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2007年10月25日 (木)

大証の中国A株ETF(ETN)について(その3)

本日の日経の朝刊に表題の件に関する記事がありました。

証券会社の自己売買による買い付けが当面の間禁止

だそうです。

昨日今日、このETFに関する疑念のエントリーを書いていますが、このニュースも、個人的にヒジョーに怪しいです。

まず、「証券会社の自己売買による買い付けが当面の間禁止」されたということは、昨日以前に「証券会社の自己売買による買い付け」が実際にあったと見るべきです。

では、実際、どの証券会社が買ったのか。

普通、証券会社であれば、わざわざ大証から買わなくても、中国本土株の買える世界の事業会社からリンクノートを自由に買うことができるはずです。わざわざ、1割り増し2割り増しで買って、短期で野村の玉をぶつけられて大損したい、証券会社の自己売買部門がたくさんいるとも思えません。

そういう、普通の証券会社の自己売買部門にとって非合理な状況でも、1社だけ、合理的なケースがあると思います。

それは野村證券です。この会社だけは、いくら自己売買部門がこのETFを割高で買っても、野村グループ全体では損をしないからです。

昨日一昨日に野村證券の自己売買部門がこの中国株ETFの買いに入っていたとしたら、相場操縦といわれても仕方がないと思います。

これについても、私個人の杞憂であって、事実無根であってほしいと思っています。大証は、野村関係の自己売買部門が、この中国株ETFの売買に関与していないことを公正明大に開示してほしいと思います。

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コメント

こんばんは
あくまでも私の推測ですが。野村性善説(でも間抜け説)です。
初日の午前中に野村アセットが用意した8万口が全部売れてしまい、野村が価格調整の為に売る分が無くなってしまったんじゃないでしょうか。
2日目は、野村が売れる玉が無い事を分かっていて他社証券自己がデイトレ。
3日目は、7万口追加したので、それを使って野村が売った。って事なのかなと私は推測しました。

それから下の記事からのリンクですが、70500円ってのは基準価格がそんなものだったと思いますよ。多くの人が基準価格がいくらなのか知ってなかったってのも問題ですが。

でも結局儲かったのは野村なのは間違いないですが。数億円か十数億円の為にこんな、赤っ恥な事しないでしょ。プライドが高そうな野村が。

投稿: staygold | 2007年10月25日 (木) 22時29分

staygoldさん、いつもどうもです。

staygoldさんに限らず、おっしゃるような野村性善説(でも間抜け説)を取られる方は多いみたいですね。(コメント下さったROM人さんもそのリンク先の方もおおむねそんな感じのようです。)

でも、このポイントについても世間一般の方々が気付いていない点があると思います。

それは、「野村には、初期の買い需要よりもわざと少なく調達したくなるインセンティブが(もうひとつ)ある」ことです。

野村にとって、玉のエクスポージャーを持って市場に捌く間、玉の市場価格変動のリスクを負います。日経平均その他ETNにする必要もない指数であれば、市場やOTCで自由なヘッジを行い、比較的簡単にそのリスクをヘッジできるでしょうが、ETNとして組成しなければならないような、元々現物を束ねることが容易でないビークルだからこそ、そのリスクエクスポージャーの市場での掃け具合に応じたヘッジが難しく、また可能な場合もきわめてコスト高になると思います。

つまり、野村がみずからのリンクノート発行に見合った玉(おそらく外から調達した他社のリンクノート)の調達の仕方を、市場でのこのETF(ETN)の掃け具合に応じた連続的なものにすることは難しく、おそらくETF(ETN)が掃けるまでの、実質的に玉を自らで保有していることによる、上海市場下落のリスクを負っていると推測します。

なので、野村は間抜けだから需要を読み違え、初期の発行口数を少なめに見積もってしまったわけではなく、上記のリスクを踏まえて、間違ってもディスカウント状態にならず、かつ瞬時に玉が掃けて長期の上海株リスクエクスポージャーを抱え続けることがないように、念には念をいれて、わざと計算して少な目の発行口数にセットした可能性が高いと思います。

それでも、結果的に供給超過になってしまう可能性もありますが、そのときは、このエントリーで書いた野村の自己売買部門の出番となり得ます。自己売買部門が買い上げて品薄にすることによって、上海株が下げ続けているようなときでもプレミアム状態を作って、野村の調達価格よりも低い価格で捌けてしまうことを回避することが、野村グループにとっては可能です。

ここにもETNの発行体と購入者の真っ向反対となる利害相反があります。野村が自分の損をとことん回避しようとするために、ぼろもうけが必至の、需要に圧倒的に不足する口数しかものを設定せず、結果的にETN購入者が(確率的に)大きな損を被る図式です。

