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2007年12月11日 (火)

MSCIコクサイ連動ETFについて思うこと

米バークレーズがMSCIコクサイ株式指数に連動するETFをUSで上場し、楽天証券でさっそくこのETFの取扱いを開始するようです。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20071211_01_us_01.html

すでに様々なブログ等で取り上げられているようなので、個人的な感想を中心に書いてみようと思います。

これで、日本の投資信託会社の海外株式インデックスファンドも、おそらく海外株式アクティブファンドも、役目を終えた気がします。

日本の投資信託会社も、海外株式インデックスファンドを自前で運用するよりも、ファンド内でこのTOKというETFを買った方が、パフォーマンスもコストも断然よいかもしれません。(カストディコスト等も含めた総合的判断での話です。信託報酬のみがコストではないことにご注意ください。)

以前の当ブログでの以下のエントリーを参照していただくと、そのことがよくわかると思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5273.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_16aa.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/usetf_b23b.html

個人的に、このような日本人の自然なニーズ、すなわち、『15年以上も低迷し続けるお粗末な国内株式市場だけでなく、海外の市場に投資して、効果的な分散投資機会を手にしたい。ついては、日本株を除く世界株式市場に安価で効率的にアクセスしたい。(上記のブログで触れているように、世界の株式市場への投資の実質リターンが大きく毀損するような、お粗末なビークルではなく、もっとちゃんと世界株式市場のリターンをきれいに獲得できるビークルが欲しい。)』といった、ごくまっとうなニーズに応えたのが、日本の大手証券会社組成の日本株式市場への上場ビークルではなく、米国の企業が組成し米国市場へ上場するビークルであることに、驚きを感じ、また何か重大なものを感じます。

私は、バークレーズや日本の証券取引所等の細かな事情は全く知りませんが、日本人が世界に投資したいというときに、日本人固有の、また日本人の特殊なニーズ、かゆいところに手が届く商品を用意した企業と市場が、日本ではなく、米国であったのです。

市場の方を向いておらず、市場のニーズに応えようとしない業界やマーケットは、衰退の一途をたどると思います。

これからも、米国企業と米国市場が、日本の1500兆円の個人金融資産が発展、増大していくためのニーズをかなえ続け、日本の大手証券会社や証券取引所は、硬直化して既得利益温存に汲々としている間に、米国企業と米国市場に日本マーケットをかっさらわれて、気付いたら日本の証券取引所も日本の大手証券会社も、日本人にとって必要のない存在になってしまいかねないと思います。(これも、まさに、日本の投資家のジャパンパッシングかもしれません。)

果たして、日本の金融市場関係者は、このニュースを見て、その可能性に戦慄を覚えているのか、それともゆっくりと茹でられるカエルのように何も感じないのか。もし後者ならば、日本の証券業界にもう将来はないかもしれません。

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コメント

初めまして。

まさしく、仰るとおりです。世界第二位のGNPを持ち、外貨準備高も世界でトップクラス、1500兆円にも上る個人資産など、名実共にアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国である日本の金融って、どうしてこうも愚かで間抜けでアホなんでしょうか?
東京市場の地位なんて国際的には無いに等しいし、これからは、発展途上国にも抜かれていくでしょう。自業自得です。その巻き終えに遭う我々はたまったものでは有りませんが。

銀行の本業の利益が上がらないという記事がありましたが、それもそのはずです。顧客の事を全く考えていないのですから。証券会社も同じです。
考えているのは、如何に個人からぼったくるか?と言う事のみ。

どんな商売でも顧客の事を考えない企業がたどる末路は同じだと思います。

投稿: LEOPARD | 2007年12月11日 (火) 21時10分

LEOPARDさん、コメントありがとうございます。

このエントリーを書いているときに、「ああ、自分は前々からジャパンパッシングな投資家だったのだなあ。」と思ってしまいました。

日本の金融業界がどんなに時代から取り残されても、我々はたくましく生き残らなくてはいけませんね。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2007年12月11日 (火) 23時34分

