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2007年9月 2日 (日)

新商品 - 新興国債券ETF

米国のETF新商品には絶えず着目し続けているのですが、最近、私の食指が動きそうなETF新商品にはなかなかお目にかかれないですね。

やはり、投資のコアといえる分野のETFはだいたい一通りそろった感があるからかもしれません。

個人的な投資方針からすると、タイミング投資ビークルとして有益そうなものや、その有効性のエビデンスが個人的に怪しいと思うビークル等には、なかなか食指が動きません。

そういった事もあって、お勧め新商品ETFにはなかなか出会えないのですが、今日は、その中で時節柄、ちょっと気になっているETF新商品をご紹介してみようと思います。

以下のリンクをご覧ください。

http://seekingalpha.com/article/45796-new-powershares-emerging-market-etf-due-in-october

もし、私が見逃していたらごめんなさいですが、今のところ新興国の国債(ソブリン債)のETFはなかったように思います。

このタイプのアセットクラスがフィットする方は、比較的かなり限られていて、いらない人には無用の長物だと思うのですが、ある状況の方には、ぴったりニーズにフィットすると思うのです。

私が考える、このようなアセットクラスがぴったりフィットすると思う人はこんな人です。

世界の先進国株式を中心に資産ポートフォリオを組んできたが、新興国の長期的な高パフォーマンスがとても気になっている方や、新興国株式に一定のエクスポージャーを既に持っていて、これ以上新興国株式を追加するのはリスクが過大に思えて抵抗があるが、もうちょっと新興国の成長に振ったポートフォリオに味付けしてみたい方。

この新興国債券資産クラスについても、1998年の新興国の通貨危機以来、順調にパフォーマンスを上げ続けています。その要因としては、ただ単に、新興国債券が信用リスクが相対的に高水準であることを反映して、非常にクーポンレートが高いからという理由だけではなく、新興国自体が発展してきており、新興国の信用リスクスプレッド自体が縮んできていて、それが資産価格上昇の追加的要素になっていると思います。

私が今、このタイミングでこの資産クラスに注目するのは、例のサブプライム問題で、この資産クラスも一時的に下落していてお買い得だと思うからです。

新興国政府でサブプライムローンやCDOに手を出している国などあまり想定できないと思いますし、新興国企業においても、欧米企業に比べれば圧倒的にこの問題に関する影響は小さいものと推測します。

また、現在の新興国は1998年の通貨危機の教訓を得ており、非常に多額の外貨準備を有しているところが多いと認識しています。新興国政府の支払能力に不信感を抱かせる事態が起きなければ、この資産クラスのパフォーマンスが目立って悪くなることはないと想定され、また万が一そのような事態が近い将来あったとしても、新興国株式とは違って、国がデフォルトしない限り、一時的に価格下落したとしてもいずれ価格は復帰することが想定できます。(これはカウンターパーティがデフォルトしないかぎり、満期には元本が償還される債券の仕組みから来る性質です。)新興国群の高成長が、新興国政府の財政に関しても明確なサポート材料になるものと思います。

今は、一時的にサブプライム問題の影響で売られ、戻りの最中であると思いますが、これからも新興国群が発展していくだろうことを信じられれば、新興国群の高金利と信用リスクスプレッドの低下のダブルの恩恵が将来も想定できるため、この一時的な下げはエントリーの良い機会なのではと、個人的に考えています。

ただ、残念なのは、上記で紹介したETFは10月発売であるところです。10月には、今のサブプライムローン問題も一通り収束していて、この資産クラスの一時的な下げ状態も、きれいに解消してしまっている可能性もあると思います。

もし、今、この資産クラスを買ってみたいとすれば、投資信託やクローズドエンドファンドが候補になると思います。私がお勧めするとすれば、たとえばこんなファンドになります。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Snapshot.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=snapshot

必ずしも投資対象をソブリン債に限ってはいないようですが、TOP25保有銘柄を見る限り、新興国のソブリン債がポートフォリオのかなりの部分を占めているようです。ノーロードですし、90日以上保有すれば売却時にも費用はかからなそうです。

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Holdings.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=portfolio

http://quicktake.morningstar.com/FundNet/Fees.aspx?Country=USA&Symbol=PREMX&fdtab=fees

このファンドの最近の動きはこんな感じです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart14:symbol=premx;range=20070228,20070831;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

サブプライムローン関連で一時的に下落した信用リスク関連ビークルは他にもあり、例えば以前ご紹介したHYG(米国ハイイールド債券(低格付債券)ETF)なんかもそうです。もう、かなり底値から回復していますね。ただし、今回のサブプライムローン問題の震源地に近く、USの景気がこれからどうなっていくかに、この資産クラスの将来はかなり左右されそうですので、超長期的に考えればこの資産クラスからの信用リスクスプレッドが無リスク超過リターンを生み出してくれるだろうことはほぼ間違いないだろうと思いはしますが、新興国債券資産クラスに比べて、なかなか報われないという将来リスクは多そうだと個人的には考えています。

ただし、今のご時世、リスクを取りたいというよりは、もうこりごりだから心の平安が欲しいという人のほうが多そうです。まあ、だからこそ、このようなバーゲンセールのバーゲン度合いが魅力的で、そこで買える人が高パフォーマンスを得ることができるのでしょうが、投資のスタンスは人それぞれです。

もし、そのような、ここ最近のような事態においても心の平安が欲しい方は、上記のような新興国ソブリン債の資産クラスは不適切だと思います。間違っても手を出さないほうがよいと、個人的には考えます。やはりラストリゾートであるトレジャリー(米国国債)やIEF等のトレジャリーのETF、またいずれ出るだろう、US以外先進国国債ETFなんかがベストフィットだろうと思います。

ご参考になれば幸いです。

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