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2007年7月25日 (水)

信用リスクスプレッド

本来なら昨日のうちに、以下のエントリーを補足する追加のエントリーを書いておこうと思ったのですが、なぜか昨日からココログが本格的なメンテナンスを開始してしまって新しいエントリーを書くことができない状態が1日続いてしまいました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7d88.html

その間に、米国市場がまさにサブプライムローンの問題で揺れてしまってますね。

追加してお知らせしようとしたのは、現在起こっている米国債券市場の信用リスクスプレッドの広がりが、いまのところどの程度かという水準感です。このサイトの最初のグラフを見ると、過去のシングルBクラスの債券の信用リスクスプレッドが、リスクイベント時に、どんな水準で広がったかという過去がわかります。

http://www.efficientfrontier.com/ef/401/junk.htm

1998年中旬の山がおそらくはLTCMの破綻のときの信用リスクスプレッドの短期的広がりを示しています。およそ2.5%程度は広がっているように見えます。

2000年から2001年にかけての山がおそらくはITバブル崩壊のときの信用リスクスプレッドの広がりです。4~5%程度は広がっているように見えます。

翻って見て、今、足元の信用リスクスプレッドの広がりがどの程度かと言いますと、HYGとIEFの動きから概算すると、おそらく1%未満といった水準だと思います。

これから、低格付債券の信用リスクスプレッドがどの程度広がっていくかは神のみぞ知るというところだと思いますが、現在時点においては、まだまだかわいいものだというのが、個人的な感覚です。

また、当ブログのスタンスからすれば、今回のサブプライムローンの米国市場と世界経済に与えるインパクトが、たとえLTCM崩壊と同様、ITバブル崩壊と同様やそれ以上となったとしても、個人的にはただ淡々と、望ましいと思う世界分散投資ポートフォリオを構築し続けていくのみです。

数十年の国際分散投資を想定すれば必然的にそうなります。こんなロングタームの投資では、LTCM破綻もITバブル崩壊も、後になってみれば単なる1イベント、懐かしい思い出話にしかなりません。そんな程度のイベントで数十年レンジの長期投資家があたふたしてはイカンのです。

だったら、こんな分析や評価なんて長期投資家には意味無いのではと思われるかもしれません。それも一理あると思います。理由の1つは単なる個人的な興味本位、もうひとつは、いもしない柳の下の幽霊におびえるのではなく、実際にその場所にいって確かにいないことを確かめる姿勢が重要だと思っているからです。要は感情的になって無意味に右往左往しないためには、徹底した現実主義の目が必要だと思っているのです。

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コメント

はじめまして。(もう一件メッセージを先にいれているので、挨拶が重複になりまして、すみません。)

私は、米国在住で、主に米国と日本の株に投資をしています。アメリカ市場の中期的な視点で言うと、このサブプライムの与える影響は、個人的には非常に心配です。

ただし、VMaxさんがおっしゃっている、長期的な視野で見た場合と日本からインデックス・ファンドなりETFの等で投資すると言った点で、このサブプライムの問題に神経質になる必要はない、と言う意見に賛成です。

個人的には、LTCMの破綻のレベルとは、かなり差があるのでは思います。この問題は、信用リスクスプレッドの問題のみならず、住宅市場、株式市場(CDOが昨今のPE・Hedge Fundの資金の源となっており、それがM&Aブームの大きな要因となっているため。)に大きく関わっており、それらに対する影響を考慮した場合、最悪はかなり大きなものとなるのでは、と思っています。

しかし、例で挙げられているITバブルや、かつての大きな破綻と比較してどうか、と言う事と、株式市場自体は、長期的に見た場合は、これらの大きなセットバックを経ながらも、かなりのリターンを生み出している実績があるので、おっしゃる点に関しては、まったく異論はありません。