これはいいものが出ましたね。

どう考えても日本人向け商品ですし、さらに50ドルとありますからその単位で買えるなら便利なETFですね。もし機関投資家需要と日本中からインデックス投資家をかき集めれば上場維持ができる取引量が見込めるかもしれません。もし国内で取引できるならすごく便利なものになると思います。

少し話がずれますが、僕が投資を始めて半年後に外債ファンドのノーロードが始まりました。さらに半年から一年後にはインデックス型のバランスファンドが出ました。そのまたすぐにネット証券で海外ETFが出ました。その後すぐに債券ETFも扱われました。最近ではノーロードの日本基準では安いインデックスファンドも増えました。(じりじり安くなってきてる)そして今回のこれです。

本当に競争が激しさを増していき確実に投資環境がよくなってきているのを感じます。このETFが国内で成功すれば一気に対抗商品が出るでしょうからまた一歩先に進めます。投資を始めてまだ2年ですが本当にいい時代になったものですw

投稿: ROM人 | 2007年12月12日 (水) 01時08分

ROM人さん、いつもどうもです。

このETFのちまたでの評判も、すこぶる良いようですね。さもありなんという感じです。

本当にすごいのは、世界に投資する際には、世界市場にアクセスするための世界じゅうの関連会社組織体制や、規模の利益を最大限追求可能な企業資産と組織、外部リレーション、そして世界最大の流動性を誇るUS市場にしっかりと根を下ろしていることの優位性等といった要素が大きく影響すると思われ、そういった観点でまさに最強の企業が、日本人のためのコクサイETFを作ってくれたということです。この総合力は、カストディコスト等を激減させ、運用パフォーマンスと運用コストを如実に向上させるであろうことは、想像に難くありません。

日本人にとって、まさに野村も日興も逆立ちしてもかなわない、ファイナルアンサー的なETFになる可能性があると思います。

USのETF市場を見てもわかるとおり、インデックス運用の大家であるバンガードも、USETFの世界では大きく後塵を拝しています。ETFの市場も他のマーケティングと同じく、本流のETFを誰よりも早く押さえてマーケットの大半の資金をいち早く獲得することが、その市場で勝者となる秘訣だと思います。

後出しでよりお粗末な質のものしかだせない日本の大手証券会社は、マーケティング的に言って、もう日本のETFマーケットでの勝ち目はない可能性が高いと思います。

日本の証券取引所も同じだと思います。日本の証券取引所にいつ上場されるかわからないETFを待つよりも、ベストソリューションのバークレーズETFを楽天で買うほうが良いという流れがいったん日本マーケットで醸成されたら、その流れを後からひっくり返すのはとても難しいことだと思います。(たぶん、バークレーズの円建てETFを上場させるしか、道はないかもしれません。)

日本の大手証券会社も日本の証券取引所も、ニッチでマイナーなETFにしか実質的な参入余地がなく、高確率でお寒い将来が待っています。

こういうことを予見できずに、足元の既得利益温存に走る日本の業界の愚かさは特筆物だと思います。同じカテゴリーで、バークレーズのコクサイETFに勝てるファンドなどインデックス、アクティブ含めて日本にはおそらく殆どありはしないのですから、この分野、すべてバークレーズにかっさらわれてもおかしくないと思います。

愚かな日本勢と比べて、USETF市場を見事に押さえたバークレーズが、日本のETF市場もまことに美しいマーケティング戦略で、きれいにマーケットの大半を押さえるための布石を繰り出しているところが、とても秀逸だと思います。

