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2008年9月11日 (木)

サムライ債

今回は趣向を変えて、金融系の時事的話題に触れてみます。

この分野、私は素人ですので、間違い等あるかもしれません。以下はその前提で、お読みいただければと思います。

最近、外国会社がしきりに日本でサムライ債を発行しているようです。以下のリンクは、シティのサムライ債関連の記事です。

http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/jcast-26675/1.htm

確か、最近の日経新聞にも取り上げられていましたね。

おそらくは、海外の市場で付いている債券の信用リスクスプレッドに対し、日本で円建てで発行すると、そのスプレッドが海外で発行するより小さくなるので、おいしいと思ってこれら外国会社が日本でサムライ債を発行しているのはないかと容易に想像がつきます。ただ、この手のことを個人的に一度も検証してみたことがなかったので、軽く調べて、本当かどうか計算してみました。

某アメリカの証券口座で社債を調べて見たら、ちょうど今日本で発行されているシティのサムライ債と条件の近い、3年物の2011年9月末償還の債券が見つかりました。その債券のクーポンレートは5.1%で、プライスは100.27でした。ざっくりと計算してみると、この債券の複利利回りは、ちょうど5.0%程度になり、それを米国国債の3年物の今の金利水準(2.33%、ブルームバーグのサイトより)から引き算すると、今のシティの信用リスクスプレッドは、5.0%-2.33%で、およそ2.67%であることがわかります。

ここでざっくり、今の日本国債の3年物(0.86%、これもブルームバーグのサイトより)にシティの信用リスクスプレッド2.67%を足すと、3.53%となります。このレートに対し、上記記事のシティのサムライ債のクーポンレートは3.22%なので、サムライ債にして日本で債券発行することにより、シティは社債支払金利を年率でおよそ0.31%節約できたことに、計算上はなるかと思います。

うーん、思ったより差が小さいですね。確かに想定通り、日本で債券発行することにより、シティは支払金利スプレッドを節約してはいるようですが、個人的には、もっとものすごい差があるのではないかと予想していました。

前回シティがサムライ債を発行した際も検証しておけばよかったですね。そうすると、時系列の比較も出来、もっと面白い結果も確認できたかもしれません。

上記の検証が正確に正しいためには、おそらく厳密には日本国と米国の信用リスクに差がない必要があって、これは厳密には全然満たされていない条件だと思いますが、とりあえずこのポイントについて、論理的に妥当なスプレッド差を解明するのは不可能だと思いますので、上記ではこういう難解な話は無視して話を展開してみました。

米国証券口座を保有している方は、US債券市場でダイレクトに既発債を買った方が、日本のサムライ債を買うより、信用リスクスプレッドとしての金利は実質的にたくさんもらえる可能性がやはり高そうだという、まあ、当たり前かもしれない結果となりました。

ご参考まで。

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コメント

30bpの節約というのは巨額ですよ。発行額が3000億円ですからね。単純計算ですが、
3000 x 0.3% x 3年 = 27
27億円です。

30ベーシスもボラレてるのは日本の個人投資家が甘く見られているためだと思いますが、ボッているのは発行体ではなく、おもに販売会社&幹事会社(日興シティ?)の引受部門の高給取りの方々が儲けるのです。おそらく10億円超の今期収益を計上して、そのうちの何割かを受け取るのでしょう♪

投稿: kfkf | 2008年9月12日 (金) 08時28分

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