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2007年7月

2007年7月31日 (火)

iSharesのInternational Smallcap ETF

バークレーズからiSharesシリーズとして、EAFE小型株、エマージング小型株、日本小型株のETFが将来出るようです。

SECのFilingが開始されたようです。詳細は以下をご覧ください。

http://etf.seekingalpha.com/article/42945

EAFE小型株、日本小型株については2番煎じですが、エマージングマーケット小型株は新しい商品だと思います。(私が見逃していなければ)

エマージングマーケット小型株はウルトラハイリスクウルトラハイリターンなビークルになりそうな気がしてちょっと怖いですが、EAFE小型株については、WisdomTreeのETFはちょっと、という方に最適なビークルとして、使いよい位置づけの商品となるかもしれません。

ご参考まで。

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2007年7月30日 (月)

昨日から、インターネットが突然つながらなくなりました。

昨日の荒れた天気がもたらした雷が原因だったようです。

サポートセンターに電話したら、すぐに復旧しました。

政治も、ずいぶんな荒れ模様ですね。皆さんは選挙に行かれましたでしょうか。

個人的には、年金制度を抜本的に見直して欲しいと思います。基礎年金は消費税にして、無駄な労働に人を当てて税金をドブに捨て続ける制度はもう終わりにして欲しいと思います。

現状の厚生労働省の国民年金保険料徴収は、バブル崩壊時の、無意味な箱物や道路等にお金をつぎ込み、ゼネコンにまさに穴を掘らせて埋めるような意味のない作業をやらせてそれにお金を払う、過去の愚かな行為にそっくりだと思います。

どうせ、すべての国民がきっちり保険料を払えるはずもありませんし、お年寄りも含めて、全ての国民に対する最低限度の生活が憲法で保障されているのですから、国民年金保険料を払わず、あるいは払えず、年を取って生活に困る人には結局、生活保護等で国が支出することになると思います。

国民年金と生活保護といった、つまらない色分けの比率がどうなるかなんて、国民総負担の観点からいったら、ぜんぜん意味のない事のように思えます。そんな意味の無い色分けを決める、すなわち、国民年金の色の割合を増やそうという半ば意味のない行為に、厚生労働省はしゃかりきになって取り組み、自分たちの給料が税金でまかなわれるのを正当化しようとしているように思います。

すべての人が保険料をきちんと払うことなど不可能な一方、国民全体に最低限度の生活を保証しなければならないことは憲法上明らかで、負担する余裕のある人が最低限度の生活ができない人をサポートし続けなければいけないのは明白なのですから、はじめから払える人がよりたくさん払い、またつまらない人件費なしに半ば自動的に払われる形にしておくのが合理的だと思います。それで、意味の無い労働にお金をドブに捨てる非生産的な組織を飼うコストが消え、そのような国民に対するたかりで生きていた人を市場に放出して、社会に対してより生産的な労働をし、社会のためになる対価としての給料を稼いでもらうようにすれば、日本国にかかっている理不尽な重荷が1つ消えると思います。

今回は、こんなことを考えながら投票しました。少しでも、この日本国が良くなっていくような変化が起こることを望んでいます。

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2007年7月28日 (土)

ETFとETNの違い

表題の件について、なぜかその決定的な違いが説明されないまま、意図的なのか無意識的なのかは不明ですが、特にカウンターパーティリスクに関し、両者を混同しているかのような記載を最近あちこちで目にします。またこの点について、きちんと解説されている文章も見受けませんので、当ブログで解説してみようと思います。

ETFは、正式にはExchange-Traded Fund、ETNはExchange-Traded Noteと言います。

まず、ETFの仕組みから簡単に説明しますと、まずは投資信託というものが世の中には存在します。運用者(投資信託会社)と財産管理者(信託銀行)が分離されており、運用者は運用指示はできても、信託財産に触れることはできない仕組みになっています。運用者から資産を遮断することにより、信託財産の保全を図るしくみです。

また、この投資信託には、オープンエンドとクローズドエンドと呼ばれる異なる取扱いがあります。オープンエンドは随時の購入が可能なもの、クローズドエンドは一定期間の募集期間の後、購入が不能となっているものです。通常、クローズドエンドのファンドは、販売会社や投資信託会社からの購入が不能な代わりに、株式市場に上場していて、あたかも1株式のように、市場取引で購入できるようになっていたりします。

この市場取引されるクローズドエンドファンドには2つの価格があります。市場での取引価格と、ファンドの資産時価をファンド口数で割った理論的な時価(NAV)です。市場取引を可能としたことから、人気のあるクローズドエンドファンドは、NAVを上回って取引されることもありますし、人気の離散したクローズドエンドファンドはNAVを下回って取引されることもあり得ます。

ある意味、非合理的な話ですが、裁定手段のない状況、自由な選択肢のない状況では、本当に理論価格より10%、20%上の価格で取引されたり、逆に10%、20%下の価格で取引されるようなクローズドエンドファンドがあったりします。これはUSの話ですが。

このクローズドエンドのある意味非合理的な部分を、商品資産構成銘柄の拠出によっての商品資産の獲得、また逆に商品資産引渡しによる構成銘柄の受け取りを可能にすることによって、適正な裁定行動可能な状況を作り出し、市場取引により売買されるにもかかわらず、その市場取引価格と論理的な時価(NAV)との乖離が殆ど起こらないような市場取引資産ビークルとしたのがETFです。

いわば、ETFは変形クローズドエンドファンドとも呼べるビークルかもしれません。

こういった構造上、ETFの構成資産は拠出が可能なように明確に定義されていて、かつ毎日のNAVが正確に算出され、裁定行為が可能な仕組みとなっているのが通常です。

逆に言うと、ファンドの構成資産を、現物拠出可能とする形に構成できない場合には、なかなかETFとして商品設計することが難しいわけです。

そこで、そのような商品の場合に使われるのがETNという商品形だったりします。十分な信用力をもつ発行体が、ある資産に連動して価格が変動することを保証する、ある意味リンク債のようなものを発行して、それを市場で取引する形がETNの仕組みとなります。

この仕組みが良く用いられるのは主に商品系のビークルだったりします。例えば農業関連の商品だと、商品の実物は時間の経過とともに劣化したりしますので、通常の現物拠出の形のETFの仕組みで商品設計することはちょっと不可能に近いんじゃないかと思います。主にこんな構造の商品の場合に、ETNの仕組みが使用されたりするわけです。

必然的に、ETNを購入する場合には、そのリンク証券の発行体のカウンターパーティリスクを負うことになります。ETFの場合には、そのETFを構成する全ての銘柄は、信託銀行において実物が管理されていますが(実体が信託銀行の金庫にあるかどうかは別にして)、ETNの場合は、発行体がその発行証券がある資産に連動することを保証しているだけで、そのある資産が分別管理されて実在するわけでは必ずしもないからです。

極端な話、発行体がそのリンク証券のパフォーマンスを保証するための適切なヘッジポジションを構築しなかったり、あるいはその他の事業上の理由によって発行体が倒産してしまえば、そのETNは論理的には紙切れに成り得ると思います。そういう意味で、ETNはちょっと注意すべきビークルかもしれません。

裏づけとなる実物資産が区分管理されていることが見込まれるETFの場合は、信託銀行が仮に倒産しても、管財人により適切に清算されれば、その実物資産に見合った価値が返還されるだろうことが期待できますが、ETNの場合は発行体の信用力のみが頼りですから、仮に発行体が危なくなったら、それだけでETNの投売りが始まり、リンク元資産が指し示す理論価格より大幅にディスカウントされた売買が始まってしまうかもしれません。(その実例はまだないと思いますが)

そうはいっても、USでのETNの発行体はバークレーズのような信用のおける金融機関だったりしますので、容易にそんなことになるとは思えません。しかしながら、ETNを買うときは、ETFとは違って現物の裏づけではなく、カウンターパーティの信用力が頼りの資産を購入しているのだという理解をしておくことは重要だと思います。

上で書いたとおり、このETNは商品系のビークルが多いのですが、例外として、インド株のETNがUS市場では存在しています。その経緯はまったく把握していませんが、インドは確か国外者の株式購入が自由にできなかったように思いますので、もしかするとそれが関係しているのかもしれません。

今まではETNといってもUS市場ビークルの話で、米国証券口座等で取引されている方以外にはあまり関係がない話であったのですが、最近、大証で金のETFが上場するというニュースが発表され、これが、実は上で説明したETNの仕組みで構成されているようなのです。日本の証券取引所で取引される資産を日本の証券会社を通じて購入される日本人の方にも、このETNのきちんとした知識が必要になる日も近いということもあり、今回この話題を取り上げることとしました。

なお、英語が苦にならない方は以下の記事が参考になると思います。(上で触れなかったETNのメリットに関する記載もありますので、興味ある方はご参照ください。)

http://etf.seekingalpha.com/article/13750

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2007年7月27日 (金)

今夜のUS市場は?

