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2008年5月

2008年5月31日 (土)

BRICs概観(その2)

前にBRICsの直近パフォーマンスについて以下の通りエントリーしましたが、そのときの傾向は今もまだ続いている感じです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/brics_c68a.html

BRICsの本命の中国、インドがあいかわらず低迷し続け、ブラジル、ロシアがとても好調な推移を続けています。

とりあえず、直近のグラフを載せておきます。

http://finance.yahoo.com/charts#chart13:symbol=fxi;range=20080102,20080530;compare=ewz+rsx+inp+ifn;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart11:symbol=fxi;range=20071031,20080530;compare=ewz+rsx+inp+ifn;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart18:symbol=fxi;range=20070507,20080530;compare=ewz+rsx+inp+ifn;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

最初が、今年のパフォーマンス、次が昨年10月末からのパフォーマンス、3番目がRSXが取引開始された2007年5月7日からのパフォーマンスです。

資源を持つ国と持たざる国の差でしょうか。ほんと、極端ですね。

長年投資していると何度も何度も、いやというほど経験することですけど、こうして見ると、ちょっと前のサブプライム問題もものともせずに破竹の勢いで上昇して、「これからは中国、インドの時代だ」と言わんばかりの過去の市場展開がウソのようです。中国、インドの時代にいずれ本当になるとしても、それらの国の株式市場からは、容易に痛い目に遭ってしまう可能性も大いにあるのが、投資の難しいところだと思います。(まさに成長の罠ですね。)

中国(香港市場中国株)に、また投資するときがいつか来るでしょうか。PERが一桁に近くなってバリュー視点で魅力的に感じるようになったら、私も喜んでまた投資することになるかもしれませんが、それも果たしていつになることやら。

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2008年5月30日 (金)

古今東西変わらぬ性質

投資信託のネット流入金額が最低になったとか、大手投信で集計するとネットで資金流出になったとかというニュースが目に付きます。

このような、相場の低迷時にリスク資産から逃げ出す傾向は、決して日本だけの傾向では無いようです。私の手に入る情報では、米国でも2008年1Qで、やはり株式系資産から固定金利資産へのシフトがあったように見えます。

折りしも、米国の長期金利も上がってきていて、長期固定金利ビークルに避難した投資家は、今まさに時価下落に見舞われているところだと思います。

このような現象は、古今東西あいも変わらず繰り返されてきたことで、これからも飽きもせず繰り返され続けるだろうことは想像に難くありません。

最近では、日本の投資信託会社が商品系の投資信託を設定する例が目に付くような気がします。商品系が高値を取る相場つきがいつまで続くかについては、個人的にさっぱりわかりませんが、高値を更新しているような資産クラスの投資信託をわざわざ設定して、日本の投資家に高値掴みさせる日本の金融機関の傾向も、過去も現在も変わらぬ普遍的傾向だと思います。

こういった人間心理がもたらすパフォーマンス悪化の可能性をしっかり腹に落として、オーバーセルフコンフィデンスに陥ることなく、このような罠に落ちないように行動出来るかどうかで、投資の生涯リターンは劇的に変わり得ると思います。

人の振り見て我が振り直せだと思います。私も重々気をつけたいことです。

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2008年5月24日 (土)

典型的な現象

「月光!マネー学」という本を読んで見たら、面白い記述がありました。

日本の(おそらく日本だけでなく、普遍的な)投資信託のある現象の話です。

それは、アクティブ運用の投資信託は上昇相場に強く、下落相場に弱い傾向にあるという現象です。

この本では、日本株アクティブファンドと新興国アクティブファンドの、相場上昇時と下落時に期間を区切って、ベンチマークと比べたパフォーマンス比較をしています。

結果は以下の通りでした。

「日本株アクティブファンドの場合」

2000年3月~2003年4月の「下落」期間

⇒TOPIXを上回ったアクティブファンドは4ファンド、下回ったのは12ファンド

2003年5月~2007年6月の「上昇」期間

⇒TOPIXを上回ったアクティブファンドは14ファンド、下回ったのは2ファンド

2007年7月~2008年1月の「下落」期間

⇒TOPIXを上回ったアクティブファンドは2ファンド、下回ったのは14ファンド

上昇相場で、アクティブファンドの多くがベンチマークを上回り、下落相場で多くのアクティブファンドがベンチマークを下回る傾向が、はっきりと確認できます。こうやって、ジグザクしながら、長期においては、過半数のアクティブファンドが、ベンチマークに負けていくわけです。(当該書籍には、その統計結果も掲載されています。)

