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2007年12月15日 (土)

証券優遇税制の行方(その2)

既に皆さんご存知のことだと思いますが、証券税制の行方はだいぶしょぼい方向で決まりそうですね。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071212AT3S1200C12122007.html

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-29328620071212?feedType=RSS&feedName=topNews

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071213-00000133-mai-bus_all

記事にもあるとおり、配当の優遇税率が100万円上限で、超えると申告ということにしばらくはなりそうですので、グロソブ等に何千万円も投資している人は、来年中に一部処分する動きが顕著になりそうですね。

こりゃ、また銀行に逆風ですね。金融証券取引法の適用以来、販売時の説明負担が軽い毎月分配型の海外債券ファンドに、投資信託の販売が逆戻りしているらしいですから。

金融証券取引法で、銀行の世界分散のバランスファンドの販売にブレーキがかかり、来年は毎月分配型ファンドからの資金流出の嵐となる可能性が想定されます。銀行は、来年は何を投資信託販売の柱とするのでしょうか。説明が簡単で、かつ怪しくない商品と言えば、個人的には個人向け国債くらいしか思いつきません。この新しい制約条件を踏まえて、業界はどんな新しい手数料稼ぎの道具を発明するのか、来年の投資信託業界、銀行業界の展開が楽しみですね。

税金の申告も、慣れればなんてことないんですけどね。当方にとっては、毎年の恒例行事です。

今年は、長年保有していた香港市場中国株とおさらばして、含み益を実現させてしまったのですが、今年はことのほか市場波乱の回数が多かったので、暴落時に最近投資したビークルの含み損をいったん実現させて買い戻すことにより、十分な損を稼ぐことができました。そのおかげで、今年は、キャピタルゲイン税はゼロに近くなりそうです。(IBは売買手数料1ドルですので、こういうケースでは本当に重宝します。)

例によって今年も、海外口座の配当とキャピタルゲインディストリビューションを配当所得として総合課税申告することになります。

ポートフォリオからの配当収入だけでも、結構な収入金額となってきており、必要最低限の年間生活費にかなり近づいてきているので、さらに、市場の下落に対して個人的に何の意味も感じなくなってきています。

投資先の企業群がきちんと利益を稼いで、配当で分配してくれている限り、株式市場でその企業がどんな価格で寄り付いているか、ミスターマーケットがどんなヒステリックな安値で売り叩いているかなど、何の意味も無いという気持ちになってきます。別に市場で売却しなくても、配当還元で企業群の利益獲得の恩恵を得つづければよいのですから。これが、いわゆる長期分散投資の境地なのかなと思います。

こうやって、市場の過度の悲観楽観に踊らされずにいれば、高値で飛びつき買いして、安値で売り叩くことも回避でき、長期の投資パフォーマンスが向上することが期待できます。

これもまた、オーバーセルフコンフィデンスなのかもしれませんが、長期投資の要諦が自分の腹に落ちた気がしています。

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コメント

今回の裁定は毎月分配でなければそんなに影響ないよねと思い個人的にはほっとしてますw(投信はETFだけなので)僕の年ではあの課税額は中々届きそうにないですから。

まあ市場は混乱状態ですが、地味に落ちてるものを拾おうと思ってます。

投稿: ROM人 | 2007年12月17日 (月) 00時28分

ROM人さん、どうもです。

なかなかいい具合に(ヒステリックに)、市場が下がってきていますね。

私も、先月末で予定納税を支払い終えて、税金支払いのピークも過ぎましたので、今月は投資資金もあり、良いものを安く買えるんじゃないかと楽しみに見ています。

それでは、良いお買い物を。

投稿: VMax | 2007年12月17日 (月) 22時39分

はじめまして、いつも楽しく拝見しております。一つ質問があるのですがいいでしょうか?
ブログ上、海外のETFの話題を取り上げていますが
「ポートフォリオからの配当収入」は海外のETFからあるのでしょうか?私は今楽天証券で海外のETFを買っていますが、初心者でよくわかりません。
海外ETF以外の商品での配当収入なのでしょうか?
もしそうであればどんなものか参考に教えてください。ついでに利回りもわかれば教えてください。よろしくお願いします。

投稿: かつお | 2007年12月17日 (月) 23時22分

かつおさんはじめまして。

ETFにも一般的にいって配当はありますよ。(WisdomTreeのUS除くETFのように、分配実績のないETFも若干ながらあるようですが、こちらの方が例外です。)

例えば、以下のサイトでEFAはここ最近、年末に分配していることがわかります。
(Distribution Historyのところをご覧ください。)

http://www.etfconnect.com/select/fundpages/etf_funds.asp?MFID=76693

EFAを持たれていれば、きっと今年も、年末に配当支払いがありますよ。

配当率も計算すれば出てきますが、YahooのこのサイトのYieldのところを見ていただければ、載っています。

http://finance.yahoo.com/q?s=EFA

もっとも、私はETFだけでなく、投資信託も、CEF(Closed End Fund:上場投資信託)も持っていますが。

ご参考になれば、幸いです。

投稿: VMax | 2007年12月18日 (火) 00時21分

しょぼい内容ですけど、仕方ないですよね。
トップは金持ちばっかで、株式やるほど賢くない人が多数派かと・・・あるいは、自分の出した法案の意味を分かってなかったり(笑)