前日のUS市場、アジア市場、為替と大荒れですね。

ヨーロッパ市場も、なかなかすっきりせず、低迷しているようです。

さて、今夜のNYの天候は?あいかわらず暴風雨ですかね。

個人的には、急落に備えて投資資金を取っておくといったことは基本的にしないタイプなので、特段投資資金があるわけもなく、やることもないです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart11:symbol=eem;range=20060724,20070726;compare=fxi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

急落に備えて投資可能資金を取っておくことをしなくなったのは、このような軌跡を描く投資対象が多く、資金を取っておくと得られるべきゲインを失うという経験を結構したせいです。

ということで、興味があれば今夜のUS市場を見るかもしれませんが、眠くなればさっさと寝ちゃうかも。

こんな気楽な投資態度でいることができるのは、超長期の投資だけかもしれませんね。投資方法や考え方によっては、今はまさに、神経をすり減らし、胃をキリキリさせる状況なのかもしれません。

投資を成功裏に終わらせるためには、それを妨害する可能性の最も高い、自分自身の感情をマネージメントする必要があると思います。超長期の投資を指向しながら、このような場面で逃げたくなったり、リスク資産を処分したくなるようだと、ポートフォリオのボラティリティレベルか、心の持ち方、あるいは投資手法といった何かを見直すべきというサインかもしれません。

暴落時にものどかな気持ちでいることが可能な、長期国際分散投資のこういった利点を最大限満喫するために、ポートフォリオのリスクレベルと投資に対する考え方といったような部分を、ご自身に100%最適化されるのがよいと思います。

それでは、おやすみなさい。

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2007年7月25日 (水)

信用リスクスプレッド

本来なら昨日のうちに、以下のエントリーを補足する追加のエントリーを書いておこうと思ったのですが、なぜか昨日からココログが本格的なメンテナンスを開始してしまって新しいエントリーを書くことができない状態が1日続いてしまいました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7d88.html

その間に、米国市場がまさにサブプライムローンの問題で揺れてしまってますね。

追加してお知らせしようとしたのは、現在起こっている米国債券市場の信用リスクスプレッドの広がりが、いまのところどの程度かという水準感です。このサイトの最初のグラフを見ると、過去のシングルBクラスの債券の信用リスクスプレッドが、リスクイベント時に、どんな水準で広がったかという過去がわかります。

http://www.efficientfrontier.com/ef/401/junk.htm

1998年中旬の山がおそらくはLTCMの破綻のときの信用リスクスプレッドの短期的広がりを示しています。およそ2.5%程度は広がっているように見えます。

2000年から2001年にかけての山がおそらくはITバブル崩壊のときの信用リスクスプレッドの広がりです。4~5%程度は広がっているように見えます。

翻って見て、今、足元の信用リスクスプレッドの広がりがどの程度かと言いますと、HYGとIEFの動きから概算すると、おそらく1%未満といった水準だと思います。

これから、低格付債券の信用リスクスプレッドがどの程度広がっていくかは神のみぞ知るというところだと思いますが、現在時点においては、まだまだかわいいものだというのが、個人的な感覚です。

また、当ブログのスタンスからすれば、今回のサブプライムローンの米国市場と世界経済に与えるインパクトが、たとえLTCM崩壊と同様、ITバブル崩壊と同様やそれ以上となったとしても、個人的にはただ淡々と、望ましいと思う世界分散投資ポートフォリオを構築し続けていくのみです。

数十年の国際分散投資を想定すれば必然的にそうなります。こんなロングタームの投資では、LTCM破綻もITバブル崩壊も、後になってみれば単なる1イベント、懐かしい思い出話にしかなりません。そんな程度のイベントで数十年レンジの長期投資家があたふたしてはイカンのです。

だったら、こんな分析や評価なんて長期投資家には意味無いのではと思われるかもしれません。それも一理あると思います。理由の1つは単なる個人的な興味本位、もうひとつは、いもしない柳の下の幽霊におびえるのではなく、実際にその場所にいって確かにいないことを確かめる姿勢が重要だと思っているからです。要は感情的になって無意味に右往左往しないためには、徹底した現実主義の目が必要だと思っているのです。

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2007年7月23日 (月)

ノーロードファンドが増えているらしい

本日のNIKKEI NETにこんな記事がありました。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070723AT2C2003J23072007.html

と思ったら、今日の日経新聞夕刊にも1面トップで「投信も手数料下げ」という同趣旨の記事が出ていました。

インターネット専業証券でノーロードファンドが200本を越えたとのことです。記事の趣旨としては、手数料競争の対象が株式手数料から他の手数料に移ってきているという趣旨で書かれていましたが、なんにしろ、ノーロードファンドが増えていくのは結構なことです。最近の日本のファンドは個人的に全くの不案内なのですが、販売手数料が無い分信託報酬を厚くするといった、長期投資に不向きな詐欺的な内容ではなく、純粋にもともとロードファンドであったものをノーロードにして売り始めているのであれば、手放しで喜ばしいことだと思います。

私が米国証券口座を作った頃は、米国インターネット証券ではノーロードが既に一般的でした。左のサイドバーで紹介しているような世界株ファンドや、何度かエントリーに出現しているQFFOXといった新興国ファンドは全てノーロードファンドです。米国では、昔からノーロードファンドの選択肢は豊富で、たくさんのノーロードファンドの中から、このようなファンドを選ぶことが可能でした。

神田昌典氏ではないですが、やはり金融の分野でも「米国は何年も先を進んでおり、米国で起こることは何年かの後に日本でも起こることが多い」と感じます。ある意味残念なことでもありますが、過去の個人的な仕事の分野での経験でも、結構これは思い知っています。「これはさすがに米国にもないだろう」と思うようなことでも、よくよく調べて見ると米国で既に存在しているといったくやしい経験を、やっぱりしていたりします。

そういう意味で、やっと増えつつある日本のインターネット証券のノーロードファンド化も、なんだかデジャブに見えてしまいます。そう考えると、楽天証券で米国市場ETFを普通に購入している方々は、通常、何年も遅れる日本市場の後進的な金融商品プロセスを、一気にワープしているのかもしれません。

願わくば、日本のETF市場が一部のキーンな方々のみが参入するニッチな市場にとどまることなく、日本の金融商品市場全体を一気にワープさせる原動力となって、先進米国市場に追いつき追い越して欲しいものです。

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2007年7月22日 (日)

米国金利(その2)

前のエントリーのコメントでリクエストをいただいてしまったので、続編として、米国長期金利が5%を割った理由についての私見を書いてみようと思います。

(あくまで私見であり、またこの分野の専門家でも何でもないですので、話半分、眉唾と思っていただければと思います。)

まずは、以下のチャートをご覧ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=hyg;range=20070411,20070720;compare=ief;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

このチャートで、直近IEFが上がっている一方で、HYGがかなり下がっていることがわかります。IEFは7~10年物TreasuryのETFですので、10年物Treasuryの金利が下がっていることと、IEFが上がっていることは、全く同じ事象の表裏です。(市場金利が下がると、債券価格は上がります。)

しかしながら、HYGがかなり下がっていることは、自明な現象ではありません。HYGは米国ハイイールド債券、すなわち、格付がシングルB前後の信用度がかなり低く、クーポン金利の高い債券のETFです。市場金利が下がり、普通であれば債券の時価が上がるはずの状況で、HYGが下がっているということは、おそらく信用度の低い債券のデフォルトリスクが市場で意識され、信用リスクスプレッドが広がっていることを意味します。

ざっくりいって、

社債利回り=無リスク資産利回り(=Treasury利回り)+信用リスクスプレッド

となります。倒産(デフォルト)リスクのある社債は、純粋理論的に無リスクなTreasuryよりも利回りが高くないとだれも買わないわけで、そのために社債の利回りはTreasuryよりも高くなります。その利回り格差が、信用リスクスプレッドであって、倒産(デフォルト)リスクを取ることに対する見返りの報酬です。

この信用リスクスプレッドは、市場が信用度の低い社債の倒産(デフォルト)リスクに敏感になると、ある意味当然のことではありますが、大きく広がります。

今、Treasuryの金利が下がったのに、HYGの価格が下がったということは、Treasury金利の下げ幅を大きく超えてそれ以上に、市場が要求する信用リスクスプレッドが広がってしまっているわけです。

ここからは憶測です。低格付け債券の信用リスクスプレッドが広がってしまったのは、おそらくサブプライムローンのせいだと思います。米国債券市場では、信用リスクが強く意識されている展開になっているのではないかと思います。

信用リスクスプレッドが広がり、Treasury金利が下がったと言うことは、債券市場で、質への逃避が起こっているのではないでしょうか。信用リスクのないTreasuryが買われ、信用度の低い格付の低い債券が売りたたかれる展開になっているものと推測します。

ちょっと前に、サブプライム関連の資産担保証券の格付が格付会社によって引き下げられたというニュースがありましたね。サブプライム関連の資産担保証券の投売り状態が、通常の社債市場に影響を及ぼし始めていて、今のところ、社債の信用リスクスプレッドがどんどん広がり続けている状況のように読めます。

この状況が起きる前の展開としては、10年物Treasuryの金利が跳ね上がった理由として、米国の景気が思ったより良く、政策金利を下げていくような展開ではなくなったことと、かつ世界の流動性資金の行き先が、米国Treasury一辺倒ではなくなってきたことが挙げられると思います。

