金融

2009年10月31日 (土)

荒れ始めた感じですね

米国市場を中心にして荒れ始めた感じです。

今月の投資資金は、月始の低い時と月末時の急落2回を拾えて、こんなにうまく拾えるときもあるのかと喜んではいるのですが、わかりやすい大きな動きが起こりはじめたということで、もしかすると市場再波乱の幕開けのサインなのかも。

喜んでばかりはいられないかもしれません。

また来月もじっくり下値を拾っていこうと思います。

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2009年5月23日 (土)

面白い記事

今日の日経新聞朝刊に、ある意味面白い記事がありましたので、引用してみようと思います。

(以下、引用)--------------------------

英ポンド、半年ぶり高値 対ドル 米財政悪化を意識

外国為替市場で英国債の格下げ観測が高まっているにもかかわらず、英ポンドが対ドルで上昇する現象が起きている。市場で米国の財政悪化のほうが強く意識され、参加者がドル売りに傾斜しているためだ。

(中略)

米格付け会社スタンダード・アンドプアーズ(S&P)は21日、英国債の格付けを、将来格下げになる可能性を示す「ネガティブ」に引き下げた。市場は直後にポンド売りで反応したものの、その後は「米国債の格下げリスクも高まった」として、ドル売りに転じた。

ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの試算によると、英国の2009年の財政赤字の対国内総生産(GDP)に対する比率は12%で、米国と同水準。ただ「現実には米国債の格下げは考えづらい」(国内証券)との見方も多い。市場では「投機的なファンド勢による行き過ぎたドル売りが進んでおり、今後反発する可能性もある」(米銀ディーラー)との声も目立ってきている。

(以上、引用終わり)-----------------------

果たして、記事の最後のディーラーが言うように、投機的なただの行き過ぎた市場の動きなのか、それとも米国の信用リスクが市場に見透かされているのか。おそらくは、S&Pが米国の格付けを引き下げるような状況では、もう遅すぎて何の役にも立たないでしょうから、為替や金利等、身内びいきのない冷徹な市場の動きをウォッチしていきたいですね。

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2009年4月26日 (日)

米国銀行における負債の時価評価について

最近、米国銀行が負債を時価評価して利益を出しているといった新聞記事等を良く目にします。今日の朝の日経新聞にも、FRBのストレステストに関連してこの話題が載っていました。

当方、特にこの分野の専門家でもなんでもなく、単なる一素人なのですが、この会計取り扱いについて1点疑問というか、問題じゃないかと思う点があります。

その点について、一素人のつぶやきをつらつら書いてみようと思います。

まず、今日の日経新聞から関連記述の一部を引用してみますと、

(以下、引用)-----------------------------

Q 負債の時価評価でなぜ利益が出るのか。

A 企業や金融機関は自ら発行した社債などを返済義務のある負債としてバランスシートに計上する。社債の市場価格が下落した場合、発行企業はその分負債が減ったとみなして利益として計上できる。一般的に社債価格の下落は信用力の低下を意味し、資金調達が厳しくなるなど経営にはマイナスだが、帳簿上は社債価格の下落で利益が出るという奇妙な現象が起こる。

負債の評価益は現金の流入を伴わない。

Q 本当に利益といえるのか。

A 疑問の声がある。市場で社債価格が下落しても、償還時に発行体が実際に返済する金額が減るわけではないからだ。百億円の社債の時価が60億円に下がり、帳簿上で40億円の評価益が発生しても、償還時に百億円を返済する義務は変わらない。

企業側に裁量の余地が大きいことも不透明感を強める要因だ。シティグループは負債を時価評価して27億ドルの利益を出す一方、値下がりした保有資産の一部は逆に時価評価を見送り、約6億ドル分の評価損計上を回避した。利益押し上げに都合の良いように利用しているとの見方もある。

(以上、引用終わり)----------------------------

と、こんな感じなのですが、個人的な疑念というか問題と思う点は以下のようなものです。

「この会計処理は市場から問題行とみなされ、社債価格が大きく下落している銀行ほど、当期利益に良い影響を与えることから、現在の当期利益を銀行間で比較しても、相互の足元の状態を適切に比較することはできなくなる。」

負債の時価評価で得た利益は、一種の損失先送りであって、債券償還までに、いずれ同額を損失計上することが必要となるはずです。なので、本質的には、資産を時価評価せずに多額の含み損に回した銀行とそうでない銀行の当期利益を同列で比較できないのと同じく、この負債の時価評価も、問題行の当期利益をかさ上げし、健全行の当期利益には変化をもたらさないという傾向を有し、銀行間を同列で比較することがより困難になると思います。そうであれば、会計処理としては好ましくない手法なのではないでしょうか。

上記で引用した記事によると、米国ではこの会計処理が2007年から認められるようになったとのことですが、正直、なぜ会計結果の客観性と相互比較の可能性を減ずるような会計処理が米国や国際会計基準で認められるようになってきているのか疑問です。「時価評価なら正当」という短絡的な発想なのでしょうか?そんなことはないと思いたいですし、実際にそんな短絡的な決め方はしないと思うのですが。信用力が全く異なる他の企業との会計結果の比較可能性を思いっきり失わせるような会計方法は、純粋に問題だと私は考えてしまうのですが。不可思議です。

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2009年4月17日 (金)

三菱UFJ投信 低コストETF上場

三菱UFJ投信が、市場で最も安い信託報酬でTOPIXのETFを東証に上場させるようです。今日の日経新聞の朝刊で記事になっています。

(以下、引用)------------------------------

三菱UFJ投信は5月中旬に上場する東証株価指数(TOPIX)連動型の上場投資信託(ETF)で信託報酬を0.08%まで引き下げる。国内ETFでは最も低コストのETFになる。すでに同指数に連動するETFは東京証券取引所に3本上場されている。最後発の三菱UFJ投信は、低コストを打ち出してシェア獲得を狙う。

(中略)

これまで国内市場に上場されているETFで最も信託報酬が安かったのは日興アセットマネージメントの「上場インデックスファンドTOPIX」の0.09%だが、売買単位が1千口からと大口だった。三菱UFJは売買単位を10口に小口化し、個人投資家にも買いやすくする。

(中略)

株式市場が低迷し売買の落ち込んだ2008年度も、個人のETF買越額は前の年度に比べて17%増えた。

(以下、省略)

(以上、引用終わり)------------------------

個人的には、TOPIXのETFは利用していませんが、日本市場のETFの競争がより行われて信託報酬が下がっていくのは、我々にとって良い現象ですね。どんどん競争していただいて、単なる信託報酬の低さだけでなく、様々な選択肢を提供する競争も早く起こって欲しいものです。

ここからはあまり投資には関係ありませんが、記事の最後の方にあるとおり、市場低迷時に資金が集まっているETFを見て、「うちもやらなきゃ」と叩いて参入するのは、企業戦略としては最悪の戦略で、よっぽどの最大手でない限りは、成功する見込みは限りなく小さい戦略だと思います。おそらくは、先発会社に信託報酬下げと小口化を追随され、殆どシェアを取れずに終わる可能性が非常に高いのではと思います。

投資の世界で言うとバフェット氏の言う、「横並びの強制力」ですし、マーケティングの世界で表現すると、いわゆる「MeToo戦略」になると思います。

こういう観点で見ても、個人的に面白く、将来の推移が楽しみです。

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2009年4月16日 (木)

仕組み債の落とし穴

今日の日経新聞朝刊に、表題のコラムが書かれています。内容は、当ブログで書いている内容と同様ですが、軽く引用してみます。

(以下、引用)-----------------------

各種の債券利回りは、信用度が最も高い国債の利回りを基準にし、各発行体の信用度と償還までの期間に応じて決定される。したがって、残存期間と信用度が等しければ、特別な理由がないのに利回りが突出して高い債券はあり得ないはずである。この原理は様々な金融商品にもあてはまる。有利な投資案件を期待して金融機関のあいだを探し回っても、徒労に終わると考える方が賢明である。

ところが、証券会社や銀行は、ことさら利回りの高さを強調した金融商品を次々と登場させている。銀行の一年定期預金は概ね0.3%弱、五年国債の利回りは0.8%程度のこの時代において、2%や3%あるいはそれを超える高利回り商品を盛んに販売している。これらは仕組み債や仕組み預金と呼ばれるもので、種類も多い。しかしいずれも特約条項がセットされており、状況次第では大損をすることにもなりかねない。

(中略)

これらの金融商品にはデリバティブ(金融派生商品)が多用されるが、これも金融機関の収益源であることも含んでおく必要がある。発行体側が期限前での繰り上げ償還の権利を留保していたり、解約に多額の違約金を要したりするなど、投資家が厳しい条件を強いられることも多い。

こうした金融商品は、個人投資家だけではなく、公共団体や学校法人、公益法人など専門知識を有する投資家の間にもかなり普及しており、深刻なトラブルにまで発展している例も少なくない。このため、所管官庁が慎重な投資判断をするよう警告を発したこともあるし、政府の関係機関である国民生活センターが数年越しで消費者に注意を呼びかけてもいる。

市場の実勢からかけ離れた高い利回りの商品に出会った際には、十分に内容を確認し、真に投資に値するものか慎重に吟味する必要がある。うまい話であればあるほど、どこかに落とし穴があることが多いからである。

(以上、引用終わり)------------------

至極、真っ当なことばかりかかれています。法人も思いっきりつかまっている等、当ブログで過去取り上げて書いたことと思いっきりかぶっていたりします。最近はいそがしくて、今も日本の金融機関が一生懸命この手の商品を販売し続けているのかどうか正確に把握してはいないのですが、この手の商品は手を変え品を変え出現してくるのが常なので、本当に注意する必要があります。

このように新聞等に叩かれて一度下火になることはあっても、またいずれにょきにょきと出てくるのでしょうね。歴史的に考えても、容易に予測できることです。

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2009年3月 7日 (土)

経団連の株価対策案

経団連が冗談のような株価対策を提言するみたいですね。たしか朝日新聞の記事だったでしょうか。発行債券にETF転換権をつけるといった内容です。すでにいろんなブログ等で取り上げられています。

おそらくは日経平均やTOPIXのETFへの転換権でしょうから、理屈上は、発行債券に対し、それら原資産のコールオプションを組み合わせるポジションになるでしょうか。すなわち、経済合理的には、原資産のコールオプションの価値の分だけ、発行債券金利は下がることになると思います。

冗談のような話なので、まじめに計算する気が起きませんが、おそらくは理論的には当該債券の適正金利はマイナスになるのではないかと推測します。今の市場のボラティリティを前提に計算するとそのマイナス幅は巨額になりかねません。結局は記事でたしか触れられていた通り、国の税金をばら撒く結果になると思います。

オプションの世界のビークルは全然詳しくないですが、このETF転換権付債券を買って、市場で同期間のコールオプションを売ることがもしできるとしたら、裁定取引で固定リターンをロックできると思います。

仮想的に考えて、すべての当該債券購入者がコールオプションを売って利益確定するとしたら、このポジションは株式市場に対しゼロスクエアポジションのような気がします。すると、あら不思議、この対策は株式市場に対し、何らプラス要因の対策にならないという結論にたどり着いてしまいます。ある意味、非現実的な仮定をした場合の帰結ではありますが、この結論、果たして正しいでしょうか。

なんにしろ、何とも非現実的な話ではあります。

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2008年12月17日 (水)

毎月分配型投信 分配金の減額相次ぐ

16日の日経新聞朝刊の記事です。

//(以下、引用)------------------

分配金を投資家に毎月支払うタイプの投資信託の間で分配金を引き下げる動きが相次いでいる。各国の金融緩和で外国債券などの利回りが低下し、減資となる運用収益が細っているからだ。足元の急速な円高で環境は一段と悪化している。運用各社は分配金を抑制することで資金の流出を食い止め、長期的な安定運用を優先する。

分配金は、運用の成果を投資家に現金で配分するもので、株式でいえば配当に相当する。分配金の支払いを毎月にすることで、定期的な現金収入を求める高齢者など個人投資家の人気を集めてきた。投資信託協会によると毎月分配型投信の純資産残高は11月末で23兆円と公募株式投信の56.8%を占める。

日本より金利の高い外国債券で運用するファンドの人気が高かったが、毎月の利息収入が細り、分配金の余力が低下。ニッセイアセットマネージメントは10月に「高金利国債ファンド」の分配金(1万口当たり)を20円減らし、月60円にした。

純資産が4兆5000億円と国内最大の投信「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」(国際投信投資顧問)も格付けの高い先進国の国債などで運用しているが、欧州中央銀行(ECB)の利下げなどを背景に債券からの利息収入が減っている。11月末時点の平均利回りは2.83%と1年前に比べて1ポイント低下。円高で基準価格も6000円台前半と1年前に比べて2割程度低い水準に落ち込んでいる。分配金の形での外部流出を続ければ基準価格が低下する要因にもなる。国際投信は、将来の運用資産を確保するため、分配金の削減を含めて見直しの検討に入った。

//(引用終わり)------------------

以前のエントリーに書いた通りのシナリオが進行中という感じですね。まあ、当たり前ではありますが。ご参考のために、リンクをはっておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-cbd3.html

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2008年12月16日 (火)

デリバティブ活用の地方債 自治体の金利負担増

昨日の日経新聞夕刊の記事です。

//(以下、引用)------------------

米国発の金融市場の混乱が、地方財政に波及している。急激な円高になると支払金利が跳ね上がるなど複雑な仕組みの地方債で、一部の地方自治体の財政負担が増える例が出てきたためだ。調達額全体に占める比率は大きくないが、導入経緯やリスク管理のあり方など住民への情報開示を求められる可能性がある。

岩手県が2007年に発行した仕組み債(50億円)は為替レートに連動して金利が半年ごとに変動する。年限は10年。円安局面では1.37%の低利で資金調達できるが、半年ごとの基準日に対ドルで1ドル=98円50銭を超えて円高になると支払金利が5%に急上昇する。

米経済の不透明感などから足元の円ドル相場は1ドル=90円近辺で推移しており、金利負担が6ヶ月で9千万円程度増える公算が大きい。金利は最大9%まで上昇する契約で、円高が進めば財政負担は一段と膨らむ。同様の仕組みの債券を発行している神戸市では「金利上昇の条件となる為替レートにはまだなっていないが、相場を日々見守っている」という。

2年物国債と20年物国債などの長短金利差を判定指標とする仕組み債でも、借入金利が跳ね上がる。兵庫県では9月の基準日に金利差が条件を超えて縮小したため、1%以下だった金利が3%超まで急上昇した。新潟県も11月から金利負担が増えた。

自治体は金融派生商品(デリバティブ)を活用した特殊な債券である仕組み債での資金調達を増やしてきた。通常の債券に比べ発行当初の金利負担を減らせる特徴があり、財政が厳しい自治体にとって調達コストの低減が見込めるからだ。国内外の金融機関が営業を強化した背景もある。

07年7月に地方債協会が都道府県や市町村を対象に実施したアンケートによると、仕組み際を導入した自治体は17で、総発行額は約3500億円だった。だが発行増に伴い「自治体のリスク管理体制の整備が必要」(格付投資情報センター)との指摘が増えており、総務省も警戒を強めている。

//(引用終わり)------------------

事業会社だけでなく、自治体もですか。見事に金融機関にはめられている感じです。参考として以下のリンクをはっておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-9472.html

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2008年12月 1日 (月)

レバレッジビークルの落とし穴

最近はUSのETFでレバレッジのかかったものがどんどん出てきているように思います。特に、この方面も全然詳しくないので、推測や憶測のみになってしまい、かつ間違い等もあると思いますが、個人的に問題だと思うことを書いてみようと思います。

最近のレバレッジETF等は、個人的には投資対象として見ていないこともあり、全く覗いて見たことがないのですが、原理的に指数先物等が入っていることが多いのではないかと思います。まあ、資金借り入れ等によるレバレッジをかけても、結果の現象は原理的には同じだと思うので、この際細かいことは無視して話を進めます。

まず、100の資金があって、例えばS&P500の先物を買うことにより2倍のレバレッジ投資を行うETFがあるとします。まず最初に問題なのは、理論的に先物価格は短期金利調整された価格になっているはずですから、上でも挙げたとおり、あたかも100の自己資金のほかに、100の借金をして現物S&P500を購入したときのポジションと、原理的にはほぼ同じになるはずです。ここでもう、想定借入金100に対する借り入れ利子相当分だけ、パフォーマンスが劣後するんじゃないかと思います。

このポイントは、今回指摘したいメインポイントではなく、次のポイントが重要だと思います。

例えば、上の例で100の資金で、先物を使い200のS&P500のポジションを作った後、S&P500が25%やられたとします。すると200のS&P500ポジションは150に減ることとなり、このとき、このETFは50やられて、ETF資金は50に減ってしまうと思います。ここでETF資金が100から50に減ってしまったのですから、S&P500の先物ポジションは150から100に減らさなくてはいけません(2倍のレバレッジに再調整)。したがって先物ポジションの3分の1を売らなくてはならなくなります。

次に、先に25%やられたS&P500株価が4/3倍(≒1.33倍)に増え、原点復帰したとします。すると100のポジションを持ち、50の資金だったETFは、133のポジションとなり、ETF資金は83に増えます。(その後、先物ポジションは167程度に増やされます)

ここは、お約束ですが、ええっ!と驚くところです。(笑)

S&P500がいったん下がった後、上がって元の価格に戻っても、レバレッジがかかったETFは原点復帰できない(100に戻らない)のです。

これは何故か?上の例でこのETFがやっていることを冷静に見ればすぐにわかります。このETFは市場が下がったときにポジションを売りたたき、市場が上がった後に、ポジションを増やすのです。

まさに、リスク資産への投資で資金を失う投資家と全く同じ投資行動になっています。高値掴みで買い、安値で売り叩くことは、人間が感情的にやっても、機械的かつ定期的に行っても、本質的に全く同じ結果を招きます。

つまり、ただ想定借り入れ資金利子にかかる負担だけではなく、その投資行動から生まれるネガティブ要因により、レバレッジビークルは、せっかくのリスク資産の無リスク資産超過リターン期待値を吹き飛ばす構造になっているわけです。

上記の例はまことに荒い例であって、実際はデイリー等でリバランスされるのでしょうが、細かくやっても理論的に問題の構造は解消されることはありません。また、先に上げがきて、後に下げて原点復帰する形でも、同じように、レバレッジビークルは原点割れしてしまいます。

レバレッジETFは、せっかくのリスク資産の無リスク資産超過リターン期待値を吹き飛ばし、長期投資を行うときに得られることを期待する利益源泉が消失してしまう構造にありますから、まさに丁半ばくちに近いビークルになってしまい、長期投資する意味のないビークルになっていると思います。

なので、私はレバレッジビークルは、はなっから投資対象外にしているわけです。

個人的には、当該商品は、賭場のばくち商品と認識しています。ETFの中にも、投資してはいけないと思う商品がどんどん増えてきますね。

そうそう、最近は、昔懐かしのポートフォリオインシュランスのしくみ(市場価格に応じてリスク資産のエクスポージャーを動的に変える仕組み)をまた目にするようになっていますが、個人的には、最近の市場波乱でデリバティブ複製に失敗しちゃった業者が、それに懲りてそのようなリスクの相手方への転嫁を試みているという側面もあるのではないかと見ています。

ちょっと話がそれてしまいましたが、このしくみもまた高値買い安値売りの機械的投資であって、上記レバレッジビークルと全く同じようにリスク資産の無リスク資産超過リターン期待値を吹き飛ばす構造になっていますのでご注意ください。これも、個人だけではなく事業会社もあまねくつかまっているのではないかと懸念され、・・・困ったものです。

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2008年11月 3日 (月)

特選!買ってはいけない金融商品まとめ

振り返って見ると、当ブログで、この関連のテーマで書いたエントリーがたくさんあるように思います。

ついては、この関連のブログをまとめて取り上げるブログを作成、リンクを張ることにより、ご覧になる方が、危険な商品群を短時間ですばやく理解、チェックできるようにしたいと思います。

まずは、日経平均オプション内包型投資信託です。これは全ての人にとって、買ってはいけない商品だと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_e5fb.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_0b05.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-9472.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-501a.html

次は、仕組み預金です。これもデリバティブが組み込まれた、個人にとって確率上、非常に不利に設計された商品だと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_e9d8.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_6248.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_9659.html

次は、期限付高金利預金と投資信託とのセット販売です。セットで買うと本当にお得になっているでしょうか。金利を実額で計算してみたり、どこかで別の会社が同種のファンドをノーロードで販売していないかどうか、当って見た方が良いと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_7f23.html