興味深いのは、この傾向が、日本の新興国アクティブファンドでも観測されていることです。当該書籍では、以下のような、ある意味すごい統計結果が掲載されています。

「新興国アクティブファンドの場合」

2006年7月~2007年10月の「上昇」期間

⇒MSCI(ベンチマーク)を上回ったアクティブファンドは7ファンド、下回ったファンドは無し

2007年11月~2008年1月の「下落」期間

⇒MSCI(ベンチマーク)を上回ったアクティブファンドは無し、下回ったのは7ファンド

ある意味、やっぱりなという統計結果です。このような傾向は、先進国、新興国問わず、普遍的に現れるのだろうと思います。

以前も、当ブログで取り上げていますが、

・市場上昇期間の統計だけを取り上げて、「過半数のアクティブファンドがベンチマークを上回っている(だからアクティブファンドが有利)」

・非効率な新興国や新興市場では、アクティブファンドが有利

という主張を見かけたら、眉にツバをつけて聞いたほうが良いと思います。

しかし、バックミラーを見て、上昇相場の天井でアクティブファンドに投資したら、高確率で、市場下落と対ベンチマークのやられという、痛いダブルパンチを食らってしまいます。本当に怖い話です。

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2008年5月23日 (金)

日本国債金利

日本国債の金利が上がってきてますね。

今日の日経新聞の夕刊にも記事が出てました。今日の終値は10年物が1.74%、30年物が2.57%のようです。

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

いろいろ考えさせられます。

・国債金利とインフレ、資源、穀物価格の関係。またそれがもたらす新興国と先進国の将来について。特に既に今も顕在化している、資源を持つ国と持たざる国の差。

・日本にとっても良い金利上昇ではないこと。将来インフレ見込みにより市場が要求する高金利がもたらす日本国の財政バランスのより急速な悪化。資源価格の上昇による日本の貿易黒字の減少(これも最近、記事にありました)。悪化する財政バランスと貿易収支の悪化がもたらすかもしれない日本国債務に求められるリスクプレミアム上昇は、より長期金利の上昇を加速させる力学を発生させるかも。景気が良いわけでもないのに、市場の長期金利が上昇していくと、日本経済の将来への悪影響も当然かなりあるものと思います。

構造上、どこかにかならず折り返し地点はあるはずと思いながらも、それがどこなのか、当然ながらさっぱりわかりません。あいかわらず、資源や石油関連株とそれ以外の株、資源を持つ国とそうでない国といった両方のエクスポージャーを持ち続けながら、その臨界点を眺め続けることになりそうです。

これからも、頭の体操の材料には事欠きそうにないですね。かといって、長期投資なので、ポジションをばたばたさせる気はさらさら無いのですが。

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2008年5月17日 (土)

日本人とおカネ

金曜日の日経新聞の一面の「日本人とおカネ」のコラムの内容で、いくつか興味深い内容がありました。そのポイントについて、つらつら感想を書いてみようと思います。

まず、コラムの冒頭の部分から。

(以下、引用)

「月1回の楽しみをしばらく控えます」。神奈川県の主婦・嶋田英子(仮名、53)は肩を落とす。毎月、小遣いのように配当を受け取れる分配型投資信託を購入したのが2年前。以来、そのお金で毎月、家族で高級レストラン巡りをしていたが、今年に入って基準価格が急落。購入時から受け取ってきた分配金の合計を損失が上回ったためだ。

(引用、ここまで)

これ、実在の話かどうかは不明(記事のための創作である可能性もあり)ですが、グロソブのようなファンドの分配金を単純なプラスアルファのリターンであるかのごとく認知して行動するパターンは、かなり一般的な認知の歪みのようなもので、だからこそグロソブのようなファンドが大ヒットになるのだと思います。要は、超低金利の日本で、年率で4%とか6%もの金利が得られるということは、「信用リスク、為替リスクその他、何らかの元本毀損のリスクを負っているはず」という、資産運用の世界の初歩の初歩である常識をきちんと腹に落とすことなく、運用商品を買っている人がいかに多いかということを物語っているのだと思います。

次は、コラムの中ほどの部分です。

(以下、引用)

野村アセットマネージメントなど投信の大手運用会社十社の4月の販売動向によると、解約額が新規の販売額を約670億円上回った。「資金流出」と呼ばれる現象だ。投信市場全体では資金流入となったが、4年6ヶ月ぶりの低水準にとどまった。

