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2007年9月

2007年9月30日 (日)

本源的な価値を見据えること

今日の日経新聞の朝刊一面に「日本株出遅れ」という記事で、世界の主要市場で日本株の今年のパフォーマンスが20国中、19位であることを取り上げています。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070930AT2D2900429092007.html

以前、日経新聞が7月に同様な比較記事を書いたときに、当ブログでそれを取り上げ、実は通貨を揃えれば日本のパフォーマンスは最下位であること、投資家の手取りのリターンを考えるときには、通貨を揃えて比較しないと全く意味がないことに触れました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/test.html

このポイントは、今回の比較記事でも生きています。

例えば、米国市場ETFで各国市場ETFのパフォーマンスの比較を年初来で行うと以下のようになり、今回も日本は圧倒的な最下位です。

http://finance.yahoo.com/charts#chart10:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=fxi+ewy+ewh+ewz+inp+ews;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart23:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=ewt+eza+ewg+ewa+ivv+ewc+ewn;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart36:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=ewd+ewu+ewq+ewp+ewl+ewi;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

(最初のグラフが、記事の1位~6位、二番目が記事の7位から13位、3番目が14位から20位の国のパフォーマンスを日本のそれと比べています。なお、この比較では中国本土株の代わりに、香港市場上場中国株であるFXIを用いています。)

今も、年初に目をつぶって今年の投資国を選べば、そのリターンは日本株よりはるかに良かったという状態は継続しているわけです。

これは、日経新聞が言うように、日本株が「出遅れ」なのでしょうか?

例えば、日本株出遅れの要因の1つとして囁かれている、郵政の日本株売り(そして、10月民営化後からの日本株買い期待)があります。

10年~30年といった長期投資、そしてバイアンドホールドの国際分散投資を指向している場合は、ある意見や情報が、その株式の本源的な価値にかかわる情報か、そうではなく市場のセンチメント(市場の割高割安)にかかる情報でしかないのかというのは、しっかりと見極める必要があると思います。

なぜなら、市場は時に割安に売り叩かれ、また割高に買い上げられたりしますが、超長期の継続保有においては、その市場のアップダウン要因は投資成果にはまったくといってよいほど影響を与えないからです。(このポイントは最近のJ.ボーグル氏の著書にも書かれていたようですね。)

超長期の運用においては、そのような市場のセンチメントの上げ下げ要因はきれいに消え、その国の市場のそれぞれの企業群が利益を上げたその能力に株式市場パフォーマンス結果は近似します。

100円しか価値のないりんごが1000円で取引されるようなバブル状態も、逆に10円でしか取引されない恐慌状態も、長続きはしないわけです。

そこで、今回は、長期投資家にとっての本源的な価値に着目する目的のために、USのisharesのETFサイトにいって、8月末のデータからUS市場の各国市場ETFのROEをざっくり計算してみました。ROEはおおまかに表現して、株主資本を毎年どれだけの率で回しているかという指標になります。例えば、ROEが20%で回っているのに、株式が-10%のリターンを示し続ければ、あっというまに株主資本が株価を超えてしまいますので、合理的な取引市場では、長期的にはそのような状態は継続できません。逆にいうと、長期的に見れば、その国の株式の実現するROEリターンは株式リターンの源泉となっているとも言えると思います。ROEがその国の株式群の本源的な価値を測る指標になっているものと考えられるわけです。

その計算結果は以下の通りでした。

香港上場中国株:18.3%

韓国:14.0%

香港:25.8%

シンガポール:19.0%

台湾:18.5%

南アフリカ:25.3%

ドイツ:14.4%

オーストラリア:23.0%

アメリカ:20.6%

カナダ:15.8%

オランダ:21.6%

スウェーデン:29.3%

英国:25.6%

フランス:14.5%

スペイン:25.0%

スイス:21.0%

イタリア:15.3%

日本:9.8%

(ブラジル株ETFはデータが無かったため、またインドはisharesがUS市場でインド株ETFを販売していないため、その計算結果を載せていません。)

日本のEWJのETFのROEだけが一桁の値で、あとの全ての国のETFのROEが軽く二桁(全ての国が14%以上)になっています。

本源的価値に着目すれば、もし、日本とその他各国の長期の株式市場の企業群の実力が、この足元のROEの計算結果通りの傾向であったとしたら、日本株の長期のパフォーマンスが対各国比で優れないのも、ある意味妥当な結果なのではないかと思います。

マーケットタイミングというゼロサムに賭ける投資家はともかく、そのゼロサムゲームに参加しない意志を貫こうとする長期投資家にとっては、本源的な価値に関係することと、関係しないことをきちんとより分けていく姿勢が、その投資目的を貫徹させるためには、重要なことだと思います。

個人的には、今の足元の日本の株式会社群の出力(ROE)が、不景気その他の要因で、実力を大きく下回った異常値を示しているとは思えません。

したがって、日経新聞の記述に対する上記分析からの当方意見は、「日本株は出遅れているのではなく、実力通りのパフォーマンスを、今年も各国対比で示しているにすぎない可能性が高い。」というものになります。

やっと、結論にたどり着きました。今後、郵政が日本株を狂ったように買い上げようとも、全ての株はいずれ本源的価値に収束するのですから、ゼロサムゲーム(実際はコスト分だけマイナスサムゲーム)に参加することを止めた長期投資家である当方は、今までと同じく、本源的な価値のあやしい日本株に自身の資産の多くを割り当てることはないと思います。

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2007年9月29日 (土)

あやしいメール(その2)

