« WisdomTreeETFの四半期配当 | トップページ | アマゾンのスマートフォン戦略 »

2012年7月 5日 (木)

Microsoftタブレットの矛盾とGalaxyNexusのUSでの販売差し止め

Microsoftタブレットのコンセプトの矛盾について、前にエントリーを書きましたが、同じような議論を展開しているUS記事がやはり出てきているようです。

http://www.thestreet.com/story/11606376/1/windows-8-redmond-we-have-a-problem.html?puc=yahoo&cm_ven=YAHOO

仕事に使えるタブレットが膝の上で使えない矛盾が、上記記事中でも指摘されています。その他のポイントについても、Outlookに関するポイント等、興味深い記事です。

そういえば、やはりGoogleはAppleのSiriを追随してきましたね。全くもって予想通りの展開です。これからGoogleがSiriと競合しながら、どうやって自身のビジネスモデルを壊さない道を模索していくのか、見ものだと考えています。

これでGoogle陣営は、キャリアのドコモ、端末製造のSamsung(と開発中画面がリークされているHTC)、およびOS会社のGoogleの全ての関係者がAppleのSiriを追随してきたことになります。MeTooCopyが足元ではソフトウェア分野に移っていることを如実に物語っている事象だと思います。

面白いのが、足元でSamsungのタブレットとスマートフォンのGalaxyNexusがUSで販売差し止めになっていますが、そのうちのGalaxyNexusの差し止めの直接の原因となっているのがAppleのSiriに関係する特許であることです。USの裁判ではそれ以外の複数のAppleの特許もSamsungによって侵害されている可能性が高いとされているのですが、そのうち現在の販売の現場で現実の差別化要因として機能していることが見込まれる最新のソフトウェア分野でのこのMeTooCopyに限って、侵害の可能性が与える影響を看過出来ないとして、商品差し止めに至っているわけです。

この裁判所の判断は、「USの特許制度は壊れている」と主張する、Googleをはじめとする多くの関係者の主張について、その妥当性のありかを考えさせる結果となっていると思います。US裁判所は特許が有効であることが見込まれるだけではなく、その侵害がマーケットに与える影響をも考え合わせた上で商品差し止めすべきか否かを判断しています。

Appleは同社の端末でSiri機能を実現するために企業買収をし、時間をかけてデータセンター等のインフラ整備を含む開発準備を行っています。同社は長期のロードマップを持っていて、それに従って着々と準備をしてきただろうことは、状況証拠からも明らかです。

翻って、MeToo企業群はどうでしょうか?ドコモ、Samsung、HTC、Googleと、先発企業が時代の先を見てこつこつと準備して導入した機能を、ローンチを見るや否や、皆、臆面もなくMeTooCopyに走っています。

これが市場の常とは言え、やはり醜い。

もうひとつの醜い姿であり、かつ皮肉であるのは、「USの特許制度は壊れている」と主張するGoogleや、Samsung、HTCといった企業群が、その壊れているかもしれない特許制度ですら想定しなかった、標準特許によるライバル企業商品の差し止めに走っているところです。

自らが、どの企業も差別せずライセンスすると約束した上で標準特許採用された特許を、よりにもよって自ら課した約束を反故にする形で、ライバル会社商品差し止めのための武器として使用しています。

言うまでもありませんが、これら特許に価値があるのは、標準特許採用されたからであって、特許内容自体が生み出している価値ではありません。「自社はもしこの特許が標準特許として業界に採用されたら、気に入らない企業の商品をこの特許を盾にして差し止めに動く」と宣誓していれば、そんな特許は業界標準としては決して採用されず、競合する別の特許が業界に標準として採用されていただろうことは至極明らかなことです。

だから、EUもUS当局も、モトローラ(=Google)やサムソンを独禁法違反の疑いで調査中なわけです。

スマートフォンとタブレットの分野では今、特許の世界で風雲急を告げており、面白い展開を見せています。ちょっと目が離せません。

|

« WisdomTreeETFの四半期配当 | トップページ | アマゾンのスマートフォン戦略 »

コメント

>言うまでもありませんが、これら特許に価値があるのは、標準特許採用されたからであって、特許内容自体が生み出している価値ではありません。「自社はもしこの特許が標準特許として業界に採用されたら、気に入らない企業の商品をこの特許を盾にして差し止めに動く」と宣誓していれば、そんな特許は業界標準としては決して採用されず、競合する別の特許が業界に標準として採用されていただろうことは至極明らかなことです。

 標準特許採用とはどのようなものかよく分かりませんが、標準規格と言うことに理解すると、ある会社の技術がその業界の標準規格として認定されたと言うことかと思います。

 この場合、必ずしも無料である必要は無いですが、通常言われている売値の3%と言うような法外の利用料を請求することは独占禁止法に抵触するように思います。競争相手の売価にあまり影響を与えないような料率の利用料とすべきでしょう。

 カセットテープが世界中に広まったのもフィリップスが無料で開放したからに他なりません。富士通の親指シフトキーボードも格安という触れ込みでしたが100万円とか言われる利用料を要求したこともあり(それだけの理由ではありませんが)ついに他で利用する人もおらず、富士通自らその技術を使わなくなってしまいました。

 業界標準として採用される技術はやはり無料の必要はないにしても、格安の利用料とすべきでしょう。まして、差し止め訴訟を起こすなどと言うことは言語道断で、せいぜい損害賠償請求程度にとどめるべきと思います。

投稿: 与太郎 | 2012年9月 3日 (月) 05時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/202973/55128370

この記事へのトラックバック一覧です: Microsoftタブレットの矛盾とGalaxyNexusのUSでの販売差し止め:

« WisdomTreeETFの四半期配当 | トップページ | アマゾンのスマートフォン戦略 »