以下は、グロソブを代表とする毎月配当型投資信託です。毎月のキャッシュインフローが本当に必要な方以外は、買ってはいけない商品だと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_8239.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_5896.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-cbd3.html

次はご当地ファンドです。買ってはいけないかどうかは、人によるとは思いますが、ある意味、投資信託の根本思想を否定しにいっているファンドだと思いますので、買おうと思われる方はそのポイントとデメリットを十分承知して買うべきと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_89c3.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-a514.html

その時代時代のホットなテーマに投資する金融商品についても注意が必要です。ぼったくりの仕組みが内包されていることが非常に多いと思います。過去、ベトナムや中国本土株ファンド等について取り上げています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_d07a.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/a_2f49.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_56b4.html

このエントリーは買ってはいけない金融商品ではありませんが、引っかかってはいけない金融商品の表示、開示に関するエントリーです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_195c.html

次は変額年金です。この商品の場合は、名目購買価値の方を実質購買価値よりも重視してしまう人間心理に注意して、本当にその保証が自分にとって必要かを考える必要があると思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_38bf.html

このエントリーのような金融機関の話も注意すべき話かと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_e524.html

ETNにも、注意すべきです。そのリスクとデメリットをきちんと理解した上で、それでもそのETNが必要な場合にのみ、購入を考えるべきです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/etfetnno_3c5e.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/etf_a655.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/etn_4549.html

ETFも例外ではありません。以下のエントリーで取り上げたETF群は、今のところ、当方の懸念でしかなく、そのデメリットが既に証明されているわけではないと思いますが、注意すべきETFがあることは念頭において投資すべきだと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_5025.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/powersharesetf_2c2e.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/powersharesdyna.html

これもETFに関するものですが、レバレッジ型とも呼ぶべきものです。これも買ってはいけない投資商品だと、個人的に考えています。また、ETFに限らず、同じ仕組みを有していて長期投資する理由が消失してしまうナンセンスな商品が世の中には存在していますので、ご注意ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-391f.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/ultrashortetf-c.html

その他のこのテーマに関連するエントリーです。買ってはいけない金融商品か、そうでないか判断するための考え方の参考にしていただければ幸いです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_5f8c.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_bfdd.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_a6a9.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_7f76.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_4176.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_53c7.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/isharesetf_50df.html

間違いなく、買ってはいけない金融商品をきちんと避けることが、フィナンシャルフリーダムに到達するための必要条件の1つだと思います。

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2008年11月 2日 (日)

お寒い金融商品たち

金融市場の歴史に残りそうなくらいの下落が起こってしまうと、必然的に、お寒い商品群に悲惨な結果が降りかかってきます。

ちょっと気になって、ある会社の日経平均オプション内包型投資商品の運用レポートをのぞいてきました。いわゆる30%とか日経平均が下がらなければ高金利がもらえるという商品です。

当ブログではすでに山ほど取り上げたり、解説したりしているタイプの商品なので商品説明は省略しますが、今回の下げで設定したファンドの全てが、見事に息の根が止まって(元本保証が外れて)いますね。運用レポートではまだ9月末の結果しか載っていないので、そのレポート上ではまだ生き残っているファンドもありますが、そのファンド群も10月の下げで全てアウトになっているはずです。ノックイン価格がすべて10月の最安終値より上ですから。

この会社は直近数ヶ月はこのタイプのファンドを設定していないようです。たぶん推測するに、このようなノックインが生じ始めた今年の年始あたりから、このようなファンドを販売した会社のお客に対する対応、説明にてんてこ舞いなのではないでしょうか。「こんな大損の可能性のある商品だとは聞いていなかった」だとか「(ほぼ)確定利回りだ(30%も下がりませんから)と聞いた」とかいうやりとりが目に見えるようです。

金融機関にとって、このような利益にもならない負の仕事に延々ときりきり舞いさせられたら、その商品内のデリバティブでぼったくりしたとしても、てんで割が合わないのではないでしょうか。こんなお客対応で振り回されて、商売が長期に中断するばかりか、肥沃であった土壌がやせ細ってしまって将来のビジネス継続のための顧客地盤まで失われてしまいかねません。販売員も、こんな後ろ向きの仕事ばかりではいやになってやめちゃうのではないでしょうか。

全ては、自分たちの利益しか考えない、身勝手な発想による商売から来ていると私は思います。自らの利益(Win)のために、お客の利益(Win)を真剣に追求する、商売人が成功するためには当たり前に必要な態度が欠けているから、必然的にこの結果を得ているのだと思います。

お客のWinを考えたら、この商品のような設計はできません。全ては、見かけ上の高い表面金利を出すがため、すなわち仕組みの良くわからないお客を釣るためにやっている設計だと思います。

こういうところに会社としての品格が出ますし、品の悪い会社は長い目で見れば見事につかまってこけていくように思いますね。これは、おそらくは金融に限った話ではないのでしょう。

それにしても、設定した全てのファンドでノックインとは、ある意味見事というほかありません。

そういえばこの間、個人年金商品でも「80%のノックアウトにひっかかってしまったのだが、どうしたら良いか」という相談をある人から受けました。

やれやれ。

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2008年10月31日 (金)

日銀

日銀が0.20%利下げしましたね。

市場のコンセンサスが0.25%だったところ、微妙にコンセンサス水準から削ってきました。

私個人の勝手な感想ですが、「セコイな」と思いました。おそらくは、もう一回の利下げ(ゼロ金利でないところへの利下げ)の余地を残したのでは(次は0.10%に下げることができるようにしたのでは)と感じましたが、世界的に今回の危機に断固立ち向かう姿勢を各国政府が見せている中で、断固とした背水の覚悟というか意思を見せない日銀の弱腰ぶりを感じました。

0.25%であったらどうだったかは、仮定の話なのでさっぱりわかりませんが、やっぱりこの覚悟の無さは市場に見透かされたのではないかと思います。

麻生首相の3年後の消費税上げの話も余計だと思いますね。目の前の危機対応の話の中で将来の帳尻合わせの話をされたら・・・一気に醒めちゃいますね。

まあ、11月の投資資金を投資するときに、またいい具合に市場が下がっておいてもらえれば、却って良いかもしれませんが。将来のために、こういう状況で、淡々と効率よく株主純資産を積み上げていくだけのことではあります。

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2008年10月26日 (日)

グロソブモデルの終焉?

グロソブの基準価格が急落しています。

http://www.kokusai-am.co.jp/fund/pdf/weekly/148013.pdf

これも、7000円を割ったときに記事になったみたいですが、今は何と6200円台になってます。

昨日の「行列」というエントリーと同じ、本質的に直近の急激な円高が主な原因かと思いますが、解約増による純流出も発生しているらしいですね。

純資産もあっという間に4兆6千億円台まで急落しています。

この巨艦ファンドに右に倣えで、似たような毎月分配のファンドが山ほど存在していると思いますが、この形態のファンドはこれからかなりまずい状況になるのではと推測します。

世界のソブリン債に投資するファンドはこれからどんどん、各国の政策金利引下げ後の利回りが低下したソブリン債へ、償還の度ごとに乗り換えて行かなければいけなくなります。もともと蛸足であったのに、頼みの円安効果による益も無くなり、将来のクーポン収入は下がっていくことになってしまうわけです。月40円分配だと、今の基準価格では年8%近くの分配率になってしまいます。クーポン収入が減る中激しい蛸配を続けていると、あっという間に基準価格が激減してしまうので、早晩40円分配は大幅に減らさざるを得ないのではと予測します。

そもそも、このタイプのファンドは、「低金利の日本の環境でも、まとまった分配金を定期的に得たい。その効用の代わりに為替による元本毀損リスクを背負うことになるが、そこをあえて気付かない、あるいは気付かせないで売る」という、ある意味、お客と売り手の都合の良い共通幻想が根っこにあるものと思います。

円安と日本金利に対する諸外国の相対的な高金利という2つの条件が消滅してしまう時代には、急速に消滅していく共通幻想とともに、消えていくしかない恐竜のような終わり方をするかもしれないと感じます。

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2008年10月25日 (土)

行列

今日、某大都市に買い物に行ったところ、行列に出くわしました。くの字になっていて、15~20メートルくらいは続いている感じでした。

なんだろう?と思いながら、歩いて通り過ぎると、その先に為替の両替所がありました。

一瞬考えて、なるほどと思いました。

みんな、恐ろしく円高に動いた今の状態で外貨に換えておこうと集まっているわけですね。おそらくはかなりの方が近くに海外旅行等で外貨を利用する予定があるのでしょう。

こんなところにも、市場というか経済というか相場のダイナミズムが影響を与えているのですね。ある意味びっくりというか、なるほどと感心する出来事でした。

ちなみに、うちの奥さんにも、今日、「今のうちにユーロに換えておいたら?来年はヨーロッパに行きたいし。」と言われてしまいました。

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2008年10月18日 (土)

企業もノックイン被害

本日の日経新聞にある意味面白い記事がありました。

以下に転載します。

(以下、引用(マーケット総合1より))

「ノックインの思惑消えず」

ノックイン型の投資信託に思惑がくすぶっている。この投信は日経平均株価が一定期間内にあらかじめ設定された水準(ノックイン価格)を割こまなければ高い利回りを享受できる金融商品。反面、償還までにノックイン価格を割り込むと元本割れのリスクも発生する。

主に外資系証券が私募で販売し、運用難の地域金融機関に人気が高かった。最近の相場急落で過去に設定された同型投信の多くがノックインしたと見られ「損失規模は合計で1千億円程度になったのでは」(欧州系証券)との指摘もある。地域金融機関の経営問題が再燃するなか、新たな火種となるか-。

(以上、引用おわり)

だそうです。なんとまあ、右も左もわからない金融弱者の一般個人が情報格差で金融機関にだまされて売りつけられたのならともかく、しっかりとした判断能力がなければつぶれてしまう企業群も見事に欧州系証券にだまされてノックイン投信のような商品に手を出しているとは。全く知りませんでした。

企業会計でこの手の投信がどう計上されるのか知りませんのでなんとも言えない面もありますが、一般企業がどうしてこんな商品に手を出すのか本当に理解に苦しみます。

ここも専門家ではないですし、直に当該商品を見たわけでもないのでざっくりとした話になりますが、基本的にこの商品はアウトオブザマネーのプットオプション売りポジションになるかと思います。市場が上昇あるいは一定以下の下落で済めばプレミアム収入を丸儲け、一定以上下落したら、その下落幅の損という、いわゆる原資産の一種のロングポジションです。

私が理解に苦しむのは、証券会社の利益スプレッドがたっぷり乗ったデリバティブは、通常、公開市場で取引されるデリバティブに比べて、比較にならないほど不利になっているだろうと思うのに、なぜわざわざそんな経路で企業がポジションを持たなければならないのかということです。おそらくは理論的なプット売りプレミアムの3分の1とかそんな規模で、証券会社に利益を抜かれているものと推測します。

つまり、似たようなリスクポジションが欲しければ、日経平均オプションを取引すれば良いのにと思うわけです。

また、企業たるもの、自らのビジネスモデルで平均的、すなわち株式市場の平均的企業よりもすぐれたリターンをより小さなリスクで達成することが、株主から求められているはずです。それなのに、株式市場の平均的企業を原資産とするロングポジションを証券会社の強烈なスプレッドを抜かれる商品で構築して、長期のビジネスにおいて平均的企業を超えるリターンを平均的企業を下回るリスクで達成することが可能だと、本気で考えているのでしょうか?

正直、企業の判断としては、信じられない内容です。

上に書いた通り、もしかするとノックインするまで一切の損失認識の必要性がないとか、企業会計上のメリットがあるから当該商品を買っていたりするのかもしれません。ここについても全く知りませんので、なんともいえません。

しかしながら、企業がやる誤ちの1つに、好ましい会計制度ゆえに、あえて経済的に不利な商品を購入してしまう愚があります。これは、一般個人が、税制有利であるがゆえに、恐ろしく経済的に不利な商品を買ってしまう愚に、結構良く似ているように思えます。どんな会計制度の元でも、ハイリスクローリターンのナンセンスな商品を購入した方が経済合理的だという結論にはなりようがないと思います。会計はどこまでいっても所詮、真の姿に一方向から当てたライトの影絵でしかありません。特定会計制度で見た影絵の姿が良いからといって、その本物の姿かたちをみようともせず、購入行動を起こすのはまことにナンセンスな姿かと思います。

しかし、本当にあきれてしまいますね。

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2008年10月 1日 (水)

法案否決

29日の米国下院議会の金融安定化法案の否決は、意外だったですね。たぶん、これを純粋に予想した人はあんまりいなかったのでは。

それを受けた米国市場の暴落ぶりもすごかったですね。朝起きてから知ったので、後の祭りでした。

仕方が無いので、30日の米国市場の寄付きで、早速10月の投資資金を投入してしまいました。これで、10月はいつ投資資金を投入するか迷うこともなくなりました。おこずかいをあっという間に使ってしまった子供の気分ですね。

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2008年9月19日 (金)

AIG関連ファンド

今日の日経新聞朝刊にAIGの指数連動債券に投資していたファンドが、今回のAIGの公的救済により指数算出ができない(おそらくは債券が市場で寄り付かないので、価格算出できない)ことにより、解約、換金停止の憂き目に遭っているという記事がありました。

この問題は、当ブログでさんざん言及してきたETNの問題と本質的に同じです。1会社の信用リスクに依存した投資ビークルがいかに怖いものか、このような信用リスクに敏感になって投資の方法にきちんと反映させていくことがいかに大事なことかがわかります。

興味ある方は、当ブログ内でETN等を検索して見てください。

同時に、そのような1会社の信用リスクに依存しない、優れた仕組みの投資信託やETF(日本のETFには本質的にETNなものが結構ありますのでご注意ください)について、上記記事に煽られて売ってしまうなど、イロジカルな過剰反応は避けて欲しいですね。

このポイントは本当に重要なポイントだと思いますので、以下で、過去の当ブログ記事をリンクしておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/etfetnno_3c5e.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/etf_a655.html

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2008年9月17日 (水)

破たんで社員持ち株が紙くずに リーマン社員の「天国から地獄」

表題の記事がありましたので、リンクします。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000004-jct-bus_all

「サラ”リーマン”は自社株を保有しちゃだめ」という、ある意味常識的なリスク管理のための鉄則ですね。

このあたり、いまだにほんと無頓着な方が多いですよね。

あと、個人的には、あまりにも大きな自宅の住宅ローンも、本質的には1投資案件のレバレッジ集中投資になってしまい、自国とその地域の長期不動産市況で生涯の資金的な運命が決まりかねないので、リスク管理上好ましくないと思っています。

リスクの集中で財を成せるのは、人並み外れて優れた一部の能力者か、人並み外れて運の良い者だけかもしれません。くれぐれも、人生を賭けたベットは控えめに。

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2008年9月11日 (木)

サムライ債

今回は趣向を変えて、金融系の時事的話題に触れてみます。

この分野、私は素人ですので、間違い等あるかもしれません。以下はその前提で、お読みいただければと思います。

最近、外国会社がしきりに日本でサムライ債を発行しているようです。以下のリンクは、シティのサムライ債関連の記事です。

http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/jcast-26675/1.htm

確か、最近の日経新聞にも取り上げられていましたね。

おそらくは、海外の市場で付いている債券の信用リスクスプレッドに対し、日本で円建てで発行すると、そのスプレッドが海外で発行するより小さくなるので、おいしいと思ってこれら外国会社が日本でサムライ債を発行しているのはないかと容易に想像がつきます。ただ、この手のことを個人的に一度も検証してみたことがなかったので、軽く調べて、本当かどうか計算してみました。

某アメリカの証券口座で社債を調べて見たら、ちょうど今日本で発行されているシティのサムライ債と条件の近い、3年物の2011年9月末償還の債券が見つかりました。その債券のクーポンレートは5.1%で、プライスは100.27でした。ざっくりと計算してみると、この債券の複利利回りは、ちょうど5.0%程度になり、それを米国国債の3年物の今の金利水準(2.33%、ブルームバーグのサイトより)から引き算すると、今のシティの信用リスクスプレッドは、5.0%-2.33%で、およそ2.67%であることがわかります。

ここでざっくり、今の日本国債の3年物(0.86%、これもブルームバーグのサイトより)にシティの信用リスクスプレッド2.67%を足すと、3.53%となります。このレートに対し、上記記事のシティのサムライ債のクーポンレートは3.22%なので、サムライ債にして日本で債券発行することにより、シティは社債支払金利を年率でおよそ0.31%節約できたことに、計算上はなるかと思います。

うーん、思ったより差が小さいですね。確かに想定通り、日本で債券発行することにより、シティは支払金利スプレッドを節約してはいるようですが、個人的には、もっとものすごい差があるのではないかと予想していました。

前回シティがサムライ債を発行した際も検証しておけばよかったですね。そうすると、時系列の比較も出来、もっと面白い結果も確認できたかもしれません。

上記の検証が正確に正しいためには、おそらく厳密には日本国と米国の信用リスクに差がない必要があって、これは厳密には全然満たされていない条件だと思いますが、とりあえずこのポイントについて、論理的に妥当なスプレッド差を解明するのは不可能だと思いますので、上記ではこういう難解な話は無視して話を展開してみました。

米国証券口座を保有している方は、US債券市場でダイレクトに既発債を買った方が、日本のサムライ債を買うより、信用リスクスプレッドとしての金利は実質的にたくさんもらえる可能性がやはり高そうだという、まあ、当たり前かもしれない結果となりました。

ご参考まで。

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2008年8月20日 (水)

大証 インドなど通貨連動ETF

個人的にはあまり興味の無い話題ですが、ご参考まで。

本日の日経新聞朝刊の記事です。

(ここから引用)

大阪証券取引所は9月にもインドやブラジル、ロシアの通貨に連動する上場投資信託(ETF)を上場させる。大証はすでに中国やロシアの株価指数に連動するETFを上場しており、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に関連するETFがそろう。成長期待の高い新興市場への投資を容易にし、投資家の選択肢を広げる。

通貨に連動するETFは国内の取引所では初めて。

新たに上場する3種類のETFは、それぞれルピー、レアル、ルーブルに対する日本円の水準に連動する債券を組み込む。通常の株式と同じように取引所で売買でき、保有すれば年4回の配当金を受け取れる。

(引用ここまで)

また料理でいうとパセリに相当する脇役資産上場の流れですね。

どうでもよいけど、記事からはETNっぽいですね。

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2008年8月17日 (日)

なぜビジネス書は間違うのか

表題の本を読みました。

特に投資に関係ある本と思って読んだわけでは全然ないのですが、いわゆる「すばらしい(と世の中が認める)企業への投資は、とてもさみしいパフォーマンスとなってしまうことが多い」という投資の教訓を、再度思い出させてくれる本でもありました。

本書の主旨を当方なりに簡潔に要約すると、「ビジネス書の成功企業の分析はハロー効果(成功者には後光が差している、すなわち成功したから、CEO、戦略、実行、従業員、会社環境、哲学といったすべての面が優れて見えるという効果)にまみれていることが多く、この効果にまみれている分析は、これから成功する企業となりたい場合には、全くといってよいほど役に立たない。」となります。

この効果の影響を指し示す例として、当書籍では「エクセレント・カンパニー」とか「ビジョナリー・カンパニー」といった書籍で取り上げられた超優良企業の、その後の株式市場のパフォーマンスや資本利益率の推移等も取り上げています。その事例では、得てして「インデックスファンドに投資しておけば良かった」というさみしい結果となっており、また利益率も実際に下降してしまっていることが多いようです。(詳しくは当書籍をご参照ください。)

いわゆる「知ったら仕舞い」、「異なる期間の企業成績や利益率等の相関性の低さや平均回帰の法則」といった、いわゆる投資の世界の目で見た重要ポイントが、ビジネス本の中でも確認できるわけです。

思わぬところで投資に役立つ本でしたので、取り上げてみました。

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2008年8月10日 (日)

北京オリンピック開幕の影で

中国本土株が下落しています。

http://searchina.ne.jp/#REAL

あらためて月足グラフを眺めて見ると、どうしようもないバブルに見えますね。

http://stock.searchina.ne.jp/data/chart.cgi?span=90&asi=2&code=SSEA

長年の中国本土株バブルウォッチャーとしては、想定通りの展開といったところでしょうか。まあ、もともと中国本土株に投資したことなど、ただの1度もないので、どうでも良い話なのですが。

信頼できない市場には投資しないということと、クレイジーなバブルには決して近づかないということ。これからもずっと肝に銘じたいですね。

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2008年8月 8日 (金)