投稿: ケングリフィー | 2007年12月18日 (火) 08時29分

ケングリフィーさん、いつもどうもです。

日本の政治家の場合は、「株式など持っておらず、手を出したことも無いクリーンな政治家です。」などと、とんちんかんなことをいいかねない政治家が少なくない気がします。

正直、日本の将来を考えたら、こんな政治家にこれからの日本の舵取りをさせたら、致命傷だと思います。

日本は世界で真っ先に超高齢化社会に突入しているのですから、体力とほとばしるハングリーさによるエネルギーで勝負すべきじゃなく、知恵と資本力で勝負すべきだと思います。
この環境、状況で、「汗水たらして得た利益でなければ、尊くない。」などといった価値観をもっていたら、国が持ちません。
資本主義世界に生きている我々が、資本提供して元ナマをリスクを晒す投資家がそれに見合った相応のリターンを得ることを否定したら、まさに自己否定になると思います。

まあ、こんなことをここでぼやいていてもしょうがないので、政治家にいっしょに地獄に連れて行かれないように自助努力に励みましょう。

それでは、今後ともよろしくお願いします。

投稿: VMax | 2007年12月18日 (火) 21時18分

VMax さん、ご回答ありがとうございます。
とても分かりやすかったです。
でも配当で1%、1.5%とかですと
1億円あっても年間に100万円、150万円ですよね。私も配当だけで年間1000万円くらいは欲しいです・・・
話は変わりますが、ここ最近のダウの下げを見ていると海外ETFを売りたくなるのですが、我慢なんですよね?今後もまだ下げると思うと一度売却して様子を見て買いなおそうかと思うのですがいかがでしょうか?
それとも買い増しの時期なのでしょうか?
よろしくお願いします。

投稿: かつお | 2007年12月20日 (木) 00時11分

かつおさん、どうもです。

市場を見ていると、市場が下げて調子の悪いときにいったん売っておいて、調子が良くなったらまた買っておくことによって、運用成果を改善したい気になりがちです。

でも、この発想、気をつけてください。これができるということは、自分は、市場が上げるときと下げるときを偶然より高い確率で当てることができると考えていることを意味します。

このゲームをやると、半数の人は、市場のベンチマークリターンに劣り、半数の人はベンチマークリターンに勝ります。なぜなら、全体のパフォーマンスは市場のパフォーマンスに一致するはずですから。

実際は、手数料を払ってポジションをばたばたさせることになりますから、証券会社が手数料収入で余計に儲かる分、投資家全体は損して市場パフォーマンスに劣ることになります。

要は市場の調子の悪そうなときに抜けて、調子が良くなったら戻ってこようとするゲームは、ポジション調整コストを含めて考えれば、マイナスサムゲームであり、こういうゲームをやろうとする人のパフォーマンスを平均すると、ベンチマークに負けてしまうことは論理的に明らかです。

この意味で、プラスサムの株式投資に、マイナスサムのパチンコや宝くじの要素を加えることになります。

自身が、株式市場の明日の変動が読める、ごく一部の選ばれた特異な才能の持ち主でない限りは、上記のようなテラ銭付の丁半ばくちゲームには踏み込まない方が得策です。

実際、数多くの書籍で書かれていることですが、市場が特別大きな上昇を示すのは、市場が開いている日のうちの極少数の日であって、その日を逃すと、株式市場のリターンは年率数パーセントといった、ごく小さなリターンしか得られないといったことが、統計上判明しています。

人間心理からいっても、株式市場が不調に見えるときに撤退して、株式市場が好調になったと思えるときに参入していては、典型的な高値買い、安値売りになる可能性大ですから、長期パフォーマンスは劇的に損なわれてしまう危険性大です。

上記のような衝動に襲われた場合は、株式市場のリスクは負うがリターンは捨てる、危険なゲームに参入することになっていないか、自身で十分検討されることをお勧めします。

逆に、こんなときに買い増しすべきか否かですが、これはいろいろなやり方があって、どれが特別良いということもないと思います。

下落に備えて資金準備していると、市場がどんどん上がってしまって耐えられなくなり、結局とても高いところで買ってしまう羽目になることもあります。

結局、個人的には、超長期で考えれば、どうやっても大して差はないと思っていて、ただ資金が出来たときにさっさと買うように、私はしています。

市場が下落したときに、無理してたくさん買いすぎるのも、個人的にはやっていません。しょせん人間のやることですから、普通の人間に相場の天底を当てることなど不可能です。無理せず、できることを淡々とやっていくのがよいと思います。

株式の無リスクリターンを超過するリターンの源泉はリスクテイクの見返りという性質を持ちます。リスクがあるときに、そのお金をリスクに晒さずに、リターンだけ得ようというのは、結構虫のよい考え方で、そういう考え方は、資本市場ではなかなか通用しないのが一般的です。(上記のように、そういう人間一般の行動は、逆にリスクだけ取ってリターンを失う結果につながりがちです。)

つまり、特殊な能力の持ち主でない限り、市場からの長期リターンの大きさは、市場でリスクを取った量と期間に比例することになります。
リスクを取る期間を短くしたいときは、平均的にはリターンもそれに比例して下がる可能性が高いことを覚悟しておいたほうが無難だと思います。

こんなところですが、ご参考になりましたら幸いです。

投稿: VMax | 2007年12月20日 (木) 06時44分

VMax さんへ
非常に分かりやすく、すばらしいご回答ありがとうございます。色々な投資の本を凝縮しプラスαな文章でした。とても安心しました。本当にありがとうございます。
また、分からないときは宜しくお願いします。

投稿: かつお | 2007年12月25日 (火) 08時54分

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