今日、IBに登録していないメールアドレスに、おそらくIBを装っていると思われるスパムメールが来ました。

開けずにすぐに消したので、確かではありませんが、おそらくは間違いなくスパムメールだと思います。

題名は、確か IB View - Sep 28 2007 とかなんとかだったと思います。

証券会社の名前を語ったスパムメールにはウィルスを撒き散らすやつがありますので、注意が必要です。以前は、確かScottradeかどこかの名前を語ったスパムメールがありました。

IBを装ったフィッシングサイトまであるようですので、IB口座をお持ちの方はお気をつけください。

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2007年9月26日 (水)

食糧争奪

商品関連のエントリーが続いていますが、表題の本を今、読んでいます。

新興国の経済発展と原油価格の関係、原油価格と穀物との関係、穀物と食用肉との関係、新興国等の水と工業、農業との関係といった様々な密接な関係をあらためて整理できた気がします。

別エントリーのコメントにも書きましたが、商品関連ビークルにも、理論的にきちんと明確にされていないリターンスプレッドが存在しているようです。分散効果の高さと合わせ、商品関連への分散投資の有効性も、過去の統計からは認められるようです。

しかし、投資は本当に奥が深いですね。いくら勉強しても終わりがなさそうです。個人的な投資ポートフォリオに商品のエクスポージャーを加えるべきか否かといった単純なテーマですが、ずっと昔から考え続けており、これからもまだまだ勉強が必要のようです。

個人的には、インフレ対応ビークルとしてインフレ連動債ETFを想定しており、将来この資産割合を徐々に増やしていこうと考えていたのですが、現状の日本での次々と報道される値上げのニュースから始まり、実はインフレ連動債ETFよりも商品ETFのほうが優れているのでは?というところから、今回の検討が始まっています。

勉強すればするほど、その思いは強くなっていきます。

今は、新興国が世界の株式市場で気を吐いて(高パフォーマンスを示して)いる市場環境のように思いますが、原油、鉱産資源や水、穀物、食用肉等は特に将来の新興国群のアキレス腱となる可能性が高いと思うんですよね。それだけに、この方向の検討は、個人的にきちんとやっておくべきだと思ってやっています。

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2007年9月23日 (日)

インフレの芽?(その5)

値上げのニュースはひたすら続きます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000113-yom-bus_all

その原因としては、石油関連と小麦等の農業品が元となっている場合が多いですね。(飼料高は肉類の値上げにもつながるでしょうし。)

新興国の発展⇒石油⇒農業品⇒肉類への波及といった値上げの流れは、そのストーリーがかなり明確なようにも思えますし。

うーん、やはりこれだけ明確だと、DBAあたりに投資しておけと執拗に言われているような気がします。石油関連株はすでにポートフォリオに十分ありますし。観念して、商品への投資へ踏み込んでしまうかもしれません。

この原因のはっきりとした物価値上げ傾向(しかも、ピンポイント)のヘッジには、DBAとDBE(特にエネルギー関連に既存エクスポージャーのあまりない方)のようなETFは確かにベストフィットだと思います。これは、本当に悩みます。さて、どうしますか。

この方面、さらに勉学に励んで決めたいと思います。

以下は、おまけです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070922-00000056-jij-bus_all

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2007年9月20日 (木)

インフレの芽?(その4)

値上げのニュースは続きますね。目に付いた記事を挙げておきます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070919-00000048-mai-bus_all

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070919-00000111-mai-bus_all

<「値上げ候補商品」全リスト>

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw07072901.htm

どうも、これはしっかりとした流れになりそうな気がしますね。正直、気になります。

この方面、さらにもっと勉強してみようかと思っています。

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2007年9月19日 (水)

FRB(その2)

FFレート0.5%下げだそうです。市場コンセンサスの幅の中で最良だったようです。市場が素直に好感していますね。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/fed_interest_rates.html?.v=26

http://biz.yahoo.com/ap/070918/wall_street.html?.v=53

リーマンの第3Qも、市場予想よりも良かったみたいです。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/earns_lehman.html?.v=9

ついでに原油も、新高値をとっているようです。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/oil_prices.html?.v=22

為替も、とりあえず、円安方向へ大きな動きを見せています。

外国為替
レート
日本円
---
米国
4:40
豪州
4:39

英国
4:39

カナダ
4:40
スイス
4:39
ユーロ
4:39
日本円1 116.260000 98.995390 234.043006 114.587029 98.317125 162.368716

今日は、派手なお祭りでしたね。

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2007年9月18日 (火)

FRB

いよいよ今日の夜中(3時15分)にFRBが利下げをするか否かが明らかになります。

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-27926820070918

市場コンセンサスは利下げは既に半ば確定で、利下げ幅が0.25%に留まるのか、0.5%にまで踏み込むのかに注目されているようです。

また0.5%幅催促相場かと思いきや、今(10時)の欧州市場は、上げ(全面高)に転じていますね。

リーマン・ブラザーズの四半期結果も、発表されるようです。

注目ですね。

予見を持たずに、事態の推移を眺めて、楽しもうと思っています。

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2007年9月17日 (月)

インデックス投資が賭けているもの(その2)

以前、「インデックス投資が賭けているもの」というエントリーで、この表題に関する私見を書きました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_bcfc.html

主旨としては、インデックス投資家は「企業群の利益を創出する能力と、それを適切に値付けする市場の価格決定能力」に賭けているという内容でした。

また、この能力は資本主義市場の歴史とともに、ずっと発揮されつづけてきた能力であり、おそらくは資本市場で存在する賭けの中で、もっとも堅い賭けに属するものだと思います。言い換えると、インデックス投資家は、自身やファンドマネージャーの銘柄やセクター選別能力や、マーケットタイミング能力、市場の歪みを取る能力あるいは市場の歪みが将来も存在するかどうか等、資本主義の歴史と同程度の長さのエビデンスのない、あやふやなものには一切ベットしないというまことに堅いスタンス、投資態度でいると思います。