これにも、もしかしたら取引所がETFとETNの違いとそれがもたらすかもしれない潜在的問題をきちんと洗い出して有効な対策を事前に採っておこうという態度でいないせいもあるのではないかと推測します。

いずれにせよ、ETFと違った利害相反が存在し得るETNの問題点が如実に噴出したものと思います。もしかしたらETNをETFと言い張って売ろうとする証券業界と取引所が、この問題の大元の根っこなのかもしれないと、私は考えています。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2007年10月26日 (金) 06時05分

staygoldさん、以下のコメントの件、追加します。

>それから下の記事からのリンクですが、70500円ってのは基準価格がそんなものだったと思いますよ。多くの人が基準価格がいくらなのか知ってなかったってのも問題ですが。

23日の朝の基準価格(NAV)はこのサイトを見ればわかります。

http://www.ose.or.jp/frame.html?news/0710/071023b.shtml

取引開始前で、66,709.71円、11時時点で、67,130.69円となっています。

(その2)で引用させていただいたサイトでは、取引開始直後の野村の売り指値の最低値は70,500円であることがわかります。

http://blog.goo.ne.jp/takashi31415/e/3197c0bcd24d8d30083af1a30d7278ed

そして、この同じサイトで、指値をした投資家の最高値は67,100円です。つまり、9時から9時15分の間で指値をした投資家はみな、NAVの水準を知って、妥当な価格を指していただろうことがわかります。つまり、この時刻には野村が不当な高値を吹っかけていたのがわかります。

そして、以下のニュース情報で、実際に寄り付いた価格も70,500円であって、寄り付いた時刻は10時10分だったことがわかります。なんと10時10分まで、野村は約5%ものプレミアム価格を吹っかけ続け、また1時間10分もの間、そのクレイジー価格に飛びついた愚か者の投資家はただの1人もいなかっただろうことがわかります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071026-00000001-jct-bus_all

世間一般の知覚とまるで違った姿がここにあります。もう一度書きますが、1時間10分もの間、野村の吹っかけ価格に飛びついた愚か者は、ただの1人もいなかったこと、おそらくは野村は1時間10分の間、吹っかけ価格の70,500円の最低指値を下げなかっただろうことは、一般のイメージとまるで異なるはずです。愚かな投資家がいくらでも良いから欲しいと買いあさっている姿はそこには見えません。吹っかける野村に対して、そんなばかげた価格では買えないと、1時間以上もNoを突きつけ続けた姿が、状況証拠からは推測できるのです。

ここで、野村がなぜ70,500円という価格にこだわったのか推測してみます。

この中途半端に切りの良い数字は何を意味するのでしょうか?なぜ、70,000円ではだめだったのでしょうか。

なんらかの心理的、物理的なアンカリングがあった可能性が高いと思います。おそらくは、野村のリンクノート発行ポジションのヘッジのために事前に調達した、外部の会社のリンクノートの調達平均価格が70,000円と70,500円の間だったのではないでしょうか。

すなわち、野村アセットのETF売却担当者は、その平均調達価格以上で、すべての玉を出来るだけ早く売りさばくことが至上命題だった可能性が高いと思います。そうであるからこそ、実際に寄り付くまで、指値最低値を頑として下げていかなかったのだろうと思います。

もしそうだとすると、この担当者は、1時間10分もの間、だれ一人として食いつく愚か者の投資家がおらず、じりじりしていたのではないでしょうか。1時間以上の間、誰一人として食いついてくれず、相手にされないのは、短時間でかつ一定価格以上ですべて捌くことが仕事として課せられたものにとって、とてもつらいことだったと思います。

そのこう着状態がどのように破られたのかはわかりません。ただ、上のエントリーでは、このこう着状態を破り、今まで、非合理な価格にNoを突きつけていた集団が、我先に高値を買いに行く状態になるためには、何らかの発火装置の役目をした存在がいる可能性があるのではと疑っています。
つまり、最初に価格を寄り付かせ、上昇トレンドを演出するために、ちょうちんがつくまで、売り玉を下から順に買い上げた存在がいるのではないかと思っています。

一定価格以上で、短時間で全ての玉を捌きたいと切実に願っていて、それができなくてじりじりしていたのは誰でしょうか。
だから、野村の自己売買部門がこのETFの売買に関与していないことを開示して欲しいわけです。

正直、状況証拠からは、怪しさ満点だと思います。少なくとも純朴で間抜けな証券会社の姿はまるで見えてきません。

だから、このようなエントリーを書いたわけなのです。

とまあ、こういうことで、ご参考まで。

投稿: VMax | 2007年10月26日 (金) 21時26分

丁寧な解説ありがとうございました。

余らないように、確実に売り切れるような口数しか用意しなかったという考えには、強く納得です。参考になりました。

投稿: staygold | 2007年10月26日 (金) 23時28分

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