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2007年9月12日 (水)

ETF関連質問の回答

別のエントリーで、tak dcさんにいただいた質問について、このエントリーでお答えしようと思います。

「ご質問1」

証券会社が「ETFなどよりも国際分散型などのファンドの方が成績が良く昔のようにインデッックスに負けることはないですよ」と言われたのですが.真実はどうなのでしょうか.

「ご質問1の回答」

このブログで、過去に直近の5年間の世界株式ファンド(除く日本)のパフォーマンスについて、モーニングスターのサイトのデータを利用して、比較したことがあります。詳しくは、以下のリンクを見ていただくこととして、結論は、インデックスファンド群に勝てたアクティブファンドは1つだけで、その他の全てのアクティブファンドは、インデックスファンドに見事に負けていました。これは、アクティブの世界株式ファンドでまともなパフォーマンスのファンドに殆ど出会ったことがなく、逆にとてつもなく悲惨なパフォーマンスのファンドには数多く出会った私の経験と完全に一致する結果でした。世界株式の運用では日本のアクティブファンドは選ばない方が無難だと個人的には考えています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5273.html

しかしながら、世界株式のインデックスファンドも、アクティブファンド一般に対しては数段優れているにもかかわらず、ベンチマークに対しては、一般に大きくやられるのが通常です。この点も、上記リンク記事で触れていますが、個人的には下記の理由が存在していると認識しています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_16aa.html

以前、NightWalkerさんが、世界株式に関して、インデックスファンドとETFのパフォーマンスの比較を行ってくれています。結果としては、ETFはインデックスファンドのように、ベンチマークから大きく劣後することなく、良好なパフォーマンスを示しているようです。ETFとインデックスファンドは、同一条件で比較して見ると、年率で1%以上、ETFの方がパフォーマンスが良いという結果になっています。単純な世界先進国株式ポートフォリオを構築したいなら、楽天またはイー・トレードで、SPYとEFAに半分ずつ投資するのが、一番良いと思います。

http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/07/spyefa_1_59a8.html

「ご質問2」

年金代わりにと思いETFを購入しようかと思いますが長期に運用する場合オススメの商品は有るでしょうか又楽天のETF商品で事たるでしょうか.もしくは香港の証券会社でとも考えています運用額は1000万円ほどの予定です.(中略)又海外でのオフショアファンドなども検討しているのですがどちらを選択すべきか迷っています.

「ご質問2の回答」

ご質問1の回答である程度触れたとおり、楽天証券のSPY+EFAのETFに投資することにより、世間の世界株式ファンドビークルの大半に勝てるポートフォリオを組むことができると思います。なので、お勧めとしては楽天証券やイー・トレード証券等、日本の証券会社を用いてETFに投資するのがよいと思います。新興国にも多少投資したければ、EEMや中国株式ETFを少々加えればよいと思います。

香港の証券会社等に口座開設すると、確かに可能性は広がりますが、英語、相続、その他トラブルどんとこいという人でなければ、個人的にはお勧めしません。

また、香港の証券会社が扱っているアクティブファンドやオフショアファンドについて、その実情を知っているわけではありませんが、そのようなファンドの過去のパフォーマンスを見るときに、当方がとても重要だと思っていて、かつ世間一般に見逃されていると思われる点について触れておきます。

世の中には、アクティブファンドのうち、特に成長性の高い株式にフォーカスして投資するファンドにおいては、いわゆるベータ値の高い株式に集中投資するファンドが結構あります。例えば、ベータが1.5だと、日経平均等の代表指標が1%上昇するときに、当該株式は1.5%上昇します。一般に変動率が大きいこれら株式群に集中投資するファンドは、過去の市場全体が好調だった時期の過去パフォーマンスはベンチマークに圧勝していることがよくあります。そのような短期間の過去だけを見て、「このファンドは良いアクティブファンドだ」と判断し投資してしまうと、市場全体が下げ相場になったときに、ベンチマークが1%下がるときに当該ファンドは1.5%も下がってしまうので、結果はベンチマークに大負けになってしまうのが、ある意味、典型的な現象です。