二重通貨建定期預金

本日の日経の夕刊に二重通貨建定期預金という商品の記事がありました。満期時点に為替レートが当初設定値以上不利になっていたら、外貨建で元本が帰ってくる、すなわち、満期為替レートが不利になると、元本毀損があって、表面の高金利が相殺されて投資のトータルリターンがマイナスとなることがあり得る形の商品です。

いつの間にこんな商品も出ていたのですね。

ためしに為替レートと日米国債金利差を用いて、また為替変動についてざっくり正規分布を仮定して、3年米ドルの事例でのある取り扱い商品の条件でのお客の期待リターンを計算してみたら、なんとおおよそ期待リターン0%程度という結果になってしまいました。

3年物円国債の年率リターンが0.82%という、足元の環境においての結果です。すなわち、この商品を販売することにより、金融機関は、デリバティブポジションのヘッジ後でざっくり0.82%×3年=2.46%くらいは無リスクで儲かって、お客は期待リターン0%のばくちで遊ぶという姿になると思います。

ほんと、寒い商品です。こんな商品で遊んでいると、インフレの分だけ、ほぼ確実に貧乏になっていくこと、請け合いです。ご注意遊ばせ。

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2008年7月 7日 (月)

国債新型窓販6月債53%増

本日の日経新聞朝刊上で標題の見出しの記事が書かれています。

個人向け国債の方ではなく、債券市場で取引されている通常の国債の個人向け販売の方の話です。(記事からは、2007年10月より始まった取り扱いであるようです。)

3月の国債金利の底から、金利が上昇するのに比例するように、4月、5月、6月と、ぐんぐん販売が伸びている様子が、記事中でグラフで示されています。

まだ、記事等になっていないと思いますが、直近6月の個人向け国債の販売も、好調だったのではないかと個人的に推測しています。というか、多くの金融機関で、この期間はこれしか満足に売れる商品がなかったのではないかと推定しているので、たぶんこれから新聞記事で明らかとなってくるだろう情報がたのしみでもあります。

こういった情報は、見事に逆張り指標として利用できます。いわゆる「人の振り見てわが振り直せ」というやつです。自分のような長期投資家は、しっかりと毎月の投資可能資金をリスク資産に回し続けなければいけないなと、あらためて感じさせてくれます。

「日本国債もリスク資産?」確かに、その通りですが、当方の投資対象には、残念ながら含まれていません。

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2008年6月14日 (土)

エネルギー危機からの脱出

表題の本を買って読んでいます。

まだ、ご紹介するに足る本かどうか判明しませんが、第一章だけ読めば、石油とその他関連エネルギー資源の現状と問題点がさくっと書いてあり、簡単にこの関連の知識を得るにはよい本なのではないかと思います。

この関連の書籍等を読まれたりして知識のある方にとっては、ごく当たり前の知識の数々なのかもしれませんが、原油関連相場を単なるバブルとしてしか見たことのない方にとっては、もしかしたら今まで知らなかった衝撃の話が書かれているかもしれません。

だからといって、将来どうなるという話でもないですし(私にはわかりません)、石油関連ETFを買いましょうという話でもないのですが(現に私は昔から石油株ETFを保有し続けていますが、石油ETFは保有していません)、さすがにNY原油相場を単なるバブルと見るのも、この本が示すような将来の需要と供給予測の劇的なギャップや直近の将来に控えていると予測されているピークオイルのタイミング予測、次々と実際にピークを越す各国の石油生産量などを踏まえれば、かなり楽観的に偏りすぎていないかなと思うのです。

私がこの本を買ったのは、この第一章の知識を得るためではなく、第二章以降の、「ではどうするか」のところに興味があったからです。間違いなく、「ではどうするか」といった解決策に世界は向かう必要があって、確実にその方向に世の中は進んでいくのではと考えていて、その方向性と将来の姿に興味があります。

まだ殆ど読めていませんが、もしここでご紹介したいところがあれば、また取り上げたいと思います。

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2008年4月29日 (火)

信用リスクスプレッド

思い返せば、当方がサブプライム関連によるマーケット動乱の初動を感じたのは、米国Treasury金利の動きからでした。コメントで宿題をいただいてから分析検討した結果、IEFとHYGの資産価格の差の広がりから信用リスクスプレッドの広がりを知覚し、米国Tresury金利の下落は質への逃避なのではないかと感じて、サブプライムローンの影響ではないかとエントリーしたのが以下の一連のブログです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_c2df.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7d88.html

あのときから、HYGとIEFのスプレッドはどうなったでしょうか。

以下が現在の両者のグラフです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart3:symbol=hyg;range=20070427,20080425;compare=ief;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=on;source=undefined

信用リスクスプレッドも、最悪に広がった時期を過ぎて、すでにかなり縮小に向かっているように見えます。何が何でも質への逃避というヒステリーなマーケット状況のフェーズは過ぎ去って、債券市場も合理性を取り戻しつつあるように思えます。

世界の株式市場のここ最近の戻りと、米国債券市場の正常化への動きは同調しているかのようです。

動乱の時を過ぎて、平穏な時がやってくるのかもしれないですね。

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2008年4月25日 (金)

インフレの足音

いよいよその足音がはっきり聞こえてきましたね。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/commodity_price/?1209094752

以前より、インフレの芽?シリーズでこの手の話題を当ブログでも取り上げてきましたが、とうとう国の統計上でも明らかになってきたようです。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_cc57.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_0e51.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_9e18.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_438c.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_a889.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_bdae.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_809f.html

このニュースが原因でしょうか。日本国債の金利が跳ね上がっています。この間まで10年物国債の金利は1.25~1.35%あたりをうろうろしていたように記憶していますが、今日は、とうとう1.61%まで上がったようです。

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

いよいよ、本格的なインフレの時代かもしれません。輸入物価も上がって日本の貿易黒字も減っているようですし、『貿易で稼げない国、日本』となるならば、大借金の日本国通貨も、いずれはやばい状況になるかもしれません。日本国と日本国民にとっての国際分散投資の必要性も火急なものとなってくるかも。

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2008年3月23日 (日)

日興の中国A株ETF上場のニュースに思うこと

日興が野村の中国A株ETFに対抗して、東証で中国A株ETFを出すようです。すでにいろいろなところで、話題になっていますね。

正直、個人的には利用可能性ゼロの商品で、何の興味も無いので詳細に調べておらず、その内容を全く把握していません。なので、本当の状況はまるでわかりませんが、この間の大証での中国A株ETF(ETN)のように、市場の自由な裁定が効かず、日興側の恣意的な裁定しか効かない仕組みで、大幅なプレミアム/ディスカウントになってしまう可能性を内包する怪しい商品でないことを祈ります。

今回は、この視点ではなく、別の視点で個人的に思うことを書いてみようと思います。

これは、全くの個人的な推測でしかありませんが、まさにバフェット氏が言う「横並びの強制力」という現象ではないかと思います。これを、私の言葉で説明すれば、「世の中の多くの企業は、商品開発、事業戦略、買収などなど、競合企業が行った行動は、たとえそれがどんなに愚かな行動であっても、横並びでモノマネに走る一般的習性を持っており、この愚かな企業行動を横並びの強制力と言う。」となると思います。企業を見る確かな目をもつ偉大な投資家は、そんな愚かな「横並びの強制力」という病に罹った企業には投資しないわけです。

今回は、日興と東証が、その内容をきちんと精査することなく、野村と大証がやったことを、「ライバルがやったのだから、一刻も早く俺たちも」と追随したのだと思います。やることが、護送船団金融行政だった時代と全く変わっていないように見えます。

クレイジーな水準にまで買い上げられた後、バブルが崩壊したことが疑われる、また情報開示その他の投資対象としての条件が著しく悪条件な中国本土株など、マネーゲームの対象にしかならないでしょうし、もし空売りが自由にできなければ、マネーゲームの対象にすらならないかもしれません。日本の証券会社や証券取引所が、将来の日本の投資家に資するために、それはすなわち自らが将来繁栄していくために提供する商品として、真摯に考えた上で出てくる商品ではないと思います。業界のリーダーが既得利益温存しか考えずに、こんな商品を率先して開発して、業界2番手3番手がそのような愚かな手に追随する、まさにこうやって日本の証券業界と証券取引所は斜陽化していくのだろうなと、その将来を推測させる典型的な現象です。

これだから、ジャパンパッシングな態度になってしまうわけです。

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2008年2月28日 (木)

ノックイン投信

今日の日経新聞朝刊の「日本人とおカネ」で、ノックイン投信のことが書かれていました。

ノックイン投信が相場かく乱の原因となり、自身もノックインして不利な状態になってしまったという事例紹介で取り上げられたものと思います。

以前に当ブログでも取り上げましたタイプの商品の話です。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_e5fb.html

ちょっと、本日の日経新聞のコラムから引用してみます。

日本人とおカネ-第2部 自立を阻むもの(1)

アジア、欧州から日本へと株安が連鎖した1月22日。栃木県大田原市に住む主婦、朝岡和子(仮名、41)に証券会社から一本の電話が入った。「購入していただいた投資信託に元本割れの可能性が発生しました」

昨年7月に百万円で買ったのは「ノックイン投信」と呼ばれ、一定の条件付で元本と高利回りを保証する。その条件は日経平均株価が1万2700円台を下回らないこと。その日の株価下落で、元本保証はなくなった。「予想外。いくらになって戻ってくるのか」。朝岡は途方に暮れている。

(中略)

実は、朝岡が買ったノックイン投信は2010年の償還まで待てば、元本以上に値上がりしている可能性もある。ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。本当のリスクはノックイン投信の仕組みではなく、それを知らずに投資することだ。

(以下省略、引用終わり)

最近は、ノックインの可能性が高まった段階で、電話連絡したりするんですね。予想される激しいクレームに対する予防策でしょうか。

「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。本当のリスクはノックイン投信の仕組みではなく、それを知らずに投資することだ。」

とありますが、この手の商品では、いったんノックインしたら、その後当初元本を大きく上回ることがあっても、元本を上回った部分は手に入らない仕組みのものがあります。見かけの高金利をより高くするためには、そのような運の悪いときにはとことんひどい条件が待っているしくみになりがちです。少なくとも私がこの間当ブログで取り上げたときに見た商品はそうでした。

「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。」というのは、正しくない表現かと思います。ノックインしたときに、資産運用の知識を備えていたとしたら、その救いようの無い不利な期待値のリスクポジションを嘆く以外、もうなにもできないというのが正しい表現だと思います。

おそらくは、最悪、「運良く2010年までに30%以上上がって原点復帰して償還すれば今の評価損は消えるが、いくらそれ以上上がっても、株式投資とは違ってゲインはない。もし、原点復帰するまで上がらなければ損が待っていて、その損には限度がなく、下がれば下がるだけ損が増える。」という状態でしょうから。

期待値が大幅マイナスのリスク資産投資など、悪夢のようなものです。

私が適切に感じるように文章を変えるとすれば、「ある程度の資産運用の知識を備えていれば、あわてる必要はない。」ではなく、「ある程度の資産運用の知識を備えていたなら、決してこんな商品は買わなかった。」となります。

「この世の中にはフリーランチはない。」ことを腑に落としていれば、このような商品にも、決して引っかかることはないはずです。本当のリスクは、商品のしくみを理解せずに投資することではなく、それ以前の話として、投資の世界に踏み出すための基礎知識を身に付けないまま、投資の世界に踏み込んでしまうことだと思います。それでは、見た目の高金利などのまき餌につられてしまう危険性大だと思います。

市場の金利、国債の金利を知り、それらよりもかなり高い金利がついている商品があれば、その追加金利スプレッドに見合った(あるいはそれを大幅に上回る)不利なリスクがセットになってついてきているはずと考えるべきです。

しかし、商品を作る側、売る側に、金融のプロフェッショナルとしての誇りはないのでしょうか?

この国がもっとまともな金融商品で健全な市場発展を遂げることを望みます。

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2008年2月15日 (金)

新手の仕組預金

また、新手の仕組預金商品が開発されているみたいですね。

名前と会社は伏せますが、以前の仕組預金は、満期をお客ではなく販売会社が選択できる(すなわち、事後的な市場金利環境を踏まえ、お客に損になるように、満期を伸ばしたり、縮めたりすることのできる権利を販売会社が得て、そのオプション価値の一部(オプションプレミアム)を金利で還元する)しくみの商品でしたが、今回私が目にしたのは、満期時の償還元本を支払う通貨を、販売会社が選ぶことが出来る(すなわち、お客が最も損になる通貨を、満期償還時に販売会社が選ぶことになる)しくみの商品です。

この、償還時にお客にとって不利になるしくみの代わりに、その販売側にとって価値あるオプション価値が、期間中の金利に上乗せされていてしかるべきですが、私が見たその商品では、運用期間中の金利水準は、償還時に適用されるかもしれない通貨の債券に投資していれば、普通に得られるであろう金利水準でしかありませんでした。

つまり、外貨に投資していれば得られるかもしれない、円安時の為替利益を放棄して、円高時の為替損失の側だけ引き受けることになるにもかかわらず、その価値あるオプション売りのプレミアムが、期間中の金利にまるで乗っていないように見えるのです。

こんな商品に投資するなら、素直に対象通貨の外貨MMFにでも投資しておいたほうが、同程度の金利が得られて、かつ円安時に為替による超過利益が得られるだけ、有利だと思います。ていうか、こんなお金をドブに捨てるような商品には、決してつかまってはいけないと思います。

こんな商品につかまっていては、一生、フィナンシャルフリーダムには手が届かないこと請け合いです。ご注意ください。

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2008年1月24日 (木)

元本保証相次ぎ外れる

23日の日経新聞朝刊の記事です。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080123AT2C2203I22012008.html

いわゆるデリバティブ内包型の投資信託で、ある一定条件を満たした場合に、高金利と元本の保証が同時に得られるタイプの商品です。通常は、日経平均等の有名な指数の動きにしたがってペイオフが決まる形になっています。

典型的なのが、日経平均といった指定する参照指数が、特定期間中一度も30%等の一定率以上下がらなかった場合に、高金利と償還時の元本償還を保証するタイプだと思います。

たぶん、目を見張る高金利に釣られて買うパターンが多いのではと思います。でもその高金利は、通常、オプションの売りポジションのプレミアムであることが理解できている買い手は一体どれだけいるでしょうか?

上記記事のように、参照する日経平均が期間中一度でも大きく下がってしまうと、償還時の元本保証が外れ、通常はいわゆるプットオプションの売りポジションになって、あろうことか、期間中の日経平均指数の下げの損失だけをまるまる引き受けなければならなくなります。(指数の上げの利益はもらえないのに!)

見かけ上の高金利は、このような不利な状況になって大きな損失を出す可能性を引き受ける対価(オプション料)なのです。

しかし、この手の商品が出回りだすと、その後決まって日経平均が大きく下落して元本保証が外れるプライスにヒットしてしまうことが多いように思うのですが、気のせいでしょうか。

否、たぶん、直近の何年もの間、非常に日本株が良い時代が続き、30%等の下落が現実に起こり得るのものと思えなくなっている状況で、このような商品が良く売れる素地ができあがり、それに乗じて金融機関がこの手の商品をはめ込んで手数料収入を荒稼ぎして、その後、日本株不調の時代がやってきて、多くのお客が見事にはまるという典型的なパターンが、幾度と無く繰り返されているように思えてなりません。

プットオプションの売りはロングポジションの一種ですが、以前も書いたとおり、このような金融機関が個人のための商品で組成するデリバティブは、圧倒的に個人に不利なように出来ているのが通常です。この手の商品は自分でちゃんと計算したことはないですが、当方が知っている事例から推測して、おそらく理論的に得られるべきオプション料の3分の2以下くらいしか貰えていないケースがほとんどだろうと思います。(購入者にとっては、明示的に徴収される手数料のほかに、そのような差分が、実質的な追加手数料になっているわけです。)

ここでも、「金融商品は複雑な商品ほど不利な商品であるケースが多い」とか「バックミラー投資行動の罠」のような教訓が得られます。

しかし、相変わらずの焼き畑農業系のビジネスですね。「はめられた!」と後から地団太踏むことにならないように、いかにもおいしそうな金融商品を見たら、「世の中にはフリーランチはない」という至極真っ当な言葉を思い出し、その落とし穴を調べるか、あるいはそのような商品は全て怪しい商品として、はなっから近づかないことをお勧めします。

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2008年1月23日 (水)

FF利下げ他

米0.75%利下げがありましたね。

各国の株式市場が一日で5%とか10%下げる暴落の後、US市場だけが、市場が開く前の利下げで何とか暴落を回避したような感じです。

さて、これから、どうなりますか。

個人的には、この機を利用して今月の投資可能資金で投資してしまったので、また一ヶ月は放置というか、ただ見て楽しむことになります。

将来の自分がこのエントリーを読み返すことによって、当時どんな状況だったのかわかるように書いています。

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2008年1月 8日 (火)

世界で下から2番目の日本株

これも、もう耳タコな話ですが、表題のような毎日新聞記事がありましたので、リンクしておきます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080107-00000113-mai-brf

毎度のことですが、国際分散投資をしていて本当に良かったと思う記事ですね。昨年は、

『世界52カ国・地域の主要株価の年間騰落率を比較した調査で、日本は昨年6.55%の下落となり、下から2番目の51位だったことが分かった。』

『世界平均は9.57%の上昇で、先進国全体では7.11%、新興国全体は38.76%の上昇だった。』

とのことです。

近視眼的な見方、感じ方をしてしまうと、サブプライム関連の動乱で世界市場で一様にお寒いパフォーマンスであったような気がしてしまいますが、実際は、世界の多くの市場では昨年も相変わらず良好なパフォーマンスであったことになります。

『日本は過去10年間の平均でも最下位から2番目(5.15%増)と伸び悩んでおり、S&Pは「投資家の日本離れを裏付ける結果だ」と分析している。』

ということで、以前のエントリーでご紹介したような、

>以前、ご紹介しました「日本経済のリスク・プレミアム」の書籍では、近年の日本株式市場のファンダメンタルリターンはとてつもなく低く、地を這っていることがわかります。そして、日本の株式市場の実際のリターンは超長期で、ファンダメンタルリターンにきれいに収束していることも…

ということが、超長期で確実に実現しているのではないかということが疑われます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_0de5.html

(今回のエントリーには関係ありませんが、このエントリーで書いた新興国ディスカウントはかなりの部分、昨年中にあっという間に解消されてしまった感がありますね。)

投資の偉人たちが繰り返し言っている、

「株価は、長期的には企業価値の精巧なメジャーであって、長期においては、本源的な価値(企業価値)に収束する」

という主旨の言葉の意味を、あらためてかみしめたいですね。

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2007年12月12日 (水)

Fed Rate Decision

さて、今夜(US時間11日午後)に、米国が金利を引き下げるかどうか、また引き下げ幅が25bpsか50bpsかが判明します。

どうなりますかね。早起きして確認しようと思います。

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2007年12月11日 (火)

MSCIコクサイ連動ETFについて思うこと

米バークレーズがMSCIコクサイ株式指数に連動するETFをUSで上場し、楽天証券でさっそくこのETFの取扱いを開始するようです。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/topinfo/20071211_01_us_01.html

すでに様々なブログ等で取り上げられているようなので、個人的な感想を中心に書いてみようと思います。

これで、日本の投資信託会社の海外株式インデックスファンドも、おそらく海外株式アクティブファンドも、役目を終えた気がします。

日本の投資信託会社も、海外株式インデックスファンドを自前で運用するよりも、ファンド内でこのTOKというETFを買った方が、パフォーマンスもコストも断然よいかもしれません。(カストディコスト等も含めた総合的判断での話です。信託報酬のみがコストではないことにご注意ください。)

以前の当ブログでの以下のエントリーを参照していただくと、そのことがよくわかると思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5273.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_16aa.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/usetf_b23b.html

個人的に、このような日本人の自然なニーズ、すなわち、『15年以上も低迷し続けるお粗末な国内株式市場だけでなく、海外の市場に投資して、効果的な分散投資機会を手にしたい。ついては、日本株を除く世界株式市場に安価で効率的にアクセスしたい。(上記のブログで触れているように、世界の株式市場への投資の実質リターンが大きく毀損するような、お粗末なビークルではなく、もっとちゃんと世界株式市場のリターンをきれいに獲得できるビークルが欲しい。)』といった、ごくまっとうなニーズに応えたのが、日本の大手証券会社組成の日本株式市場への上場ビークルではなく、米国の企業が組成し米国市場へ上場するビークルであることに、驚きを感じ、また何か重大なものを感じます。

私は、バークレーズや日本の証券取引所等の細かな事情は全く知りませんが、日本人が世界に投資したいというときに、日本人固有の、また日本人の特殊なニーズ、かゆいところに手が届く商品を用意した企業と市場が、日本ではなく、米国であったのです。

市場の方を向いておらず、市場のニーズに応えようとしない業界やマーケットは、衰退の一途をたどると思います。

これからも、米国企業と米国市場が、日本の1500兆円の個人金融資産が発展、増大していくためのニーズをかなえ続け、日本の大手証券会社や証券取引所は、硬直化して既得利益温存に汲々としている間に、米国企業と米国市場に日本マーケットをかっさらわれて、気付いたら日本の証券取引所も日本の大手証券会社も、日本人にとって必要のない存在になってしまいかねないと思います。(これも、まさに、日本の投資家のジャパンパッシングかもしれません。)

果たして、日本の金融市場関係者は、このニュースを見て、その可能性に戦慄を覚えているのか、それともゆっくりと茹でられるカエルのように何も感じないのか。もし後者ならば、日本の証券業界にもう将来はないかもしれません。

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2007年12月 5日 (水)

いかにもという感じ

カン・チュンドさんの書かれた、銀行の押し売り姿勢に関する以下のブログが、今のこの業界の性質を如実に表していると思います。

http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-416.html

お客の口座内の資金移動に関する個人情報について、ファイアーウォールがなく、投資信託や変額年金の営業に横流しされているという銀行の実態が良くわかりますね。しかし、これ、法的に問題ないのでしょうか?

