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2007年6月24日 (日)

本当に大事なこと

土曜日の日経新聞朝刊の一面の「成長を考える-第7部 糧になるものは」のコラムに興味深い内容が書かれていました。

このコラムの最初に、松山市の普通の大手医薬品メーカー社員(30歳)が家族で豪華なディナーを楽しむ構図を示し、その予算を株式投資の配当金でまかなっているという例を示しています。

この例が示唆する本質的なポイントを、私独自(独断)の視点で解説すると、

-日本は成熟国であって、高付加価値の労働力が提供できず、新興諸外国が低コスト労働力でこなせる仕事には、賃金低下圧力がかかり続ける。

-この賃金低下圧力で生まれる日本企業の競争力上昇は、他国との競争に敗れることを回避するためには、必要不可欠なものであり、またその利益は株主に優先的に還元されることになる。(配当金や株価上昇といった形で)

-しかしながら、日本は現在、世界でもトップクラスの先進国であって、便利なインフラに守られているため、どんな人でも、自分の意思で自分の生活コストをコントロールしていくことで、たいてい投資資金が作れる。

-このように、自分の意思で投資資金を作って、株主としての立場を享受しはじめる意思を持つ人とそうでない人の経済力の差は、どんどん開いていく可能性が高い。

といった感じになります。

記事の例が暗示するポイントの他に、私独自の重要と思われる点を付け加えるとすれば、

-成熟国の日本は、長期的には低付加価値ビジネスでは生き残れず、国家としては、20世紀の英国と同じような運命をたどるリスクがある。過去の英国資本がアメリカや日本といった当時の新興国への投資で、為替と株価の両面からとてつもない大きなリターンを得ることにより、大帝国の斜陽化とポンドの大下落の悪影響を最小限に抑えただろうことを考えると、これからの日本人は、このような日本国にとっての最悪シナリオにも耐えられる投資ポートフォリオを構築していく必要があると思われる。

となります。結局は、新興国を含む国際分散ポートフォリオが必要ですねという結論になります。日本国が斜陽化しようが、運良く復活しようが、どちらでもOKと思えるような分散ポートフォリオが要請されます。

結局、個人的に考える、本当に大事なことは、

-付加価値の高い人材となるための努力

-収入の一部を投資し続け、資本家としての地位を得るという意思と規律

-瑣末な細部にはまり込むことなしに対リスクリターンに優れた効率的な投資の考え方と合理的アプローチ

となります。

また、上記のような将来リスクに対し、日本国政府が何かしてくれると期待しないほうがよいと思います。どちらかというと、最大限足を引っ張られることを覚悟すべきと思っています。実際、とてつもない大借金をして、とてつもなく非効率な投資と浪費をして、資金をドブに捨て続けているのが今の日本国であって、そのツケはいずれ我々に返ってくるものと考えています。

なので、課税後の自由な資金は、郵貯や銀行といった、効率的な配分が見込めない、非生産的なエンティティに預けるのではなく、国際分散投資等により最大限の効率性を世の中に提供し、長期投資で複利の大きなリターンを稼ぎ、将来、日本国に多くの税金を落としてあげることが、結局は日本人と日本国政府の長期的見地から見たWin-Winシチュエーションだろうと考えます。

また、仕組物デリバティブ等で、金融知識の不足した個人をだまして手数料を掠め取ることしか出来ない日本の金融機関は、まさに、金持ちの親のお金をただただ浪費するニートやフリーターに近いものと思います。このような国際競争力を持たず、自国民に対して低レベルなたかりしかできない機関には早く引導を渡してあげて、国際的に通用する意味ある付加価値を創造するビジネスをしなければ日本でも生き残っていけない状況にしてあげることが、結局は日本の金融マーケットを、英国シティのように、国自体が帝国の地位を失った後でも多くの雇用を生み出し、生き残り続けることが可能な状況にするために必要なことだと思います。

ぐるっと回って、最後は冒頭の日経のコラムの結論とつながりました。

「もう手遅れ」との指摘もあったりしますが、「金融ビッグバン」の意味と意義をもう一度思い出し、日本の金融関係者や政府には、しっかりとしたビジョンと志をもった行動をして欲しいものです。

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コメント

全面的に賛成です。
久々に溜飲が下がる思いがするものを読ませていただきました。
ありがとうございました。

投稿: 水瀬 ケンイチ | 2007年6月24日 (日) 18時17分

水瀬ケンイチさん、いつもお世話になります。また、コメントを残していただき、ありがとうございます。

かなり個人的で独善的な内容かなと思っておりましたので、ご賛同いただけてとてもうれしく思いました。

それでは、今後ともよろしくお願いします。(また貴ブログにお邪魔させていただきます。)

投稿: VMax | 2007年6月27日 (水) 20時03分

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