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2008年2月28日 (木)

ノックイン投信

今日の日経新聞朝刊の「日本人とおカネ」で、ノックイン投信のことが書かれていました。

ノックイン投信が相場かく乱の原因となり、自身もノックインして不利な状態になってしまったという事例紹介で取り上げられたものと思います。

以前に当ブログでも取り上げましたタイプの商品の話です。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_e5fb.html

ちょっと、本日の日経新聞のコラムから引用してみます。

日本人とおカネ-第2部 自立を阻むもの(1)

アジア、欧州から日本へと株安が連鎖した1月22日。栃木県大田原市に住む主婦、朝岡和子(仮名、41)に証券会社から一本の電話が入った。「購入していただいた投資信託に元本割れの可能性が発生しました」

昨年7月に百万円で買ったのは「ノックイン投信」と呼ばれ、一定の条件付で元本と高利回りを保証する。その条件は日経平均株価が1万2700円台を下回らないこと。その日の株価下落で、元本保証はなくなった。「予想外。いくらになって戻ってくるのか」。朝岡は途方に暮れている。

(中略)

実は、朝岡が買ったノックイン投信は2010年の償還まで待てば、元本以上に値上がりしている可能性もある。ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。本当のリスクはノックイン投信の仕組みではなく、それを知らずに投資することだ。

(以下省略、引用終わり)

最近は、ノックインの可能性が高まった段階で、電話連絡したりするんですね。予想される激しいクレームに対する予防策でしょうか。

「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。本当のリスクはノックイン投信の仕組みではなく、それを知らずに投資することだ。」

とありますが、この手の商品では、いったんノックインしたら、その後当初元本を大きく上回ることがあっても、元本を上回った部分は手に入らない仕組みのものがあります。見かけの高金利をより高くするためには、そのような運の悪いときにはとことんひどい条件が待っているしくみになりがちです。少なくとも私がこの間当ブログで取り上げたときに見た商品はそうでした。

「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。」というのは、正しくない表現かと思います。ノックインしたときに、資産運用の知識を備えていたとしたら、その救いようの無い不利な期待値のリスクポジションを嘆く以外、もうなにもできないというのが正しい表現だと思います。

おそらくは、最悪、「運良く2010年までに30%以上上がって原点復帰して償還すれば今の評価損は消えるが、いくらそれ以上上がっても、株式投資とは違ってゲインはない。もし、原点復帰するまで上がらなければ損が待っていて、その損には限度がなく、下がれば下がるだけ損が増える。」という状態でしょうから。

期待値が大幅マイナスのリスク資産投資など、悪夢のようなものです。

私が適切に感じるように文章を変えるとすれば、「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。」ではなく、「ある程度の資産運用の知識を備えていたなら、決してこんな商品は買わなかった。」となります。

「この世の中にはフリーランチはない。」ことを腑に落としていれば、このような商品にも、決して引っかかることはないはずです。本当のリスクは、商品のしくみを理解せずに投資することではなく、それ以前の話として、投資の世界に踏み出すための基礎知識を身に付けないまま、投資の世界に踏み込んでしまうことだと思います。それでは、見た目の高金利などのまき餌につられてしまう危険性大だと思います。

市場の金利、国債の金利を知り、それらよりもかなり高い金利がついている商品があれば、その追加金利スプレッドに見合った(あるいはそれを大幅に上回る)不利なリスクがセットになってついてきているはずと考えるべきです。

しかし、商品を作る側、売る側に、金融のプロフェッショナルとしての誇りはないのでしょうか?

この国がもっとまともな金融商品で健全な市場発展を遂げることを望みます。

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