銀行はどうも、どこかで道を踏み外してしまった気がします。バブル崩壊による窮地が、このような倫理観の無い方向に走らせてしまったのでしょうか。

皆さんも、くれぐれもご注意ください。銀行があなたの口座の大きな資金変動を抜け目無く把握して、その資金を食い物にしようと狙っています。フィナンシャルフリーダムのためには、投資資金を食い物にしようとする業者や相手につかまらないことは必須の最低条件だと思います。

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2007年11月18日 (日)

金融商品取引法に思うこと

10月からでしたか、金融商品取引法が金融機関に適用されて、金融機関、特に銀行での投資信託の販売が、がた落ちになっているというニュースや記事を最近よく目にします。

これについて、主に投資信託の販売が落ちて手数料収入が減少している、銀行をはじめとする金融機関からでしょうが、恨み節もちらほら混ざっているような気がします。

今日は、このテーマについて、個人的に思うことを書いてみたいと思います。

個人的には、この金融商品取引法の適用で、手数料収入や販売高が激減した金融機関が、この法律や金融当局に文句を言うのは、筋違いではないかと思います。

というのは、こんな規制が出来た原因は、金融機関自身にあると私は思うからです。

「火の無いところに煙は立たない」と言いますが、今回の場合も、規制の必要のないところに無駄な規制ができたわけではないと思います。

例えば、グロソブを、年4.8%の金利が保証された預金のようなものと誤解して、定期預金資金を当てて購入したお年寄り等、世の中にたくさんいるのではないかと思います。「有利な預金商品だと思って購入した。」「元本割れの可能性があるなんて聞いていなかった。」などという事例が、おそらくは山のようにあるのではないでしょうか。

それ以外にも、仕組預金やら、デュアルカレンシー債やら、日経平均リンク債など、最近の銀行の所業は、証券会社も真っ青という感じがします。これは、金融知識の劣る個人を狙った、金融情報格差と金融リテラシー格差をついた、ある種詐欺的な商法だと、私は考えています。

というのは、以前にもさんざんこの手の商品の手口を当ブログで触れていますが、「わかりやすい高金利等のメリットをうたい、その代わりに生じるオプション性の確率的で不利な仕組みをわかりにくい形で混入させ、その有利性と不利性のトレードオフの判断のつかない一般消費者を、その有利性の側を強調することで釣るという手口が、上記に挙げた商品群の共通する一般形だからです。

昔から、証券会社はこのような仕組みの商品、すなわち不利な部分はオプションで仕組んで、その不利性をお客に定量的につかませないように設計するのは得意だったと思います。その結果が、長期においては、自らの行動によりお客を失い、商売が立ち行かなくなり、行き詰る結果につながったものと思います。

ずいぶん昔に、確か日興が、「これからは資産管理ビジネスを指向します。お客を食い物にして栄える、回転売買ビジネスは止めます。」なんてキャンペーンを大々的にやったように思いますが、お客を食い物にするビジネスはたいてい、最後にはどんなだまし商品を売りつけようとしても、その金融機関の商品であるというだけで、だれも見向きもしてくれなくなって行き詰ります。

銀行も、昔の証券会社のたどった道と同じ道をたどっていると思います。その究極な到達点にまでたどり着くのかどうかはわかりませんが、銀行をはじめとする金融機関が、自らで自らを律することができず、お客をはめ込む商売を競ってやっているから、金融当局が新たな規制をはめ込むのだと思います。

およそ規制というものは必要悪で、無ければ無いに越したことはないのですが、それがなければ、金融知識弱者、金融情報弱者なお客が一方的に搾取されるという不利益が生じ、それがそのような規制が新たに生み出す不利益よりも重要だからこそ、その前者の不利益を解消するための法的なしくみとしての規制が必要となるのだと思います。

また、放っておけば、この手のビジネスは、市場自体が金融商品のだましの手口に慣れてくるため、どんどんその手口が高度化していく宿命にあります。つまり、そのような高度化される手口にあわせ、そのような新たな形でだまされることのないように、あらかじめ金融機関が説明しなければならないポイントやその方法等が、変化したり追加されたりしていくのが必然だと思います。

すなわち、金融商品販売において、説明しなければならないことが増えていくだろうことも、あらかじめ説明しなければならないポイントが法令上、完全にクリアになっていないだろうことも、そういった規制の隙間狙いでお客の錯誤を狙った商売をしている限り、必然的に起こる結果だと思います。

要は、「金融機関は自分で自分の足かせを生じさせたのにもかかわらず、それに文句を言っている」ように私には感じられます。

こういうことは、日本のみで起こっているわけではなく、海外の先進国でも、自業自得で銀行ががんじがらめの規制を受け、かつ銀行から金融商品を買うものではない(だまされるから)という、国民のコンセンサスがある国も存在しているようです。

結局、お客が錯誤しても、損しても、自分さえ儲かればよい、今売上や手数料が稼げれば、後のことは知ったことじゃないという金融機関が、自ら将来の困難を招いているのだと思います。

銀行をはじめとする金融機関は、金融商品取引法を、どこか外部から降ってきた不運と考えることなく、自らのやってきたことを十分省みた上で、これからの自身の商売の方向性をきちんと定めていって欲しいものです。「銀行からは金融商品は買わないのが常識」などという国民のコンセンサスが出来上がる前に。

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2007年11月 9日 (金)

気になる上海

中国本土株市場が気になります。(あくまで、中国バブルウォッチャーとしてですが)

昨日の状況で、9月27日あたりの安値と同水準にまで下落しています。

http://yahoo.searchina.ne.jp/data/chart.cgi?span=90&asi=0&code=SSEA

http://yahoo.searchina.ne.jp/data/chart.cgi?span=90&asi=0&code=SZSA

ここ最近ずっと、ずるずる沈む深センに対して、何とか粘り腰を見せていた上海A株市場ですが、とうとう耐え切れず、2ヶ月来安値に合わせに行っている感じです。

ペトロチャイナの巨額IPOを、市場がどうにも支えきれていない感じがします。本当のところは、私にはわかりませんが。

気になるのが、中国投資家の質です。ただただ、上がるから買うという集団の歯車が逆向きに向かい始め、皆が出口に殺到するような展開にならなければ良いのだがと思って見ていますが、さて、どうなりますか。

相場は群集の感情が動かしているものと思いますので、いったん火がつくと、上にも下にもとことん突き進む傾向があると思います。その感情のゲームに参加し、群集心理に翻弄されると、得てして株式の超過リターン期待値を吐き出してしまい、ハイリスクローリターン、ハイリスクマイナスリターンのゲームになってしまいます。

そのような不利なゲームに参加しないこと、すなわち、本源的な価値をはるかに超えた価格で取引されている市場に近寄らないこと、市場の楽観悲観に合わせて、高値に飛びつき、安値で狼狽売りする人間一般の行動パターンを回避する策を立てることが重要だと考えます。

いずれにせよ、長期投資は退屈でもあり、個人的には取り立ててやることもあまりないので、単なる野次馬根性でしかないのですが、中国本土株バブルが起こす推移を、これからも高みの見物で見ていこうと思います。

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2007年11月 1日 (木)

FOMC

もう少しで、バーナンキさんが追加利下げするか否かがわかりますね。

US市場の午後、結果がわかるようです。

順当に行けば、0.25%下げでしょうか。

長期投資家にとっては、どちらになっても対して変わりはしないのですが、市場の反応も含めて、金融ショーを眺めて楽しもうと思います。

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2007年10月 4日 (木)

インフレの芽?(その6)

さらに、目に付いた値上げ関連のニュースを挙げておきます。

<食品の値上げ続く・日水やプリマハムなど、原料高でコスト増>

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071002AT1D0108O01102007.html

<日本製粉、業務用小麦粉を値上げ・11月から>

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070926AT1J2600526092007.html

<コクヨS&T、紙製品15%値上げ・原料高転嫁>

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070925AT1D2507E25092007.html

<明星食品、即席めんを10%値上げ・原材料の価格高騰>

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070925AT1D2506125092007.html

値上げの原因は、ほんと、判で押したように同じですね。

ついでに、以下は今までなかなか値上げできずに、食品会社が苦しんでいたことがわかるニュースです。

<日清食<2897.T>売り気配、営業益18%減との報道>

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK003118220071003

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2007年9月30日 (日)

本源的な価値を見据えること

今日の日経新聞の朝刊一面に「日本株出遅れ」という記事で、世界の主要市場で日本株の今年のパフォーマンスが20国中、19位であることを取り上げています。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070930AT2D2900429092007.html

以前、日経新聞が7月に同様な比較記事を書いたときに、当ブログでそれを取り上げ、実は通貨を揃えれば日本のパフォーマンスは最下位であること、投資家の手取りのリターンを考えるときには、通貨を揃えて比較しないと全く意味がないことに触れました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/test.html

このポイントは、今回の比較記事でも生きています。

例えば、米国市場ETFで各国市場ETFのパフォーマンスの比較を年初来で行うと以下のようになり、今回も日本は圧倒的な最下位です。

http://finance.yahoo.com/charts#chart10:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=fxi+ewy+ewh+ewz+inp+ews;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart23:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=ewt+eza+ewg+ewa+ivv+ewc+ewn;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart36:symbol=ewj;range=20070103,20070928;compare=ewd+ewu+ewq+ewp+ewl+ewi;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

(最初のグラフが、記事の1位~6位、二番目が記事の7位から13位、3番目が14位から20位の国のパフォーマンスを日本のそれと比べています。なお、この比較では中国本土株の代わりに、香港市場上場中国株であるFXIを用いています。)

今も、年初に目をつぶって今年の投資国を選べば、そのリターンは日本株よりはるかに良かったという状態は継続しているわけです。

これは、日経新聞が言うように、日本株が「出遅れ」なのでしょうか?

例えば、日本株出遅れの要因の1つとして囁かれている、郵政の日本株売り(そして、10月民営化後からの日本株買い期待)があります。

10年~30年といった長期投資、そしてバイアンドホールドの国際分散投資を指向している場合は、ある意見や情報が、その株式の本源的な価値にかかわる情報か、そうではなく市場のセンチメント(市場の割高割安)にかかる情報でしかないのかというのは、しっかりと見極める必要があると思います。

なぜなら、市場は時に割安に売り叩かれ、また割高に買い上げられたりしますが、超長期の継続保有においては、その市場のアップダウン要因は投資成果にはまったくといってよいほど影響を与えないからです。(このポイントは最近のJ.ボーグル氏の著書にも書かれていたようですね。)

超長期の運用においては、そのような市場のセンチメントの上げ下げ要因はきれいに消え、その国の市場のそれぞれの企業群が利益を上げたその能力に株式市場パフォーマンス結果は近似します。

100円しか価値のないりんごが1000円で取引されるようなバブル状態も、逆に10円でしか取引されない恐慌状態も、長続きはしないわけです。

そこで、今回は、長期投資家にとっての本源的な価値に着目する目的のために、USのisharesのETFサイトにいって、8月末のデータからUS市場の各国市場ETFのROEをざっくり計算してみました。ROEはおおまかに表現して、株主資本を毎年どれだけの率で回しているかという指標になります。例えば、ROEが20%で回っているのに、株式が-10%のリターンを示し続ければ、あっというまに株主資本が株価を超えてしまいますので、合理的な取引市場では、長期的にはそのような状態は継続できません。逆にいうと、長期的に見れば、その国の株式の実現するROEリターンは株式リターンの源泉となっているとも言えると思います。ROEがその国の株式群の本源的な価値を測る指標になっているものと考えられるわけです。

その計算結果は以下の通りでした。

香港上場中国株:18.3%

韓国:14.0%

香港:25.8%

シンガポール:19.0%

台湾:18.5%

南アフリカ:25.3%

ドイツ:14.4%

オーストラリア:23.0%

アメリカ:20.6%

カナダ:15.8%

オランダ:21.6%

スウェーデン:29.3%

英国:25.6%

フランス:14.5%

スペイン:25.0%

スイス:21.0%

イタリア:15.3%

日本:9.8%

(ブラジル株ETFはデータが無かったため、またインドはisharesがUS市場でインド株ETFを販売していないため、その計算結果を載せていません。)

日本のEWJのETFのROEだけが一桁の値で、あとの全ての国のETFのROEが軽く二桁(全ての国が14%以上)になっています。

本源的価値に着目すれば、もし、日本とその他各国の長期の株式市場の企業群の実力が、この足元のROEの計算結果通りの傾向であったとしたら、日本株の長期のパフォーマンスが対各国比で優れないのも、ある意味妥当な結果なのではないかと思います。

マーケットタイミングというゼロサムに賭ける投資家はともかく、そのゼロサムゲームに参加しない意志を貫こうとする長期投資家にとっては、本源的な価値に関係することと、関係しないことをきちんとより分けていく姿勢が、その投資目的を貫徹させるためには、重要なことだと思います。

個人的には、今の足元の日本の株式会社群の出力(ROE)が、不景気その他の要因で、実力を大きく下回った異常値を示しているとは思えません。

したがって、日経新聞の記述に対する上記分析からの当方意見は、「日本株は出遅れているのではなく、実力通りのパフォーマンスを、今年も各国対比で示しているにすぎない可能性が高い。」というものになります。

やっと、結論にたどり着きました。今後、郵政が日本株を狂ったように買い上げようとも、全ての株はいずれ本源的価値に収束するのですから、ゼロサムゲーム(実際はコスト分だけマイナスサムゲーム)に参加することを止めた長期投資家である当方は、今までと同じく、本源的な価値のあやしい日本株に自身の資産の多くを割り当てることはないと思います。

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2007年9月26日 (水)

食糧争奪

商品関連のエントリーが続いていますが、表題の本を今、読んでいます。

新興国の経済発展と原油価格の関係、原油価格と穀物との関係、穀物と食用肉との関係、新興国等の水と工業、農業との関係といった様々な密接な関係をあらためて整理できた気がします。

別エントリーのコメントにも書きましたが、商品関連ビークルにも、理論的にきちんと明確にされていないリターンスプレッドが存在しているようです。分散効果の高さと合わせ、商品関連への分散投資の有効性も、過去の統計からは認められるようです。

しかし、投資は本当に奥が深いですね。いくら勉強しても終わりがなさそうです。個人的な投資ポートフォリオに商品のエクスポージャーを加えるべきか否かといった単純なテーマですが、ずっと昔から考え続けており、これからもまだまだ勉強が必要のようです。

個人的には、インフレ対応ビークルとしてインフレ連動債ETFを想定しており、将来この資産割合を徐々に増やしていこうと考えていたのですが、現状の日本での次々と報道される値上げのニュースから始まり、実はインフレ連動債ETFよりも商品ETFのほうが優れているのでは?というところから、今回の検討が始まっています。

勉強すればするほど、その思いは強くなっていきます。

今は、新興国が世界の株式市場で気を吐いて(高パフォーマンスを示して)いる市場環境のように思いますが、原油、鉱産資源や水、穀物、食用肉等は特に将来の新興国群のアキレス腱となる可能性が高いと思うんですよね。それだけに、この方向の検討は、個人的にきちんとやっておくべきだと思ってやっています。

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2007年9月23日 (日)

インフレの芽?(その5)

値上げのニュースはひたすら続きます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000113-yom-bus_all

その原因としては、石油関連と小麦等の農業品が元となっている場合が多いですね。(飼料高は肉類の値上げにもつながるでしょうし。)

新興国の発展⇒石油⇒農業品⇒肉類への波及といった値上げの流れは、そのストーリーがかなり明確なようにも思えますし。

うーん、やはりこれだけ明確だと、DBAあたりに投資しておけと執拗に言われているような気がします。石油関連株はすでにポートフォリオに十分ありますし。観念して、商品への投資へ踏み込んでしまうかもしれません。

この原因のはっきりとした物価値上げ傾向(しかも、ピンポイント)のヘッジには、DBAとDBE(特にエネルギー関連に既存エクスポージャーのあまりない方)のようなETFは確かにベストフィットだと思います。これは、本当に悩みます。さて、どうしますか。

この方面、さらに勉学に励んで決めたいと思います。

以下は、おまけです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070922-00000056-jij-bus_all

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2007年9月20日 (木)

インフレの芽?(その4)

値上げのニュースは続きますね。目に付いた記事を挙げておきます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070919-00000048-mai-bus_all

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070919-00000111-mai-bus_all

<「値上げ候補商品」全リスト>

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw07072901.htm

どうも、これはしっかりとした流れになりそうな気がしますね。正直、気になります。

この方面、さらにもっと勉強してみようかと思っています。

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2007年9月19日 (水)

FRB(その2)

FFレート0.5%下げだそうです。市場コンセンサスの幅の中で最良だったようです。市場が素直に好感していますね。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/fed_interest_rates.html?.v=26

http://biz.yahoo.com/ap/070918/wall_street.html?.v=53

リーマンの第3Qも、市場予想よりも良かったみたいです。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/earns_lehman.html?.v=9

ついでに原油も、新高値をとっているようです。

http://biz.yahoo.com/ap/070918/oil_prices.html?.v=22

為替も、とりあえず、円安方向へ大きな動きを見せています。

外国為替
レート
日本円
---
米国
4:40
豪州
4:39

英国
4:39

カナダ
4:40
スイス
4:39
ユーロ
4:39
日本円1 116.260000 98.995390 234.043006 114.587029 98.317125 162.368716

今日は、派手なお祭りでしたね。

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2007年9月18日 (火)

FRB

いよいよ今日の夜中(3時15分)にFRBが利下げをするか否かが明らかになります。

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-27926820070918

市場コンセンサスは利下げは既に半ば確定で、利下げ幅が0.25%に留まるのか、0.5%にまで踏み込むのかに注目されているようです。

また0.5%幅催促相場かと思いきや、今(10時)の欧州市場は、上げ(全面高)に転じていますね。

リーマン・ブラザーズの四半期結果も、発表されるようです。

注目ですね。

予見を持たずに、事態の推移を眺めて、楽しもうと思っています。

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2007年9月11日 (火)

意味ない保険

意味ない保険が、また開発されているようですね。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070905AT2C2802504092007.html

行動ファイナンスが言う、確か「心の会計」という概念を悪用しているかもしれません。「保険に費やす分の財布に入れたお金でも、損したくない」という心理に付け込むわけです。

実際は、払い込み保険料を将来返すために、それに必要な原資の分だけ保険料を上げて、それを運用して将来返すだけの商品です。最悪なのが、今の洗練された保険会社は資産と負債のアンマッチリスクをとりませんから、この原資は間違いなく「日本債券」で運用されるだろうことです。この将来返される原資には、ごみのような金利しかつかないわけです。

保険に入るのに、余計に毎月お金を払い、「保障で余った分は日本債券で運用してくれ、そこから保険会社の事業費と販売関係の手数料をぼったくってよいから。それであまった分を将来返してくれ。」とお墨付きを与えているようなものです。

「保険の財布に入れたお金でも損したくない。」という「心の会計の罠」にはまる人は、こうやって自身の資産運用の効率を極端に落とし、フィナンシャルフリーダムを自分自身で夢のまた夢にしてしまうわけです。