すなわち、アクティブファンドの過去の運用パフォーマンスを判断するときは、その過去の統計において、何度も何度も下げ相場をくぐりぬけていて、それでもベンチマークにきちんと勝っていることを確かめてください。それが確かめられない場合は、将来の下げ相場で、ベンチマークに大負けすることがあり得ることを覚悟の上で買ってください。

この確認をしても、将来のパフォーマンスがベンチマークを上回る保証にはなりませんが、少なくとも単によりリスクを犯しているだけのポンコツファンドをつかんでしまう可能性はかなり減ると思います。(過去のトラックレコード不足で却下となるファンドが増えるとは思いますが。)

短期的にベンチマークに勝つファンドの大半が、そのようなファンドであることは、どのような市場でもベンチマークを長期的に上回れるアクティブファンドの割合がとてつもなく低いことで、統計上、いやというほど証明されています。

過去の短期の市場全体が好調だったときのデータを示して、「ほら、6割、8割のアクティブファンドがベンチマークに勝っている。」なんていう識者は、間違いなくモグリです。運用の世界を何も知らないと思った方が良いと思います。このような、識者面した100%素人にだまされないようにご注意ください。ご自分でアクティブファンド、オフショアファンドを判断する場合は、この点くれぐれもしっかり押さえられることをお勧めします。

正直、良いアクティブファンドを選ぶ努力も、なかなか報われにくい敗者のゲームに限りなく近いと思います。結果、報われずに「ETFへの投資にしとけばよかった」という結果になっても、統計的には、ある意味当然の結果ですから、この敗者のゲームに足を踏み入れる場合は、そうなる可能性が高いことについて、あらかじめ覚悟しておいた方がよいと思います。ただし、高確率でコストのかかる楽しみや知的ゲームとして、この敗者のゲームをエンジョイすることも出来ますから、最後はご自身の判断で決断いただくことと思います。

「おまけ」

「年金代わりに」ということで、定期的な高配当が期待できるETFとしてはDVY(米国高配当株式ETF)なども、面白い選択かと思います。注意点とすれば、米国株式に偏っていること、DVYだけの話ではありませんが、配当には米国で10%、日本で10%税金がかかることを押さえるべきと思います。

年金生活をされており、課税される所得が殆どない場合は、この配当を申告し、外国で徴収される分を外国税額控除で、日本で徴収される分を総合課税で、かなり取り戻すことも可能かもしれません。逆に所得が多い場合は、20%近くトータルで配当から源泉されますが、そのまま課税関係を終わらせるのが一番お得になると思います。このような税金の有利不利は、それぞれの方の状況に応じて180度最適な対応方法が異なり得ますので、しっかり研究されるとよいのではと思います。その上で、DVYといったETFの活用方法も判断されればと思います。

また、内外債券もポートフォリオに入れたいということであれば、現状の海外ETFのみでは、米国債券しかありませんので、不足であると思います。私の経験上、海外債券インデックスファンド、海外債券アクティブファンドともに、一般にあまりパフォーマンスがよろしくないので、うれしくないのですが、しばらくは海外債券インデックスファンド等で運用し、米国以外の債券ETFに投資できるようになったらそれに乗り換えることを検討してはどうかと思います。

最後に、余計かもしれませんが、運用想定期間その他様々のtak dcさん固有の条件や状況等に基づき、資産全体で適切なリスクテイクの量を検討して、ETF等の購入額を決められるとよいと思います。リスクの取りすぎも取らなすぎも問題だと思いますので。

以上、ご参考になりましたら幸いです。

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コメント

Vmaxさんご回答大変ありがたく心より感謝申し上げます、大変分かりやすく、噛み砕いて説明していただきこれから実践に移すことにいたします、これからもブログの方楽しみに拝見、熟読させていただきます

投稿: tak dc | 2007年9月12日 (水) 22時08分

はじめまして。
毎日巡回して拝見してます。

横レスですみませんが
ETFの信託報酬っていうのは
個別に0.5とか0.75とか0.25とか
って設定されてますが、それが引か
れるのは何時なんでしょうか?
売却時何でしょうか?それとも
権利落ちで自動的に報酬分だけ引かれた
株価になるのか宜しかったら
ご教授下さい。

