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2007年7月 8日 (日)

世界の株式市場拡大

昨日の日経新聞の朝刊に、「世界の株式市場 拡大」という記事がありました。

例によって、今年前半の世界各国の株式市場のパフォーマンスが載っていたのですが、いつも、この手の比較表を見ると「違うだろう」と思ってしまいます。

要は通貨を揃えていないのです。特にここ6、7年は世界各国通貨に対して、円はとてつもなく安くなっていますので、きちんと通貨を揃えて比較すると、日本市場へ投資は、世界各国比較でたいてい、とてつもなくパフォーマンスが悪いのが実際です。

日経新聞の表では、G7の今年前半のリターンはこうなっていました。

ドイツ        21.4%

フランス       9.3%

カナダ        7.7%

米国(ダウ平均)  7.6%

英国         6.2%

日本(日経平均)  5.3%

イタリア       1.3%

これを見ると、まあ日本は対世界各国で好調とは言えないかもしれないが、日本よりパフォーマンスが悪いG7の国もあるわけだし、まあいいんじゃないのと思われるかもしれません。

これを通貨を揃えて見ましょう。これらG7の各国への投資を米国市場ETFで実現したとしたら、こうなります。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewg+ewq+ewc+dia+ewu+ewi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

今年前半は、日本への投資はG7で最低であったのです。実は日本の投資家は、日本以外のG7のどの国に投資しても、日本に投資するより高リターンが得られたのです。(EWJ:日本、EWG:ドイツ、EWQ:フランス、EWC:カナダ、DIA:米国ダウ平均、EWU:英国、EWI:イタリア)

次は、新興国・地域として日経新聞が表に挙げている各国を見てみましょう。

中国(上海総合) 42.8%

マレーシア     23.5%

ブラジル      22.3%

韓国        21.6%

シンガポール   18.8%

メキシコ      17.8%

台湾        13.5%

南アフリカ     13.1%

豪州         10.7%

香港          9.1%

インド         6.3%

これら各国への投資を、やはり通貨を揃えた、投資家から見たリターンとなる姿で比較しましょう。米国市場ETF等でこれら各国に投資した結果は、こうなっています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewz+ewy+ews+eww+ewt+eza+ewa+ewh+inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

(米国市場ETFに存在しない、中国(上海総合)は含めていません。また10個までしか入らないようなので、日経の表で、中国(上海総合)を除いて最高パフォーマンスであったマレーシアもとりえあえず除いています。)

現地通貨建てでみればたいしたパフォーマンスでなく、相対的には低迷しているように見えるインド株も、USドル建てではここまで20%程度で回っていることがわかります。(円建てリターンはもっとパフォーマンスが良いことになります。)

香港もUSドル建てで明らかに日本より高パフォーマンスを示しています。すなわち、今年前半は、世界株にアクセスできる人ならば、目をつぶって投資先を選んでも、圧倒的高確率で、日本株に投資するより良い結果になっただろうことになります。

ここで、この結果が、偶然なのか必然なのかについては触れません。

国際分散投資は、この現象が偶然であっても必然であっても、どちらでも非常に大きな価値があるのです。国際的に分散投資することによって、対リスクリターンを向上させることが出来るだろうことは至極明確であり、また、世界の殆ど全ての市場に対してパフォーマンス劣後するようなこんな憂き目を、自動的に避けることができるのです。

しかし、この結果は、本当に強烈ですね。あらためて自分でグラフを作ってみて、予想された結果であるにもかかわらず実際に目にするとやっぱり驚きます。心底、日本株集中投資せず、国際分散投資の世界に踏み出していて本当に良かったと思います。

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