株式投資の新しい考え方 行動ファイナンスを超えて
ひさしぶりに、本の紹介です。
簡単に言うと、バリュー効果を説明する本です。読んで見たら、まるごと自分の投資スタンスのバックグラウンドを説明してくれる本でした。古今東西、長きの間バリュー効果が存在していて、それがこれからも存在し続ける蓋然性が高そうであるという主張が、様々な実証統計に基づき展開されています。
この著書では、バリュー効果が発生する理由は、バリューファクターの元になる追加的リスクに対する見返りのプレミアムにあるのではなく、まさに成長の罠というべき市場要素にあることが実証統計を元に述べられています。すなわち、実際は過去の成長と将来の成長にはほとんどというか全くといってよいほど相関がないことが統計上示されているにもかかわらず、市場は、過去継続して目覚しい利益成長を遂げた企業に対し、あたかもそのような市場平均を大きく上回る成長が永続するかのごとく高値をつけてしまうせいであるとしています。
かくして、高値を付けられた株は、利益成長が市場平均に収斂していく過程でのネガティブサプライズによって株価を下落させ、逆に安値に放置された株は、その利益成長が市場平均に戻っていく過程でのポジティブサプライズによって株価を上昇させていく構造が示されています。
ひさしぶりに、自分の投資スタンスのルーツに再会したような本でした。
おすすめです。ご興味ある方は読んで見てください。
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コメント
こんにちは。おひさしぶりです。
ご紹介いただいた本、おもわずアマゾンでポチッとしちゃいました。
そういえば、「AERAマネー」で書かれているコラム、拝見いたしました。
投稿: 駒沢公園散歩人 | 2008年4月24日 (木) 00時11分
駒沢公園散歩人さん、おひさしぶりです。コメントどうもありがとうございます。
この本がご参考になりましたら幸いです。
AERAご覧になられていましたか。気合の入った雑誌に仕上がっていますね。
投稿: VMax | 2008年4月24日 (木) 07時20分
おはようございます。
AERAマネー、これまでのマネー本とは一線を画すような硬派な内容でしたね。
でてくる人たちも、これまでのマネー本に出てきた、「デイトレードで1億円儲けました」「〇〇株に着目して大儲け」みたいな皮相な内容とは大違いでしたね。
(AERAも、せっかくVMaxさんに原稿を依頼するなら、バリュー投資についてもがっつり書いていただくように頼めばよかったのに、とは思いましたけど・・・)
ともあれ、お疲れさまでした&おめでとうございます。
投稿: 駒沢公園散歩人 | 2008年4月24日 (木) 10時29分
駒沢公園散歩人さん、ありがとうございます。
コラムの内容は、このブログで書いた内容とほとんど同じで、AERAさん側で適切に編集してくださったので、私自身殆ど何もしていないというのが実態です。
とは言えこの雑誌で、1人でも多くの方が、安易な投資方法につかまってドツボにはまることなく、投資の世界を上手に泳いでいただくきっかけになると私もうれしいですね。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
投稿: VMax | 2008年4月24日 (木) 20時37分