スマートフォンに見るマーケティング(その2)
以前のエントリーで書いたとおり、ipod touchをうっかり買ってしまったために、Appleが行っているビジネスの価値がわかり、またその周辺で起こっているマーケティング的な内容について注目するようになりました。
これは、見れば見るほど、どの業界でも観察される、ある意味普遍的なマーケティング的事象と思えます。
というわけで、せっかくなので、個人的に興味を持って見ていて引っかかった記事や情報等を、ある意味好き勝手にエントリーに書いてみようと思います。
例によって、一素人のたわごとでしかありませんので、以下を読まれたり、以下で得られた情報等を投資判断等に利用されたりする場合が(万が一にも)ありましたら、当内容は一素人のたわごとであることを踏まえてご利用いただければと思います。
どちらかというと最近の記事になりますが、USでVerizonがiphoneを販売開始するというニュースがありました。
http://www.businessweek.com/news/2011-01-11/verizon-to-sell-iphone-feb-10-ending-at-t-exclusive.html
人によってはいわずもがなの内容ですが、簡単に当方が理解しているこのニュースの背景を説明しますと以下の通りとなります。
・Appleはiphoneを各国で排他的に通信業者に対して商品供給してきており、例えば日本ではソフトバンクだけがiphoneを販売していて、NTTドコモやau等はiphoneを販売していない。
・なので、タッチパネル式スマートフォンの市場を作った先駆者Appleのiphoneを独占的に扱うことのできるメリットを、各国のiphone取り扱い通信業者は享受しており、例えば、日本ではソフトバンクの快進撃の源となっている。(ソフトバンクは日本で携帯純増第一位を継続している。)
・この動きは、本家USをはじめとして、各国の下位通信業者が上位通信業者をやっつけていき、各国の通信業者携帯シェアが変動する原因となっており、最近では、iphoneを擁して上位通信業者を攻め込む下位通信業者と、それをGoogleのAndroid携帯で防衛しようとする上位通信業者という構図になっている。(GoogleのAndroid携帯は、マーケティング的に簡単に言うと、タッチパネル式スマートフォンの市場を新しく創造したAppleのiphoneに対する、後続追随会社のMeToo商品。ビジネス的には垂直統合orNotとかいろいろあるのですが、ここではとりあえず省略します。)
・本家USでは、先発キラー商品iphoneを擁してシェアを奪還していく2番手AT&Tと、それを防衛しようとして、MeToo商品を開発したGoogle(OS)+世界のその他の携帯製造会社のAndroid携帯を強力に推進してきた1番手Verizonの争いになっていた。
・この構造により、2番手AT&Tと1番手Verizonのシェアが拮抗し、またUSでのiphone独占契約が切れたことから、2番手の快進撃の源である武器を無効化するために、1番手Verizonが今までのコピー商品Androidの強力推進の方針を翻して、iphone採用&販売に動いた。
というのが、上記のリンク記事の背景として当方が理解している内容です。
ここで、当方がいかにもマーケティング的現象だなあと思う事象を、また箇条書きで書いてみます。
・先駆者が市場を作って、その市場の価値が認められると、その市場は山ほどのMeToo業者であふれ、活気づく。(iphoneを追随する、Android(Google)+世界の携帯端末製造業者等)
・しかしながら、その数多くのMeToo業者のほとんどは、市場がとれないか、全く利益が上げられないという苦難に直面し、数多くのMeToo業者であふれればあふれるほど、得てして先駆者のみが儲かるという構造になる。(携帯製造業者の生み出す利益のおよそ半分はApple1社のみで生み出しているらしい)
・世界の最先端市場で起こった事象は、一定のタイムラグを置いて、その他の地域、市場で類似の形で起こることが多い。
上記については、それぞれソースがあるのですが、以下では、上記に挙げた3番目の現象についての現在進行形のみを記事で示すことにしたいと思います。
上記のVerizon記事の現象が発生したことを知った時に、上記の3番目のマーケティング的パターンを知っていれば、この動きは他国でもいずれ起こるかもとすぐにピンときます。
調べてみれば、日本も韓国も、そして世界最大の市場の中国でも、下位通信業者が上位通信業者をiphoneで追撃する構図になっていることがすぐにわかります。(その他、この件に関しては、通信方式の違いといった要素もあったりするのですが、ここでは説明を省きます)
ここまで確認すれば、このVerizonのiphone販売と同様の動きが、世界各国でこれからどんどん起こってくるかもという予想が、確信に変わるわけです。実際、
(韓国)
(中国)
http://www.digitalone.com.sg/news/article/14748
のように、iphoneを擁して上位通信業者を追撃する下位通信業者の猛攻から身を守るために、韓国でも中国でも、実際に上位通信業者がiphone採用へ動いている様子がニュースで届きはじめています。
ここまで確認して、さてこの動きは、最終的に日本でも起こるのかどうかが次の注目ポイントですが、私は起こると予想しています。また、このまま放っておくと、いずれ携帯シェアでソフトバンクに逆転されて第3位に転落するだろうauが、最終的にはiphone採用に動かざるを得なくなるのではと予想しています。
上記記事、Verizonはやっとほっと一息つけたといったところでしょうか。
もう1つ、当方の注目点はipadです。ipadについては、iphoneの1周周回遅れで同じマーケットサイクルをたどっているように、当方には見えます。つまり、「先駆者が市場を作って、その市場の価値が認められると、その市場は山ほどのMeToo業者であふれ、活気づく。」の「その市場の価値が認められ、山ほどのMeToo業者であふれて活気づく。」フェーズが今年なのだろうなと思っています。正直、いくつかのWindowsソフト資産で行わなければならないことが存在しなければ、当方もパソコンではなくipadを毎日常用したいと思います。いままでもパソコンのライトユーザーのニーズをipadが奪ってきているようですが、さもありなんという感じです。
ほんと、どこの業界もマーケティングの世界で起こることは一緒ですね。
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