正直、ほれぼれする戦略です。

この辺も、USの金融界と日本のそれの果てしなく埋めがたい差を感じます。

投稿: VMax | 2007年12月12日 (水) 20時16分

世界的な株価が小康状態になっている現在、Eトレで世界株ポートフォリオを構築しようとIVV、EFAの購入を検討していたのですが、いろいろなブログをみてまわるうちにTOKを購入しようと決めました。(私は日本パッシング派;)
流動性云々を言い出せばきりがないですが、日本人のために用意してもらったようなETFを日本人が購入しなくてどうする!という応援の意味も込めて数百万程度しか買えませんが購入を決意しました。
それに、流動性に関して日本のiSharesサイトに、出来高が少なくても流動性が確保できるという説明資料がアップされていまして、それをみてやはり応援したくなったのでした。
目に見えない流動性 [PDF 692 KB]
http://www.ishares.co.jp/product/pdf/hidden_liquidity_092507.pdf
別にバークレイズの回し者でもなんでもないのですが、TOKを盛り上げていきたいなと思います。

投稿: nav | 2008年3月23日 (日) 16時12分

navさん、コメントどうもです。

参照いただいたリンクについてもありがとうございました。

当方、完全に理解できたかどうか怪しいですが、ETFであるが故の、ETFの既存玉を持っている人から買うだけではなく、市場から組成して生成される証券が追加の流動性となるので、見えている出来高のみが流動性の源泉ではなく、そのETFの対象とする元市場が大きく流動性が高いほど、そのETFは追加のぶ厚い流動性を持っているという風に私は理解しました。

この点、その通りですね。勉強になりました。

ありがとうございます。

私も、いつまでも日本の投資家をばかにしたようなETFしか出さない日本の証券会社と証券取引所よりも、日本の投資家のかゆいところに手が届くETFを率先して出すバークレーズを応援したいです。

今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: VMax | 2008年3月23日 (日) 18時16分

お返事ありがとうございます。
ひとつわがままな要望ですが、よかったらブログ左のおすすめETFにTOKを入れていただけませんかね。インデックス自体は今おすすめされているETF群に勝るとも劣らないと思いますので・・・。

これからもためになるブログがんばってください!

投稿: nav | 2008年3月23日 (日) 19時12分

navさん、お勧めETFにTOKを加えておきました。

1人でも多くの日本の投資家の方々が合理的な投資ビークルを選んで、より良い投資環境になっていって欲しいですね。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2008年3月23日 (日) 19時57分

おお、早速の追加ありがとうございます!
ところでご存知かもしれませんがiShareのETFは日本語の解説サイトもありますのでご参考までに。(各商品名から詳細説明へリンクしています)
http://www.ishares.co.jp/product/index.html
TOKは以下です。
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/tok.html

投稿: nav | 2008年3月23日 (日) 20時40分

こんばんは、古琳斗です。少し古いメッセージなのですが、コメントをさせて下さいませ。

私は今、FX 35%、株式ファンド 35%、金 15%、残り流動資産というポートフォリオで運用しております。それで今、株式ファンドの部分を徐々に ETF に置き換えている所です。

気長に待っていれば東証にお目当ての海外 ETF が上場されるのかも知れませんが、日本の証券会社にとっては手数料減というマイナス面があるため、上場されるにしても「牛歩のようなペースになるのでは?」と思っています。それで、楽天証券(と来月以降のマネックス証券?)を使って移行しようとしています。

巷では SPY+EFA+EEM まはた TOK+EEM という組み合わせに人気が集まりつつあるように見受けられます。ただ、あまりシンプルすぎるのもつまらないので、私は両者を組み合わせ、さらに SPY の部分を分解して、IVV(S&P500) + IJH(MidCap400) + IJR(SmallCap600) という風にするといいかなぁ、などなど、いろんな組み合わせを考えて楽しんでいます。

カン・チュンドさんが「ETFを使ったパッシブ運用とは、実は退屈なのですよ」とおっしゃっていましたが、確かに、そんな所がありますね。でも、そんな中でも、ガーデニングで植える花を考えるが如く、ポートフォリオのデザインをし、円グラフにしてそれを眺めるのも、また楽しいように感じております。

投稿: 古琳斗 | 2008年5月26日 (月) 23時01分

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