投稿: セブンスター | 2007年9月13日 (木) 01時19分

セブンスターさん、はじめまして。

ご質問の件ですが、私も全世界の全てのケースを存じているわけではないのですが、日本の証券取引所に上場されている日経平均やTOPIX等のETFの場合の例を以下に記載します。

ETFのそれぞれの銘柄が配当金を出し、ETF内に配当を原資とする現金がたまり、その配当金を分配する場合に、信託報酬相当分を控除した残りの資金をETF保有者に分配する形で、実質的に信託報酬相当分が徴収されるようになっていたと思います。

以上、簡単ですが、回答とさせていただきます。それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2007年9月13日 (木) 05時55分

管理人様。
ありがとうございます。

配当にたいして適用されるのですね。
てっきり総投資額に対して信託報酬が
適用されるものだと思ってました(汗)

先日ブラジルETF(EWZ)を初めて買ったの
ですが、これから積み立てるにあたり
気になってました。
本当にありがとうございました。

投稿: セブンスター | 2007年9月14日 (金) 06時06分

毎日、楽しみに読ませていただいております。少し趣旨がずれるかもしれませんが質問をさせてください。

私もETF投資の「志」が好きで、現在もSPY+EFAを長期に保有しており、まあまあ満足しております。しかし、こちらのブログを読んで蒙を啓かれ、また、お薦めの山口勝業氏、シーゲル教授の本も読んで、最近はバリュー株ETFが面白いなと思うようになり、いろいろ検討しております。EFV+IWNに徐々に切り替えていこうかとも考えます。

ところで、このバリュー株に重点を置くETFというのも、ここで論議されている「アクティブ運用」ということになるのでしょうか。アクティブ運用の方法論というのは、1月効果であったりなんであったりと、さまざまのアノマリー現象を応用していると考えられるからです。

(1)アクティブ運用よりはパッシブ運用(インデックス)がよい、(2)市場全体にかけるよりはバリューに特化した方がよい、というのが当サイトの基本的なスタンスのように読みましたが(誤読していたら申し訳ありません)、1と2の立場では矛盾、とはいわないまでも、若干の齟齬があるのでしょうか。

別に矛盾があっても齟齬があっても構わないのですが、自分の勉強のため、少し気になりまして質問させていただきました。

ついでながら、このサイトもそうですが、某掲示板における議論でも、VMaxさんのきわめて冷静で上品な筆致に、投資話においてはきわめてに稀と、昔から魅了されております。今後もよろしくお願いします。

投稿: 西中野 | 2007年9月14日 (金) 09時41分

西中野さん、はじめまして。

某掲示板でもごらんになっていただいてるようで、大変うれしく思います。

西中野さんの当サイトのスタンスに関するご認識も的確で、概ね相違ないです。また、そこに対して抱かれている齟齬というか違和感も、とても自然でかつ非常に高尚な視点だと思います。

それだけに、回答が非常に難しいですね。(笑)

まず最初に、このリスクとリターンの世界も、効率市場仮説の示す完全なる効率的な世界でもなく、かといって当然ですが単純なアクティブ運用の優位性が示せるような甘い世界でも当然なく、非常にグレーな世界だと当方は認識しています。

すなわち、単純に統計的アプローチでのインデックス投資の優位性だけではなく、高値で買いたくなり安値で売り叩きたくなる人間心理をも考慮した上でのインデックス投資の優位性は、とてつもなく大きいと考えています。

しかしながら、同時に、低PBR効果や小型株効果等、アノマリーが実際に存在することは、既に純粋な効率市場仮説を支持する専門家もどうにも無視できない状況にあり、またその他様々の行動ファイナンスが示す現実世界と経済理論の前提との齟齬も、決して無視できない状況にあると認識しています。

実際、純粋な効率市場仮説の立場からも、従来のリスク要因に低PBRリスク、小型株リスクという新たなリスク要因を定義して、そのリスク調整後リターンを計算し、バリュー効果や小型株効果は、そのような追加リスクの裏返しのリターンだと解釈すると整合的であるというような研究結果も示されているようです。

