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2007年6月13日 (水)

欲と恐怖

投資はある意味、自分との戦いです。

際限なく大きな利益を得たいという欲と、際限ない損失への恐れから一刻も早く逃げ出したいという恐怖が、将来の投資リターンを大きく削り、場合によっては致命的な損失さえももたらします。

今日は、このテーマに関する一例について話して見たいと思います。

まずは、欲に振り回されるパターンです。

1つのパターンとして、うまくいけばいくほど、リスクを取りすぎてしまうというパターンがあります。うまくいけばいくほど、もっと、もっと利益が欲しいという欲に振り回されるパターンですね。

最初は、おっかなびっくりで取ったポジションがうまくいき、気をよくしてフルインベストメント、これまたツボにはまり、資金は倍に。自分は天才じゃないかと、最後は信用取引にまで手を出して、自己資金の何倍ものリスクポジションを持ったところで市場が下落。すべての利益を失うだけでなく、借金まで作ってしまうケースもあります。

上げ相場で買いから入れば、誰でも勝てるのです。このパターンで昔から、店頭市場等で短期間でとてつもない資産をつくったにもかかわらず、相場の下落とともに、あっという間に消えていくパターンが繰り返されてきています。ここ最近の新興市場においても、同じようなドラマがあちこちで繰り広げられたものと思います。

ここでの問題は、過去の結果に基づき、買いのリスクエクスポージャーを上げていっている点です。投資家の陥りやすい自信過剰の罠です。相場の天井に近づけば近づくほど、買いのリスクエクスポージャーを増やし、借金で相場を張っては、相場が崩れたときには文字通り一文無しになってしまいます。後から冷静になって考えれば誰だってわかりそうなことですが、相場の過熱時に自分の資産があっという間に何倍にもなろうものなら、得てしてそのような冷静な判断が出来ない状態になってしまうわけです。

規模は違いますが、これはアクティブファンドの運用でも一般に同じことが言えるようです。アクティブファンドは市場の下落時に一部現金で保有して下落のダメージを緩和し、市場の上昇するタイミングでフルインベストメントすることにより、ベンチマーク超過リターンを得るのだという触れ込みがなされることがありますが、通常、人間心理を考えれば、たいてい逆のパターンになりがちです。市場が下がれば下がるほど、どこまでも下がるように思えて、現金比率は上がりがちです。また、バブルの頂点等では、もう株は二度と下がらないのではと思えてフルインベストメントになりがちです。アクティブファンドのキャッシュマネージメントは実際、リターンを上げるどころか、下げる方向にその力学が働きがちなのです。

このような人間心理を考えれば、過去の投資結果や相場つきに応じてリスクエクスポージャーを変化させることによって、超過リターンを生み出そうという行為は、心理的落とし穴満載の手法であると心得ておくべきです。少なくとも、相場が上がっていくにつれてリスクエクスポージャーが上がってきているようなら、間違いなくそれは危険な兆候です。

このような罠に陥らないための有効な策は、いわゆるインデックス派の発想の中に見ることができます。

スタティックアロケーションにより、リスクエクスポージャーはいつも一定にし、かつ世界を股にかけた、資産と地域の最大限の分散ポートフォリオによって、天底の波自体も可能な限り小さくし、人間心理によって投資成果を損失に向かわせることのないよう、ボラティリティを自身の許容範囲内にコントロールする。

このような発想で、リスク資産からリターンを得るために、最大の障害となる自分自身の欲と恐怖をマネージしていくことが、投資の成功のためのキーであると思います。

ポートフォリオのリスク調整には、投資プランをぶち壊しにしかねない、危険な自分自身の心理をコントロールするという意味もあり、投資においても自らを知ることが、投資を成功裏に完遂させるために、何よりも重要なことだと思います。

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コメント

退職した団塊の世代です。
株式はなかなか難しいですね

投稿: 西條則之 | 2007年6月18日 (月) 14時32分

西條さん、コメントをいただきありがとうございます。

退職されたとのことで、長い間おつかれさまでした。

このブログに、何か1つでもご参考にしていただけるものがあれば幸いに思います。

投稿: VMax | 2007年6月19日 (火) 04時02分

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