なので、そういった10年物Treasuryの金利が上がっていく圧力と、米国市場の特殊事情(サブプライムローンによる債券市場の質への逃避)による長期金利下げ圧力が両方かかり、今のところ、下げ圧力がどんどん優勢になってきているのではないかというのが、私の見方です。

いかがでしょうか。話半分、眉唾な話であるとは言え、多少のご参考になると良いのですが。

この金利の動きの先にあるものを考えるには、このチャートがヒントになるのではと思います。今日は、これをご提示して、終わりとしたいと思います。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^dji;range=20070427,20070720;compare=^gspc+^ixic;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

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2007年7月21日 (土)

米国金利

米国の10年物Treasuryの金利が5%を割りましたね。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^tnx;range=20070427,20070720;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

昨日の米国市場は、グーグルとキャタピラーの2Qのprofitに失望ということのようですが、だいぶ下がりました。

米国長期金利がじりじりと上がっていくというシナリオも、だんだん怪しくなってきた感じです。

このままいくと、米国長期金利の長期的上昇を見込んで回ってきた歯車が、逆回転し始めるかもしれないですね。いや、すでにもう逆回転し始めているのかもしれません。

米国長期金利の下落が何を意味し、何をもたらすのか?とても興味深いテーマです。今日の夜はじっくり、頭の体操をしてみましょうか。

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2007年7月20日 (金)

弱いドル

海の向こうにも、自国通貨の弱さに直面している国があります。

アメリカ人にとって、他の先進国通貨を持つと言うことそれ自体が、魅力的なリターンを得る手段となり得ます。どこかの国とそっくりです。

http://etf.seekingalpha.com/article/41597

他のエントリーのコメントでも書きましたが、USDは直近06/10~07/07までの期間で、3通貨を除いた世界中の通貨に対して弱くなっています。(週刊東洋経済7/21より)なので、リンク記事のように、他国通貨ETFへの直近の投資リターンがとても高くなっているわけです。

記事で例示された通貨のほかにも、オーストラリアドルやスイスフランといった通貨ETFに投資することが、米国市場では既に可能です。(日本円通貨のETFもあったりしますが、あまり意味は無いでしょう。USDより弱い、数少ない通貨の1つですので。)

国際債券ETFがSECfiling中であることも、とても頷ける話です。このままの流れが続けば、強烈なホームバイアスを有するアメリカ国民の間でも海外投資やFXが流行ったりするかもしれませんね。

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2007年7月18日 (水)

跋扈する金融商品

あいかわらず、当ブログで取り上げたようなタイプの金融商品が跋扈し、金融機関で売りさばかれているようですね。

ここ最近の日経新聞の記事でも2つのタイプの金融商品を目にしました。(この他にもあったかもしれません。単に当方の目についたものです。)

・金利の高い短期定期預金と投資信託のセット商品

・ご当地ファンド

それぞれ、当ブログの以下のエントリーで触れています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_e753.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_89c3.html

日本の金融機関を使い勝手の良い便利な機関にするのも、忌避すべき商品ばかりを売りつけられるやっかいな存在にするのも、長い目で見れば我々の金融リテラシー次第だと思います。

ご参考となりましたら幸いです。

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2007年7月17日 (火)

US除く世界国債およびTIPSのETF

与六さんのブログによると、米国市場ETFで初の、US除く世界国債ETFと、US除く世界インフレ連動国債ETFが出るようです。

http://yoroku.blogspot.com/2007/07/spdretf.html

State Streetから出るらしいです。まだ、SECにファイリング中のようなので、しばらく時間がかかるかもしれませんが。

販売されたら、たぶん、楽天証券とイートレード証券にUS市場ETFの銘柄追加要望を出したほうがよい商品だと思います。

このETFは、もし楽天証券やイートレード証券で取り扱われるなら、日本の投資家のポートフォリオ構築に資すること非常に大だと思います。現在の日本の世界債券ビークルは、一般の海外債券インデックスファンドでは、カストディコスト等でパフォーマンスがやられ、かといって規模の面でカストディコストが無視できるほど小さくなるであろうグロソブ等では販売機関に高額手数料を支払うために高い信託報酬を抜かれるといった、まさに八方ふさがりの状況に見えます。

冒頭のETFは、日本の投資家のこの八方ふさがりの状況を打破することのできる可能性を持つ、ある種、救世主のように私の目には映ります。

世界株式投資を考える場合のEFAの位置付けと似た、世界債券投資を考える場合のコアETFになり得るのではないかと思います。

期待して待ちたいと思います。続報がありましたら、このブログでまたご紹介しようかと思います。

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2007年7月16日 (月)

単なる雑感

最近、何だか新興国株式ビークルのパフォーマンスが上離れてきているように感じます。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=qffox;range=20070103,20070713;compare=vwo+eem+efa+spy;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

米国の長期金利が上離れたので、新興国の成長性の高さに注目される流れが起きているのでしょうか。

この新興国株ビークルの直近の高パフォーマンスを牽引しているのが、このあたりの国々だと思います。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewz;range=20070103,20070713;compare=ewy+ewt;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

正直、それぞれの国の直近の実情に詳しいわけでは全然無いので、何か語れるわけではないのですが。(継続してご覧になられている方には良くお分かりの通り、個別新興国ETFへの投資は今後は縮小し、出来るだけ止めるようにしたいと思っていたりします。)

とは言え、もしかすると意味ある動きなのかもしれません。さざなみで(さざなみでなくても)ポートフォリオをいじるつもりもさらさらありませんが、市場で起こっていることを理解するため、今後も、新興国の動きには注目していこうと思います。

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2007年7月15日 (日)

進む円安

本日は、円安関連で参考となるブログを紹介いたします。

http://mental-invest.seesaa.net/article/47731290.html

何だか、見事に現在の円安の構造の一面を言い表しているようにも思えます。こういったブログを読むと、あらためて、矢口新氏の名言「トレンドを作るのは投機資金ではあり得ない。」を思い出します。取ったポジションを短期的にクローズする短期投機家の市場に与える影響はゼロスクエアだからです。US$除く世界通貨に対し、6~7年も円安が続いているということは、円を売って外貨を買ったまま帰ってこない資金勢力が次から次へと現れて、その一大勢力が為替を一方向にずっと押し続けているのではないかということが疑われます。

こういった資金勢力は、安定した年金代わりの配当が欲しい団塊以降の世代がいる以上、容易には消えてなくならないのではないかと思えます。

通貨の購買力平価等の理論、理屈を頭から信奉して疑わない人は、6~7年続いている、このとてつもないフォローウインドを取り逃してしまうわけです。つくづく、相場や市場といったものは難しいものだと思います。

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2007年7月14日 (土)

サブプライム問題

個人的にこの話題について、何か語れるものがあるわけではありませんが、左のサイドバーで紹介している堀古氏のブログで、この話題について語られている内容が秀逸であると思いましたので、ご紹介しようと思います。

http://plaza.rakuten.co.jp/isWallStreet/diary/200707100000/

私の少ない知識でも、リスク区分された資産担保付証券は、普通、プロフェッショナルな投資家に販売されていくので、ヘッジファンド等で被害はあっても、個人が投資するETF等の伝統的な投資対象が直接被害にあったりするケースはあまり想定できないのではと思います。

この中で、米国では過去、不動産活況のときには株式が不調で、不動産不況の時に株式市場が活況を呈していたという過去の推移に関する指摘は、非常に参考になります。

過去は将来を必ずしも保証しないとしても、過去に学んで活かせるものは活かし、あいまいなムードに踊らされない態度で投資に取り組みたいなと思います。

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2007年7月13日 (金)

WisdomTreeの新興国高配当株ETF(その3)

いよいよ、個人的に期待の新興国高配当株ETFが13日から発売になります。

以下のリンクをご覧ください。

http://www.wisdomtree.com/press/pdf/WisdomTree-WTLaunchesEmergingMarkets-256.pdf

これで、新興国についても、バリュー指向でありながら、「買ったら売らない」というスタンスが貫徹できそうです。既存の個別新興国ETF等はできるだけ、このETFに寄せて行きたいですね。

当方のようなバリューなスタンスの人にとって、長期の売らない国際分散投資を完遂するためには、IWNやEFV、DLS等と同様、ある種必須のアイテムだと思いますので、左のサイドバーのお勧めETFにも載せておきます。

あまり購入資金はないのですが、明日小額で注文を入れて見ようかなと考えています。

関連記事については、以下をご覧ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/wisdomtreeetf_7286.html

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2007年7月12日 (木)

小口投資家の頻繁な取引

本日のの日経新聞の夕刊のマーケット総合2の十字路に、表題の内容でコラムが書かれていました。

山口大学の経済学部の教授の方が書かれたコラムで、いわゆる頻繁な取引のデメリットを示すものです。

以下、引用です。

『インターネット金融取引の普及により、われわれは情報量に関してプロの投資家と対等に近い立場に立つことができた。(中略)運用成績は取引コスト低下の恩恵を受けて向上するはずである。しかし、現実はそうではない。原因のひとつが頻繁な取引にある。

心理学の研究によれば、人は成功を自分の能力に、失敗を他人や周りの環境のせいにする傾向にあるという。単に長期上昇相場の結果だとしても、成功が継続すると「自分の行動が結果として成功につながった」と考える。投資家は自分自身の能力を過大に評価するようになる。この過大評価と取引の容易さが、頻繁な取引をもたらす。(中略)