つまり、西中野さんの抱いている齟齬、あるいは違和感は、そのまま、現代金融理論がいまだ、きちんと解明しきれていないグレーな部分でもあると思います。

バリュー効果や小型株効果について、古典的な効率市場仮説の立場に立って、あたかもそれがない、あるいはそれに意味や価値がないかのごとく蓋をするのではなく、効率市場仮説の拡張の立場を取るにしろ、行動ファイナンスにおけるアノマリーの立場を取るにしろ、世界のあちこちの市場の長期の統計上でそれがきちんと示されているという現実を踏まえ、それが将来も存在する可能性は非常に高く、また投資成果上も意味のある可能性があるという前提に立って、自身の運用を考えています。

このような運用の世界に関する世界観と言いますか、考え方を持っていますので、インデックス投資の有用性を説きながら、同時にその限界を指摘するかのごとくのバリュー投資の勧めを同時にしているわけです。

提示いただいた当サイトの主旨ですが、

1)アクティブ運用よりはパッシブ運用(低コストで長期の、投資家から見た非タイミング投資)が(特に人間心理上)よい、(2)市場全体にかけるよりはバリューに特化した方がよい(バリュー効果と小型株効果の肯定)

というのが、より正確な表現になると思います。

これで、西中野さんが求める回答になっているとよいのですが。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2007年9月14日 (金) 22時30分

VMaxさん

ご丁寧にありがとうございました。「現実世界と経済理論の前提との齟齬」があることを認め、完全に理論で解明されないとはいえ、目の前の事実は事実として、対応していこうという態度ですね。合理的で、リアリスティックだと思います。すっきりいたしました。

いつか機会があれば、Wisdomtreeの「思想」を解説していただけるとうれしいかな、と思います。英文サイトを読みましたが、いまひとつ、自分の力ではかみ砕けていないなと感じていまして。

今後も愛読していくつもりです。よろしくお願いいたします。

投稿: 西中野 | 2007年9月15日 (土) 10時17分

VMaxさんさんはじめまして

私も常々『新興市場には非効率な部分が多く残されているから、アクティブ運用がパッシブ運用よりも良い成績を修めることが出来る』という説明は腑に落ちないところがありました。

このグローバル経済の時代にあっては、新興国の市場にも世界中の投資家の注目が集まっているはずです。
ですから新興国の市場だからという理由だけで、非効率な部分の残る余地が先進国に比べて特別多いとは思えなかったのです。

とはいえ、他に納得のできる説明も思いつかずモヤモヤしていたのですが、今回のVMaxさんの記事を拝見して『そうかベータ値か!!上げ基調の時にレバレッジをかけているのと一緒で、ベンチマークを上回ることができるのも当然なのか・・・』と凄くスッキリしました。

これからも勉強させていただきます。

投稿: CHARO | 2007年9月15日 (土) 12時15分

いつも興味深く拝読しております。

私もETFについて一点、便乗質問させて下さい。

これから一年間、毎月海外ETFを一定額で買い付けていこうと考えております。

セオリー通りイー・トレード証券でIVV:EFA:EEMを45:45:10
の比率で買い付けていこうと思っているのですが、その際、
毎月の買い付け額を上記比率で均等に買うべきか、今まで
購入した資産総額の比率を45:45:10に持って行く形で毎月
購入比率を調節すべきか、で悩んでいます。

様は毎月リバランスをしながら買うべきかどうか、という所なのですが・・・

インデックス投資のセオリーとしてはどちらが正解なのでしょうか?