実際、アクティブファンドが長期においてはインデックスファンドに高確率で負けている等、まさにその他のベットの勝算が著しく低いことが事前に示されているケースもあります。

インデックス投資家の賭けているものが、これほど堅いもの(資本主義の超長期の期間壊れていないもの)である理由のひとつは、人のリスクに対する特定の態度にあると思います。何度もすでに書いていますが、リスク資産市場においては、典型的なリスクアバースな市場構造が見られます。人は、一般に、リスクに対して十二分な見返り(圧倒的高水準のプラスの期待利益額)が見込めない限り、リスクを取ろうとしない心理構造にあります。それについては、別のエントリーの社債市場のリスクプレミアムスプレッドの例でお示ししたとおりです。

実は、インデックス投資が賭けているものは、言い換えればリスクの存在する価値ある資産に超過リターンを要求する、古今東西変わらぬ人間の特質といってよいと思います。

そのインデックス投資家が、アクティブ運用や自身のタイミング投資行動にベットするということは、資本主義の歴史の長さと同じだけの期間の過去の歴史で証明された有利なベットから、全くそのようなエビデンスのない、あるいは、とてつもなく不利な賭けであることが統計上明らかとなってしまっているものに賭け換えるというナンセンスな行為、いわゆる自己矛盾に近いと思います。

それにもかかわらず、インデックス投資家がそういった、より不確実なものにわざわざ最悪なタイミングでベットし直してしまう、まさに悪夢の要因が存在すると思います。

それについても、このブログでたびたび取り上げてきましたが、「欲と恐怖」、「オーバーセルフコンフィデンス」という心理的な罠が引き金となっていることが非常に多いと考えます。

・市場が恐怖に駆られているときに、同じく恐怖に駆られて、投資資産を売ってしまう、あるいは、新規投資を躊躇してしまう。

これは、恐怖と、あるときはオーバーセルフコンフィデンスのセットになっていると思います。超長期でリスクを取り続けることにより、リターン期待値をほぼ確実に顕在化させる投資戦略を取っているのに、わざわざそれを取りやめて、自身のタイミング投資戦略にベットし直すことになります。そのベットは少なくとも、超長期の資本主義市場での有利性は証明されていません。かつ市場で恐怖が蔓延してひどく下げているときに、売りで入ることと同義の行為ですから、安値売り高値買いで運用成果を自分自身で削っていくリスク満載のベットの開始になります。

・市場が楽観に包まれているときに、投資元本を超えたレバレッジでリスクテイクしてしまい、その後の下げでやられてしまう。

これは、欲と、あるときはオーバーセルフコンフィデンスのセットになっていると思います。リターン期待値をほぼ確実に顕在化させるために、超長期でリスクをずっと取り続けることを指向していたはずなのに、投資元本を超えた高レバレッジにして、わざわざ超長期でリスクを取り続けることが不可能になるリスクを取ることを意味し、これもある意味、自己矛盾な行為だと思います。その結果、市場の下げ時にポジション決済を迫られるとすれば、これも結果的に高値買い安値売りとなり、自身のタイミング投資行動により、投資リターンを削る結果につながります。

その他もいろいろあると思いますが、「投資の敵は自分自身にあり」というのが、ある意味、真理に近いと私は思います。どこかで書きましたが、「人は自分自身の投資成果をわざわざ悪くするように自分自身を突き動かす」ので、その人間心理の構造を知り、その罠にはまらないように行動し続けることが、投資で成果を出すためには必要だと思います。

それは、やはり、言うほど簡単なことではなく、そうだからこそ、それができる人にはとても魅力的な無リスク超過リターンが手に入るのだと思います。また、このような心理的罠により、多くの人が、超長期の歴史に裏付けられたエビデンス投資からはずれ、その中のかなりの人がリスク資産から十分なリターンを得ることに失敗する、すなわち、多くの人がリスク資産から利益を得ることは難しく、リスク資産市場は怖いところだという認知を続ける限り、資本市場のリスクプレミアムはあいかわらず、とても魅力的な水準であるだろうことは、おそらくは間違いないところだと思います。

結局、リスク資産市場から利益を得る難しさと、そのリスクプレミアムスプレッドの魅力度合いは連動しているのではないかと思います。この関係が長い目で見て変わらないのは、人間のリスクに関する認知のしかたと、欲と恐怖とオーバーセルフコンフィデンスに振り回される、人間のさがが古今東西、変わらないからだと考えています。

なので、自身がベットしている賭けの方向性は、とてつもなく堅いものだと考えています。これもまた、オーバーセルフコンフィデンスの一種でしょうか。将来の資本市場のみが、それを教えてくれるのだと思います。期待して、数十年寝かしましょう。

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2007年9月15日 (土)

同じ思い

国の年金制度について、木村剛氏が以下にご意見を書かれています。

http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_bdb1.html

まさに、当方が延々と述べてきた主張と全く同じように思います。

国民に不必要にたかり続けようと、ナンセンスな制度をなおも維持することを企図する社会保険庁のために、さらに我々のお金をどぶに捨て続けるのは、本当にナンセンスきわまりないと思います。

昔の国の景気対策のように、無意味に穴を掘って、それを埋めるだけの仕事に、国民の税金をどぶに捨てるような行為を漫然と許し続ければ、ただでさえ、支える側の若者が少なく、支えられる側が異常に多い日本国の将来の国際競争力は地に落ち、国としてどんどん貧乏になり国が廃れていってしまうのではと考えます。

国民ひとりひとりが、この問題を考えて意見や考えを発信したり、話し合ったりする等、たとえひとりひとりのその力は小さくとも、できる行動を実行していくことにより、国の制度を良くすることにつながる影響力を発揮していく必要があるのではないでしょうか。

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2007年9月12日 (水)

ETF関連質問の回答

別のエントリーで、tak dcさんにいただいた質問について、このエントリーでお答えしようと思います。

「ご質問1」

証券会社が「ETFなどよりも国際分散型などのファンドの方が成績が良く昔のようにインデッックスに負けることはないですよ」と言われたのですが.真実はどうなのでしょうか.

