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2007年5月22日 (火)

初めての新興国株投資ビークル

私の初めての新興国株投資ビークルはこれでした。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&pgid=hetopquote&Symbol=QFFOX

米国証券口座を開設してから、左のサイドバーにあるようなUS投資信託を用いて投資を始めたのですが、ポートフォリオ中に新興国へのエクスポージャーが必要だと思って、選んだのがこのQFFOXでした。

これら投資信託は、購入後、今でも全く手をつけることなく、私の投資ポートフォリオの一角を占め続けています。運のよいことに、このファンドもその他の世界株ファンドも好調に推移し、概ねベンチマークを上回る運用を続けてくれています。

ただ、以前も当ブログに書きましたが、これらの運用成果の良いファンドも1つ問題があります。これらのファンドは毎年、キャピタルゲインディストリビューションがあって、これが結構高額になることが多く、これを日本で配当所得として申告すると総合課税による税金支払いとなるため、結構な高率の税金支払いとなってしまうのです。これはおそらくUS投資信託一般の問題だと思います。

なので、構造的にキャピタルゲインディストリビューションがないように思われるETFの方が、ネットの運用成果は良くなるのではないか、そうであれば、US投資信託での運用を続けるよりは、EEM等の新興国株式に投資するUSETFに乗り換えた方が良いのではないかという疑問です。

(この点についても、前に「今後の投資方針」というブログで書きました。)

ただし、乗換えとなると今までの運用リターンに対して20%もの税金(源泉分離課税)がかかってしまいます。したがって、乗換えするかどうかは慎重に判断する必要があります。

やはり、明らかにETF運用の方が将来のネットの運用リターンが高いことが見込まれなければ、なかなか乗り換えする気になれません。

そのような観点で、QFFOXのパフォーマンスをEEMやVWOと比較して見た結果が以下の通りです。

                          QFFOX     EEM      VWO

1day                     0.88       0.13      0.22   

1week                   1.94       1.86      2.01

1month                 5.70       3.13      3.44    

3month                13.50      7.07      8.78         

YTD                    18.72     11.05    12.38

1year                  37.33     30.13    30.61      

3year annualized  40.25     37.30         -

(単位:%、2007年5月21日現在)

このようなパフォーマンス状況であれば、毎年配当所得で余計に税金を払っても、QFFOXでの運用を継続する方が間違いなく有利です。(将来のパフォーマンスは保証されていませんが。)

なので、QFFOXの運用の定性的要因も調べつつ、この投資信託での運用をもうしばらく継続してみようと思います。

なお、この検証をしている最中に、昔この運用ビークルをメインで運用していたときの思考を思い出しました。QFFOXで運用していて良好なパフォーマンスを得ているところで、EEMというETFが存在していて、このETFに投資すれば運用コストは年1%も節約できることを知りました。

このとき、私がどう考えたかといえば、

「成長速度が速く、投資環境がめまぐるしく変わる新興国で、硬直化したベンチマークに沿った運用を行うようなスタイルでは、新興国市場の本当の平均値を的確に捉えることは難しいのではないか。また、ロクな運用実績もないETFに大事な資金をつぎ込むのもちょっと気が進まないな。」

といった感じでした。今のような楽天証券のETF取り扱いに対してブロガーの絶賛の声が上がる状況とは、天と地の差です。私だけかもしれませんが、「インデックス運用であるETFでは新興国での投資で有効な成果を出すことは難しいだろう。」と非常に懐疑的な見方をしていました。

それでも、蓋をあけてみて、QFFOXがコスト要因でEEMに負け続ける結果になるのもいやなので、EEMにも少しずつ投資をはじめ、今ではEEMにも結構な額を投資する状況になっています。

今でこそ、書籍等の情報により、エマージング市場においてのアクティブ運用の結果も、先進国市場に負けず劣らず一般に結構ひどいことを知り、新興国市場におけるインデックス運用の価値も理解するようになっていますが、昔は、自分自身も新興国ETFを胡散臭いものと考えていたとは、時代の変遷は劇的なものだなあと感慨深く思います。

しかし、国際分散投資に漕ぎ出したばかりのよちよち歩きのときに、このファンドやその他の良質な世界株ファンドに出会えたことは、本当にラッキーだったと思います。5,000だとか3,000だとかクレイジーな水準にまで落ち込んだ日本の投資信託の基準価格はまさに悪夢でした。このようなUSファンドでどんどんUS口座の運用資産が増加していくのを見て、冗談抜きで、宝物を見つけたように思えたものです。

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コメント

広瀬さんの今日のブログ。
>僕は東京が世界的な金融センターになれるチャンスはもうとうの昔に逃してしまって、そうなる確率はゼロだと思っています。

これ見て頭を殴られたようなショックを受けました。
前から強く感じてはいたけれど、やっぱり日本はこのまま朽ち果てるだけなのかと。
ますます国外に目を向けないといけませんね。

投稿: 猫戦車 | 2007年5月24日 (木) 22時07分

猫戦車さん、どうもです。

だれもが感じているけれども、口に出来ないでいることを、スパッと言われたと言う感じですね。

ちなみにソースはどこでしょうか。
当ブログからのリンク先ではないようですね。

差し支えなければお教えいただけるとありがたいです。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2007年5月24日 (木) 23時38分

猫戦車さん、上の件、わかりました。
踏み上げ太郎さんのところのコメントですね。
2人って、同一人物??

投稿: VMax | 2007年5月25日 (金) 00時14分

http://www.doblog.com/weblog/myblog/31550/2620017#2620017
ここです。
これだけのブログを書ける人なんてそんな多くはないです。
何度か書いてますけれど踏み上げさんは広瀬さんです。

投稿: 猫戦車 | 2007年5月25日 (金) 00時17分

猫戦車さん、そうでしたか。
ありがとうございます。

十分、頷ける話です。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2007年5月25日 (金) 06時44分

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