め、さらなるロシア等の新興国ETF導入等も期待しています。

これを読んだみなさんも、もし高コストなブラジル投信などを保有していたら、ぜひ楽天証券のETFに乗り換えることを検討してみてください。投資信託のコストは信託報酬だけではないですよ。見えないコストでぼったくられてはいないか、くれぐれもご注意ください。

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