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2008年1月24日 (木)

元本保証相次ぎ外れる

23日の日経新聞朝刊の記事です。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080123AT2C2203I22012008.html

いわゆるデリバティブ内包型の投資信託で、ある一定条件を満たした場合に、高金利と元本の保証が同時に得られるタイプの商品です。通常は、日経平均等の有名な指数の動きにしたがってペイオフが決まる形になっています。

典型的なのが、日経平均といった指定する参照指数が、特定期間中一度も30%等の一定率以上下がらなかった場合に、高金利と償還時の元本償還を保証するタイプだと思います。

たぶん、目を見張る高金利に釣られて買うパターンが多いのではと思います。でもその高金利は、通常、オプションの売りポジションのプレミアムであることが理解できている買い手は一体どれだけいるでしょうか?

上記記事のように、参照する日経平均が期間中一度でも大きく下がってしまうと、償還時の元本保証が外れ、通常はいわゆるプットオプションの売りポジションになって、あろうことか、期間中の日経平均指数の下げの損失だけをまるまる引き受けなければならなくなります。(指数の上げの利益はもらえないのに!)

見かけ上の高金利は、このような不利な状況になって大きな損失を出す可能性を引き受ける対価(オプション料)なのです。

しかし、この手の商品が出回りだすと、その後決まって日経平均が大きく下落して元本保証が外れるプライスにヒットしてしまうことが多いように思うのですが、気のせいでしょうか。

否、たぶん、直近の何年もの間、非常に日本株が良い時代が続き、30%等の下落が現実に起こり得るのものと思えなくなっている状況で、このような商品が良く売れる素地ができあがり、それに乗じて金融機関がこの手の商品をはめ込んで手数料収入を荒稼ぎして、その後、日本株不調の時代がやってきて、多くのお客が見事にはまるという典型的なパターンが、幾度と無く繰り返されているように思えてなりません。

プットオプションの売りはロングポジションの一種ですが、以前も書いたとおり、このような金融機関が個人のための商品で組成するデリバティブは、圧倒的に個人に不利なように出来ているのが通常です。この手の商品は自分でちゃんと計算したことはないですが、当方が知っている事例から推測して、おそらく理論的に得られるべきオプション料の3分の2以下くらいしか貰えていないケースがほとんどだろうと思います。(購入者にとっては、明示的に徴収される手数料のほかに、そのような差分が、実質的な追加手数料になっているわけです。)

ここでも、「金融商品は複雑な商品ほど不利な商品であるケースが多い」とか「バックミラー投資行動の罠」のような教訓が得られます。

しかし、相変わらずの焼き畑農業系のビジネスですね。「はめられた!」と後から地団太踏むことにならないように、いかにもおいしそうな金融商品を見たら、「世の中にはフリーランチはない」という至極真っ当な言葉を思い出し、その落とし穴を調べるか、あるいはそのような商品は全て怪しい商品として、はなっから近づかないことをお勧めします。

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コメント

リターンは限定されていてリスクは無限大と言うのがこういう商品の特徴ですからね。

もしリスクを取る時は直接リスクを取る方が安全だと言うことはもっと知られた方がいいと思います。

投稿: ROM人 | 2008年1月24日 (木) 01時13分

ROM人さん、どうもです。

私も、情報格差のある金融機関からオプションを買って、不利なポジションを持つくらいなら、伝統的な資産でリスクポートフォリオをきちんと構築する方が断然良いと思います。

ほんと、「世の中にフリーランチがない」ことを義務教育で教えるべきだと思っています。

投稿: VMax | 2008年1月24日 (木) 21時29分

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