なぜビジネス書は間違うのか
表題の本を読みました。
特に投資に関係ある本と思って読んだわけでは全然ないのですが、いわゆる「すばらしい(と世の中が認める)企業への投資は、とてもさみしいパフォーマンスとなってしまうことが多い」という投資の教訓を、再度思い出させてくれる本でもありました。
本書の主旨を当方なりに簡潔に要約すると、「ビジネス書の成功企業の分析はハロー効果(成功者には後光が差している、すなわち成功したから、CEO、戦略、実行、従業員、会社環境、哲学といったすべての面が優れて見えるという効果)にまみれていることが多く、この効果にまみれている分析は、これから成功する企業となりたい場合には、全くといってよいほど役に立たない。」となります。
この効果の影響を指し示す例として、当書籍では「エクセレント・カンパニー」とか「ビジョナリー・カンパニー」といった書籍で取り上げられた超優良企業の、その後の株式市場のパフォーマンスや資本利益率の推移等も取り上げています。その事例では、得てして「インデックスファンドに投資しておけば良かった」というさみしい結果となっており、また利益率も実際に下降してしまっていることが多いようです。(詳しくは当書籍をご参照ください。)
いわゆる「知ったら仕舞い」、「異なる期間の企業成績や利益率等の相関性の低さや平均回帰の法則」といった、いわゆる投資の世界の目で見た重要ポイントが、ビジネス本の中でも確認できるわけです。
思わぬところで投資に役立つ本でしたので、取り上げてみました。
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コメント
この見解とほぼ同じ内容を違う文章ではありますが、以下に書いています。
みんながいいと思う銘柄に手を出すと、必ず悲惨な結果になる
http://intelligent-investor.jp/point4.shtml
投稿: か | 2008年8月31日 (日) 22時24分