先達のご意見を賜りたく存じます。

ご都合宜しい範囲でご教示頂ければ幸いです。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

投稿: AZ | 2007年9月15日 (土) 14時50分

AZさん、はじめまして。

いただいたご質問ですが、唯一の正解の存在しない部類の話ではないかと思います。

おそらく、リバランスのタイミングと頻度をどのように設定すべきかというのが、AZさんのご質問の本質で、毎月買い付けするので、リバランスはその買い付け時の調整でやりましょうということだと思います。

ちなみにスタティックアロケーションの率が定められたファンドなどの場合は、日々のニューマネーはあらかじめ定められた率(例えばAZさんの提示された、45:45:10といった比率)で買い付けて、毎月末や3ヶ月ごとといった定期的に決められた時点でリバランス調整をするといったやり方が普通だったと思います。

また、そのようなスタティックアロケーションのファンドの場合は、確か定められたアロケーションの比率から5%以上の乖離が生じたときは、臨時のリバランスを行うなどといった追加ルールが通常あるはずです。

要は、リバランスのコスト(含む労力)とメリット、あるいはコストとリスクに対する許容度といった両極をにらみながら、AZさんにとっての現実的なリバランスのタイミングと頻度を考えて設定すればよいものと思います。

もし、私でしたら毎月の購入は45:45:10の機械的な購入にしておいて、1年ごと等のかなり長期の間隔をおいてリバランスの調整を兼ねた買い時期にし、また極端にアロケーションの比率が想定比率と外れたと思う場合にのみリバランスを兼ねた買いとするように行動すると思います。つまり、かなりアバウト、鷹揚なやり方にすると思います。

ひとつ気になるのが、毎月比率計算を行って、45:45:10の比率にリバランスするような形に毎月買い付け注文を出すと言うことは、毎月運用成果のプラスマイナス等を正確に測定して認知するということにもつながるかもしれないことです。
超長期の投資を行っているにもかかわらず、もし毎月の上げ下げが気になりだすとしたら本末転倒です。このような几帳面な作業で市場が下げているときに憂鬱になるようだと、精神的にもよろしくないですし、このような人ほど結果的に取ることのできるリスクの許容度は小さくなりがちな面があると思います。

個人的意見ではありますが、市場が下げているときに、売りたくなったり、予定していた新規資金のリスクテイクを控えたくなったりするようなら、全く市場動向など見ないようにするくらいのほうが、リスク許容度が上がり、生涯リターンが増えると思います。

ご自分のタイプや性格等を十分吟味され、投資に関する心理的な罠に落ちたりしないよう、無理のない、ご自分にあったやり方でやられるのが一番良いと思います。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2007年9月15日 (土) 18時26分

親身なコメント、大変有り難う御座います。非常に参考になりました。

特に気になったのは後半、精神面に際するリスク許容度の点、正に私の懸念する所です。

実はちょっとした現金がありまして(1億円ほど・・・)、どうしたものかと付け焼き刃で資産運用の書籍や、勿論VMAXさんのブログ等を拝読し、IVV+EFA+EEMを1千万ずつ一年間で疑似ドルコスト買い付けという結論に至った訳です(一応、20年位は使わない予定のお金です)。

これから毎月、ビクビクしながら、また収支を気にしながら一年間、1千万円を市場に投じる事が出来るのか、途中でめげてしまわないか、と悩んでおります。

であれば一回、若しくは数回に分けてドスンドスンと1億円分買い付けてしまう方が良いのかも知れませんが、金融情勢が大揺れな現在、それも怖い訳です(現在の情勢を気にしている時点で、既にパッシブ運用の本質を離れているのかも知れませんが)。

悩みは続きますが、何はともあれアドバイス、大変参考になりました。

本当に有り難う御座いました。

投稿: AZ | 2007年9月16日 (日) 10時01分

VMaxさま

いつも記事を大変興味深く拝見させていただいております。年金替わりの運用について質問があります。

私の母親(59歳)がわずかながら父親の残した遺産を持っているのですが、年金を補完するものとしてETFを活用と考えております。

私自身はアメリカに住んでおり、日本の現状には疎いのですが、以下のようなスキームを考えております。

*3分の一ずつを銀行の定期預金、個人向け国債、ETFに大きく分ける。

*ETFのなかでなるべく配当の大きいものを選ぶ。DIAは30社しかカバーしていませんが、配当が毎月あります。個人的にはAGGよりもTIPの方がインフレを考えると良いと思うのですが、AGGが毎月分配なのに対して、TIPはたまに配当がない月があります。

または

*あくまで世界の資本市場の規模にしたがって投資する。IVV+EFA+EEM

という二つのスキームで迷っています。銀行預金と国債の比率も大きすぎるのですが、母がこれ以上株式の比率を上げることを受け入れませんので仕方ありません。預金よりはMMFの方が良いでしょうか? また債券ETFと外貨MMFのどちらの方が好ましいでしょうか?