保険は、十分に吟味し、掛け捨てで小額の保険料で多額の保険金が得られる、保険として意味ある形のもので、必要なもののみを十分厳選して利用されるとよいと思います。保険は、ライフプラン上、家、車の次に多額な出費です。不必要な保険はフィナンシャルフリーダムの大きな障害になりますので、保険会社にだまされないよう、くれぐれもご注意ください。

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2007年9月 9日 (日)

インフレの芽?(おまけ)

表題に関し、投資勉強小僧さんから、以下のコメントとご質問をいただきましたので、このエントリーでお答えしようと思います。

『数ヶ月前から拝読させていただいてます。「インフレの芽?」もとても興味深いです。さわかみ氏ははっきりと「これからインフレになるから、今は株を買うべし。」とレポートで断言調。

初心者質問で恐縮ですが、まだら模様でインフレとなると、物価連動国債ファンドはどのように捉えたらよろしいのでしょうか。分散候補の一つに「未来予想」というファンドもどうかと考えていたのですが・・。宜しくお願いします。』

物価連動国債は、庶民の必要生活物資の物価だけを捕らえることはできず、全体の物価しか捕らえられないと思いますので、このようなまだら模様のインフレをヘッジすることは残念ながらできないと思います。

また、日本国の発行する物価連動国債は、元本保証がない、すなわち、発行時よりも償還時のCPIが小さくなっていると、償還金が元本を割ってしまうという、他の先進各国のインフレ連動国債にはない、不利な特徴があります。

澤上氏の想定されているかもしれない、全体物価が明らかに上昇していくようなはっきりした将来インフレであれば、そんな心配をする必要はないと思いますが、現状のCPIはゼロ近辺を這っている状況だと思いますので、今のところはなかなか日本の物価連動国債ファンドは妙味が薄いのではと、個人的には感じます。

ただし、今起こっている物価値上げは、主に石油価格や資源、穀物など原材料価格の上昇が起因となっているように見えます。日本企業も売上減少につながりそうでずっと値上げができずにがまんしていたのが、とうとう耐えられずに次々と値上げに走り始めているように見えます。

もともとが、主に中国やその他の新興国の台頭によってこれら価格上昇がもたらされており、またこれからは、これら新興国は経済力の高まった新興消費国としても台頭してくるものと思います。このような背景を考えると、物価上昇の流れはこれからも止まらず、広範囲に広がり、加速していく可能性が十分あり得ると思います。

内外株式を少しでも含んだポートフォリオを構築し、長期に持続する、伝統的なインフレヘッジのための投資態度はやはり有効なのではないでしょうか。そのポートフォリオリスクが許容できなければ、言及されているような物価連動国債ファンドの買い時を、CPIの動向をウォッチし続けながら探り、明確な上昇トレンドを確認した後にエントリーするのがよいのではと思います。

残念ながら、現状の日本の物価連動国債ファンドは信託報酬も高く、販売手数料も結構かかり、また元本保証もない世界では特殊な国債に投資するビークルになっていますので、インフレデフレにかかわらず、一生もので保有し続けることのできるビークルにはなっていないと思います。このような状況では、ある程度タイミングビークルとして使用せざるを得ない商品だと思います。

為替リスクに十分なリスク許容度があれば、米国インフレ連動国債ETFであるTIPや、将来US市場で販売される予定の、米国除く世界インフレ連動国債ETFを持つのがよいと思います。これなら、一生ものでポートフォリオに組み込んでもよいのではと、個人的に考えています。

ただし、前者は楽天証券で既に取扱い中ですが、後者はまだUS市場でもデビューしていない代物ですので、日本の投資家が簡単にアクセス可能になるのはまだまだ先になると思います。

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2007年9月 8日 (土)

インフレの芽?(その3)

なんだか、一度目に入り始めると、物価上昇関連のニュースがどんどん知覚されてきます。

こんな一連の記事が見つかりました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070907-00000013-mai-bus_all

<カップヌードルだけで終わらない… 材料高騰で広がる「食」値上げ>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000932-san-bus_all

<焼酎値上げ相次ぐ 穀物の世界的な高騰背景に>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/70580/

<森永乳業、スキムミルク来月値上げ>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/57993/

<チーズ値上げ相次ぐ 原料価格、世界的高騰で>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/72399/

<家計痛撃!今後も続く食料品などの値上げ>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/retail/75468/

<原油高発端“ドミノ値上げ” 趣味に生活品…消費者悲鳴>

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/80025/

<原油高で?和菓子値上がり 県内業界、砂糖の精製に影響で>

http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20060513003.htm

<そばが パスタが パンが ケーキが・・・小麦高騰 家計に影>

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709051700_01.html

こんなにも、値上げ関連のニュースがあるのに、コアCPIは足元下落というニュースが以下の記事です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000601-reu-bus_all

我々は、これらの一連の情報をどう解釈したらよいのでしょうか?

その解となるかもしれないレポートを見つけました。以下をご覧ください。

http://www.dai-ichi-life.co.jp/news/pdf/nr07_28.pdf

このレポートの分析が正しければ、物価値上げはまだら模様で、必要生活物資等はインフレで、ぜいたく品はデフレの二極化が起こっているようです。このレポートは本当に勉強になりました。

ご参考まで。

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2007年9月 7日 (金)

為替の効率市場仮説

以下は、為替の効率市場仮説というべきか、無裁定原理というべきかよくわかりませんが、いかにも学者チックな、現実には必ずしも成立していない理論世界の論理に対して、どうも整合的に見えない現実の為替の現象について、当方がある掲示板でコメントしたものです。

本来ならば、このブログで書こうと思っていた内容ですが、たまたまある掲示板で議論されていたので、長々と書き込んでしまいました。もともとはDBVというETF(高金利通貨買い低金利通貨売り戦略)が、なぜ市場で長期的に利益が出続けるのか?、理論的には2通貨間の金利差は為替変動で相殺されて、2通貨のリターン期待値は同じになるはずなのに、そうならないのは何故なのかという疑問に対しての仮説提示をしたコメントになっています。

様々な書籍でも、この現象についての記述があり、高金利通貨が弱くなるはずが、過去の統計上では、逆に高金利通貨が強くなっているという長期の統計結果は、確か複数の書籍で記述されていたように記憶しています。

しかしながら、当方が以下で触れるような視点、すなわち、すべからく金融取引ではリスクの交換とそれに見合うと市場が考えるリスクプレミアムのやりとりがなされているのに、為替取引でそれがないというのはいかにも不自然であるように思える点、すなわち為替取引でもリスク交換とリスクプレミアム支払いのやり取りは存在しているのではないかという主張は、不勉強かもしれませんが、今までどこでも見つけたことがありません。

実際に、公社債市場では、デフォルトリスクの超長期の実際損失コスト統計結果と、そのデフォルトリスクテイクに伴いリスクテイカーが得る信用リスクスプレッドには、確か5倍から10倍程度の開きがあったと記憶しています。この世の中は、リスクアバースな世の中になっており、リスクを回避したければ、想定されるリスクがもたらす想定コスト期待値の5~10倍のリスクプレミアムをリスクテイカーに支払うことなしには、信用リスクを回避することができないのがこの世の中です。だからこそ、公社債にしろ、株式にしろ伝統的な資産のリスクを長期的にテイクし続ける者は、圧倒的な高確率で多額の無リスク資産超過リターンを手にすることになります。

為替取引においてのみ、そのようなリスクの移転とリスクプレミアムのやりとりがなく、学者が考えるような理想世界の取引になっているというのは、まことに不自然きわまりないと思うのです。

それでは、以下に掲示板に記した当方コメントを転載します。

//(以下転載)----------------------------------------------

以下はただの妄想、たわごとの類です。

もし、世界の基軸通貨(例えばアメリカUSD)と、世界のどこかの僻地の国で毎年財政は大赤字で、いつ国が革命や変乱等で消滅するかわからない状態で、かつ流通性が著しく劣っている通貨を取引するとしたらどうでしょう。

もしかしたら、USDを売って後者の国の通貨を買ってしまったら、明日デフォルトして、その通貨は紙切れになってしまうかもしれません。

この取引で、信用度の著しく低い通貨を売ってUSDを買う側と、USDを売って信用度の著しく低い国の通貨を買う側のリスクが同じとはとても思えません。

後者の人すなわち、世界で一番安全かもしれない通貨をわざわざ手放して、リスク満載の通貨を保有しなければならなくなる側は、より高いリスクを負う状態になる取引をすることに対して、その取引中で十分な見返りを求めたくなるのではないでしょうか?

すなわち、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値
ではなく、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値+(取引中のリスク大取引サイドのリスクプレミアム)

が成立しているのではないでしょうか。

すなわち、高金利通貨は一般に高リスク通貨であることが多く、より高いリスクのある通貨を長い間持つことの見返りが、取引中にリスクプレミアムとして内在されており、高金利通貨買い低金利通貨売りポジションを長い間維持すると、このリスクプレミアムが実現して、利益が発生するのではないかと疑います。

これは、株式を売る人がその株式を買い取る人に対し、確率的に将来、その株式が無リスクリターン超過スプレッドを実現させるであろう安い価格で売り渡さざるを得ないことと似ています。リスク満載の通貨からとてつもなく安全な通貨に乗り換えるには、相手側にその安全に見合った安全料を払う必要が発生するのではないでしょうか。

コーポレートボンド(公社債)でも、リスクを負う側が得る信用リスクプレミアムは、たいていその負うリスクがもたらす歴史的、統計的な実際平均損失幅の何倍ものスプレッドになっています。なので、そういった伝統的危険資産を長期的に保有し続けると、必然的に無リスクビークルリターンを明確に上回るリターン結果となるわけです。

デフォルトリスクは時間に比例しますので、通貨を持つ長さにかかわらず、この相対通貨信用度の差がもたらす信用リスクネットスプレッドは(もし存在しているとすれば)%あるいはbps(0.01%)単位で、表されることになるのではないかと思います。

とてもこれだけで説明できるとは思えませんし、正しいかどうかもさっぱりわかりませんが、もしかしたら高金利通貨買い低金利通貨売りで過去、長期的に利益が出てきた要因の1つくらいにはなっているかもしれません。

なお、DBVは高金利通貨買い低金利通貨売りのポジションを原則としてレバレッジ2倍で持ち続ける戦略のようです。(既出かもしれませんが念のため)

ちなみに、インフレ連動債の金利構造はざっくりいってこんな感じになっています。

インフレ連動債トータルリターン≒インフレ率ゼロの場合の当該債券利回り+インフレ連動債調整超過インフレリターン

すなわち、金利=期待インフレ率ではなく、金利=消費を先送りすることに対する超過プレミアム+期待インフレ率(正確にはインフレリスクプレミアム)となっています。

人はインフレ率ゼロの場合にも、将来まで消費を我慢することに対して見返りを求めるようで、米国のインフレ連動債ではこの消費先送りの見返りプレミアムは歴史的に1~3%程度で推移しているようです。しかしながら、もし上の理屈が正しければ、この1~3%程度の消費我慢プレミアムの中に、実は通貨に内在する絶対信用リスクプレミアムが含まれているのかもしれません。

//(転載終わり)---------------------------------------------

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2007年9月 6日 (木)

インフレの芽?(その2)

今日もこんなニュースがありました。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/confenctionery/

これも実質10/9-1≒11%値上げで、インフレのニュースですね。

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2007年9月 5日 (水)

インフレの芽?

インフレの兆候ですかね。最近、この手の情報が目に付くような気がします。

<すかいらーく、2400店で一律値上げ・ほぼ全品10円>

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070905AT2F0404J05092007.html

<日清食が即席めんを17年ぶり値上げ、原材料高で>

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27735720070905

名目金利と実質金利の違い、元本保証とインフレヘッジの考え方の違いといったものをきちんと理解して、自身の資産を運用をしていかなければつかまってしまう時代は、もしかしたらすぐそこまで来ているのかもしれません。

日本はインフレが無縁の時期が長かっただけに、国民全体としては考え方の切り替えが難しいかもしれません。心しておかなければいけませんね。

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2007年9月 4日 (火)

年金着服

前に国民年金制度に関する一連のエントリーを書いて、制度としての妥当性、継続性に疑問を呈しましたが、これについてはそれ以前の問題です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000118-mai-soci

一般企業であれば、お客から犯罪により搾取すれば、その額が回収できない場合、株主資本を使っての補填が当然ですし、最悪、信用失墜による倒産、上場廃止その他の社会的制裁が待っています。

それに比して、社会保険庁の場合はどうなのでしょうか。回収不能額について国が補填するとすれば、結果的に、我々が税金を余計に払って犯罪による搾取額を埋めることを意味します。

社会保険庁内の犯罪の場合は、実質社会保険庁はその損失額は補填せず、実際に補填するのは、その犯罪に何の関係もない我々国民であって、また民間企業であれば企業の存続が危ぶまれるかもしれない社会制裁も、社会保険庁は受けることがありません。

この構造、どうにかならないものでしょうか。以前のエントリーで書いたように、国民年金を保険料支払いベースではなくて、最低保証皆年金として、条件を満たす全ての人に払い、消費税等による自動徴収の財源確保にしてしまえば、こんな問題は雨散霧消すると思うのですが。

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2007年8月31日 (金)

バーナンキとブッシュ

今晩は、サブプライムローン関連で重要なイベントが続きますね。

まずは、今晩11:00からの、バーナンキ氏のこの件に関するコメントが注目されます。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27640820070830

また、今晩12:10にはブッシュ大統領が、この問題に関しての声明をだすそうです。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27661120070831

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070831AT2M3101A31082007.html

今日はこのブッシュ大統領のニュースが流れてから、日本株式市場の後場で一段高になったようです。アジア、欧州両市場においても、これらのイベントをポジティブなニュースと受け取ってすでに上昇しており、そのポジティブ要因をかなり織り込んでいるようです。

特に、今のところ内容のよく見えていない、バーナンキ氏のコメントが注目ですね。今日は金曜日ですし、起きていて、これらのイベントの内容を生で確認しようと思っています。

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2007年8月29日 (水)

相関

昨日、米国市場はかなり下がりましたが、今日のアジア市場を見る限り、だんだん米国との相関が薄れてきている感じがしますね。かなりの市場で、昨日の米国市場の下げを消化し、切り返し始めているイメージがあります。

だんだん、サブプライムローンやCDOに関係のない企業や関係の薄い国から、米国のFF金利引下げ催促相場との連動性の薄い動きをし始めるのでしょうね。そういう意味では、米国よりは欧州、欧州よりはアジアをはじめとする新興国が有望なのかもしれません。

とは言え、既に先週のうちに放置状態に達した個人的なポートフォリオは、もうしばらくいじるつもりもさらさらありません。また、すでに何年も前からずっと、教科書的な世界ポーフォリオ比率から考えれば米国よりも欧州、欧州よりも新興国に振ってあるので、このままで何ら問題ないと、個人的には満足しています。

後は、上がるも下がるも、市場の赴くまま。ただただ、見ているだけです。

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2007年8月27日 (月)

定番の手口

シティバンクが、いわゆる期間限定高金利預金と投資信託のセット販売という、まさに定番となった手口を展開しているようです。

このサイトで、その構造が懇切丁寧に説明されていますので、ご興味ある方はご参照ください。

http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51018524.html

ノーロードファンドが増えてくると、だんだん、この手口も下火になってくるのではないかと思うのですが、まだまだ主役なのですかね。

このブログでも、以前のエントリーで、この手口について触れています。興味あればご参照ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_e753.html

また、手数料の高いファンドで、このような手口に引っかかってころころ資産を動かしていると、見事なくらい資産は増えていきません。それについても、このようなエントリーを読んでいただくと、それが定量的に把握できると思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_fca7.html

はやく、ノーロードファンドがメジャーとなって、この手の手口が下火になって欲しいですね。しかし、そうなると今度は、どんな手口が跋扈するのか...

フィナンシャルフリーダムを妨害する、このような手口には敏感でありたいものです。

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2007年8月24日 (金)

今週の感想

まだ、今日のヨーロッパ市場の残りと、今夜のUS市場が残っていますが、とりあえずの感想を書いておきます。

事前の市場予想の通り、日銀は利上げをせず、それに関して市場は無反応に近かったですね。

上海市場と香港市場が世界市場を引っ張るような形で、とりあえずではありますが、世界市場が底を脱しました。個人的には、追加資金で落ち葉拾いをするはずが、そんなじっくりとした仕込みにはなりませんでした。まあ、また数ヶ月、追加資金もない予定なので、また長期投資特有の放置モードに戻ります。

為替も、世界通貨に対する円安方向へだいぶ戻りましたね。今までの動きを見る限りは、将来の市場の落ち着きどころはやはり円安方向になりそうに見えます。

今日は、上海、香港のH株、レッドチップのみならず、インドも疑心暗鬼な世界市場に逆らうように逆行高です。やはり、今回の下落の要因に一番遠い、新興国群が市場を引っ張る形になるのでしょうか。なんにしろ、高レバレッジの方がつかまって次々と吹き飛ばされるような非常事態が遠のいてなによりです。夏の乱、このまま収束して欲しいですね。

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2007年8月21日 (火)

電話会談

今日の午前中、尾身さんが米財務長官と電話会談をしたらしいです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070821-00000066-jij-pol

米財務長官「まさか、Mr.福井はこの状況で利上げなんかしないよね?(今以上に、事態を混乱させるようなことはしてくれるなよ。米国の立場悪すぎ!)

尾身財務相「いや、福井さんとは言えども、さすがにこの状況で利上げなんか決してしませんから安心してください。(うーん、そうであって欲しい)」

なんてやりとりが、もしかしたらあったかも。

さて、個人的には、「日銀、利上げなんか間違ってもするなよ」的な相場展開を予想していたのですが、今のところはどっちつかずのはっきりしない、気迷い相場的な動きのように見えます。今夜のUS市場次第かもしれません。

多少なりとも追加投資資金があり、その扱いが難しいですね。もっとわかりやすく突っ込むようであれば、そこでほとんど買い付けてしまおうと思っていたのですが。

まあ、どう投入しようが誤差の範囲ですし、こだわる必要は全然ないのですが、こんな状況での追加投資機会もめったにありませんので、今回は追加資金投入の仕方をこだわってみようと思っています。IBは売買手数料が1ドルと格安ですし、状況によっては、細かく分割して買い付け投入してみようかと思います。格安手数料だと、こういったところがうれしいですね。

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2007年8月18日 (土)

週末の雑感

しかし、昨日は近年まれに見る激動の一日でしたね。

日経平均800円超の下落

超円高、つるべ落としの外貨安(特に高金利通貨)

FedのDiscountRate引き下げ

今日の日経新聞のどこのページを開いても、この一連の話題で持ちきりです。

ちょっと心配なのが、今回のFed対応で、果たして金融市場が一息つけるのかどうかといった点です。つまり、今回手をつけなかったフェデラルレートの緊急引き下げ催促相場にならなきゃよいのですが。

個人的には、こんなときにも淡々と長期国際分散投資を続け、また来週には若干の追加投資資金もあって何か買うと思うので、さらなる強烈な押しもウェルカムなのですが、さすがに信用取引、通貨証拠金取引等、高レバレッジな世界からの悲鳴がこれ以上大きくなっていくのは忍びない気持ちです。

ここらへんで収まってもらって、これ以上破綻の淵に追い込まれる人が出ない平和な状態に早くもどってほしいと思います。

レバレッジの怖さというのは、ほんと体験した人でないとわからないものです。自分の資産があっという間に消滅していき、オケラになってしまう経験は本当につらいものです。

確かに、その一線を踏み越えて、投資家としては成長していくものだと思いますけれども、何事も向き不向きがあります。合理的なリスクテイクによって、一生継続でき、そのリスクテイクから無リスク超過リワードを享受できるような投資手法を学び、多くの人が破綻の淵を覗きに行くような世界に迷い込まないようにはできないものでしょうか。

金融、投資に関する学校教育等が必要なのではないかと思います。

以前にも書きましたが、額に汗しない利益は良くない利益だといった一面的な見方にとらわれ続け、投資に関して無知なまま人を世に放つのではなく、リスクとリワードに関して世の中で成立している世界を教え、合理的にリスクをマネージしていく、リスクに対するアプローチ方法等についての教育に関し、社会的に真正面から取り組んでいく必要があるのではと考えます。

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2007年8月17日 (金)

FedのRateCut

FedがDiscount Rate引き下げだそうです。0.5%幅だそうです。

http://www.reuters.com/article/marketsNews/idINL1776376220070817?rpc=44

http://biz.yahoo.com/ap/070817/fed_interest_rates.html?.v=19

フェデラルレートは変更無し(5.25%)のようですが、とりあえず、ヨーロッパ市場が思いっきり反応してます。

http://finance.yahoo.com/intlindices?e=europe

なんとも、過激な日ですね。

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2007年8月13日 (月)

