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2010年2月14日 (日)

うーん、あやしい

ETFのシンセティックリプリケーションというしくみを眺めていると、どうもあやしさが漂ってくるのですが、どなたか種明かししていただける方はどこかにいませんかね?

http://www.dbxtrackers.com.hk/pdf/EN/prospectus/prospectusLU0292109187_2009_08.pdf

このpdfファイルの仕組み図を見ていると、この仕組み、銀行が良くない目的のために、もしかすると利用可能なのではないかという気がしてなりません。

ちなみに担保資産の内容は当該pdfで確認できます。

http://www.dbxtrackers.com.hk/EN/binaer_view.asp?BinaerNr=303

私はこちらの方面も専門でないので、単なる素人の勘ぐりでしかありませんが、この仕組みだと例えば、こんなことは実現可能でしょうか?

例えばXX銀行がBBB格付に落ちた債券を保有していて、この債券を保有していることのリスク資産認識がBIS規制等の銀行のレギュレーション上不都合な状態にあるとします。このとき、当該債券を担保資産としてシンセティックレプリケーションETFの担保資産サブファンドに放り込んで、ETFの投資家に買ってもらいます。これで、銀行にはBBB格付債券の代わりに同一時価の現金が手に入ります。このETFがUS株式ETFだとすると、当該銀行はOTCデリバティブでUS株式のパフォーマンスを返さなければいけませんので、この手に入った現金でUS株式を買います。すると、当該銀行はUS株式のリターンをETFに払い、ETFからはBBB格付の債券のリターンを受け取ることになります。すると、当該銀行は、ETFの担保資産に債券を拠出する前と全く同じ、BBB債券のリターンとリスクにさらされている状態にあるにもかかわらず、BBB債券のリスク資産認識をする代わりに、US株式+パフォーマンススワップ(US株式リターン支払、BBB債券リターン受取)のリスク資産認識をすることになると思います。このデリバティブを含むポジションのリスク認識方法が、実質BBB債券のリスクが残る形の、精緻精巧なものであれば良いのですが、そうでなければ問題だと思います。

特に、上記のように単純な姿ではなく、担保資産がごった煮状態になっていたとき、銀行制度上、どんな結果になるのでしょうか。たとえばBBB債券とAA債券で担保資産が構成されていると、担保資産は平均A債券となります。もしこの平均格付がリスク評価で使用されるとすると、このポイントだけで、銀行にとってまことに都合のよい結果となり得るのではないでしょうか。

実際、上のpdfファイルを見てみると、担保資産は様々な資産のごった煮状態になっています。この中にやばそうな代物が含まれていても不思議ではありません。(担保資産として許される資産の定義は最初のpdfファイル中に書かれています。上場株式やADR、転換社債やETF、それにBBB+までの国債、社債などはOKのようです。)

すなわち、もしかすると銀行は担保資産の中に、銀行のバランスシートに残しておくと不利な資産を優先的に放り込み、まぎれこませることによって、銀行本体のビジネス上の規制逃れが出来てしまうのではないかということです。

これは、考え始めると寝れなくなりますね。(上記はただの素人の勘ぐりですので、本質を外している可能性大です。それを踏まえ、読んでいただければと思います。)

なお、上記の論点は必ずしもETFを買う側からみた論点ではないですが、それ以外のETF購入者から見た論点として、上記対象ETFはデリバティブカウンターパーティリスクに晒されていることはしくみ上間違いの無いところだと思います。当該ETFの記述を見る限り、デリバティブのカウンターパーティが飛んだら、10%はやられ得るストラクチャーのように私は理解しました。私はこのしくみのETFを買う事はおそらくは無いものと思っています。

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