「ご質問1の回答」

このブログで、過去に直近の5年間の世界株式ファンド(除く日本)のパフォーマンスについて、モーニングスターのサイトのデータを利用して、比較したことがあります。詳しくは、以下のリンクを見ていただくこととして、結論は、インデックスファンド群に勝てたアクティブファンドは1つだけで、その他の全てのアクティブファンドは、インデックスファンドに見事に負けていました。これは、アクティブの世界株式ファンドでまともなパフォーマンスのファンドに殆ど出会ったことがなく、逆にとてつもなく悲惨なパフォーマンスのファンドには数多く出会った私の経験と完全に一致する結果でした。世界株式の運用では日本のアクティブファンドは選ばない方が無難だと個人的には考えています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5273.html

しかしながら、世界株式のインデックスファンドも、アクティブファンド一般に対しては数段優れているにもかかわらず、ベンチマークに対しては、一般に大きくやられるのが通常です。この点も、上記リンク記事で触れていますが、個人的には下記の理由が存在していると認識しています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_16aa.html

以前、NightWalkerさんが、世界株式に関して、インデックスファンドとETFのパフォーマンスの比較を行ってくれています。結果としては、ETFはインデックスファンドのように、ベンチマークから大きく劣後することなく、良好なパフォーマンスを示しているようです。ETFとインデックスファンドは、同一条件で比較して見ると、年率で1%以上、ETFの方がパフォーマンスが良いという結果になっています。単純な世界先進国株式ポートフォリオを構築したいなら、楽天またはイー・トレードで、SPYとEFAに半分ずつ投資するのが、一番良いと思います。

http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/07/spyefa_1_59a8.html

「ご質問2」

年金代わりにと思いETFを購入しようかと思いますが長期に運用する場合オススメの商品は有るでしょうか又楽天のETF商品で事たるでしょうか.もしくは香港の証券会社でとも考えています運用額は1000万円ほどの予定です.(中略)又海外でのオフショアファンドなども検討しているのですがどちらを選択すべきか迷っています.

「ご質問2の回答」

ご質問1の回答である程度触れたとおり、楽天証券のSPY+EFAのETFに投資することにより、世間の世界株式ファンドビークルの大半に勝てるポートフォリオを組むことができると思います。なので、お勧めとしては楽天証券やイー・トレード証券等、日本の証券会社を用いてETFに投資するのがよいと思います。新興国にも多少投資したければ、EEMや中国株式ETFを少々加えればよいと思います。

香港の証券会社等に口座開設すると、確かに可能性は広がりますが、英語、相続、その他トラブルどんとこいという人でなければ、個人的にはお勧めしません。

また、香港の証券会社が扱っているアクティブファンドやオフショアファンドについて、その実情を知っているわけではありませんが、そのようなファンドの過去のパフォーマンスを見るときに、当方がとても重要だと思っていて、かつ世間一般に見逃されていると思われる点について触れておきます。

世の中には、アクティブファンドのうち、特に成長性の高い株式にフォーカスして投資するファンドにおいては、いわゆるベータ値の高い株式に集中投資するファンドが結構あります。例えば、ベータが1.5だと、日経平均等の代表指標が1%上昇するときに、当該株式は1.5%上昇します。一般に変動率が大きいこれら株式群に集中投資するファンドは、過去の市場全体が好調だった時期の過去パフォーマンスはベンチマークに圧勝していることがよくあります。そのような短期間の過去だけを見て、「このファンドは良いアクティブファンドだ」と判断し投資してしまうと、市場全体が下げ相場になったときに、ベンチマークが1%下がるときに当該ファンドは1.5%も下がってしまうので、結果はベンチマークに大負けになってしまうのが、ある意味、典型的な現象です。

すなわち、アクティブファンドの過去の運用パフォーマンスを判断するときは、その過去の統計において、何度も何度も下げ相場をくぐりぬけていて、それでもベンチマークにきちんと勝っていることを確かめてください。それが確かめられない場合は、将来の下げ相場で、ベンチマークに大負けすることがあり得ることを覚悟の上で買ってください。

この確認をしても、将来のパフォーマンスがベンチマークを上回る保証にはなりませんが、少なくとも単によりリスクを犯しているだけのポンコツファンドをつかんでしまう可能性はかなり減ると思います。(過去のトラックレコード不足で却下となるファンドが増えるとは思いますが。)

短期的にベンチマークに勝つファンドの大半が、そのようなファンドであることは、どのような市場でもベンチマークを長期的に上回れるアクティブファンドの割合がとてつもなく低いことで、統計上、いやというほど証明されています。

過去の短期の市場全体が好調だったときのデータを示して、「ほら、6割、8割のアクティブファンドがベンチマークに勝っている。」なんていう識者は、間違いなくモグリです。運用の世界を何も知らないと思った方が良いと思います。このような、識者面した100%素人にだまされないようにご注意ください。ご自分でアクティブファンド、オフショアファンドを判断する場合は、この点くれぐれもしっかり押さえられることをお勧めします。