しかし、これまで行われた実証結果によれば、平均すると、単純な買い持ち戦略と比較して、取引頻度が高いほど投資収益が低下するという。ある株を売却して割安と考えて別の株を買うよりも、そのまま所有していたほうが投資収益は高い。頻繁な取引はリスクをとっているわりに、思ったほど金融資産を増やすことができない恐れがある。』

(引用終わり)

まことに示唆に富み、また耳の痛いコラムでもあります。

私も、今でこそ、長期国際分散投資を指向し、ある証券口座では、一度たりとも売り注文を発注したこともないほど、長期投資を徹底していますが、そういった投資方針にたどりつくまで、まことに長い年月を要し、無駄に時間を費やしてしまっています。後悔することしきりですが、失った時は決して取り戻せません。なぜ、こういったマネーリテラシーというかインベストメントインテリジェンスに関することを、学生に教えないのだろうかという、憤りにも似たような気持ちにもなります。まさに一生の教訓となるはずです。

日本は間違いなく、これからも強烈な少子高齢化が進み、主に投資収益で生きる国になっていくように思います。こういった世の中の大きな流れに逆らって、「額に汗しない利益は、良くない利益だ。」といったような、一面的な金銭倫理に縛られていて良いものでしょうか。はっきりいって、自分自身の首を絞めているように思えてなりません。

日本円は、いま、直近1年で、世界最弱の通貨なのだそうです。(73位。Nikkei Netの時説往来の五十嵐氏のコメントを見れる方はご参照ください。)USドルを除く世界通貨に対する直近6~7年の一貫した円安傾向を見ると、これが短期的で偶然の事象とはとても思えません。すなわち、1500兆円という巨額の日本の個人金融資産は、世界的に見て相対的に価値を失い続けていることが疑われます。長期の国際分散投資は、日本の国と個人を救うためには、これから必須の投資行動になってくるのではと、個人的には考えます。

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2007年7月10日 (火)

為替市場の不思議

相変わらず、世界各国通貨に対する円安と、円建ての海外株式の信じられないほどの高パフォーマンスが続いていますね。

インドやカナダなんかがとてもよくこの現象を象徴しています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart3:symbol=^bsesn;range=20070102,20070709;compare=inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^gsptse;range=20070102,20070709;compare=ewc;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

円建ての比較グラフを作るのが難しいので、それぞれドル建てのグラフになっていますが、それでも、現地通貨では対して高パフォーマンスというわけではないのに、ドル建てでは、高パフォーマンスになっています。すなわち、円建てであれば、このグラフよりも、もっと高パフォーマンスとなっているわけです。(今年は、円はUSドルに対しても円安になっています。)

国際分散投資を行っている人にとっては、まさにホクホクな状況ではあるのですが、果たしていつまでこんな状況が続くのか、日本国民としては不安になります。

言い換えると、今の円安がどこまで行ってしまうのか、日本国はこのまま斜陽化してしまうのかという不安です。

今の円安は行きすぎで、いずれ大きく円高へのゆり戻しがあるという意見もあると思いますが、昔、私が血縁者に「もう円のUS除く海外通貨に対する円安は5年以上も続いている。頼むから、資産ポートフォリオに外貨を入れてくれ。」と頼んだときから、もう1年半くらいは経ったはずです。いったい、いつ、そんな時が来るのでしょうか?

円の金利は世界通貨で最低であるほど低いので、高金利通貨に流れており、それで円安になるのだという、ある意味単純な主張があります。果たして、事態はそれほど単純なのでしょうか?

通常、国の信用力が低ければ低いほど、高い金利を払わなければならないはずです。それは、発展途上国の金利を見れば一目瞭然だと思います。では、日本の国家としての信用力は、世界一なのでしょうか?どうも、そうは思えません。日本政府のとてつもない大借金状態は変わらず、またプライマリーバランスもマイナスで、今もなお、事態は悪化し続けているようです。国の抜群の信用力による超低金利というわけではなさそうです。

では、低金利は不景気が原因でしょうか?確か、今は戦後最長の好景気の渦中ではなかったのでしょうか。そもそも、不景気で政策金利である短期金利は低くできても、10年国債等の長期金利は、国の信用力が低ければ、その高騰が免れないはずです。

もしかすると、国の需要不足が原因でしょうか?世界に誇る少子高齢化の国ですし、もうモノ不足の国でもないですから、モノへの需要が小さく、相対的にモノに対する円通貨の需要が大きく、構造的にインフレが進みにくい国の体質になっているのでしょうか?

そういえば、車の国内販売も、ずいぶん低迷しているようです。

米国も、ユーロも、イギリスも、カナダも、世界中であちこち利上げが行われているようですが、おそらく日本は、今のところ、インフレが進まず、金利を上げなくても実質金利がマイナスにならない、数少ない国なのではないでしょうか?

純粋理論的には、金利裁定を仮定しても、購買力平価を仮定しても、円安ではなく、円高に向かうべきであるように思えたりするのですが、実際はとてつもない円安に進み続けています。

ファンダメンタルからいって、円はどちらに向かうべきなのでしょうか?

以前、ご紹介した「日本経済のリスクプレミアム」という本では、相対購買力平価説に基づく長期分析では、なんと足元が円高すぎるという結論で、ファンダメンタルからいうと、さらなる円安への動きが妥当という、ある意味、びっくりする結論でした。

与六さんが以前ご紹介された記事でも、モデルによって円が割安であったり、割高という結論だったりして、理論的な正解が一方を指し示す形になっていないという結論になっていたようです。おそらく、学者を含む世界中の誰もが、確信をもって今の円が割高か割安かを証明することなどできないというのが、まぎれもない真実なのかもしれません。

http://yoroku.blogspot.com/2007/06/blog-post_23.html

学者が想定する、マーケットは合理的投資家で成っており、非合理な歪みは、瞬時に裁定されて本源的価値に収束するという美しい仮定は、為替市場においては、そもそも円が割安なのか割高なのか、誰一人正解を知るものがいないという、まことに情けない実態により、そもそも否定されかねない前提であるわけです。

もともと、その程度のまことに怪しい本源的価値であって、かつその本源的価値も日々変動し、どちらかの方向に動き続けているかもしれないとあっては、為替市場に対して、ファンダメンタルの立場から、どちらか一方向への方向の先にフェアバリューがあるという結論を持つこと自体が、まことに困難なことかもしれません。

ひとつ言えるのが、各国でそれぞれ存在する、強烈なホームバイアスによって、各国間の金利と為替においても、フェアな裁定が働いてはいないのではということが疑われます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_3a2a.html

この記事においても、各国の企業年金で軒並み極端に思えるほど自国資産を保有する行動が見られます。また日本国債の殆どが日本国民に保有されていることを見ても、日本国の信用力が、他国と十分裁定された上で、その国債金利水準が定まっているとはとても思えません。

大前研一氏によれば、日本人の資産保有行動は、全くもって非合理的とのことです。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/86/

たしかに、冒頭のように、他国に投資するだけで円安に背中を押してもらってとてつもなく儲かる現状で、日本国資産だけに固執するのは、合理的な投資行動には見えません。

それでも足元では、日本人の外国資産への投資(含むFX)は、どんどん加速してきているように思えます。今でも個人金融資産に占める外国資産の割合は3%とか、そういった水準だったように記憶しています。日本人の投資行動が、強烈に非合理的なホームバイアス満載の状況にあって、それでも、合理的となる方向へ資産が動いているのが今の状況だとすれば、この方向への動きは、何十年もかけて今後も継続していくのかもしれません。

イギリスの企業年金の自国資産への投資割合が60%程度であって、その他の先進国の80~90%超といったクレイジーな水準とは明確に一線を画しているのは、もしかするとただの偶然ではないかもしれません。過去、ホームバイアスによって、自国の斜陽化が進む中、強烈なポンド安と他国の発展による果実を取り損ねてきたという経験を積み重ねてきた国であるからこそ、そのホームバイアスの度合いが、先進各国中で一番ひどくないのかもしれないと、ふと考えます。

錯覚であるのかもしれませんが、日本人のホームバイアス、極端な少子高齢化、極端な低金利と、恒常的に進む異常な円安とが、互いに深い関係を持っているように思えてなりません。そして、そのホームバイアスは少しずつではあっても、確実に解消の方向に事態が進んでいるように見えることから、日本の低金利は長い目でみて解消していき、また異常に見える円安はさらにその加速度を増していくのかもしれません。

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2007年7月 9日 (月)

海外証券口座の為替リスク(その2)

以前の表題のエントリーに対して、ひいさんから以下のようなご質問をいただきました。

「海外投資における為替リスクがよくわかりません。自分で具体的な数字を当てはめて計算してみたりしたのですが、たとえば例題1の場合、なぜ円対中国元の為替リスクが存在し、円対ドルの為替リスクが存在しないのか、理解できないでいます。
もしよろしければ、具体的な数字で仕組みを説明していただけないでしょうか?」

