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2007年10月14日 (日)

ETFの上場廃止について

表題の件につき、ことさらにETFの上場廃止について懸念を表明する方々が様々な方面の有名な方々を含め存在し、当方も、このブログだけでなく、他の掲示板においても議論を交わしたりして、この点についてのバランスの取れた見方をすることを主張してきました。

つい先日も、下記エントリーのコメントで、その話題が持ち上がり、当方の見方、考え方を書かせていただいています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/etf_a655.html#comments

最近、当ブログにも時々コメントを下さる水瀬ケンイチさんが、楽天証券に突撃取材をされたようで、その様子をブログエントリーでご紹介下さっています。その中で、このETFの上場廃止に関する点について、楽天証券とやりとりされた内容が含まれています。

http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-577.html#more

このやりとりを読んで、あらためて安心された方もいらっしゃるのではないでしょうか。(水瀬さん、ありがとうございます。)

識者や有名な方を含め、ETFとクローズドエンドファンドや投資信託との類似性や、何が異なるかというポイントを整理することなく、ことさらにETFの危険性を喧伝する場面をあちこちで見続けてきました。しかしながら、当方は、証券会社にお金を置いておく信用リスク、投資信託にお金を預けていることの信用リスクに対して何も指摘しない一方で、ETFの信用リスクをことさらに喧伝する、その異常なバランス感覚にものすごい違和感を感じ、ETFの信用リスクについて、もっとバランスの取れた見方をすべきだと主張してきました。

このETFとクローズドエンドファンドや投資信託の関係についても、当ブログの下記のエントリーを読んでいただくと、よく理解できると思います。(このエントリーは以前もご紹介したので、継続して当ブログを読んでくださっている方は、すでに読まれている内容だと思いますが)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/etfetnno_3c5e.html

ETFもクローズドエンドファンドも一般の投資信託も、その価値を支える実物資産が、法的に守られた区分管理された資産として、信託銀行に存在していること、そのような、販売者とも運用者とも異なる第三者の受託会社が資産管理することで、その安全性を法的にも物理的にも確保するしくみになっていること、このポイントはETF、クローズドエンドファンド、一般の投資信託の3者で全て同じことを理解し、押さえておく必要が、この話を語るときには欠かせません。

この間の長寿投信に関するニュースでは、日本の日本株式ファンド(投資信託)だけでも、過去1000個のファンドが償還を経験していることが、確か書かれていました。また、当方はそのデータを把握していませんが、日本や米国等の過去を参照すれば、クローズドエンドファンドの上場廃止や償還の歴史事例も必ずあると思います。

ETFの上場廃止も、信託銀行にある実物資産価値を、各投資家に返還するプロセスであって、その本質は、クローズドエンドファンドの上場廃止や一般の投資信託の償還と何ら変わりません。これらの、山ほど存在しているだろう先例で、お金が戻らないだとか、大きな穴が開いただとかという過去事例が溢れかえっているわけでもなんでもないのに、その先例と本質的に同種であるETFの上場廃止時のリスクをことさらに強調することは、著しくバランスを欠き、読む方を不必要に怖がらせ、言われ無き理由で優れた運用ビークルの足を引っ張ることに結果的につながってしまっていると、私は考えています。

多くの方が、その構造を正確に理解し、安心して優れたビークルを利用していただくような世の中になって欲しいと、心から願っています。

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コメント

山一證券が自主廃業したときも投信の償還は全額行われましたよね。信託財産留保額が設定されていたファンドは償還まで持ってた場合は逆に儲かったという話もあります。
 投信ではありませんが、最近の取り付け騒ぎだと以下のような話もあるみたいで。
http://www.usfl.com/Daily/News/07/10/1001_017.asp?id=55450

あわてて解約したら手数料を損するだけのようです。

投稿: まひわり | 2007年10月14日 (日) 23時29分

以前カン・チュンドさんのブログで紹介されていた
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-218.html
iShares MSCI China Tracker が、先週くらいから株価が見られなくなって、現在ではYahoo香港とか、日本のサーチナ
http://stock.searchina.ne.jp/
で探しても見つかりません。
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/product/pr08_china_03_etf.html
の2801です。

運用会社のバークレイズも損失懸念とかあるのですが、関係あるのでしょうか。
持っていれば証券会社から何か連絡があるでしょうから、どんな経緯をたどるのか分かったのですが、残念ながら(?)持っていないので…

もし上場廃止になった場合、NAV相当額が現金で支払われても、楽天だと強制円転されるのでちょっと困ります。
すぐさま他のETFを買ったとしても両替が2回と売買手数料がかかりますから。

実際にはどんなことが起こるのかを知る、良い事例になるかもしれません。

投稿: COLE | 2007年11月10日 (土) 23時08分

すみません、ETF自身の株式分割で一時的に売買できなかっただけみたいです。
分割後も一時は株価が見られたこと、そもそも分割で売買できない時期があること自体困りものですが、上場廃止よりはマシです。

投稿: COLE | 2007年11月14日 (水) 20時58分

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