インデックス投資が賭けているもの

インデックス投資が賭けているものについての、個人的見解を記しておきたいと思います。

インデックス投資だからといって、個別株投資が賭けているものと本質的にあまり変わるところはないと思います。

ある会社の株式を買うとき、まっとうな投資家であれば、その会社に出資してもよいという判断のもとに、その株式購入の決断をしているはずです。すなわち、その会社に投資すれば、その会社は継続的な利益を創出する能力を有しているので、投資金からみた将来リターンは投資額に比して満足なものになるはずだという見込みのもとに、当該会社への投資を決めると思います。

インデックス投資も同じことだと思います。投資するインデックスに属する企業群も、程度の差はありこそすれ、継続的な利益を創出する能力を有しており、それら企業群への投資により適切なリターンが見込めるはずだと思うからこそ、そのインデックスへの投資を決定すると考えるのが本来の筋だと思います。

よく、インデックス投資は、将来の資本主義経済の発展に賭けているというような論がありますが、これは必ずしも正しくないのではないかというのが、私の個人的視点です。

例えば、個別の会社が、売上成長率ゼロ、利益成長率ゼロでも、利益を創出する能力があり、毎年継続的な利益を生み出している限り、その会社の株式にはなんらかの値付けがされ、その株主にはプラスのリターンがもたらされます。おそらく、そのような状態では、国債のような無リスクリターンビークルよりも、高い利回りが得られるような株価になっているはずです。

なので、仮にここから、世界中の会社の成長がゼロとなって、成長期待がはげたとしても、株価は下がるとは思いますが、世界中の会社の利益を創出する能力が失われない限り、それら会社は正の価値を生み出し続け、それは、株主配当や自社株買いといった手段で、株主にその利益が還元され続けると思います。その正のリターンは、いずれその投資家の投資成果を正のリターン領域に連れて行きます。

また、この世の中は、原則的にリスクアバースな世の中になっていて、バブルの絶頂前後といった特殊な時点を除き、たいていの時点で、リスクのあるビークルの市場価格は、期待値として無リスクビークルよりも高いリターンが見込める水準でその価格が取引されています。要は、超過リターン期待値が見込めなければ、無リスクビークルを上回る超過リスクを引き受ける人はなかなかいないのがこの世の中です。

なので、インデックス派は、市場で取引されるインデックスを構成する各会社の株式取引価格は、その大半の期間において、無リスクビークルを上回る超過リターンの見込める価格で寄り付いているはずであると想定します。なので、継続的に市場価格でインデックス構成銘柄を、その構成割合に応じて買い付け続け、継続的に保有しつづけることになります。

これはある意味信念であって、将来必ず成り立つものであるとはいえません。しかしながら、過去、超長期の資本主義市場の歴史の中でずっと成り立っていたという動かしがたい結果があるのも明白な事実です。

すなわち、インデックス投資が賭けているものは、市場の右肩上がりの成長でもなんでもなく、市場に存在する株式会社群の利益を創出する能力と、その将来の能力の程度を評価して、無リスクリターンビークルよりも高リターンとなる株価水準に、たいていの時期においてその株価を寄り付かせる、市場の価格決定能力の2つであると思います。

この2点が信じられるから、将来市場が大きく成長しても、しなくても、その度合いも含めて、自分が推定するよりも、市場の総意の結果である寄付価格のほうが、長期的に見てはるかに優れた推定価格であって、その価格で市場を買うことによって、無リスクリターンビークルを買うよりも、ずっと大きなリターンを得ることができることが信じられるわけです。

短期的な市場の動乱やバブルを見ると、一見とてもそうは思えませんが、過去の超長期の資本主義市場の結果を参照すれば、市場インデックスに継続的に投資していけば、無リスクリターンを明確に超過するリターンを得つづけることができたという統計結果は、誰にもなかなか否定できません。

それでも、市場の動揺時やバブル時を後から判断すれば、市場の価格ではなく、自己の判断に基づく投資の方が明らかに優れているはずだという判断を、人は得てしてしがちです。このような考えで、人は簡単にタイミング投資の世界に足を踏み出してしまいますが、その方向は思ったよりずっと手ごわいのが現実です。間違いなく、それで市場リターンを継続的に上回る実力がある人は、ジョージ・ソロスになれます。グローバル・マクロのヘッジファンド運用手法は、それを採用するヘッジファンドが昔に比べてどんどん減っているのが現実のようです。「市場の値付けよりも、自分の値付けの方が優れていて、タイミング投資を行うことにより市場を出し抜ける」という考えも、世界最高岬の有能な人種がしのぎを削るヘッジファンド業界でもなかなか容易には実現できない極みへの挑戦となります。

インデックス投資が賭けているものは、なかなかもって強固なものであって、容易に崩れるものではありません。短期的には市場はとてつもなく愚かに見えるときもありますが、実際はその市場に勝とうとしても、過半数はその勝負に敗れてしまう、とっても手ごわい相手です。「自分なら勝てる」、古今東西、人間がもつ「オーバーコンフィデンス」が、市場に対して勝負を挑み続け、多くの人が敗れ去ってきたのが、過去の歴史でしょうし、これからも、延々とこの結果の見えている勝負は繰り返されていくに違いありません。これは、ある意味、人間のさがとでもいうべきものだと思います。

私も、この自分の中にある「オーバーコンフィデンス」を知り、これが自身の資産運用成果に致命傷を与えることのないように、いつも、自分に言い聞かせ続けているのが実態です。

こういった整理をしていくと、世界中の株式会社の利益を創出する能力と、市場の総意がもたらす、たいていどんな専門家よりもすぐれた値付け能力が生む無リスクビークルリターンを超過するリターン水準をもたらす価格決定機能について、その信頼感を失う事態が生じない限り、インデックス投資を行う投資家がその投資を止める理由は発生しないことになります。この流れで考えれば、具体的にこの投資を止めるようになる事態はなかなか具体的に想定できません。これが、インデックス投資と損切り等のリスクマネージメントが一般になじまない理由だと思います。

だから、私はインデックス投資は、損きりによるリスクマネージメントではなく、リスクポートフォリオデザインによるマネージメントが適切だと考えています。また、運用成果が悪かったからといって、株式比率を下げるといった対応は、本来のインデックス投資のまっとうなリスクマネージメントではなく、理想としては、一生耐えられる自身のリスクエクスポージャーの度合い(株式比率、外貨比率等)を決定して、それを短期的な結果が良かろうと悪かろうとずっと続けていくのが、インデックス投資のあるべきリスクマネージメント方法だと思います。もちろん、投資金額を超えてのレバレッジ投資は、ずっと投資を続けていくことを想定しながら、それが不可能となるリスクをわざわざ取ることとなって自己矛盾であると考え、それをやらないことを自身にルールとして課しています。

このように考えると、最近のサブプライム問題やその他世間をにぎわした過去の様々な事象も、上記のような考えのインデックス投資家にとっては取るに足らない事象でしかありません。インデックス投資家がその投資方法を捨てるときは、世界中の株式会社が押しなべて利益を創出する能力を失ったとき、あるいはその株式に対する市場の値付けが一過性で無く、とんでもなくおかしなものとなってしまうときとなります。私には、具体的なそのときがイメージできません。おそらく、資本主義の崩壊くらいしか想定できないように思います。なので、具体的なそのときが来るまで、上記発想のインデックス投資家は損切りなど全く想定すらしないのです。

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2007年8月10日 (金)

年金制度の根本的問題(その3)

その1、その2で、今の国民年金において犠牲になっている若者たちの悲惨な構造をお示ししてきましたが、ここでその若者たちにとっての、国民年金加入か否かの有利不利を、金融商品の視点で見てみたいと思います。

繰り返しになりますが、

100を保険料で支払い、

100を税金で支払い

170が年金支払いとして戻ってくる。

のが、彼らに対する国民年金制度の取扱いです。明らかにマイナスリターンビークルですが、支払いのうちの半分は税金として国に質に取られてしまっています。なので、国民年金加入か否かを考える場合は、どちらの場合にも必要となるこの税金の部分は、必要経費として除外して考えることとします。そのとき、このサイトの20歳の場合の例により、

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/kaikaku/04kaisei/dl/34.pdf

保険料支払額が1200万円、年金受取額が2100万円となります。

保険料支払月が40年で480ヶ月、年金受け取月数が22年1ヶ月で265ヶ月として計算すると、単純な割り算で、毎月保険料が25,000円、毎月年金額が79,245.28円となります。(ここでは、保険料も年金額も毎月支払い、かつ定額と仮定してみます。)

この数値から、いわゆる内部収益率、すなわち、毎月保険料をどんな利回りで回していくと、毎月年金額が払えるようになるかという数字を求めると、実はこの数字は年率でたった1.77%程度なのです。

ちょうど、今の10年物日本国債の利回り水準に近い水準です。

すなわち、年1.77%程度以上で運用できる自信がある人は、税金部分を捨てても、国民年金には加入せずに自前運用した方が有利ということになってしまうわけです。

参照サイトから、この計算例は賃金上昇率2.1%、物価上昇率1.0%のときの例となっています。すなわち、物価上昇率+0.77%くらいの運用ができるなら、若者にとって国民年金の存在価値は無く、国民年金未加入で自前運用するインセンティブが生ずるということになってしまいます。

なので、簡単に想像がつくとおり、収入や資産が大きくリスク許容度も大きい方は、ほんのちょっとのリスク資産のポートフォリオへの味付けで、インフレ率+0.77%程度の運用などは軽々達成できてしまうでしょうから、明らかに国民年金を非加入で済ませるインセンティブが生じてしまいます。

また、それだけではなく、どちらかというと生活が苦しい方々にとっても、国民年金非加入にするインセンティブが生じ得ると思います。それは、高利の借金の返済は、高利の運用をすることと、経済的には全く等しいからです。

すなわち、事業用資金にしろ、家のローンにしろ、勤労時代の大半をネット資産マイナス状態で過ごし、その金利負担が非常に大きければ大きいほど、国民年金保険料を払って税金除きで1.77%程度の名目リターンを得るよりも、国民年金を未加入にして、3%や5%、あるいは10%の利子を支払わなければならない借金を減らしていった方が、より豊かな老後を迎えるために資する可能性が高いのではと思います。

こう考えて見ると、今でさえ国民年金未加入とするほうがエコノミカルに有利な人って、結構全方位にたくさんいるのではないかと思います。だからこそ、保険料納付率が60%台で低迷し続けているのではないかと推測します。

また、これが、将来金利水準が3%、5%と上がっていく状況を仮定すると、今の若者が年金受給するころ、国民年金制度を支える将来の若者がたくさんいるとはとうてい思えませんし、制度がどんどん完全な賦課方式になっていきますから、そんな状況での国民年金加入か否かの有利不利のボーダーラインは、実質的にさらに悪化していくのではないかと思います。

このような将来シナリオにおいては、今よりもさらに激しい、3分の2国庫負担や4分の3国庫負担にしていかなければ、今の国民年金制度は維持できないと思います。またそれ以前に、納付率が悪化したらそれだけで、当面の保険料収入キャッシュフローが細りますから、積立金取り崩しの加速や国庫負担率上昇が必要になってくるはずです。

この国庫負担率の上昇は、今のところ実質的に制度崩壊を防ぐ唯一の手段になっているものと思いますが、冷静に考えて見れば、これは体制側にとって諸刃の剣だと思います。

年金制度の大半が、国庫負担、すなわち税金でまかなわれているのに、なぜ、国民年金制度のごく一部しか占めない保険制度部分で、社会保険庁は血眼になって記録保持しながら年金額計算管理なんかして、納付保険料の10%とかいった多額のお金を費消し続けているのか、年金制度のごく一部しか占めない部分に、到底採算の合わないしくみを適用し続けて、社会保険庁組織を維持し続け、お金をドブに捨て続けるのはもう止めたらどうか、ぜんぜん意味ないじゃないかといった議論に必然的につながっていくと思うのです。

なので、国民年金制度維持のための国庫負担率上げ対応は、実質、制度破綻の引き金を引くことを意味するのではないかと思います。

これもある意味、市場原理だと思います。こういった形で、ある意味冷徹な市場原理で、制度崩壊を突きつけられる可能性が高いのであれば、正直、厚生労働省や社会保険庁のこの制度に対する必死の延命措置も、単なる時間とお金の無駄のように思えるのです。

要は、大元をたどれば、これからの日本の人口ピラミッド構成と実質賦課方式の制度自体が、自助努力の保険方式の年金制度の存在を許さないという結果を、必然的にもたらすのではないかと思うわけです。

だったら、これから何年、何十年と無駄に現行制度と組織を飼い続けて国民の貴重な税金をドブに捨て続けるようなことをせず、さっさと消費税等の税金による最低年金制度に変えてしまったらどうかと思うのです。

(なお、今回においても、その1の最後に書いたのと同じような注意事項が当てはまります。再度、繰り返すことはいたしませんが、その注意事項を踏まえ、読んでいただければ幸いに思います。)

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2007年8月 8日 (水)

年金制度の根本的問題(その2)

年金制度の根本的問題(その1)のコメントでいただいた通り、今の国民年金では、若者はおおよそこんな支払い構造になっています。

年金保険料として100払い、

税金で100払い、

将来、年金で170が戻ってくる。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_254c.html

結局、200払って、170しか戻って来ないしくみで、今の日本の若者には犠牲になってもらって、その尊い犠牲を今のお年寄りに還元するしか、今の年金制度を維持することはできないわけです。

これをストレートに、200を保険料で払え、170しか返さないけど、と言った瞬間に、これは自助努力でもなんでもなくなります。若者にとっては、年金制度に加入するくらいなら、170は貯金やインフレ連動ビークルに投資等しておいて、残りの30と170が生む実質余剰利子で好きなだけ人生を謳歌したほうがずっとよいに決まっています。かくして、国民年金の収入をすべて保険料でまかなおうとした瞬間に、国民年金の不払いの度合いは、今よりずっとひどくなってしまうと思います。それを防ぐために、すなわち国民年金制度を崩壊させないために、一部国庫負担と言う形にして、未加入の場合の税金の払い損という不利益を意図的に発生させているのではないかと思います。

本質的には、今の若者にとっての国民年金の位置づけは、自助努力を促進させてよりよい老後のための準備をサポートするためのものというよりは、今のお年寄りに十分な年金を支払うために、拠出資金からの損失発生が半ば確定した殺人的金融商品にはめ込み、彼ら若者の老後を暗澹としたものにするための存在になってしまっています。厚生労働省や社会保険庁の建前と存在意義は、すでに大きく崩れてしまっていて(世代間扶養は保険でなくても実現でき、保険料と年金が記録管理によって紐付けされた保険による自助努力は上記の通り、仕組みとして実質崩壊している)、それでも彼らは自らの存在意義を否定できず、組織の自己保身のために今も汲々としているのだと思います。

だれか(若者)の犠牲でしか、社会的にだれか(お年寄り)を助けることはできず、かつ、それをどうしても行う必要があるなら、実際は成立などしていない自助努力などという欺瞞をちりばめるのではなく、ストレートに税金としてその費用を徴収すべきだと思います。また、今の国民年金制度では、今のお年寄りの生活を守るために、今の若者の将来の老後を危険に晒しているという点を考慮して、守る必要のない、収入や資産の非常に恵まれたお年寄りは年金を受け取らないような仕組みが必要だと思います。

こういった、ある意味まっとうな検討が、政府組織の自己保身のために、無残にも脇に追いやられ続けていると思います。

だいぶ、金融視点の話からそれてしまいましたが、次回こそは(もしあれば)、金融視点の話をしたいと思っています。

すなわち、国民年金に加入しないインセンティブを持つ人はどんな人なのか、果たして運用に自信を持つ人だけなのか、今の国民年金の構造で本当に100年安心なのかといったことに関する私見が書ければと思います。また、その他、前回のコメントでいただいた内容に対する私見なども、書けたらいいなと思っています。

(なお、今回においても、前回の最後に書いたのと同じような注意事項が当てはまります。再度、繰り返すことはいたしませんが、その注意事項を踏まえ、読んでいただければ幸いに思います。)

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2007年8月 6日 (月)

年金制度の構造的問題(その1)

年金制度の構造的な問題について、金融視点で書いて見たいと思います。年金支払記録の問題も重要ですが、年金制度自体の問題はもっと重要で、もっと着目すべきだと、個人的に考えます。また、年金制度を金融商品視点で見ることにより、その欠陥とそれが必然的にもたらす破綻の可能性が、よりくっきり見えてくると思うからです。

まず、このサイトをご紹介します。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/kaikaku/04kaisei/dl/34.pdf

このサイトで、「国民年金は払い損ではない」という風に述べられていますが、そこには、このような場面で典型的に使われる、だましのトリックがあります。

年金給付の2分の1は国庫負担というのがそれです。例えば、2005年に20歳の人は、払った保険料に対して、1.7倍の年金がもらえます、なので払い損ではありませんという主張が、このサイトで展開されています。

でも、半ば明らかなことですが、国庫負担と言っても、結局は私たちの払った税金がその原資です。所得税、消費税はもちろんのこと、法人税でさえ、結局はそれがなければ、株式配当として株主の利益となって、我々国民の財布に入るはずだったのですから、なんら例外にはなりません。

すなわち、2005年に20歳の人は、払った保険料に対して1.7倍の年金がかえってくるといっても、税金も含めた支払貢献額はざっくり言って保険料支払額の2倍なのですから、実際の貢献総額に対する年金としての返還額は、平均的には1.7/2=0.85倍なのです。

実は、今の若者にとっては、国民年金は、40年の支払期間と20年以上の平均受取期間を有する超長期のビークルなのにもかかわらず、資金の15%を失う、いわば殺人的投資ビークルになっているわけです。

いや、この損失はたった15%ではないかもしれません。平均投資期間30年超でマイナス15%リターンってだけでも殺人的ではありますが、この国庫負担の一部が国債だとすると事態はさらにひどくなります。国債は次世代への税金ですから。すなわち、半分の国庫負担はすべての世代に公平に負担が回っているわけでは必ずしもなく、より若い世代に偏って負担がつけ回されている可能性が高いのです。

なので、本来ならストレートに、「今の人口構成では、若者には平均投資期間30年以上の元本割れの超長期投資で泣いてもらって、その分をお年寄りのため回すような年金制度になっている」と、国や社会保険庁は正しく言うべきなのです。

それをあたかも、「半分は他人の負担だから、払った保険料の1.7倍もの年金がもらえます」というような詐欺的表現をして、この明らかな構造を気付かせないまま、若者に保険料を払ってもらおうとしているわけです。

さらに、年金支払いの半分を国庫負担にしているのは、このような詐欺的な表現で、いかにも若者もこの年金制度で損はしていないと思わせるためだけではありません。

次回は(もしあればですが)、その点について書いて見ようと思います。

(なお、上記の記述は、制度の本質的な部分をわかりやすく表現するため、意図的に簡略化して述べています。したがって、正確性に欠ける部分も多々あるかと思います。あらかじめ、ご了承ください。また、個人的には、国民の義務は全て正しく果たす主義ですので、こんな殺人的ビークルにも正しく保険料を払うという、いわば奇特な人間が書いているという点もご注意ください。すなわち、上記はあくまで制度論としてその将来を憂う一国民として書いており、年金に対して何ら特定の行動を推奨していないということを意味します。また、感情論、道徳論といったものを意図的に脇に置いていることにもご了承いただければと思います。感情論、道徳論では、制度を維持し続けることは不可能に近いと考えるからです。)

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2007年8月 2日 (木)

サブプライム第二波

昨日は、アジア、ヨーロッパともに、サブプライムローン問題で第二波がきましたね。

柳の下をきちんと自分で納得行くまで確認したい派なので、このような情報を押さえて、その影響を自分で考えていきたいと思っています。(市場の感情的な反応の程度ではなく、現実の経済的影響をですが)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070801AT2M0100H01082007.html

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-27170920070801

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-27171120070801

国際分散、インデックスの長期投資であれば、超長期投資においてはしょせんさざ波だとして、このような情報を全く無視することもありだと思います。その場合は、やっぱり直近株価の変動もいっしょに無視する必要があると思います。

最悪なのが、どっちつかずで、感情的な市場の動きや、無責任で低レベルな雑誌や新聞の情報に振り回されて不安を煽られ、ポジションを切ってしまうことだと思います。ここは、きっちり態度を決めて、柳には決して近づかないか、柳の下を自分で納得行くまで確認するか、どちらかの態度で臨むのがよいのではと考えます。どちらの方法論も目的は同じ、市場の狂気に巻き込まれないためにすることです。

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2007年7月27日 (金)

今夜のUS市場は?