(引用、ここまで)

これ、資本主義社会が、飽きもせずバブルとバブル崩壊を何度でも繰り返しているのと同じく、投資信託の世界で飽きもせず何度でも繰り返されているパターンです。REITが上がっているとなれば、REITのファンドが設定されて、天井圏で山ほど投資信託が販売され、暴落の後、集まった資金は散り散りに。そのころには、中国、インドがサブプライム問題にかかわらず堅調で資金を集め、その後、また暴落して、それら資金はまたもや散り散りに。市場全体が低迷すれば、今回の引用記事のように、投資信託全体で資金流出の憂き目を見るわけです。

投資家が天井圏でテーマ性に基づき加熱した市場への投資行動を起こし、下落した後で逃げ出す行動を取るので、投資信託のリターンに比べて、その投資信託に投資した投資家の平均リターンは明らかに劣る結果になることが多いようです。おそらくは、「上がってるから買いましょう」方式の営業で捌かれる日本の投資信託の場合、投資家リターンは投資信託の原リターンに比べると、劇的に低いのではないでしょうか。私は日本の投資信託のこの手の統計を実際に見たことがないので、実際の数字は把握していませんが、実際の投資信託の残高の動き等を見れば、高値で資金が集まって下落で資金が散っていくパターンはほんと良く見られますから、上記の結果がありありと想像できます。

要は、自分の感情に踊らされた投資行動を取ると、投資のリターンは投資信託等のビークルのリターンを劇的に下回ってしまうことになり、これは人間心理から言うと、ある意味必然に近い結果なわけです。

「投資は長期でやるもので、下がったからといって売らない」と決めている人は、ただそれだけで、上記のような感情にまかせた行動を取る多数の市場参加者の結果を、労せずして上回ってしまいます。

もう、サブプライムによる市場波乱の底値からかなり上がってしまいました。まさに、「市場は懐疑の中で育つ」です。最も怖いところでの、「安心感が持てるまで、いったん市場を離れていよう」という行動のもたらすツケは本当に高く付きます。

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2008年5月14日 (水)

IBより日本の銀行への送金

最近、日本のネット証券会社の米国市場ETFの続々の取り扱いにもかかわらず、当方の投資資金のUS口座比率がより高まってしまっています。この現状を踏まえ、必要なときに自由にすばやく日本に資金を戻せるかどうかを、最近テストしてみました。

IBから、円資金を、日本の銀行に保有する普通預金口座に送金してみました。結果、翌日に日本の銀行に無事着金していました。

IBのアカウントマネージメントで送金先登録するときに、日本の銀行のSwiftコード(8桁の文字列です)を入力すると、機械的に送金先銀行の名前がセットされました。また、(支店番号)-(口座番号)すなわち、

XXX-XXXXXXX

を送金先銀行口座番号に指定して、送金先登録を済ませて、同時に送金入力したら、その日にIBから送られたようです。

円建てで、日本のごく一般的な円の普通預金口座に直接送金できるIBはやっぱり、かなり便利なのではないかと思います。US証券口座の資金を受けるために、日本の銀行でドル預金口座を開いたりする必要がなくなります。またこれで、ドル投資資金を円に戻して、日本で使うための円買いドル売りの際のコストも、IB内で済ますことで格安で済みますし。

ただし、着金の日本の銀行の側で、手数料を何千円か取られてしまいました。これについては、銀行間で差があるかも。まだまだ研究の余地はあるかもしれません。

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2008年5月13日 (火)

楽天証券のPowersharesETF取り扱い

楽天証券がPowersharesのETFの取り扱いを始めるようです。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20080513_01_us_01.html

さっそく、こちらのブログで取り上げられています。

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-485.html

http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-667.html

とりあえず、ノーティスのみということで。

これが、WisdomTreeなら、当方の反応もかなり変わったと思うのですが。イメージだけですが、個人的にPowersharesのETFは、全般的にどうも胡散臭い感じがして・・・

(先入観で書いてしまって申し訳ありません。購入を検討される方は、このような他人の先入観に惑わされずに、よく調べて自身で投資判断されることをお勧めします。)

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2008年5月 4日 (日)

