古今東西変わらぬ性質
投資信託のネット流入金額が最低になったとか、大手投信で集計するとネットで資金流出になったとかというニュースが目に付きます。
このような、相場の低迷時にリスク資産から逃げ出す傾向は、決して日本だけの傾向では無いようです。私の手に入る情報では、米国でも2008年1Qで、やはり株式系資産から固定金利資産へのシフトがあったように見えます。
折りしも、米国の長期金利も上がってきていて、長期固定金利ビークルに避難した投資家は、今まさに時価下落に見舞われているところだと思います。
このような現象は、古今東西あいも変わらず繰り返されてきたことで、これからも飽きもせず繰り返され続けるだろうことは想像に難くありません。
最近では、日本の投資信託会社が商品系の投資信託を設定する例が目に付くような気がします。商品系が高値を取る相場つきがいつまで続くかについては、個人的にさっぱりわかりませんが、高値を更新しているような資産クラスの投資信託をわざわざ設定して、日本の投資家に高値掴みさせる日本の金融機関の傾向も、過去も現在も変わらぬ普遍的傾向だと思います。
こういった人間心理がもたらすパフォーマンス悪化の可能性をしっかり腹に落として、オーバーセルフコンフィデンスに陥ることなく、このような罠に落ちないように行動出来るかどうかで、投資の生涯リターンは劇的に変わり得ると思います。
人の振り見て我が振り直せだと思います。私も重々気をつけたいことです。
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コメント
仰るとおりです。
なんとなく今はベトナム戦争からその後の時代に似ているような気がします。
(アメリカでインフレ率が2ケタの)
ランダムウォーカーによれば、その時代のインフレ控除後実質リターンが良かったのは実物(不動産、貴金属、絵画等)資産だったそうです。
但し、その後の黄金の10年間では正反対になりましたが。
歴史を振り返るとインフレとの関係で、商品系と株式、債券系には強い逆相関があるように思います。
と言う事は、今、投資すべきなのは株式だと思うんですけどね。
投稿: LEOPARD | 2008年5月31日 (土) 01時48分
そうですね、世界共通の話らしいですが相場の大転換点の時は必ず個人投資家の解約がピークに達するそうです。(ITバブルのナスダックでも今まさに反転しようとしている2003年に一番流出したらしい)こうなれば損だけ蒙り、益は得られないわけで最悪でしょう。
心配で買えない、でも上がってきたら欲しくなる。逆に下がってきたら希望に逃げる、下げつくすと絶望して売る。こういう人間心理は否定できないわけで自分の気持ちとどう折り合いをつけるのも投資のパフォーマンスを左右すると思います。(まあ減量とリバウンドみたいなものだから・・・・食べたい時はリスクが管理できる範囲でなら、心配なうちに買うほうが結局は損が少ないかもしれませんw)
http://diamond.jp/series/yamazaki/
こちらによると商品投信もいよいよ指数債券型だけでなく現物担保のも増えるそうです。外債投信のように銀行にまで並んできたらいよいよ後半戦突入なのでしょうね。
投稿: ROM人 | 2008年5月31日 (土) 13時59分
追加
まあ結局共に踊るなら早めに踊る、踊らないと決めたら最後まで決して付き合わない。このどちらかであって中途半端が一番いけない。自分で身を持って体験した貴重な経験でしたw
投稿: ROM人 | 2008年5月31日 (土) 14時02分
LEOPARDさん、ROM人さん、コメントありがとうございます。
銀行、証券に、資源国株式ファンド、商品ファンド達がずらっと並ぶ日も近いですね。
ちょっと前までは、中国の永遠の成長を煽って中国株式ファンドを売っていたようなのですが。
それは、商品系ビークルの天井のサインかもしれません。
それら金融機関に忌避されているもので有望なものを探したいですね。
投稿: VMax | 2008年6月 1日 (日) 08時38分
人間って100年前と変わっていないのですね。
恐怖と欲望の劇に酔いしれ、結局は利益の多くを 劇の演出家(金融機関等)に持っていかれている現実・・。賢明な投資家になることで長期の期待リターンが増すことを、深く掘り下げてお伝えすることが大切なのだとつくづく思います。
投稿: カン・チュンド | 2008年6月 1日 (日) 19時06分