前日のUS市場、アジア市場、為替と大荒れですね。

ヨーロッパ市場も、なかなかすっきりせず、低迷しているようです。

さて、今夜のNYの天候は?あいかわらず暴風雨ですかね。

個人的には、急落に備えて投資資金を取っておくといったことは基本的にしないタイプなので、特段投資資金があるわけもなく、やることもないです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart11:symbol=eem;range=20060724,20070726;compare=fxi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

急落に備えて投資可能資金を取っておくことをしなくなったのは、このような軌跡を描く投資対象が多く、資金を取っておくと得られるべきゲインを失うという経験を結構したせいです。

ということで、興味があれば今夜のUS市場を見るかもしれませんが、眠くなればさっさと寝ちゃうかも。

こんな気楽な投資態度でいることができるのは、超長期の投資だけかもしれませんね。投資方法や考え方によっては、今はまさに、神経をすり減らし、胃をキリキリさせる状況なのかもしれません。

投資を成功裏に終わらせるためには、それを妨害する可能性の最も高い、自分自身の感情をマネージメントする必要があると思います。超長期の投資を指向しながら、このような場面で逃げたくなったり、リスク資産を処分したくなるようだと、ポートフォリオのボラティリティレベルか、心の持ち方、あるいは投資手法といった何かを見直すべきというサインかもしれません。

暴落時にものどかな気持ちでいることが可能な、長期国際分散投資のこういった利点を最大限満喫するために、ポートフォリオのリスクレベルと投資に対する考え方といったような部分を、ご自身に100%最適化されるのがよいと思います。

それでは、おやすみなさい。

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2007年7月25日 (水)

信用リスクスプレッド

本来なら昨日のうちに、以下のエントリーを補足する追加のエントリーを書いておこうと思ったのですが、なぜか昨日からココログが本格的なメンテナンスを開始してしまって新しいエントリーを書くことができない状態が1日続いてしまいました。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7d88.html

その間に、米国市場がまさにサブプライムローンの問題で揺れてしまってますね。

追加してお知らせしようとしたのは、現在起こっている米国債券市場の信用リスクスプレッドの広がりが、いまのところどの程度かという水準感です。このサイトの最初のグラフを見ると、過去のシングルBクラスの債券の信用リスクスプレッドが、リスクイベント時に、どんな水準で広がったかという過去がわかります。

http://www.efficientfrontier.com/ef/401/junk.htm

1998年中旬の山がおそらくはLTCMの破綻のときの信用リスクスプレッドの短期的広がりを示しています。およそ2.5%程度は広がっているように見えます。

2000年から2001年にかけての山がおそらくはITバブル崩壊のときの信用リスクスプレッドの広がりです。4~5%程度は広がっているように見えます。

翻って見て、今、足元の信用リスクスプレッドの広がりがどの程度かと言いますと、HYGとIEFの動きから概算すると、おそらく1%未満といった水準だと思います。

これから、低格付債券の信用リスクスプレッドがどの程度広がっていくかは神のみぞ知るというところだと思いますが、現在時点においては、まだまだかわいいものだというのが、個人的な感覚です。

また、当ブログのスタンスからすれば、今回のサブプライムローンの米国市場と世界経済に与えるインパクトが、たとえLTCM崩壊と同様、ITバブル崩壊と同様やそれ以上となったとしても、個人的にはただ淡々と、望ましいと思う世界分散投資ポートフォリオを構築し続けていくのみです。

数十年の国際分散投資を想定すれば必然的にそうなります。こんなロングタームの投資では、LTCM破綻もITバブル崩壊も、後になってみれば単なる1イベント、懐かしい思い出話にしかなりません。そんな程度のイベントで数十年レンジの長期投資家があたふたしてはイカンのです。

だったら、こんな分析や評価なんて長期投資家には意味無いのではと思われるかもしれません。それも一理あると思います。理由の1つは単なる個人的な興味本位、もうひとつは、いもしない柳の下の幽霊におびえるのではなく、実際にその場所にいって確かにいないことを確かめる姿勢が重要だと思っているからです。要は感情的になって無意味に右往左往しないためには、徹底した現実主義の目が必要だと思っているのです。

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2007年7月23日 (月)

ノーロードファンドが増えているらしい

本日のNIKKEI NETにこんな記事がありました。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070723AT2C2003J23072007.html

と思ったら、今日の日経新聞夕刊にも1面トップで「投信も手数料下げ」という同趣旨の記事が出ていました。

インターネット専業証券でノーロードファンドが200本を越えたとのことです。記事の趣旨としては、手数料競争の対象が株式手数料から他の手数料に移ってきているという趣旨で書かれていましたが、なんにしろ、ノーロードファンドが増えていくのは結構なことです。最近の日本のファンドは個人的に全くの不案内なのですが、販売手数料が無い分信託報酬を厚くするといった、長期投資に不向きな詐欺的な内容ではなく、純粋にもともとロードファンドであったものをノーロードにして売り始めているのであれば、手放しで喜ばしいことだと思います。

私が米国証券口座を作った頃は、米国インターネット証券ではノーロードが既に一般的でした。左のサイドバーで紹介しているような世界株ファンドや、何度かエントリーに出現しているQFFOXといった新興国ファンドは全てノーロードファンドです。米国では、昔からノーロードファンドの選択肢は豊富で、たくさんのノーロードファンドの中から、このようなファンドを選ぶことが可能でした。

神田昌典氏ではないですが、やはり金融の分野でも「米国は何年も先を進んでおり、米国で起こることは何年かの後に日本でも起こることが多い」と感じます。ある意味残念なことでもありますが、過去の個人的な仕事の分野での経験でも、結構これは思い知っています。「これはさすがに米国にもないだろう」と思うようなことでも、よくよく調べて見ると米国で既に存在しているといったくやしい経験を、やっぱりしていたりします。

そういう意味で、やっと増えつつある日本のインターネット証券のノーロードファンド化も、なんだかデジャブに見えてしまいます。そう考えると、楽天証券で米国市場ETFを普通に購入している方々は、通常、何年も遅れる日本市場の後進的な金融商品プロセスを、一気にワープしているのかもしれません。

願わくば、日本のETF市場が一部のキーンな方々のみが参入するニッチな市場にとどまることなく、日本の金融商品市場全体を一気にワープさせる原動力となって、先進米国市場に追いつき追い越して欲しいものです。

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2007年7月22日 (日)

米国金利(その2)

前のエントリーのコメントでリクエストをいただいてしまったので、続編として、米国長期金利が5%を割った理由についての私見を書いてみようと思います。

(あくまで私見であり、またこの分野の専門家でも何でもないですので、話半分、眉唾と思っていただければと思います。)

まずは、以下のチャートをご覧ください。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=hyg;range=20070411,20070720;compare=ief;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

このチャートで、直近IEFが上がっている一方で、HYGがかなり下がっていることがわかります。IEFは7~10年物TreasuryのETFですので、10年物Treasuryの金利が下がっていることと、IEFが上がっていることは、全く同じ事象の表裏です。(市場金利が下がると、債券価格は上がります。)

しかしながら、HYGがかなり下がっていることは、自明な現象ではありません。HYGは米国ハイイールド債券、すなわち、格付がシングルB前後の信用度がかなり低く、クーポン金利の高い債券のETFです。市場金利が下がり、普通であれば債券の時価が上がるはずの状況で、HYGが下がっているということは、おそらく信用度の低い債券のデフォルトリスクが市場で意識され、信用リスクスプレッドが広がっていることを意味します。

ざっくりいって、

社債利回り=無リスク資産利回り(=Treasury利回り)+信用リスクスプレッド

となります。倒産(デフォルト)リスクのある社債は、純粋理論的に無リスクなTreasuryよりも利回りが高くないとだれも買わないわけで、そのために社債の利回りはTreasuryよりも高くなります。その利回り格差が、信用リスクスプレッドであって、倒産(デフォルト)リスクを取ることに対する見返りの報酬です。

この信用リスクスプレッドは、市場が信用度の低い社債の倒産(デフォルト)リスクに敏感になると、ある意味当然のことではありますが、大きく広がります。

今、Treasuryの金利が下がったのに、HYGの価格が下がったということは、Treasury金利の下げ幅を大きく超えてそれ以上に、市場が要求する信用リスクスプレッドが広がってしまっているわけです。

ここからは憶測です。低格付け債券の信用リスクスプレッドが広がってしまったのは、おそらくサブプライムローンのせいだと思います。米国債券市場では、信用リスクが強く意識されている展開になっているのではないかと思います。

信用リスクスプレッドが広がり、Treasury金利が下がったと言うことは、債券市場で、質への逃避が起こっているのではないでしょうか。信用リスクのないTreasuryが買われ、信用度の低い格付の低い債券が売りたたかれる展開になっているものと推測します。

ちょっと前に、サブプライム関連の資産担保証券の格付が格付会社によって引き下げられたというニュースがありましたね。サブプライム関連の資産担保証券の投売り状態が、通常の社債市場に影響を及ぼし始めていて、今のところ、社債の信用リスクスプレッドがどんどん広がり続けている状況のように読めます。

この状況が起きる前の展開としては、10年物Treasuryの金利が跳ね上がった理由として、米国の景気が思ったより良く、政策金利を下げていくような展開ではなくなったことと、かつ世界の流動性資金の行き先が、米国Treasury一辺倒ではなくなってきたことが挙げられると思います。

なので、そういった10年物Treasuryの金利が上がっていく圧力と、米国市場の特殊事情(サブプライムローンによる債券市場の質への逃避)による長期金利下げ圧力が両方かかり、今のところ、下げ圧力がどんどん優勢になってきているのではないかというのが、私の見方です。

いかがでしょうか。話半分、眉唾な話であるとは言え、多少のご参考になると良いのですが。

この金利の動きの先にあるものを考えるには、このチャートがヒントになるのではと思います。今日は、これをご提示して、終わりとしたいと思います。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^dji;range=20070427,20070720;compare=^gspc+^ixic;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

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2007年7月21日 (土)

米国金利

米国の10年物Treasuryの金利が5%を割りましたね。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^tnx;range=20070427,20070720;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

昨日の米国市場は、グーグルとキャタピラーの2Qのprofitに失望ということのようですが、だいぶ下がりました。

米国長期金利がじりじりと上がっていくというシナリオも、だんだん怪しくなってきた感じです。

このままいくと、米国長期金利の長期的上昇を見込んで回ってきた歯車が、逆回転し始めるかもしれないですね。いや、すでにもう逆回転し始めているのかもしれません。

米国長期金利の下落が何を意味し、何をもたらすのか?とても興味深いテーマです。今日の夜はじっくり、頭の体操をしてみましょうか。

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2007年7月20日 (金)

弱いドル

海の向こうにも、自国通貨の弱さに直面している国があります。

アメリカ人にとって、他の先進国通貨を持つと言うことそれ自体が、魅力的なリターンを得る手段となり得ます。どこかの国とそっくりです。

http://etf.seekingalpha.com/article/41597

他のエントリーのコメントでも書きましたが、USDは直近06/10~07/07までの期間で、3通貨を除いた世界中の通貨に対して弱くなっています。(週刊東洋経済7/21より)なので、リンク記事のように、他国通貨ETFへの直近の投資リターンがとても高くなっているわけです。

記事で例示された通貨のほかにも、オーストラリアドルやスイスフランといった通貨ETFに投資することが、米国市場では既に可能です。(日本円通貨のETFもあったりしますが、あまり意味は無いでしょう。USDより弱い、数少ない通貨の1つですので。)

国際債券ETFがSECfiling中であることも、とても頷ける話です。このままの流れが続けば、強烈なホームバイアスを有するアメリカ国民の間でも海外投資やFXが流行ったりするかもしれませんね。

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2007年7月18日 (水)

跋扈する金融商品

あいかわらず、当ブログで取り上げたようなタイプの金融商品が跋扈し、金融機関で売りさばかれているようですね。

ここ最近の日経新聞の記事でも2つのタイプの金融商品を目にしました。(この他にもあったかもしれません。単に当方の目についたものです。)

・金利の高い短期定期預金と投資信託のセット商品

・ご当地ファンド

それぞれ、当ブログの以下のエントリーで触れています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_e753.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_89c3.html

日本の金融機関を使い勝手の良い便利な機関にするのも、忌避すべき商品ばかりを売りつけられるやっかいな存在にするのも、長い目で見れば我々の金融リテラシー次第だと思います。

ご参考となりましたら幸いです。

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2007年7月14日 (土)

サブプライム問題

個人的にこの話題について、何か語れるものがあるわけではありませんが、左のサイドバーで紹介している堀古氏のブログで、この話題について語られている内容が秀逸であると思いましたので、ご紹介しようと思います。

http://plaza.rakuten.co.jp/isWallStreet/diary/200707100000/

私の少ない知識でも、リスク区分された資産担保付証券は、普通、プロフェッショナルな投資家に販売されていくので、ヘッジファンド等で被害はあっても、個人が投資するETF等の伝統的な投資対象が直接被害にあったりするケースはあまり想定できないのではと思います。

この中で、米国では過去、不動産活況のときには株式が不調で、不動産不況の時に株式市場が活況を呈していたという過去の推移に関する指摘は、非常に参考になります。

過去は将来を必ずしも保証しないとしても、過去に学んで活かせるものは活かし、あいまいなムードに踊らされない態度で投資に取り組みたいなと思います。

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2007年7月10日 (火)

為替市場の不思議

相変わらず、世界各国通貨に対する円安と、円建ての海外株式の信じられないほどの高パフォーマンスが続いていますね。

インドやカナダなんかがとてもよくこの現象を象徴しています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart3:symbol=^bsesn;range=20070102,20070709;compare=inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^gsptse;range=20070102,20070709;compare=ewc;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

円建ての比較グラフを作るのが難しいので、それぞれドル建てのグラフになっていますが、それでも、現地通貨では対して高パフォーマンスというわけではないのに、ドル建てでは、高パフォーマンスになっています。すなわち、円建てであれば、このグラフよりも、もっと高パフォーマンスとなっているわけです。(今年は、円はUSドルに対しても円安になっています。)

国際分散投資を行っている人にとっては、まさにホクホクな状況ではあるのですが、果たしていつまでこんな状況が続くのか、日本国民としては不安になります。

言い換えると、今の円安がどこまで行ってしまうのか、日本国はこのまま斜陽化してしまうのかという不安です。

今の円安は行きすぎで、いずれ大きく円高へのゆり戻しがあるという意見もあると思いますが、昔、私が血縁者に「もう円のUS除く海外通貨に対する円安は5年以上も続いている。頼むから、資産ポートフォリオに外貨を入れてくれ。」と頼んだときから、もう1年半くらいは経ったはずです。いったい、いつ、そんな時が来るのでしょうか?

円の金利は世界通貨で最低であるほど低いので、高金利通貨に流れており、それで円安になるのだという、ある意味単純な主張があります。果たして、事態はそれほど単純なのでしょうか?

通常、国の信用力が低ければ低いほど、高い金利を払わなければならないはずです。それは、発展途上国の金利を見れば一目瞭然だと思います。では、日本の国家としての信用力は、世界一なのでしょうか?どうも、そうは思えません。日本政府のとてつもない大借金状態は変わらず、またプライマリーバランスもマイナスで、今もなお、事態は悪化し続けているようです。国の抜群の信用力による超低金利というわけではなさそうです。

では、低金利は不景気が原因でしょうか?確か、今は戦後最長の好景気の渦中ではなかったのでしょうか。そもそも、不景気で政策金利である短期金利は低くできても、10年国債等の長期金利は、国の信用力が低ければ、その高騰が免れないはずです。

もしかすると、国の需要不足が原因でしょうか?世界に誇る少子高齢化の国ですし、もうモノ不足の国でもないですから、モノへの需要が小さく、相対的にモノに対する円通貨の需要が大きく、構造的にインフレが進みにくい国の体質になっているのでしょうか?

そういえば、車の国内販売も、ずいぶん低迷しているようです。

米国も、ユーロも、イギリスも、カナダも、世界中であちこち利上げが行われているようですが、おそらく日本は、今のところ、インフレが進まず、金利を上げなくても実質金利がマイナスにならない、数少ない国なのではないでしょうか?

純粋理論的には、金利裁定を仮定しても、購買力平価を仮定しても、円安ではなく、円高に向かうべきであるように思えたりするのですが、実際はとてつもない円安に進み続けています。

ファンダメンタルからいって、円はどちらに向かうべきなのでしょうか?

以前、ご紹介した「日本経済のリスクプレミアム」という本では、相対購買力平価説に基づく長期分析では、なんと足元が円高すぎるという結論で、ファンダメンタルからいうと、さらなる円安への動きが妥当という、ある意味、びっくりする結論でした。

与六さんが以前ご紹介された記事でも、モデルによって円が割安であったり、割高という結論だったりして、理論的な正解が一方を指し示す形になっていないという結論になっていたようです。おそらく、学者を含む世界中の誰もが、確信をもって今の円が割高か割安かを証明することなどできないというのが、まぎれもない真実なのかもしれません。

http://yoroku.blogspot.com/2007/06/blog-post_23.html

学者が想定する、マーケットは合理的投資家で成っており、非合理な歪みは、瞬時に裁定されて本源的価値に収束するという美しい仮定は、為替市場においては、そもそも円が割安なのか割高なのか、誰一人正解を知るものがいないという、まことに情けない実態により、そもそも否定されかねない前提であるわけです。

もともと、その程度のまことに怪しい本源的価値であって、かつその本源的価値も日々変動し、どちらかの方向に動き続けているかもしれないとあっては、為替市場に対して、ファンダメンタルの立場から、どちらか一方向への方向の先にフェアバリューがあるという結論を持つこと自体が、まことに困難なことかもしれません。

ひとつ言えるのが、各国でそれぞれ存在する、強烈なホームバイアスによって、各国間の金利と為替においても、フェアな裁定が働いてはいないのではということが疑われます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_3a2a.html

この記事においても、各国の企業年金で軒並み極端に思えるほど自国資産を保有する行動が見られます。また日本国債の殆どが日本国民に保有されていることを見ても、日本国の信用力が、他国と十分裁定された上で、その国債金利水準が定まっているとはとても思えません。

大前研一氏によれば、日本人の資産保有行動は、全くもって非合理的とのことです。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/86/

たしかに、冒頭のように、他国に投資するだけで円安に背中を押してもらってとてつもなく儲かる現状で、日本国資産だけに固執するのは、合理的な投資行動には見えません。

それでも足元では、日本人の外国資産への投資(含むFX)は、どんどん加速してきているように思えます。今でも個人金融資産に占める外国資産の割合は3%とか、そういった水準だったように記憶しています。日本人の投資行動が、強烈に非合理的なホームバイアス満載の状況にあって、それでも、合理的となる方向へ資産が動いているのが今の状況だとすれば、この方向への動きは、何十年もかけて今後も継続していくのかもしれません。

イギリスの企業年金の自国資産への投資割合が60%程度であって、その他の先進国の80~90%超といったクレイジーな水準とは明確に一線を画しているのは、もしかするとただの偶然ではないかもしれません。過去、ホームバイアスによって、自国の斜陽化が進む中、強烈なポンド安と他国の発展による果実を取り損ねてきたという経験を積み重ねてきた国であるからこそ、そのホームバイアスの度合いが、先進各国中で一番ひどくないのかもしれないと、ふと考えます。

錯覚であるのかもしれませんが、日本人のホームバイアス、極端な少子高齢化、極端な低金利と、恒常的に進む異常な円安とが、互いに深い関係を持っているように思えてなりません。そして、そのホームバイアスは少しずつではあっても、確実に解消の方向に事態が進んでいるように見えることから、日本の低金利は長い目でみて解消していき、また異常に見える円安はさらにその加速度を増していくのかもしれません。

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2007年7月 8日 (日)

世界の株式市場拡大

昨日の日経新聞の朝刊に、「世界の株式市場 拡大」という記事がありました。

例によって、今年前半の世界各国の株式市場のパフォーマンスが載っていたのですが、いつも、この手の比較表を見ると「違うだろう」と思ってしまいます。

要は通貨を揃えていないのです。特にここ6、7年は世界各国通貨に対して、円はとてつもなく安くなっていますので、きちんと通貨を揃えて比較すると、日本市場へ投資は、世界各国比較でたいてい、とてつもなくパフォーマンスが悪いのが実際です。