正直、良いアクティブファンドを選ぶ努力も、なかなか報われにくい敗者のゲームに限りなく近いと思います。結果、報われずに「ETFへの投資にしとけばよかった」という結果になっても、統計的には、ある意味当然の結果ですから、この敗者のゲームに足を踏み入れる場合は、そうなる可能性が高いことについて、あらかじめ覚悟しておいた方がよいと思います。ただし、高確率でコストのかかる楽しみや知的ゲームとして、この敗者のゲームをエンジョイすることも出来ますから、最後はご自身の判断で決断いただくことと思います。

「おまけ」

「年金代わりに」ということで、定期的な高配当が期待できるETFとしてはDVY(米国高配当株式ETF)なども、面白い選択かと思います。注意点とすれば、米国株式に偏っていること、DVYだけの話ではありませんが、配当には米国で10%、日本で10%税金がかかることを押さえるべきと思います。

年金生活をされており、課税される所得が殆どない場合は、この配当を申告し、外国で徴収される分を外国税額控除で、日本で徴収される分を総合課税で、かなり取り戻すことも可能かもしれません。逆に所得が多い場合は、20%近くトータルで配当から源泉されますが、そのまま課税関係を終わらせるのが一番お得になると思います。このような税金の有利不利は、それぞれの方の状況に応じて180度最適な対応方法が異なり得ますので、しっかり研究されるとよいのではと思います。その上で、DVYといったETFの活用方法も判断されればと思います。

また、内外債券もポートフォリオに入れたいということであれば、現状の海外ETFのみでは、米国債券しかありませんので、不足であると思います。私の経験上、海外債券インデックスファンド、海外債券アクティブファンドともに、一般にあまりパフォーマンスがよろしくないので、うれしくないのですが、しばらくは海外債券インデックスファンド等で運用し、米国以外の債券ETFに投資できるようになったらそれに乗り換えることを検討してはどうかと思います。

最後に、余計かもしれませんが、運用想定期間その他様々のtak dcさん固有の条件や状況等に基づき、資産全体で適切なリスクテイクの量を検討して、ETF等の購入額を決められるとよいと思います。リスクの取りすぎも取らなすぎも問題だと思いますので。

以上、ご参考になりましたら幸いです。

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2007年9月11日 (火)

意味ない保険

意味ない保険が、また開発されているようですね。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070905AT2C2802504092007.html

行動ファイナンスが言う、確か「心の会計」という概念を悪用しているかもしれません。「保険に費やす分の財布に入れたお金でも、損したくない」という心理に付け込むわけです。

実際は、払い込み保険料を将来返すために、それに必要な原資の分だけ保険料を上げて、それを運用して将来返すだけの商品です。最悪なのが、今の洗練された保険会社は資産と負債のアンマッチリスクをとりませんから、この原資は間違いなく「日本債券」で運用されるだろうことです。この将来返される原資には、ごみのような金利しかつかないわけです。

保険に入るのに、余計に毎月お金を払い、「保障で余った分は日本債券で運用してくれ、そこから保険会社の事業費と販売関係の手数料をぼったくってよいから。それであまった分を将来返してくれ。」とお墨付きを与えているようなものです。

「保険の財布に入れたお金でも損したくない。」という「心の会計の罠」にはまる人は、こうやって自身の資産運用の効率を極端に落とし、フィナンシャルフリーダムを自分自身で夢のまた夢にしてしまうわけです。

保険は、十分に吟味し、掛け捨てで小額の保険料で多額の保険金が得られる、保険として意味ある形のもので、必要なもののみを十分厳選して利用されるとよいと思います。保険は、ライフプラン上、家、車の次に多額な出費です。不必要な保険はフィナンシャルフリーダムの大きな障害になりますので、保険会社にだまされないよう、くれぐれもご注意ください。

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2007年9月 9日 (日)

インフレの芽?(おまけ)

表題に関し、投資勉強小僧さんから、以下のコメントとご質問をいただきましたので、このエントリーでお答えしようと思います。

『数ヶ月前から拝読させていただいてます。「インフレの芽?」もとても興味深いです。さわかみ氏ははっきりと「これからインフレになるから、今は株を買うべし。」とレポートで断言調。

初心者質問で恐縮ですが、まだら模様でインフレとなると、物価連動国債ファンドはどのように捉えたらよろしいのでしょうか。分散候補の一つに「未来予想」というファンドもどうかと考えていたのですが・・。宜しくお願いします。』

物価連動国債は、庶民の必要生活物資の物価だけを捕らえることはできず、全体の物価しか捕らえられないと思いますので、このようなまだら模様のインフレをヘッジすることは残念ながらできないと思います。

また、日本国の発行する物価連動国債は、元本保証がない、すなわち、発行時よりも償還時のCPIが小さくなっていると、償還金が元本を割ってしまうという、他の先進各国のインフレ連動国債にはない、不利な特徴があります。

澤上氏の想定されているかもしれない、全体物価が明らかに上昇していくようなはっきりした将来インフレであれば、そんな心配をする必要はないと思いますが、現状のCPIはゼロ近辺を這っている状況だと思いますので、今のところはなかなか日本の物価連動国債ファンドは妙味が薄いのではと、個人的には感じます。

ただし、今起こっている物価値上げは、主に石油価格や資源、穀物など原材料価格の上昇が起因となっているように見えます。日本企業も売上減少につながりそうでずっと値上げができずにがまんしていたのが、とうとう耐えられずに次々と値上げに走り始めているように見えます。