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_8f8f.html

ということで、リクエストにお応えして、実際の数字で、このエントリーが示すことを表現して見ようと思います。

ただし、中国元のレートはちょっと個人的に把握していないので、以前のエントリー例1をちょっと変更して、以下の例1ダッシュを実際に数値で計算しようと思います。

1’.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建てのイギリス株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

直近の関係する為替レートは以下の通りでした。

1USドル=123.31円

1イギリスポンド=247.89円

1イギリスポンド=2.010300USドル

ここで、3番目のドルポンド為替レートは1番目と2番目のレートからも算出できます。すなわち、

247.89/123.31=2.010299

となります。

まず、日本円で100万円をUSドルに換えて米国証券口座に送金します。

米国証券口座残高=100万円/123.31=8109.642ドル

このUSドルで、その時点で100の株価がついているイギリス株式のETFを買うこととします。すると81.09642株買えます。

ここで円USドル相場が変わるとします。1USドル=130円と大幅に円安になったものとします。もし、ここで円ポンド相場が変わらないとすると、為替レートは以下のようになります。

1USドル=130円

1イギリスポンド=247.89円

1イギリスポンド=1.906846USドル(=247.89/130)

イギリス株式市場が全く変化がないとすれば、ドル建てのイギリス株式ETFの価格は以下のように変化します。

以前のイギリス株式ETFの価格×(現在の1イギリスポンドのUSドル換算値)/(以前の1イギリスポンドのUSドル換算値)

=100×1.906846/2.010300

=94.8538

なので、USドル建ての米国証券口座資産は、イギリスETFの株価×株数で、

94.8538×81.09642=7692.304USドル

となります。最後に、このUSドル建て資産を円換算してみましょう。

7692.304USドル×130円=1,000,000円

ということで、当初の円投資金額の100万円となりました。

円ポンドレートとイギリス株式市場の変動がない限り、円ドル為替がどう変動しようとも、イギリス株ETFの円資産価値に変動がないことがこの例でわかります。

要は、円ポンドレートが変化ない状況で、円ドルレートが動いたということは、ドルポンドレートも動いたということです。上記の例では、円ポンドレートが動かないが、1ドル=130円とドル高円安となっています。すなわち、円ポンドレートが変わらないのですから、3通貨のうち、USドルだけが強くなり、ドル高円安、ドル高ポンド安が起こったことになります。

例えば、円をのびたくん、USドルをジャイアン、イギリスポンドをスネ夫とすると、もし、ジャイアンが鉄アレイで腕を鍛え、より強くなったとします。すると、ジャイアンはのびたよりさらに強くなり、またスネ夫よりもさらに強くなります。でも、いくらジャイアンが鍛えて強くなろうとも、のびたとスネ夫の力関係は、それだけではなんら変わりません。

なので、のびたからすれば、スネ夫の力が相対的に強くなったのか弱くなったのかを把握するには、直接スネ夫と自分の力を比べればそれでOKなのです。スネ夫とのびたの相対的な力関係に変化がないならば、相変わらずスネ夫とのけんかに勝てる可能性は以前と変わらないはずなのです。

のびたがスネ夫とのけんかに勝てる可能性を把握するのに、スネ夫と自分との力関係の変化を見れば十分で、ジャイアンの強さの変化が関係ないように、イギリス株式に投資した成果が円ベースでどうなっているか把握するには、円ポンドレートとポンドベースの英国株式市場の2つの動きを見ていれば十分で、円ドルレートは関係ないわけです。

こんな感じですが、いかがでしょうか。

ご理解の参考になりましたら、幸いです。

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2007年7月 8日 (日)

世界の株式市場拡大

昨日の日経新聞の朝刊に、「世界の株式市場 拡大」という記事がありました。

例によって、今年前半の世界各国の株式市場のパフォーマンスが載っていたのですが、いつも、この手の比較表を見ると「違うだろう」と思ってしまいます。

要は通貨を揃えていないのです。特にここ6、7年は世界各国通貨に対して、円はとてつもなく安くなっていますので、きちんと通貨を揃えて比較すると、日本市場へ投資は、世界各国比較でたいてい、とてつもなくパフォーマンスが悪いのが実際です。

日経新聞の表では、G7の今年前半のリターンはこうなっていました。

ドイツ        21.4%

フランス       9.3%

カナダ        7.7%

米国(ダウ平均)  7.6%

英国         6.2%

日本(日経平均)  5.3%

イタリア       1.3%

これを見ると、まあ日本は対世界各国で好調とは言えないかもしれないが、日本よりパフォーマンスが悪いG7の国もあるわけだし、まあいいんじゃないのと思われるかもしれません。

これを通貨を揃えて見ましょう。これらG7の各国への投資を米国市場ETFで実現したとしたら、こうなります。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewg+ewq+ewc+dia+ewu+ewi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

今年前半は、日本への投資はG7で最低であったのです。実は日本の投資家は、日本以外のG7のどの国に投資しても、日本に投資するより高リターンが得られたのです。(EWJ:日本、EWG:ドイツ、EWQ:フランス、EWC:カナダ、DIA:米国ダウ平均、EWU:英国、EWI:イタリア)

次は、新興国・地域として日経新聞が表に挙げている各国を見てみましょう。

中国(上海総合) 42.8%

マレーシア     23.5%

ブラジル      22.3%

韓国        21.6%

シンガポール   18.8%

メキシコ      17.8%

台湾        13.5%

南アフリカ     13.1%

豪州         10.7%

香港          9.1%

インド         6.3%

これら各国への投資を、やはり通貨を揃えた、投資家から見たリターンとなる姿で比較しましょう。米国市場ETF等でこれら各国に投資した結果は、こうなっています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewz+ewy+ews+eww+ewt+eza+ewa+ewh+inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

(米国市場ETFに存在しない、中国(上海総合)は含めていません。また10個までしか入らないようなので、日経の表で、中国(上海総合)を除いて最高パフォーマンスであったマレーシアもとりえあえず除いています。)

現地通貨建てでみればたいしたパフォーマンスでなく、相対的には低迷しているように見えるインド株も、USドル建てではここまで20%程度で回っていることがわかります。(円建てリターンはもっとパフォーマンスが良いことになります。)

香港もUSドル建てで明らかに日本より高パフォーマンスを示しています。すなわち、今年前半は、世界株にアクセスできる人ならば、目をつぶって投資先を選んでも、圧倒的高確率で、日本株に投資するより良い結果になっただろうことになります。

ここで、この結果が、偶然なのか必然なのかについては触れません。

国際分散投資は、この現象が偶然であっても必然であっても、どちらでも非常に大きな価値があるのです。国際的に分散投資することによって、対リスクリターンを向上させることが出来るだろうことは至極明確であり、また、世界の殆ど全ての市場に対してパフォーマンス劣後するようなこんな憂き目を、自動的に避けることができるのです。

しかし、この結果は、本当に強烈ですね。あらためて自分でグラフを作ってみて、予想された結果であるにもかかわらず実際に目にするとやっぱり驚きます。心底、日本株集中投資せず、国際分散投資の世界に踏み出していて本当に良かったと思います。

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2007年7月 7日 (土)

インデックス運用における銘柄入替とコバンザメ投資

インデックス運用に対する非難と言うか誹謗の1つに、インデックス投資は銘柄入れ替え時のコバンザメ投資の餌食になって損だから、インデックスファンドやETFに投資しないほうがよいという主張があります。

今日は、これについて多少書いて見ようと思います。

この手の話に対する個人的な意見は、「この主張も、かならずしも物事の本質を的確に捉えた主張ではないので、あまり真に受けないほうが良い。」というものです。

確かに、現象としてインデックスファンド等はインデックスの銘柄入れ替え時に、新規組み入れ銘柄を高値で買わされているように見えます。そして、その分だけコバンザメ投資家が潤っているようにも思えます。

でも、ちょっと待ってください。

最近、コバンザメ投資がうまくいかなくなっているらしいことが、あちこちから聞こえてきます。実際に、検証や分析をしたわけではありませんが、明らかにこのコバンザメ投資はうまくいかなくなる運命にあります。まずはそこから、お話したいと思います。

もし、銘柄入れ替えの情報が流れてから、その新規追加銘柄を買って儲かるなら、誰だってコバンザメ投資をしたいと思います。なので、コバンザメ投資が儲かるという話が広まれば、次からは銘柄入れ替えの情報が流れると、その瞬間に、その対象銘柄は吹き上がるようになります。状況がひどくなれば、情報を得てからでは株価が高くなりすぎてコバンザメ投資は全く儲からなくなります。なので、今度は銘柄入替情報が発表されるだろうタイミングを予測して、競馬の賭け方のように、採用される可能性が高いと見込まれる銘柄に分散して事前に買っておく行動に出る人が現れます。これで儲ける人も、同様の方法でフリーランチを目論む追随者の存在により、この方法でも高いリスクテイクなしには儲からないところまで行き着きます。フリーランチを望む人は多くとも、その望む人が多くいること自体によって、結果的にその機会ははかなく消えていく運命にあります。

では、フリーランチを狙うコバンザメ集団にとって無リスクで儲かる機会が消失した後でも、なおかつインデックス運用は、高値でこの新規採用銘柄を買わなくてはならない運命にあります。それはなぜでしょうか?

