タイトルの通り、現在の自身にとって最も心地よいフィナンシャルフリーダム達成後のポートフォリオのイメージについて書いてみようと思います。
これは、多分に個人の好みとか、得意不得意、あるいは個人的な経験に基づく安心感のようなものや先入観等も含まれており、他の方に当てはまる普遍性は全くないものと承知しています。なので、単なるフィナンシャルフリーダム後の最終形に関する個人的嗜好とでも捉えていただくのが良いかと思います。
まずベースのフィナンシャルフリーダムを維持するためのエンジンとして、過去、このブログでの主軸の投資商品であり続けた、高配当株ETFを据えたいと思います。理想としては、世界的に分散された高配当株ETFの配当で、年間のベーシックな生活費は全てまかなえるのが個人的理想です。
このアプローチの利点は主に2つあるかと思います。
まず1点目は非常にありふれたものですが、フィナンシャルフリーダム達成後は、生活のためには働かないことが前提ですので、毎月、毎年、生活に必要な金額が概ねキャッシュで入ってくることが主に人間心理的な観点からはかなり重要なことになってくるかと思います。多くの人がリタイア後の収入として、株式よりも投資用不動産を重視する人間心理に相通ずるものがあると思います。
また、この安定的なキャッシュを求める心理からすれば、株式投資の時価は人間心理的に考えて非常に不安定なものに映ります。市場が勝手に決める価格をベースにした時点で、今はバブルではないのか?これからの恐慌により時価が何分の一になったりはしないのか?この資産はフィナンシャルフリーダムを支えるのに本当に十分なものなのか?といったことを判断するのがかなり困難になってきます。それはどんなに多額の市場時価を有する株式であっても、例えばそれがPERが何十倍のETFや何百倍の株式であった時点で、その市場価格を支えるのは企業の今の稼ぐ力ではなく、その企業の力の将来の大幅な成長力等に関する市場評価等という、なんともあやふやなものを頼りにすることになってしまうからです。このアプローチでは、いつも市場の割高、割安と、将来の成長性や景気の回復等に関する、全くつかみどころのない市場認知の傾向に気配りし続けなければならなくなります。
これはとてもじゃないが、やってられないです。
他方、企業が自らの稼ぎの中から生み出す配当を基礎に考えれば、企業がその年に生み出した利益のうちの、企業が継続的に事業を行うための必要な再投資額を除いたフリーキャッシュの一部が配当に回ってくることはある意味自明なことかと思います。これは、よく分からない将来のビジネス状況に関する市場の評価に比べたら、ずっと確かで信頼できるものです。たとえこれ自体、景気やビジネスの好不調等に伴い変動する性質のものであったとしても、市場のパーセプションの変化によってPER一桁から極端なケースでは100倍近くまで変化し得る市場価格に比べれば、圧倒的に安定していて信頼できる指標となります。
この1点目の理由によって、今もコアの資産として投資している高配当株ETFについて、その配当受け取り額を気にすることはあっても、そのETFの市場価格を計算したり、その市場価格の上下を気にかけたりすることは全く無くなっています。この点は昔からそうで、かなり昔にもそのことを当ブログに書いたような気がします。
2点目としては、高配当株投資は一種のバリュー株投資で、一定程度学術的にその優位性が認められている数少ない投資アプローチであることが挙げられます。これも、当ブログでさんざん主張してきた点であります。
こういった理由によって、フィナンシャルフリーダムを達成した後の生活を支えるコア資産として私は高配当株ETFをメインに据えたいと思います。
当然のことながら、上で記述した通り、確実に実現された企業利益(企業活動により生み出したキャッシュによって裏付けられたもの)を基礎としているのが配当ではありますが、企業のビジネスの好不調や景気の良し悪し等で、この配当の水準も将来増減し得ます。なので、そのリスクを踏まえた上で、将来想定されるライフイベントによって想定される支出額を超えて、このリスクに備えたキャッシュを確保することを目指します。
この必要キャッシュの考え方には幾つもアプローチがあり得ると思います。例えば、最悪ケースとして配当の水準がたとえ半分になったとしても、国の年金がもらえる時点まで、保有キャッシュからの補填により生活費がまかなえることを目標にしても良いと思います。また所詮、最悪の事態は恐慌のような事象だと考えて、国の年金がもらえる時までに1回くらい至上最悪の恐慌が来ることを想定して、その間の資金をまかなえるキャッシュを有するという考え方でも良いかと思います。
ここで個人的に国の年金がもらえないことは想定していないことがお分かりかと思います。個人的には、年金をもらう側と支える側の比率の変化を踏まえた非常に保守的な年金開始時の想定や年金額の想定を置く必要はありますが、年金がもらえないという極端な前提に立つ必要はないのではと考えています。人口動態統計はよく言われる、いわば「すでに起こった未来」ともいうべきもので、何十年も先までかなり正確に予期ができる部類の話だからです。
また、フィナンシャルフリーダム達成後は、極端な話、世界中のどこに住んでも自由であり、職場から近くなければならないという制約からも完全にフリーになることを意味するわけですから、将来の不確定事象に対応する手段は、全く信頼できない自身のマーケットタイミングの能力に置くのではなく、足元の状況に対応して、どこに住むか、どんなライフスタイルで生活するかといった、支出、コストの方をコントロールしていくことをイメージしています。
こんな感じで、フィナンシャルフリーダム達成後の個人的な理想のポートフォリオは、世界分散高配当株ETF+セーフティキャッシュの組み合わせと考えています。
読まれる方の何らかの参考、ヒントになりましたら幸いです。
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