もともとが、主に中国やその他の新興国の台頭によってこれら価格上昇がもたらされており、またこれからは、これら新興国は経済力の高まった新興消費国としても台頭してくるものと思います。このような背景を考えると、物価上昇の流れはこれからも止まらず、広範囲に広がり、加速していく可能性が十分あり得ると思います。

内外株式を少しでも含んだポートフォリオを構築し、長期に持続する、伝統的なインフレヘッジのための投資態度はやはり有効なのではないでしょうか。そのポートフォリオリスクが許容できなければ、言及されているような物価連動国債ファンドの買い時を、CPIの動向をウォッチし続けながら探り、明確な上昇トレンドを確認した後にエントリーするのがよいのではと思います。

残念ながら、現状の日本の物価連動国債ファンドは信託報酬も高く、販売手数料も結構かかり、また元本保証もない世界では特殊な国債に投資するビークルになっていますので、インフレデフレにかかわらず、一生もので保有し続けることのできるビークルにはなっていないと思います。このような状況では、ある程度タイミングビークルとして使用せざるを得ない商品だと思います。

為替リスクに十分なリスク許容度があれば、米国インフレ連動国債ETFであるTIPや、将来US市場で販売される予定の、米国除く世界インフレ連動国債ETFを持つのがよいと思います。これなら、一生ものでポートフォリオに組み込んでもよいのではと、個人的に考えています。

ただし、前者は楽天証券で既に取扱い中ですが、後者はまだUS市場でもデビューしていない代物ですので、日本の投資家が簡単にアクセス可能になるのはまだまだ先になると思います。

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2007年9月 8日 (土)

インフレの芽?(その3)

なんだか、一度目に入り始めると、物価上昇関連のニュースがどんどん知覚されてきます。

こんな一連の記事が見つかりました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070907-00000013-mai-bus_all

<カップヌードルだけで終わらない… 材料高騰で広がる「食」値上げ>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000932-san-bus_all

<焼酎値上げ相次ぐ 穀物の世界的な高騰背景に>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/70580/

<森永乳業、スキムミルク来月値上げ>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/57993/

<チーズ値上げ相次ぐ 原料価格、世界的高騰で>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/72399/

<家計痛撃!今後も続く食料品などの値上げ>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/retail/75468/

<原油高発端“ドミノ値上げ” 趣味に生活品…消費者悲鳴>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/80025/

<原油高で?和菓子値上がり 県内業界、砂糖の精製に影響で>

http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20060513003.htm

<そばが パスタが パンが ケーキが・・・小麦高騰 家計に影>

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709051700_01.html

こんなにも、値上げ関連のニュースがあるのに、コアCPIは足元下落というニュースが以下の記事です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000601-reu-bus_all

我々は、これらの一連の情報をどう解釈したらよいのでしょうか?

その解となるかもしれないレポートを見つけました。以下をご覧ください。

http://www.dai-ichi-life.co.jp/news/pdf/nr07_28.pdf

このレポートの分析が正しければ、物価値上げはまだら模様で、必要生活物資等はインフレで、ぜいたく品はデフレの二極化が起こっているようです。このレポートは本当に勉強になりました。

ご参考まで。

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2007年9月 7日 (金)

為替の効率市場仮説

以下は、為替の効率市場仮説というべきか、無裁定原理というべきかよくわかりませんが、いかにも学者チックな、現実には必ずしも成立していない理論世界の論理に対して、どうも整合的に見えない現実の為替の現象について、当方がある掲示板でコメントしたものです。

本来ならば、このブログで書こうと思っていた内容ですが、たまたまある掲示板で議論されていたので、長々と書き込んでしまいました。もともとはDBVというETF(高金利通貨買い低金利通貨売り戦略)が、なぜ市場で長期的に利益が出続けるのか?、理論的には2通貨間の金利差は為替変動で相殺されて、2通貨のリターン期待値は同じになるはずなのに、そうならないのは何故なのかという疑問に対しての仮説提示をしたコメントになっています。

様々な書籍でも、この現象についての記述があり、高金利通貨が弱くなるはずが、過去の統計上では、逆に高金利通貨が強くなっているという長期の統計結果は、確か複数の書籍で記述されていたように記憶しています。

しかしながら、当方が以下で触れるような視点、すなわち、すべからく金融取引ではリスクの交換とそれに見合うと市場が考えるリスクプレミアムのやりとりがなされているのに、為替取引でそれがないというのはいかにも不自然であるように思える点、すなわち為替取引でもリスク交換とリスクプレミアム支払いのやり取りは存在しているのではないかという主張は、不勉強かもしれませんが、今までどこでも見つけたことがありません。

実際に、公社債市場では、デフォルトリスクの超長期の実際損失コスト統計結果と、そのデフォルトリスクテイクに伴いリスクテイカーが得る信用リスクスプレッドには、確か5倍から10倍程度の開きがあったと記憶しています。この世の中は、リスクアバースな世の中になっており、リスクを回避したければ、想定されるリスクがもたらす想定コスト期待値の5~10倍のリスクプレミアムをリスクテイカーに支払うことなしには、信用リスクを回避することができないのがこの世の中です。だからこそ、公社債にしろ、株式にしろ伝統的な資産のリスクを長期的にテイクし続ける者は、圧倒的な高確率で多額の無リスク資産超過リターンを手にすることになります。

為替取引においてのみ、そのようなリスクの移転とリスクプレミアムのやりとりがなく、学者が考えるような理想世界の取引になっているというのは、まことに不自然きわまりないと思うのです。

それでは、以下に掲示板に記した当方コメントを転載します。

//(以下転載)----------------------------------------------

以下はただの妄想、たわごとの類です。

もし、世界の基軸通貨(例えばアメリカUSD)と、世界のどこかの僻地の国で毎年財政は大赤字で、いつ国が革命や変乱等で消滅するかわからない状態で、かつ流通性が著しく劣っている通貨を取引するとしたらどうでしょう。

もしかしたら、USDを売って後者の国の通貨を買ってしまったら、明日デフォルトして、その通貨は紙切れになってしまうかもしれません。

この取引で、信用度の著しく低い通貨を売ってUSDを買う側と、USDを売って信用度の著しく低い国の通貨を買う側のリスクが同じとはとても思えません。

後者の人すなわち、世界で一番安全かもしれない通貨をわざわざ手放して、リスク満載の通貨を保有しなければならなくなる側は、より高いリスクを負う状態になる取引をすることに対して、その取引中で十分な見返りを求めたくなるのではないでしょうか?