すなわち、コバンザメが得をしないのに、なぜインデックス投資が損をするのか?という命題です。

ここで、機関投資家の立場を考えて見ましょう。この人たちにとって、運用はお仕事であって、遊びではありません。ちょっとした遊び心でヘラクレス銘柄をポートに入れてみましょうというわけには、だいたいにおいていかないのです。通常は、厳格な投資に関する制限にがちがちに縛られていて、例えば2部市場に良い銘柄があるのだが、業務上、1部市場の銘柄しか買えないといった投資制限があるので全く手を出せないといったような状況があることが容易に想像できます。このとき、この2部銘柄が1部昇格を果たしたらどうでしょう。この運用者は、今まで買えなかった有望2部銘柄を、1部昇格後に晴れて買うことになるはずです。

すなわち、その銘柄は、会社の競合状況や金利状況その他の経営環境等に全く変化が無くても、1部上場したという事実のみで、新たな買い圧力を受けて、株価は上がりやすい状況になります。これは、いわゆるプレミアムの一種です。すなわち、1部上場銘柄は、1部上場銘柄であるという、ただそれだけの理由で、株価はそうでないときよりも高くなる可能性が高いのです。これを仮に上場・昇格プレミアムと呼んで見ることにします。

ここまで説明すると、もう結論は見えてきたと思います。

コバンザメ投資家が新規組み入れ銘柄でちっとも儲からなくなった後でも、インデックス投資がこの新規組み入れ銘柄を高く買わなければならない理由は、この上場・昇格プレミアムにあると思います。1部銘柄なら買うという存在が、このプレミアムを生み出すのです。

「1部上場銘柄だから買う」という新たな大規模な投資家群の中には、巨大資金の一部を日本に振り向ける外国人機関投資家も、もちろん含まれているはずです。インデックスファンドは、その「1部上場銘柄だから買う」という新たな一大勢力の一角でしかないのです。

実際、インデックスファンドではなくても、アクティブ投資の機関投資家も、この新規銘柄を買いたい場合は、この上場・昇格プレミアムを払って以前よりも高い価格で、この銘柄を買う必要が生じます。高値で買わなければならないのは、インデックスファンドだけではないのです。

「いや、しばらく待てば下がるだろうから、アクティブ運用であれば、そこまで待てば良いのだ。」と思う人がいるかもしれません。でも良く考えてください。「1部上場だから買う」という理由で買った、インデックスファンドをはじめとする投資家は、「1部上場でいる限りはその株を売る必要はない」のです。新たに、買い圧力により追加スプレッドを発生させた存在は、売り圧力をかける存在にはならないのです。待っても待っても、1部から降格、上場廃止等にならない限り、その発生したプレミアムが剥げるはずもありません。

なので、我々は普段自覚しませんが、1部上場銘柄を買う場合は、いつも1部上場銘柄プレミアムを支払っていると考えたほうがよいと思います。すなわち、インデックス投資家のみが新規採用銘柄を高く買う羽目になるというよりは、新規採用後に買う全ての投資家が、1部上場プレミアムの乗った株式価格でその後は売買のやり取りをする必要が生じると言ったほうが、真実に近いのではないかと思います。

このような構造は1部2部だけではなく、日経225採用非採用でも、全く同様な状況にあるはずです。

すなわち、上の「コバンザメが得をしないのに、なぜインデックス投資が損をするのか?」という命題の答えは、「コバンザメが得をしないのだから、インデックス投資も損はしない。ただ、新規採用銘柄は、その新たな血統書の存在によりその後、プレミアム付の高値で売買され続けるだけのこと。」ということになると思います。

このポイントに触れずに、プレミアムが乗る前の価格と比較して、あたかもインデックス投資家のみが高値でその銘柄を買わされるかのごとく錯覚させ、そして、その差額がコバンザメ投資家に搾取されているのでインデックス投資は不利だというふうに、市場に存在する力学を無視して、あたかも新規に生じたプレミアムスプレッドまでも、インデックス投資の損失幅であると錯覚させる論理に、私はとてつもない違和感を感じます。

このような論理を展開する人の中には、インデックスファンドやETFの足を引っ張ってやろうという輩もまざっているのではないかと思ってしまいます。

いずれにしろ、何であれ血統書つきは高いのです。だれもが、血統書付のぴかぴかの株は高値でしか買えないとすれば、そのスプレッドはインデックス投資が負担しなければならない損失などではありません。血統書付の品質保証が欲しい全ての投資家がその価値に見合った負担をする必要があるだけのことなのです。

識者が言うことだからと言って無条件に鵜呑みにしないほうがよいのではないかと、私は思います。

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2007年7月 6日 (金)

グローバルな自国株式は国際分散投資を代替するか?

様々なところで、「例えばトヨタは世界の市場に車を輸出しているのだから、グローバルな事業展開をしており、このような日本株に投資すれば、狭い日本の景気の影響を大して受けることはなく、国際分散投資をするのと同様の分散投資効果が得られる。だから、国際分散投資など必要ない。」という主旨の主張を目にすることがあります。記憶が定かではないのですが、有名なさわかみファンドの澤上氏も、確かどこかでこのような主張をされていたように記憶しています。(間違っていたら、ごめんなさい。)

これは、本当でしょうか?

最近読んだこの本に、学者の実証研究によってこの主張が明確に否定されていることが記載されていました。

この本によれば、「『米国市場のように上場企業の相当数がグローバルな企業活動を行っている場合、これら多国籍企業への投資を通じてグローバル分散投資の効果を享受できる』という仮説は、ジャカイラとソルニック〔1978〕、ヘストンとローエンホルス〔1994〕の実証研究によって、『多国籍企業の株価変動は本拠地(上場国)の影響を強く受けており、グローバル分散投資の効果はほとんど期待できない』という結果になっている」とのことです。

米国の実証統計分析で、「グローバルな自国企業への投資は国際分散投資を代替できない」という研究結果を示す論文があるとは初耳でした。しかしながら、さもありなんという内容です。

グローバル化が格段に進んでいる米国市場における実証研究でさえだめなのですから、日本のグローバル企業への将来の投資も、やはり国際分散投資の代替にはなり得ない結果となる可能性が高いのだろうと思います。

国際分散投資派としては、この本の中で示されているような、「国際分散投資の優位性と必要性は、ただの絵空事理論ではなく、過去の実証分析結果でもきちんと示されている」というのは心強いですね。

その他にも、この本は、自国資産に傾きがちなホームバイアスは、決して日本でのみ発生している現象ではなく、世界各国で共通の現象であること(イギリスの企業年金では60%程度、その他の各先進国の企業年金では軒並み資産の80~90%超を自国証券に投資しているとのことです)、自国で職を持って自国ビジネスから日銭を稼いでいる人は、自国を除いた世界資産ポートフォリオを構成するくらいのほうが、全くもって経済合理的であること等の論理が展開されています。(この点についてはバクスターとシャーマン〔1997〕の研究を引き合いに出しています)

特に、この本の中で展開されている論理が、感覚的なものでなく、きっちり理詰めで展開されているところが、とても好感が持てます。

株式市場のアノマリーと行動ファイナンスに興味がある方には特にお勧めです。良かったら、読んで見てください。

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2007年7月 4日 (水)

ETFの分配金希薄化は問題?

本日の日経のマーケット総合1のページに

「日経平均連動ETF 分配金の希薄化顕著に 機関投資家の動き影響」

という記事がありました。

以下、簡単にその一部を転載します。

『株価指数連動型上場投資信託(ETF)の分配金(株の配当に相当)利回りの低下が目立っている。分配金を受け取る権利の確定日を控え機関投資家によるETFの新規組成が急増。一口当りの分配に希薄化が起きているためだ。機関投資家に認められた特別のETF取得方法が配当2重取りにつながり個人投資家が不利益を被っているとの指摘も出ている。

分配金の希薄化は、株式の配当を受け取る権利の確定日とETFの権利確定日が、3月末と7月上旬とにずれているため起こる。4月以降に新規にETFを組成すると、原資となる株式の配当がないのに、分配金を支払う必要が生じるためだ。

ETFのなかでも希薄化が目立つのは日経平均株価連動型だ。

(中略)

市場では「4月以降に設定されたETFが分配金を受け取るのは不平等」(国内証券)といった指摘もある。こうした見方に対し、日興アセットは「基準価額などで調整され、不平等が起こらない設計になっているが、口数が増えた場合は分配金は減る」(商品企画部)と説明している。』

と、こんな記事なのですが、皆さんどう思われますか?