ちなみに私自身はVMaxさんに触発されてVBRを購入しました。以下のようなポートフォリオになっています。

Roth IRA:
*BND 10%
*TIP 10%
*VBR 10*
*VNQ 10%

Taxable:
*VTI 25%
*VEU 35%

今後も興味深い記事の配信を楽しみにしています。

ご回答よろしくお願いします。

投稿: toru | 2007年9月23日 (日) 07時17分

toruさん、こんにちは。

日頃、当ブログをごらんいただき、ありがとうございます。

ご質問の件ですが、そのポイントは、3分割した資金の1つであるETFのパートで、高配当を重視したポートフォリオを指向するか、それとも世界株式市場と相似形のポートフォリオにすべきかというところにあるように読みました。

今の日本の証券会社の現状からも、また投資商品に関する理屈からも、配当水準にこだわればこだわるほど、米国債券や米国株式のみになって、ポートフォリオがいびつになり資産運用上好ましくなくなる傾向にあります。

しかしながら、比較的高齢のお母様の資産運用資金とのことですので、キーポイントは、この資産運用資金の配当によるキャッシュインフローを年金補完の必須の収入として、お母様の生活に繰り入れて考える必要があるかどうかだと思います。

配当金を日々、毎月の生活資金を補完するものとして、当てにする必要があるようであれば、米国債券ETFや米国株式ETF(DVY)といった高配当の投資ビークルを選び、この目的のため、多少ポートフォリオがいびつになってしまうのを我慢する必要があると思います。

他方、この運用資金からの配当を、例えばエキストラボーナスとして、年1回の旅行資金等の楽しみに充当する等、必要生活資金に組み込む必要なく、余裕資金として考えることができるのであれば、IVV(もしくはDVY)+EFA+EEMといった世界分散株式の組み合わせがよいと思います。

おそらく、一番重要視しなければならないのが、運用主体である、お母様の安心感、納得感を得ていただくこと、もって構成したポートフォリオをずっと維持することができることだと思います。このポイントを押さえた上で、できるだけバランスの取れたポートフォリオにすることが望ましいと思います。

もし、配当を必要生活資金に組み込む必要がないなら、私なら、こんなポートフォリオを自分の親に提案すると思います。まず、資金自由度のより高い、MMFを定期預金の代わりにして、「もし、急に資金が必要になったら『いつでも』MMFから資金を引き出せる」状態にします。いつでも不測の事態に対応できるという安心感を持ってもらうためです。また、個人向け国債は10年物にして、日本債券部分をインフレ対応がある程度望めるようにします。そして、ETFは世界株式分散ポートフォリオにして、必ずEEM等の新興国エクスポージャーを入れるようにします。

日本債券パートをある程度インフレ対応とすることができれば、外国債券の主要な目的である円安等による円通貨インフレリスクにそこである程度対応できますので、外国債券の役割がポートフォリオ上、小さくなってくると思います。また、投資資産の3分の2が円資産であれば、残りは外貨かつ世界株式のエクスポージャーを取る、インフレ対応&積極運用パートとして考えることができると思います。

もし、こんな風に構成できるとすれば、個人的に見ても保有したいと思う魅力的なポートフォリオ構成になるので、私が親に提案するならこんな内容になると思います。

ただし、やはり運用主体であるお母様の納得と安心感が第一だと思いますので、それを踏まえたうえでのご判断が必要であると思います。

以上、上記の中に参考にしていただけるところが若干でもあれば、幸いに思います。

投稿: VMax | 2007年9月23日 (日) 10時22分

VMaxさま

丁寧なご回答、ありがとうございます。参考にさせていただきます。

投稿: toru | 2007年9月23日 (日) 23時15分

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受信: 2007年9月13日 (木) 06時12分

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受信: 2007年10月10日 (水) 13時54分

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