投稿: Alpha | 2007年7月26日 (木) 14時57分

再度のコメント失礼します。

私は、サブプライムの問題自体は、米国の経済全体を考えたら、それ程、大きい問題とは思いません。

ご存知の通り、サブプライムは、住宅ローン全体を見た場合、その一部でしかありません。(しかも、メインではない)また、サブプライム関連のCDOのレーティングやクレジット・リスク等に関しても同様だと思います。

問題は、サブプライムの問題で一部表面化されつつありますが、ファイナンス関連全体の問題の可能性とそれに影響される部分に関してだと思います。

PEやHedge Fundが容易に資金を調達でき、かつて無いほどの巨額の資金によるM&Aブームが続いておりますが、この背景にサブプライム(とそれだけでなく、プライムやその他の要因)が少なからず関わっている(いた:もう既に過去の話)と思います。

ただ必要以上に、大騒ぎするべきでなく、冷静に状況を見るべきだ、とおっしゃるVMaxさんの主旨には賛成です。

何か、長々と書いてしまい、ポイントがずれてしまった気がします。すみませんでした。(私個人の意見としては、単に信用スプレッドの問題ではなく、その裏にかなり大きな問題が潜んでおり、このサブプライムが引き金となり、表に出てくるのでは、と考えているもので、すみませんでした。)

投稿: Alpha | 2007年7月27日 (金) 01時57分

Alphaさん、コメントいただき、ありがとうございます。

サブプライムローン問題、正面切って考えると様々な論点等あると思います。Alphaさんのコメントでいろいろ触れられている視点も、この話題において押さえるべき論点なのだろうと思います。

既に把握されているかもしれませんが、このエントリーを書いたのは、基はといえば、Treasury金利が5%を切ってきた最近の動きの背後にあるものは何かという問題提起を自分でしていて、その考察結果を聞きたいというコメントをいただいたのが発端です。

その中で、私なりに考えて、サブプライムローンの影響だろうと結論付け、それを新たなエントリーを立ててお知らせいたしました。
しかし、言葉足らずなエントリーで、サブプライムローンの問題をいたずらに大きく取り上げ、騒ぎ立てるような内容になっていたのではないかと思って、過去のリスクイベントと比べて、指摘した信用リスクスプレッドの広がりが定量的にどの程度のものなのかという追加情報をご提供しようと思って書いたのが、このエントリーです。

このエントリーで、サブプライムローン問題に触れながら、その本質的かつ直接的な問題内容ではなく、それを市場が受け止めた結果である、市場の2次現象の程度の議論に留まっているのは、そういう経緯からです。

おそらく、Alphaさん等のこの問題の直接的な問題内容に深いご興味と視点を持つ方には物足りないエントリーであるように思います。

その点について、上記のような経緯を含めご了承いただけると幸いです。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2007年7月27日 (金) 04時02分

VMaxさん、

私のコメントに対するご丁寧な返事ありがとうございます。

VMaxさんの主旨が良く分かりました。ありがとうございました。

10年のTreasury金利が5%を切ってきたことは、かなり大きいことだと思います。おっしゃる様に、その点からの考察・視点からの話の展開と言う点を私ももう少し配慮・考慮すべきだったと思います。

私自身は、ここ数年来のサブプライムローンを始めとし、ファイナンス関連の異常な盛り上がりに非常に懸念を抱いていたもので、つい、そちらの視点でコメントしてしまいました。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: Alpha | 2007年7月28日 (土) 00時15分

Vmaxさん、
はじめまして。
とある米系投資顧問会社で営業系の仕事についております。
今回のサブプライム問題では、さまざまなところに飛び火をしており、個人的にもとこまで波及するのか気になるところです。
ただ、確かにITバブルのときよりもまだかわいいものだというコメントは、同感です。

非常に興味深いブログを発見いたしました。
今後も勉強させてください。

投稿: Nyanko | 2007年8月18日 (土) 11時28分

Nyankoさん、はじめまして。コメントいただき、ありがとうございます。

今後もマイペースで書いていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2007年8月18日 (土) 20時51分

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