個人が受け取るべき配当が機関投資家に搾取されている!何と不条理なんだ!なんて思わないでください。

日経新聞の記者が道理を理解して書いているのかそうでないのかは不明ですが、上記のような感想を持たれた方は、見事に記事にだまされています。

このような錯覚と言うか誤解というか、こういった理解不足によって、「ETFは、機関投資家にこのようなやり方で搾取されるので、個人投資家にとって良くないビークルだ」と主張されている識者も少なからず存在します。物事をちゃんと理解できずに誤ってETFのネガティブキャンペーンをやっているだけであって、悪意を持っているわけではないのでしょうが、初心者の方がこうした識者の言論を聞いて、「ETFは機関投資家に搾取される理不尽なビークルで、ETFには投資してはいけないのか」と誤解してしまうのは、なんともやるせない話ではあります。

そこで、以下で実際に数値例を示して、機関投資家も個人も、誰一人不当に損も得もしていない、その構造をお示ししようと思います。

以下の例では、簡単のために、市場の変動はゼロとし、信託報酬もゼロとします。またETFは株式1銘柄で構成されているものとします。

まず、個人Aが1万円持っているとします。株価100であるX銘柄のみで構成され、基準価格も100のYというETFをこのAさんが3月に購入したとします。

購入銘柄:ETF(Y)、購入価格:100、購入口数:100

個人Aさんの保有資産時価=100×100=10,000円

同じタイミングで、機関投資家Bが、やはり同じ資産を、ただし、ETFではなく、その構成銘柄であるX銘柄を同じ額だけ購入したとします。

購入銘柄:株(X)、購入価格:100、購入株数:100

機関投資家Bの保有資産時価=100×100=10,000円

その後、3月27日にX銘柄において、1単位当り1の配当金が割り当てられ、同日、配当落ちがあり、X銘柄の株価は99に下がるものとします。実際の配当金の支払い日は3月31日とします。

このとき、3月31日現在の個人Aさんと機関投資家Bの資産は以下の通りとなっています。

個人Aさん:ETF(Y)100単位、ただしこのETF資産の内訳は、

X銘柄の株価99×100=9900と配当金1×100=100の合計10,000円

となります。すなわち、X銘柄の配当金支払後も、ETF(Y)の基準価格は(株価99+現金1)=100であって、Aさんの資産はETF(Y)の基準価格100×口数100=10,000円となります。(当初と変わっていません。)

他方、機関投資家Bの資産は、X銘柄の株価99×100単位=9900円の株式時価と、X銘柄の配当金1×100単位=現金100の合計10,000円となります。(これも当初と変わっていません。)

4月に入り、機関投資家Bが手持ちのX銘柄100単位(時価9,900円)を拠出して、ETF(Y)を拠出します。すると、ETF(Y)の時価総額は、

個人Aさんの持分資産:10,000円(100口)

機関投資家Bの拠出資産:9,900円(99口=9,900円/基準価格100)

合計:19,900円(199口)

(内訳、X銘柄200株、株格99×200=19,800円、現金100円の合計19,900円)

その後、7月上旬に、ETF(Y)の配当金が支払われます。ここで、ETF(Y)の中の現金資産が配当に回されます。当然ですが、この現金資産は、ETF(Y)購入口数比率に応じて、Aさんと機関投資家Bへ分配されます。すなわち、

個人Aさんへの配当支払額=100円×(100口/199口)

機関投資家Bへの配当支払額=100円×(99口/199口)

となります。

そして、ETF(Y)は配当金として現金100を吐き出しましたので、その時価は19900円から19800円に落ちています。

このETF(Y)の時価のうち、個人のAさんの持分と機関投資家Bの持分も購入口数比率に応じて認識されますから、Aさんと機関投資家Bの、配当金支払後のETF(Y)の持分も、以下の通り計算されます。

個人AさんのETF(Y)持分=19800円×(100口/199口)

機関投資家BのETF(Y)持分=19800円×(99口/199口)

すなわち、7月上旬のETF(Y)が配当を支払った後のAさんの資産総額は、

個人AさんへのETF(Y)配当支払額+個人AさんのETF(Y)持分

=100円×(100口/199口)+19800円×(100口/199口)

=10,000円

となります。(当初資産額と全く同じ額です!)

また、機関投資家Bの資産総額は、

X銘柄の配当金+ETF(Y)の配当金+ETF(Y)持分

=100円+100円×(99口/199口)+19800円×(99口/199口)

=10,000円

となります。(これも、当初資産額と全く同じ額です!)

そして、ETF(Y)の配当金支払後の基準価格は、

19800/199口=99.49749・・・

です。

ちなみに、個人Aさんの配当支払額等を計算すると、

配当額:100円×(100/199)=50.251・・・

1口当り配当額:50.251/100=0.50251

となり、

配当支払後基準価格+1口当り配当額=99.49749+0.50251=100

となり、元の基準価格に一致します。

すなわち、個人Aさんは、機関投資家Bさんの拠出により、確かに配当率は1%から0.50251%に下がりましたが、その分、基準価格は99までは落ちずに、99.49749までしか落ちませんでした。したがって、機関投資家Bの拠出があってもなくても、受け取り配当金とETF資産を足せば、当初拠出金に一致するのです。

また、機関投資家Bは、個別株式Xで配当金をもらって、現金を受け取った代わりに、同額だけ株式資産が減り、またETF(Y)へ拠出後も、ETFの配当金を受け取った代わりに、同額だけETF資産が減って、都合2回、配当金を受け取るも、その同じ2度だけ、株式資産またはETF資産が減少し、結局は、2回分の配当金と最終ETF資産を足すと当初拠出金に一致するのです。

これは、考えて見れば当たり前です。機関投資家であろうと個人であろうと、配当受け取り権利を得れば、配当落ちによって、その権利金額だけ株式またはETF資産の時価が減るのです。なので、どんな経路をたどろうとも、現金と株式またはETF資産の比率が変わるだけで、合計額はいつも一緒です。

全ての人がこの、「受け取った配当額と同額だけ、残存資産時価が減少する」というくびきから逃れられない限り、だれかが得をしてだれかが損をするなんてことは起こりえないのです。

すなわち、当初記事に戻って表現すれば、

「配当金は希薄するが、誰も損も得もしない。たくさん配当を受け取った人がたくさん配当落ちをくらい、より少ない株式資産しか残らないという構造にあり、全く持って公平である。」

というのが、正解です。すなわち、日興アセットが主張していることが正しく、国内証券や上記の一部の識者の主張が、ある意味間違いなのです。

皆さんも、くれぐれも、このような錯覚にだまされないでください。また、上記で触れたような理屈で、不当にETFが不利だと主張する人がいたら、ぜひその誤解を解いてあげて、認識誤りにより魅力的なビークルに泥をかぶせようとする行為を未然に防いでいただければと思います。

このような手の込んだトンデモロジックは見破るのが難しいだけに、より手数料を稼ぎたい一部の金融業者が理不尽なETF批判を繰り出し、作為不作為にETFの足を引っ張ろうとする可能性もあり、非常に厄介です。くれぐれもご注意ください。

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2007年7月 3日 (火)

WisdomTreeの新興国高配当株ETF(その2)

個人的に待望の、WisdomTreeの新興国高配当株ETFの姿が見えてきました。

下記をご覧ください。

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=80

何故か、ベンチマークである、WisdomTree Emerging Markets High-Yielding Equity IndexのページがWisdomTreeのHPに出現しています。

また、以下のHPを見ると、このインデックスをベンチマークとするETFのティッカーシンボルがDEMであることがわかります。

http://www.wisdomtreeindexes.com/

ざっと見たところでは、個人的に期待した通りのETFになっているようです。以下のページを見ると、歴史的に先進各国の株式市場で長い間観測されてきたバリュー効果が、新興各国市場株においても、高配当株戦略を採用することにより抽出できそうです。

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=80#history

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=80#backtest

もちろん、バックテストですので、例のごとくある程度は割り引いて判断する必要はあると思いますが、その本質が、世界中のあちこちの株式市場の長期統計上で確認されるアノマリーですので、その信頼度は一定程度あるものと考えます。

実際、インデックスの構成が、対象市場の対象株式の配当利回りをランク付けして上位30%を選択し、支払配当額加重でインデックスを構成するという、まことに単純でカーブフィッティングしようがなさそうなルールに基づいています。(このような方法はWisdomTreeの高配当株戦略のETFで一貫して採用されている方法となっています。)

いろんな指標を組み合わせて、無限に近い組み合わせの中から、それぞれの市場ごとに、過去のデータ上最もパフォーマンスが良くなる組み合わせと条件を採用するといった、カーブフィッティングの危険満載の方法とは、完全に一線を画しています。

こういった諸要素を総合して考えて、WisdomTreeのETFは、個人的に買う価値があると考えているわけです。

とりあえず気がつく注意点を挙げるとすれば、カントリーアロケーションを見ると、中国、インドが少ないように思えるので、この両国に心酔している方は、別途、個別国株式ETF等で手当てする必要がありそうです。

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=80#country

また、Materialの比率がEEMといった新興国ETFと比べて高そうなので、世界の、あるいは米国のMarerialセクター株等をたっぷり持っている場合は、ポートフォリオ構成上、注意が必要かもしれません。

http://www.wisdomtreeindexes.com/index-details.asp?indexid=80#group

いずれにせよ、個人的に期待にたがわない内容に思えますので、実際に買えるようになったら、たぶん買ってしまうと思います。とはいえ、New Moneyがないので、実際に買うのはだいぶ先になるかもしれませんが。

シーゲル氏に感謝です。

なお、以前の関連記事については、以下をご参照ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/wisdomtreeetf_dddd.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_2519.html

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2007年7月 2日 (月)

コモディティ投資は必要?