すなわち、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値
ではなく、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値+(取引中のリスク大取引サイドのリスクプレミアム)

が成立しているのではないでしょうか。

すなわち、高金利通貨は一般に高リスク通貨であることが多く、より高いリスクのある通貨を長い間持つことの見返りが、取引中にリスクプレミアムとして内在されており、高金利通貨買い低金利通貨売りポジションを長い間維持すると、このリスクプレミアムが実現して、利益が発生するのではないかと疑います。

これは、株式を売る人がその株式を買い取る人に対し、確率的に将来、その株式が無リスクリターン超過スプレッドを実現させるであろう安い価格で売り渡さざるを得ないことと似ています。リスク満載の通貨からとてつもなく安全な通貨に乗り換えるには、相手側にその安全に見合った安全料を払う必要が発生するのではないでしょうか。

コーポレートボンド(公社債)でも、リスクを負う側が得る信用リスクプレミアムは、たいていその負うリスクがもたらす歴史的、統計的な実際平均損失幅の何倍ものスプレッドになっています。なので、そういった伝統的危険資産を長期的に保有し続けると、必然的に無リスクビークルリターンを明確に上回るリターン結果となるわけです。

デフォルトリスクは時間に比例しますので、通貨を持つ長さにかかわらず、この相対通貨信用度の差がもたらす信用リスクネットスプレッドは(もし存在しているとすれば)%あるいはbps(0.01%)単位で、表されることになるのではないかと思います。

とてもこれだけで説明できるとは思えませんし、正しいかどうかもさっぱりわかりませんが、もしかしたら高金利通貨買い低金利通貨売りで過去、長期的に利益が出てきた要因の1つくらいにはなっているかもしれません。

なお、DBVは高金利通貨買い低金利通貨売りのポジションを原則としてレバレッジ2倍で持ち続ける戦略のようです。(既出かもしれませんが念のため)

ちなみに、インフレ連動債の金利構造はざっくりいってこんな感じになっています。

インフレ連動債トータルリターン≒インフレ率ゼロの場合の当該債券利回り+インフレ連動債調整超過インフレリターン

すなわち、金利=期待インフレ率ではなく、金利=消費を先送りすることに対する超過プレミアム+期待インフレ率(正確にはインフレリスクプレミアム)となっています。

人はインフレ率ゼロの場合にも、将来まで消費を我慢することに対して見返りを求めるようで、米国のインフレ連動債ではこの消費先送りの見返りプレミアムは歴史的に1~3%程度で推移しているようです。しかしながら、もし上の理屈が正しければ、この1~3%程度の消費我慢プレミアムの中に、実は通貨に内在する絶対信用リスクプレミアムが含まれているのかもしれません。

//(転載終わり)---------------------------------------------

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2007年9月 6日 (木)

インフレの芽?(その2)

今日もこんなニュースがありました。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/confenctionery/

これも実質10/9-1≒11%値上げで、インフレのニュースですね。

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2007年9月 5日 (水)

インフレの芽?

インフレの兆候ですかね。最近、この手の情報が目に付くような気がします。

<すかいらーく、2400店で一律値上げ・ほぼ全品10円>

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070905AT2F0404J05092007.html

<日清食が即席めんを17年ぶり値上げ、原材料高で>

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27735720070905

名目金利と実質金利の違い、元本保証とインフレヘッジの考え方の違いといったものをきちんと理解して、自身の資産を運用をしていかなければつかまってしまう時代は、もしかしたらすぐそこまで来ているのかもしれません。

日本はインフレが無縁の時期が長かっただけに、国民全体としては考え方の切り替えが難しいかもしれません。心しておかなければいけませんね。

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2007年9月 4日 (火)

年金着服

前に国民年金制度に関する一連のエントリーを書いて、制度としての妥当性、継続性に疑問を呈しましたが、これについてはそれ以前の問題です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000118-mai-soci

一般企業であれば、お客から犯罪により搾取すれば、その額が回収できない場合、株主資本を使っての補填が当然ですし、最悪、信用失墜による倒産、上場廃止その他の社会的制裁が待っています。

それに比して、社会保険庁の場合はどうなのでしょうか。回収不能額について国が補填するとすれば、結果的に、我々が税金を余計に払って犯罪による搾取額を埋めることを意味します。

社会保険庁内の犯罪の場合は、実質社会保険庁はその損失額は補填せず、実際に補填するのは、その犯罪に何の関係もない我々国民であって、また民間企業であれば企業の存続が危ぶまれるかもしれない社会制裁も、社会保険庁は受けることがありません。

この構造、どうにかならないものでしょうか。以前のエントリーで書いたように、国民年金を保険料支払いベースではなくて、最低保証皆年金として、条件を満たす全ての人に払い、消費税等による自動徴収の財源確保にしてしまえば、こんな問題は雨散霧消すると思うのですが。

