世界のETF市場拡大
世界のETFはその数、預かり資産ともに、どんどん拡大しているようです。
http://seekingalpha.com/article/63978-impressive-global-etf-growth-continues?source=feed
この記事によると、2007年現在、世界のETFの時価総額は7966億ドル(80兆円超)、前年より41%増加とのことです。その本数も前年より64%増加しているようです。
その内訳は、コモディティETF等は87%アップの63億ドル、債券その他等の固定金利物ETFは約68%アップの599億ドル、株式ETF等が39%アップの7302億ドルとのことです。
ETN等の市場も拡大しており、63%アップの458億ドルとのことです。
世界市場の国ごとのETF市場規模は以下の通りとなっています。
国 資産総額 ETF本数 対前年増加率 資産総額比率 予定増加本数
米国 5807億ドル 601 43% 73% 400
欧州 1283億ドル 1041 43% 16% 90
日本 342億ドル 16 微減 4% ?
カナダ 177億ドル 47 50% 2% 16
記事から判断するに、日本市場のETF市場の立ち遅れが目立ちます。資産規模の対前年成長率を見ても、2007年に2本しか追加されなかった増加本数を見ても、日本市場のETF発展の立ち遅れの状況は明白です。このまま行くと、あと数年でカナダにも抜かれてしまいそうです。
コモディティ等のマイナーETFに拘泥していると、あっと言う間に、日本市場はETF投資を考えたときには使い物にならない市場になってしまうと思います。
もともと、ホームアセットのみでは、世界の投資案件を幅広くカバーするETFラインナップになりようがなく、時価総額上位の米国やヨーロッパに投資するETFを、米国や欧州のホームグラウンドプレーヤーよりうまく組成して魅力的なものにすることなど、はなっから無理っぽい気がします。既に預かり資産総額で、世界のプレーヤーに対して天文学的な差をつけられていますし、今からがんばったとしても、効率性でどうやっても追いつけないと思います。
そうであれば、米国や欧州のメインプレイヤーを招いて、円建ての世界の市場に投資するETFを組成してもらい、日本市場に上場してもらうしかないのではないでしょうか。
しかしながら、これは日本の証券業界にとって既得利益を失う方向なので、これからも遅々として進まず、楽天やイートレード等、世界で最も進化した米国市場ETFをつなぐインターネット証券会社の商売の土壌は維持、拡大し続けるのではと予想します。
ETFは投資信託に対して、どう考えても、より進化したビークルのように私には思えます。投資信託市場に存在する既得利益に拘泥する側の会社は、茹で上げられるカエルのように、次世代における自身の存在価値を失っていく、すなわち日本の証券業界には資産運用技術はほとんど求められなくなり、諸外国の有利なビークルを低コストで仲介して供給する、仲介業務の優劣を競う展開になるような気がしてなりません。
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