シンセティック・リプリケーション

この間楽天証券で取り扱いがアナウンスされたリクソーETFの指数追随のための運用の仕方で特徴的なのが、シンセティック・リプリケーションと呼ばれる手法だと思います。

ところどころで話題になっているようですね。今回はこれについて、完全なる個人的私見を書いて見ようと思います。(間違いなく、素人個人投資家の戯言的内容だと思うので、以下読まれる方はそのつもりでお読みいただけると幸いです。)

確か、この間欧州市場のETFを覗いてみたときのXSFR(フロンティアETF)その他にも似たような仕組みが書いてあったような気がします。要は、現物保有のみによる指数追随を目指す運用方法ではなく、非上場の相対形式のデリバティブ取引を組み合わせて指数との乖離を補充していくような運用をする方法です。

この方式を使う理由には様々なものがあると思います。例えば、訳あってインデックス構成銘柄の一部にアクセスできないとか、アクセスできるが手間やコストがかかりすぎるとか、市場が小さすぎて価格が動きすぎるだとか、当該国の制度としてそもそも外国投資家の株式資産保有が不可能とか、様々なケースが想定されると思います。

ちなみにリクソーのWorldETFのOTCスワップのカウンターパーティはソシエテ・ジェネラルみたいですね。ETFのルール上は、OTCスワップは資産の10%以内に制限されているようです。

当然の帰結になると思いますが、この相対デリバティブ取引にはカウンターパーティリスクが存在すると思います。つまりソシエテ・ジェネラルが倒産して、ETF内原資産ポートフォリオのパフォーマンスとインデックスの差分の支払いが滞ってしまうリスクは少なくとも明らかに存在しているはずです。決済方式がわからない(調べればわかるのかもしれませんが)ので、何とも言えませんが、取引保全のためのコラテラルの仕組み等でこのリスクはもしかしたら極小化されているかもしれません。

もうひとつ指摘したいのは、スワップのカウンターパーティも慈善事業ではないので、不完全なポートフォリオ資産のパフォーマンスとインデックスとの差分を提供する代わりに、それ相応の見返りプレミアムを取っているのではないかということです。つまり、もし、カウンターパーティがそのスワップ取引のリスクを完全にヘッジできるとしたら、そのデリバティブ取引でヘッジ後確定利益が残るように、完全ヘッジが不可能であれば(だいたいにおいてこのケースだと思いますが)その残存リスクを取る見返りとしてより大きな期待利益が見込めるように、十二分な超過プレミアムが、そのスワップ取引のプライシング中に込められているのではないかと思うのです。すなわち、リクソーWorldETFの実質の信託報酬は0.45%では到底収まらず、スワップカウンターパーティのデリバティブ取引の期待リターンの分だけ、このETFに投資した投資家のリターンは追加で削られるのではないでしょうか。

この追加コストの水準は、もしかしたら、十分長期のこのETFのトラックレコードを調べれば、だいたいあたりがつくかもしれません。(正しく読めているかどうか定かではありませんが、リクソーWorldETFの2007年3月末から9月末までのたった半年のトラックレコードで、ベンチマークに軽く1%以上やられているように、以下のPDF(7ページ)からは読めます。この認識が正しいとしたら、怖いですね。ソシエテ・ジェネラル、儲けすぎかも。)

http://www.lyxoretf.com.hk/admins/files/lyxoretf/hk/files/181.pdf

それぞれのETFの運用状況によって、このスワップの使用状況は異なるのだろうと思いますし、ETFによってはこのデリバティブの使用割合が十分無視できる程度であるような状況もあるかと思いますが、その程度を一生懸命調べたり、投資している間モニターする等しなければならないのも面倒な話ではあります。

自分が購入するつもりがさらさらないので、どうも真剣に調べる意欲が湧いてきません。また、真剣に調べてもそのメリットとデメリットを正確につかむことなどできそうにないので(デリバティブ取引の内容を完全に掴み、かつそのメリットとデメリットを的確に評価し、総合的に結論を出すのは、素人には不可能だと思いますし、プロでも情報不足で困難を極めるのではないでしょうか)完全法や抽出法により同一市場に投資するETFがあるなら、私はそちらの方を優先して選びたいです。

個人投資家ですので、プラスにもマイナスにもなり得る、およそ期待値0に近いと思われるトラッキングエラーを防ぐために確定損失を許容するのは、とても合理的な選択には思えないのです。

ちなみに、こちらのブログでもこの話題が取り上げられています。(私も参考にさせていただきました。)

http://401k.sblo.jp/article/14585674.html

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