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2007年9月 2日 (日)

新商品 - 新興国債券ETF

米国のETF新商品には絶えず着目し続けているのですが、最近、私の食指が動きそうなETF新商品にはなかなかお目にかかれないですね。

やはり、投資のコアといえる分野のETFはだいたい一通りそろった感があるからかもしれません。

個人的な投資方針からすると、タイミング投資ビークルとして有益そうなものや、その有効性のエビデンスが個人的に怪しいと思うビークル等には、なかなか食指が動きません。

そういった事もあって、お勧め新商品ETFにはなかなか出会えないのですが、今日は、その中で時節柄、ちょっと気になっているETF新商品をご紹介してみようと思います。

以下のリンクをご覧ください。

http://seekingalpha.com/article/45796-new-powershares-emerging-market-etf-due-in-october

もし、私が見逃していたらごめんなさいですが、今のところ新興国の国債(ソブリン債)のETFはなかったように思います。

このタイプのアセットクラスがフィットする方は、比較的かなり限られていて、いらない人には無用の長物だと思うのですが、ある状況の方には、ぴったりニーズにフィットすると思うのです。

私が考える、このようなアセットクラスがぴったりフィットすると思う人はこんな人です。

世界の先進国株式を中心に資産ポートフォリオを組んできたが、新興国の長期的な高パフォーマンスがとても気になっている方や、新興国株式に一定のエクスポージャーを既に持っていて、これ以上新興国株式を追加するのはリスクが過大に思えて抵抗があるが、もうちょっと新興国の成長に振ったポートフォリオに味付けしてみたい方。

この新興国債券資産クラスについても、1998年の新興国の通貨危機以来、順調にパフォーマンスを上げ続けています。その要因としては、ただ単に、新興国債券が信用リスクが相対的に高水準であることを反映して、非常にクーポンレートが高いからという理由だけではなく、新興国自体が発展してきており、新興国の信用リスクスプレッド自体が縮んできていて、それが資産価格上昇の追加的要素になっていると思います。

私が今、このタイミングでこの資産クラスに注目するのは、例のサブプライム問題で、この資産クラスも一時的に下落していてお買い得だと思うからです。

新興国政府でサブプライムローンやCDOに手を出している国などあまり想定できないと思いますし、新興国企業においても、欧米企業に比べれば圧倒的にこの問題に関する影響は小さいものと推測します。

また、現在の新興国は1998年の通貨危機の教訓を得ており、非常に多額の外貨準備を有しているところが多いと認識しています。新興国政府の支払能力に不信感を抱かせる事態が起きなければ、この資産クラスのパフォーマンスが目立って悪くなることはないと想定され、また万が一そのような事態が近い将来あったとしても、新興国株式とは違って、国がデフォルトしない限り、一時的に価格下落したとしてもいずれ価格は復帰することが想定できます。(これはカウンターパーティがデフォルトしないかぎり、満期には元本が償還される債券の仕組みから来る性質です。)新興国群の高成長が、新興国政府の財政に関しても明確なサポート材料になるものと思います。

今は、一時的にサブプライム問題の影響で売られ、戻りの最中であると思いますが、これからも新興国群が発展していくだろうことを信じられれば、新興国群の高金利と信用リスクスプレッドの低下のダブルの恩恵が将来も想定できるため、この一時的な下げはエントリーの良い機会なのではと、個人的に考えています。

ただ、残念なのは、上記で紹介したETFは10月発売であるところです。10月には、今のサブプライムローン問題も一通り収束していて、この資産クラスの一時的な下げ状態も、きれいに解消してしまっている可能性もあると思います。

もし、今、この資産クラスを買ってみたいとすれば、投資信託やクローズドエンドファンドが候補になると思います。私がお勧めするとすれば、たとえばこんなファンドになります。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=snapshot

必ずしも投資対象をソブリン債に限ってはいないようですが、TOP25保有銘柄を見る限り、新興国のソブリン債がポートフォリオのかなりの部分を占めているようです。ノーロードですし、90日以上保有すれば売却時にも費用はかからなそうです。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Holdings.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=portfolio

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Fees.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=fees

このファンドの最近の動きはこんな感じです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart14:symbol=premx;range=20070228,20070831;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

サブプライムローン関連で一時的に下落した信用リスク関連ビークルは他にもあり、例えば以前ご紹介したHYG(米国ハイイールド債券(低格付債券)ETF)なんかもそうです。もう、かなり底値から回復していますね。ただし、今回のサブプライムローン問題の震源地に近く、USの景気がこれからどうなっていくかに、この資産クラスの将来はかなり左右されそうですので、超長期的に考えればこの資産クラスからの信用リスクスプレッドが無リスク超過リターンを生み出してくれるだろうことはほぼ間違いないだろうと思いはしますが、新興国債券資産クラスに比べて、なかなか報われないという将来リスクは多そうだと個人的には考えています。

ただし、今のご時世、リスクを取りたいというよりは、もうこりごりだから心の平安が欲しいという人のほうが多そうです。まあ、だからこそ、このようなバーゲンセールのバーゲン度合いが魅力的で、そこで買える人が高パフォーマンスを得ることができるのでしょうが、投資のスタンスは人それぞれです。

もし、そのような、ここ最近のような事態においても心の平安が欲しい方は、上記のような新興国ソブリン債の資産クラスは不適切だと思います。間違っても手を出さないほうがよいと、個人的には考えます。やはりラストリゾートであるトレジャリー(米国国債)やIEF等のトレジャリーのETF、またいずれ出るだろう、US以外先進国国債ETFなんかがベストフィットだろうと思います。

ご参考になれば幸いです。

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