表題の命題については、結論を導き出すのが非常に困難な命題のひとつなのではないかと思います。

個人的にも、過去に何度も考えたことのある命題で、最近、楽天証券を通じて日本でもコモディティETFへの投資が可能となったこともあって、改めてこの命題について蒸し返して考えています。

http://fundstory.blog87.fc2.com/blog-entry-100.html

楽天証券でもし、コモディティETFへの投資をするなら自動的にGSGということになりますね。

米国証券会社を通じて購入するなら、このほかにもDBCというETFがありますし、また、ETNもいくつかあるようです。最近は、コモディティもオイル、メタル、農業品等、カテゴリー別に分かれたETFまで出現しています。

だんだん、コモディティにETF等を用いて投資する方法も、充実してきているということになります。

しかしながら、そもそもコモディティ投資は必要なのか?といった部分が結構難問です。おそらく、これは、個人個人で結論を出すべき問題で普遍的な解などないのだろうと思いますが、ここでは、私個人の暫定的な結論とその思考過程を記すことによって、読まれる方の個別の検討の材料や参考としていただけたらと思います。

私個人は、今までコモディティETF等に投資したことがありません。このブログのスタンスにもあるとおり、株式は資本主義経済の超長期において、インフレに圧勝しつづけており、この点において、株ではなく、コモディティに投資する意義が感じられないからです。

しかしながら、過去のデータから言っても、コモディティに投資資産を分散すれば、とりあえずの分散効果は見込め、リスクは確実に減るだろうことはおそらく間違いありません。精緻な数値分析を行っていないので結論はわかりませんが、おそらくリスクリターンレシオも上がって、投資の効率性も上がるのではと思います。

すなわち、伝統的なインデックス派の思考回路に沿って考えれば、リスク=ボラティリティであって、1リスクに対するリターンの値が向上するなら、ポートフォリオにコモディティを入れるのが理論的には正解かもしれません。

しかしながら、最近のコモディティETFの投資成果を牽引しているのは、主に石油関連商品であることも間違いないと思います。この、コモディティインデックスを引っ張っている石油関連商品の高騰による好影響は、個人的には、既存のポートフォリオの中で既に長い間享受しつづけていたりします。以前ちょっと触れた、FXIの中のPTRなんていう株式銘柄も石油関連銘柄で、間違いなくこういった石油関連銘柄を保有していることにより、石油資源の高騰の好影響は回りまわって自身のポートフォリオのパフォーマンスに大きく好影響を与えているはずです。

なので、コモディティのうち、石油関連商品部分については、個人的に既存のポートフォリオとかぶる部分が多く、コモディティ投資資産を単純に追加すると石油関連の資産が増えすぎてしまい、インデックス派のリスクリターンの向上の観点からいっても、かえってポートフォリオ全体のバランスが悪くなってしまうのではないかと思います。

したがって、個人的なポートフォリオ構成を考え合わせて見ると、インデックス派としてのリスクリターン向上を目指すなら、既存の個人的なポートフォリオとの相関が低そうな、例えば農業品に特化したDBAといったコモディティETFをポートフォリオに加えるのが、論理的に筋道が通っていそうです。

しかしながら、その他の農業品等の歴史的なパフォーマンスは、石油関連と比べると、どうもかなり見劣りします。もしかしたら、新興国群のとてつもない人口増加で、将来、農業品にも火がついたりする可能性があるのかもしれませんが、これも超長期で考えれば、農業品よりも株に投資したほうが、過去の超長期の結果と同様に、将来も高リターンが得られそうな気がします。

純粋理論的に考えれば、ポートフォリオにDBAと言った既存資産と相関の低そうなETFを加えれば、分散効果で対リスクリターンが向上するので、投資元本を超えてレバレッジを高くすれば、以前よりも低リスクで高リターンが得られるなんて結論になりそうですが、ここまで来るとちょっと絵空事理論ぽくなってきます。信用取引の金利コストなんかも入っていませんし、また過去の相関が将来も続く保証もどこにもありません。

堅実な投資スタンスとするために、投資資金を超えた高レバレッジ投資はしないことにしていますので、特に既存ポートフォリオのリスクを低めたいと思わない限りは、DBA等のポートフォリオ追加の経済合理性は、個人的に見出せないことになります。

また、バリュー派の観点からいうと、個人的に農業品が割安なのか割高なのか全く持って見当もつかず、割安なものに投資するという哲学からは、割安割高が判定できないものには投資しないという結論になってしまいます。あっ、これは農業品に限ったことではありませんね。コモディティ一般に言えることだと思います。

毎度毎度、こんな思考で逡巡しながら、結局はコモディティ資産には投資しないまま、今に至っています。これからもしばらくは、個人的にはコモディティETFに投資することはなさそうです。

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2007年7月 1日 (日)

結果論

投資の結果を判断するのは、非常に難しいものです。

ウォーレン・バフェットくらい優れた結果を何十年にも渡って示し続ければ、数学的、統計的にも市場平均より優れた運用能力の持ち主として証明することが可能なケースもあるでしょうが、10年、5年や、ましてや1、2年の運用成果がベンチマークを上回っていても、その運用者が優れている証明は、理論的にはなかなかできません。

実際、過去にも、HP等で自身の運用成果を公開し、億の資産を作りながらも、数年もしないうちに資産を飛ばして消えていった方もいました。このような相場の一山すら越えられない運用者も、いや、そうだからこそ、ベンチマークに比してとてつもなく優れたパフォーマンスを一時的に示すわけです。

もし、ベンチマークに対し、とてつもなく良い成果を示している運用者群を集めたら、その中にも、数十年の時の荒波に耐えられない運用者や、単なる幸運の持ち主が、間違いなく多数まざっています。また、その人たちの中には、未来のウォーレン・バフェットはいないかもしれません。バフェットと同じような実力の持ち主であれば、決して年100%のリターンなど出さないでしょうから。すなわち、地味にベンチマーク+10%程度の運用をしている人の中に、未来のウォーレン・バフェットがいる可能性が高いのです。

それでも、短期的にベンチマーク+10%程度の運用成果を出している人など、世の中には掃いて捨てるほどいますから、その中にわずかにいるだろう、その運用を30年40年続けられる、未来のバフェットを見つけるのは至難の業です。

ウォーレン・バフェットがすごいのは、年100%のリターンを生み出すからではありません。毎年のように、ベンチマークよりも10%程度リターンのよい運用を30年も40年もの間継続できるからです。逆に言うと、短期的に年50%とか100%のリターンを輩出する人が巷に結構いたりするのに、たったベンチマーク+10%程度の運用を30~40年続けられる人は皆無に近いのです。だからこそ、ウォーレン・バフェットが偉大なわけです。

これは、数学的には市場参加者の運用成果の平均値からのちらばりの結果が正規分布に従うとした場合に、その長期の市場平均からの散らばりの結果が時間の平方根に比例しており、年率換算の市場平均値からの乖離率が、超長期になればなるほど小さくなっていくことと、論理的、本質的に同じ話になります。すなわち、上記の現象は数学的、統計的にも全くもって妥当な現象であるわけです。

要は、統計結果の中から偶然性を排除し、真の実力を抽出するには、通常、気の遠くなるほどの長い期間の統計データが必要であって、また、それがなければ、ただの偶然の結果とそうでない実力の発露を分離するのは、理論的には不可能なわけです。

なので、もし自身の短期的なアクティブ運用成果が仮にベンチマークよりもかなりの高パフォーマンスであるとするとかえって難しい話になります。自分が本当の実力者かどうかは、5年10年20年とやってみなければわからないのですが、長い間やってみて、仮に最後にベンチマークに大負けして、自分がその実力者ではないとわかったときには、最悪10年20年といった長期の貴重な複利の投資期間を無駄にすることになりかねません。だいたい10年20年あれば、その期間だけで運が良ければフィナンシャルフリーダムに到達できるかもしれないのです。その可能性を捨てるリスクを、すなわち最悪10年20年の複利の運用期間を無駄に捨てるかもしれないリスクを負って、自分が運用の実力者であることにベットするような状況になりがちです。

結構、この手の話は、パチンコなどの賭け事と同じで引き際が難しいのです。過去、大成功していればしているほど、なかなかあきらめきれず、傷を大きくしてしまいがちです。上記の超長期の統計なしには実力なのか運なのか誰にも判別できないというポイントはここでも利いてきます。過去の成功が華々しければ華々しいほど、直近の不調は単なる不運に違いないと思ってしまい、取り返しのつかないところまで行ってしまいがちなのです。

分野は若干異なる部分もありますが、過去のタイガーファンドやソロスの引き際なども思い出していただければ、このような人間心理がもたらす引き際の困難さもイメージしていただけるものと思います。

自分が凡人か天才かの解は長期の時間のみが示すことができます。短期的に良いアクティブ運用成果を出すことは、多くの凡人にとっては不幸の始まりかもしれないのです。

実際、ウォーレン・バフェットのような実力は、フィナンシャルフリーダムを達成するには、間違いなくオーバースペックです。私を含め、多くの凡人にとっては、自分にその神様と同じような能力がないことが早くわかればわかるほど、結果的に早く豊かになれ、むしろ幸せだったりするわけです。ウォーレン・バフェットはそこまで考えて、一般個人にインデックスファンドを勧めているはずです。

禍福はあざなえる縄の如し、何が幸せかは後になって見ないとわからないものです。

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