日経新聞の表では、G7の今年前半のリターンはこうなっていました。

ドイツ        21.4%

フランス       9.3%

カナダ        7.7%

米国(ダウ平均)  7.6%

英国         6.2%

日本(日経平均)  5.3%

イタリア       1.3%

これを見ると、まあ日本は対世界各国で好調とは言えないかもしれないが、日本よりパフォーマンスが悪いG7の国もあるわけだし、まあいいんじゃないのと思われるかもしれません。

これを通貨を揃えて見ましょう。これらG7の各国への投資を米国市場ETFで実現したとしたら、こうなります。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewg+ewq+ewc+dia+ewu+ewi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

今年前半は、日本への投資はG7で最低であったのです。実は日本の投資家は、日本以外のG7のどの国に投資しても、日本に投資するより高リターンが得られたのです。(EWJ:日本、EWG:ドイツ、EWQ:フランス、EWC:カナダ、DIA:米国ダウ平均、EWU:英国、EWI:イタリア)

次は、新興国・地域として日経新聞が表に挙げている各国を見てみましょう。

中国(上海総合) 42.8%

マレーシア     23.5%

ブラジル      22.3%

韓国        21.6%

シンガポール   18.8%

メキシコ      17.8%

台湾        13.5%

南アフリカ     13.1%

豪州         10.7%

香港          9.1%

インド         6.3%

これら各国への投資を、やはり通貨を揃えた、投資家から見たリターンとなる姿で比較しましょう。米国市場ETF等でこれら各国に投資した結果は、こうなっています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=ewj;range=20070103,20070706;compare=ewz+ewy+ews+eww+ewt+eza+ewa+ewh+inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

(米国市場ETFに存在しない、中国(上海総合)は含めていません。また10個までしか入らないようなので、日経の表で、中国(上海総合)を除いて最高パフォーマンスであったマレーシアもとりえあえず除いています。)

現地通貨建てでみればたいしたパフォーマンスでなく、相対的には低迷しているように見えるインド株も、USドル建てではここまで20%程度で回っていることがわかります。(円建てリターンはもっとパフォーマンスが良いことになります。)

香港もUSドル建てで明らかに日本より高パフォーマンスを示しています。すなわち、今年前半は、世界株にアクセスできる人ならば、目をつぶって投資先を選んでも、圧倒的高確率で、日本株に投資するより良い結果になっただろうことになります。

ここで、この結果が、偶然なのか必然なのかについては触れません。

国際分散投資は、この現象が偶然であっても必然であっても、どちらでも非常に大きな価値があるのです。国際的に分散投資することによって、対リスクリターンを向上させることが出来るだろうことは至極明確であり、また、世界の殆ど全ての市場に対してパフォーマンス劣後するようなこんな憂き目を、自動的に避けることができるのです。

しかし、この結果は、本当に強烈ですね。あらためて自分でグラフを作ってみて、予想された結果であるにもかかわらず実際に目にするとやっぱり驚きます。心底、日本株集中投資せず、国際分散投資の世界に踏み出していて本当に良かったと思います。

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2007年7月 7日 (土)

インデックス運用における銘柄入替とコバンザメ投資

インデックス運用に対する非難と言うか誹謗の1つに、インデックス投資は銘柄入れ替え時のコバンザメ投資の餌食になって損だから、インデックスファンドやETFに投資しないほうがよいという主張があります。

今日は、これについて多少書いて見ようと思います。

この手の話に対する個人的な意見は、「この主張も、かならずしも物事の本質を的確に捉えた主張ではないので、あまり真に受けないほうが良い。」というものです。

確かに、現象としてインデックスファンド等はインデックスの銘柄入れ替え時に、新規組み入れ銘柄を高値で買わされているように見えます。そして、その分だけコバンザメ投資家が潤っているようにも思えます。

でも、ちょっと待ってください。

最近、コバンザメ投資がうまくいかなくなっているらしいことが、あちこちから聞こえてきます。実際に、検証や分析をしたわけではありませんが、明らかにこのコバンザメ投資はうまくいかなくなる運命にあります。まずはそこから、お話したいと思います。

もし、銘柄入れ替えの情報が流れてから、その新規追加銘柄を買って儲かるなら、誰だってコバンザメ投資をしたいと思います。なので、コバンザメ投資が儲かるという話が広まれば、次からは銘柄入れ替えの情報が流れると、その瞬間に、その対象銘柄は吹き上がるようになります。状況がひどくなれば、情報を得てからでは株価が高くなりすぎてコバンザメ投資は全く儲からなくなります。なので、今度は銘柄入替情報が発表されるだろうタイミングを予測して、競馬の賭け方のように、採用される可能性が高いと見込まれる銘柄に分散して事前に買っておく行動に出る人が現れます。これで儲ける人も、同様の方法でフリーランチを目論む追随者の存在により、この方法でも高いリスクテイクなしには儲からないところまで行き着きます。フリーランチを望む人は多くとも、その望む人が多くいること自体によって、結果的にその機会ははかなく消えていく運命にあります。

では、フリーランチを狙うコバンザメ集団にとって無リスクで儲かる機会が消失した後でも、なおかつインデックス運用は、高値でこの新規採用銘柄を買わなくてはならない運命にあります。それはなぜでしょうか?

すなわち、コバンザメが得をしないのに、なぜインデックス投資が損をするのか?という命題です。

ここで、機関投資家の立場を考えて見ましょう。この人たちにとって、運用はお仕事であって、遊びではありません。ちょっとした遊び心でヘラクレス銘柄をポートに入れてみましょうというわけには、だいたいにおいていかないのです。通常は、厳格な投資に関する制限にがちがちに縛られていて、例えば2部市場に良い銘柄があるのだが、業務上、1部市場の銘柄しか買えないといった投資制限があるので全く手を出せないといったような状況があることが容易に想像できます。このとき、この2部銘柄が1部昇格を果たしたらどうでしょう。この運用者は、今まで買えなかった有望2部銘柄を、1部昇格後に晴れて買うことになるはずです。

すなわち、その銘柄は、会社の競合状況や金利状況その他の経営環境等に全く変化が無くても、1部上場したという事実のみで、新たな買い圧力を受けて、株価は上がりやすい状況になります。これは、いわゆるプレミアムの一種です。すなわち、1部上場銘柄は、1部上場銘柄であるという、ただそれだけの理由で、株価はそうでないときよりも高くなる可能性が高いのです。これを仮に上場・昇格プレミアムと呼んで見ることにします。

ここまで説明すると、もう結論は見えてきたと思います。

コバンザメ投資家が新規組み入れ銘柄でちっとも儲からなくなった後でも、インデックス投資がこの新規組み入れ銘柄を高く買わなければならない理由は、この上場・昇格プレミアムにあると思います。1部銘柄なら買うという存在が、このプレミアムを生み出すのです。

「1部上場銘柄だから買う」という新たな大規模な投資家群の中には、巨大資金の一部を日本に振り向ける外国人機関投資家も、もちろん含まれているはずです。インデックスファンドは、その「1部上場銘柄だから買う」という新たな一大勢力の一角でしかないのです。

実際、インデックスファンドではなくても、アクティブ投資の機関投資家も、この新規銘柄を買いたい場合は、この上場・昇格プレミアムを払って以前よりも高い価格で、この銘柄を買う必要が生じます。高値で買わなければならないのは、インデックスファンドだけではないのです。

「いや、しばらく待てば下がるだろうから、アクティブ運用であれば、そこまで待てば良いのだ。」と思う人がいるかもしれません。でも良く考えてください。「1部上場だから買う」という理由で買った、インデックスファンドをはじめとする投資家は、「1部上場でいる限りはその株を売る必要はない」のです。新たに、買い圧力により追加スプレッドを発生させた存在は、売り圧力をかける存在にはならないのです。待っても待っても、1部から降格、上場廃止等にならない限り、その発生したプレミアムが剥げるはずもありません。

なので、我々は普段自覚しませんが、1部上場銘柄を買う場合は、いつも1部上場銘柄プレミアムを支払っていると考えたほうがよいと思います。すなわち、インデックス投資家のみが新規採用銘柄を高く買う羽目になるというよりは、新規採用後に買う全ての投資家が、1部上場プレミアムの乗った株式価格でその後は売買のやり取りをする必要が生じると言ったほうが、真実に近いのではないかと思います。

このような構造は1部2部だけではなく、日経225採用非採用でも、全く同様な状況にあるはずです。

すなわち、上の「コバンザメが得をしないのに、なぜインデックス投資が損をするのか?」という命題の答えは、「コバンザメが得をしないのだから、インデックス投資も損はしない。ただ、新規採用銘柄は、その新たな血統書の存在によりその後、プレミアム付の高値で売買され続けるだけのこと。」ということになると思います。

このポイントに触れずに、プレミアムが乗る前の価格と比較して、あたかもインデックス投資家のみが高値でその銘柄を買わされるかのごとく錯覚させ、そして、その差額がコバンザメ投資家に搾取されているのでインデックス投資は不利だというふうに、市場に存在する力学を無視して、あたかも新規に生じたプレミアムスプレッドまでも、インデックス投資の損失幅であると錯覚させる論理に、私はとてつもない違和感を感じます。

このような論理を展開する人の中には、インデックスファンドやETFの足を引っ張ってやろうという輩もまざっているのではないかと思ってしまいます。

いずれにしろ、何であれ血統書つきは高いのです。だれもが、血統書付のぴかぴかの株は高値でしか買えないとすれば、そのスプレッドはインデックス投資が負担しなければならない損失などではありません。血統書付の品質保証が欲しい全ての投資家がその価値に見合った負担をする必要があるだけのことなのです。

識者が言うことだからと言って無条件に鵜呑みにしないほうがよいのではないかと、私は思います。

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2007年7月 4日 (水)

ETFの分配金希薄化は問題?

本日の日経のマーケット総合1のページに

「日経平均連動ETF 分配金の希薄化顕著に 機関投資家の動き影響」

という記事がありました。

以下、簡単にその一部を転載します。

『株価指数連動型上場投資信託(ETF)の分配金(株の配当に相当)利回りの低下が目立っている。分配金を受け取る権利の確定日を控え機関投資家によるETFの新規組成が急増。一口当りの分配に希薄化が起きているためだ。機関投資家に認められた特別のETF取得方法が配当2重取りにつながり個人投資家が不利益を被っているとの指摘も出ている。

分配金の希薄化は、株式の配当を受け取る権利の確定日とETFの権利確定日が、3月末と7月上旬とにずれているため起こる。4月以降に新規にETFを組成すると、原資となる株式の配当がないのに、分配金を支払う必要が生じるためだ。

ETFのなかでも希薄化が目立つのは日経平均株価連動型だ。

(中略)

市場では「4月以降に設定されたETFが分配金を受け取るのは不平等」(国内証券)といった指摘もある。こうした見方に対し、日興アセットは「基準価額などで調整され、不平等が起こらない設計になっているが、口数が増えた場合は分配金は減る」(商品企画部)と説明している。』

と、こんな記事なのですが、皆さんどう思われますか?

個人が受け取るべき配当が機関投資家に搾取されている!何と不条理なんだ!なんて思わないでください。

日経新聞の記者が道理を理解して書いているのかそうでないのかは不明ですが、上記のような感想を持たれた方は、見事に記事にだまされています。

このような錯覚と言うか誤解というか、こういった理解不足によって、「ETFは、機関投資家にこのようなやり方で搾取されるので、個人投資家にとって良くないビークルだ」と主張されている識者も少なからず存在します。物事をちゃんと理解できずに誤ってETFのネガティブキャンペーンをやっているだけであって、悪意を持っているわけではないのでしょうが、初心者の方がこうした識者の言論を聞いて、「ETFは機関投資家に搾取される理不尽なビークルで、ETFには投資してはいけないのか」と誤解してしまうのは、なんともやるせない話ではあります。

そこで、以下で実際に数値例を示して、機関投資家も個人も、誰一人不当に損も得もしていない、その構造をお示ししようと思います。

以下の例では、簡単のために、市場の変動はゼロとし、信託報酬もゼロとします。またETFは株式1銘柄で構成されているものとします。

まず、個人Aが1万円持っているとします。株価100であるX銘柄のみで構成され、基準価格も100のYというETFをこのAさんが3月に購入したとします。

購入銘柄:ETF(Y)、購入価格:100、購入口数:100

個人Aさんの保有資産時価=100×100=10,000円

同じタイミングで、機関投資家Bが、やはり同じ資産を、ただし、ETFではなく、その構成銘柄であるX銘柄を同じ額だけ購入したとします。

購入銘柄:株(X)、購入価格:100、購入株数:100

機関投資家Bの保有資産時価=100×100=10,000円

その後、3月27日にX銘柄において、1単位当り1の配当金が割り当てられ、同日、配当落ちがあり、X銘柄の株価は99に下がるものとします。実際の配当金の支払い日は3月31日とします。

このとき、3月31日現在の個人Aさんと機関投資家Bの資産は以下の通りとなっています。

個人Aさん:ETF(Y)100単位、ただしこのETF資産の内訳は、

X銘柄の株価99×100=9900と配当金1×100=100の合計10,000円

となります。すなわち、X銘柄の配当金支払後も、ETF(Y)の基準価格は(株価99+現金1)=100であって、Aさんの資産はETF(Y)の基準価格100×口数100=10,000円となります。(当初と変わっていません。)

他方、機関投資家Bの資産は、X銘柄の株価99×100単位=9900円の株式時価と、X銘柄の配当金1×100単位=現金100の合計10,000円となります。(これも当初と変わっていません。)

4月に入り、機関投資家Bが手持ちのX銘柄100単位(時価9,900円)を拠出して、ETF(Y)を拠出します。すると、ETF(Y)の時価総額は、

個人Aさんの持分資産:10,000円(100口)

機関投資家Bの拠出資産:9,900円(99口=9,900円/基準価格100)

合計:19,900円(199口)

(内訳、X銘柄200株、株格99×200=19,800円、現金100円の合計19,900円)

その後、7月上旬に、ETF(Y)の配当金が支払われます。ここで、ETF(Y)の中の現金資産が配当に回されます。当然ですが、この現金資産は、ETF(Y)購入口数比率に応じて、Aさんと機関投資家Bへ分配されます。すなわち、

個人Aさんへの配当支払額=100円×(100口/199口)

機関投資家Bへの配当支払額=100円×(99口/199口)

となります。

そして、ETF(Y)は配当金として現金100を吐き出しましたので、その時価は19900円から19800円に落ちています。

このETF(Y)の時価のうち、個人のAさんの持分と機関投資家Bの持分も購入口数比率に応じて認識されますから、Aさんと機関投資家Bの、配当金支払後のETF(Y)の持分も、以下の通り計算されます。

個人AさんのETF(Y)持分=19800円×(100口/199口)

機関投資家BのETF(Y)持分=19800円×(99口/199口)

すなわち、7月上旬のETF(Y)が配当を支払った後のAさんの資産総額は、

個人AさんへのETF(Y)配当支払額+個人AさんのETF(Y)持分

=100円×(100口/199口)+19800円×(100口/199口)

=10,000円

となります。(当初資産額と全く同じ額です!)

また、機関投資家Bの資産総額は、

X銘柄の配当金+ETF(Y)の配当金+ETF(Y)持分

=100円+100円×(99口/199口)+19800円×(99口/199口)

=10,000円

となります。(これも、当初資産額と全く同じ額です!)

そして、ETF(Y)の配当金支払後の基準価格は、

19800/199口=99.49749・・・

です。

ちなみに、個人Aさんの配当支払額等を計算すると、

配当額:100円×(100/199)=50.251・・・

1口当り配当額:50.251/100=0.50251

となり、

配当支払後基準価格+1口当り配当額=99.49749+0.50251=100

となり、元の基準価格に一致します。

すなわち、個人Aさんは、機関投資家Bさんの拠出により、確かに配当率は1%から0.50251%に下がりましたが、その分、基準価格は99までは落ちずに、99.49749までしか落ちませんでした。したがって、機関投資家Bの拠出があってもなくても、受け取り配当金とETF資産を足せば、当初拠出金に一致するのです。

また、機関投資家Bは、個別株式Xで配当金をもらって、現金を受け取った代わりに、同額だけ株式資産が減り、またETF(Y)へ拠出後も、ETFの配当金を受け取った代わりに、同額だけETF資産が減って、都合2回、配当金を受け取るも、その同じ2度だけ、株式資産またはETF資産が減少し、結局は、2回分の配当金と最終ETF資産を足すと当初拠出金に一致するのです。

これは、考えて見れば当たり前です。機関投資家であろうと個人であろうと、配当受け取り権利を得れば、配当落ちによって、その権利金額だけ株式またはETF資産の時価が減るのです。なので、どんな経路をたどろうとも、現金と株式またはETF資産の比率が変わるだけで、合計額はいつも一緒です。

全ての人がこの、「受け取った配当額と同額だけ、残存資産時価が減少する」というくびきから逃れられない限り、だれかが得をしてだれかが損をするなんてことは起こりえないのです。

すなわち、当初記事に戻って表現すれば、

「配当金は希薄するが、誰も損も得もしない。たくさん配当を受け取った人がたくさん配当落ちをくらい、より少ない株式資産しか残らないという構造にあり、全く持って公平である。」

というのが、正解です。すなわち、日興アセットが主張していることが正しく、国内証券や上記の一部の識者の主張が、ある意味間違いなのです。

皆さんも、くれぐれも、このような錯覚にだまされないでください。また、上記で触れたような理屈で、不当にETFが不利だと主張する人がいたら、ぜひその誤解を解いてあげて、認識誤りにより魅力的なビークルに泥をかぶせようとする行為を未然に防いでいただければと思います。

このような手の込んだトンデモロジックは見破るのが難しいだけに、より手数料を稼ぎたい一部の金融業者が理不尽なETF批判を繰り出し、作為不作為にETFの足を引っ張ろうとする可能性もあり、非常に厄介です。くれぐれもご注意ください。

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2007年6月29日 (金)

ナスダック

US市場を見ていると、ここのところ、Nasdaqが強いような気がするなあと思って、グラフにしてみると、気のせいではなさそうですね。

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^ixic;range=20070529,20070628;compare=^gspc+^dji;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

直近1ヶ月で見ると、NasdaqがS&P500やDOWを明確に上回っています。

これが、直近3ヶ月で見ると、

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^ixic;range=20070329,20070628;compare=^gspc+^dji;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

ついこの間までは、DOWが一人勝ちをしていた様子が見て取れます。

たぶんこの間までは、US景気の先行きに悲観して、ごく少数の優良銘柄に買いが集中していたので、DOWが一人勝ちしていて、また、今は逆に米国金利が上がって行きそうなので、成長銘柄であるNasdaqの構成銘柄が買われているのではないかと思います。

市場のセンチメントによって、買われる銘柄がころころ変わるのは、おもしろいところでもあり、また難しいところでもあります。

個別企業の株価もそうですが、国の景気の先行きも1ヶ月や2ヶ月で、本質的に劇的な変化はそうそうないはずですが、市場を動かすのがマーケット参加者の長期の将来予測であって、それをするのが神様ならぬ人間ですので、足元のさざなみのような情報をもって、遠い将来の楽観、悲観といった予測になり、その極端なスタンスの変化が市場の上記のような動きの変化につながっているのだと思います。

短期トレードをやられる方ならば、強きにつき、トレンドにつくといったスタンスは、立派な投資戦略になり得ると思いますが、このブログのスタンスのように10年から30年といった長期投資を行う際は、トレンドにつくのは一般に逆効果だろうと思います。いつも、資産を天井で買うはめになりかねません。

このような長期投資のスタンスであれば、小さなさざなみは完全に無視して、長期方針の通りに機械的に買っていくか、あるいは逆張りの考え方で、今のような相場つきならば、US株を買う資金では直近で一番不振のS&P500を買って行くようなスタンスが、超長期ではやはり功を奏するのではないかと思います。

トレンドにつくなら、トレンドが終わる前に下りる、損きりポイントを設けて、短期トレードに徹するといったことをしないと、確率的にまずいと思います。

でも、心理的に人間は、上がっていく資産に飛び乗りたいものなんですよね。いろいろ痛い目に遭わないと、私を含め凡人にとっては、なかなかこのタイプの欲を御するのは難しいです。中国本土株に飛び乗りたい人が多いわけです。

人間心理は得てしてリターンをわざわざ減らす方向に、自分を突き動かすということを知って、その潜在的マイナス要素が顕在化しないように自らを制御することができるようになると、確実にリターンは向上すると思います。

なので、こういうポイントを知ってか知らずか、最初からこういった人間心理を制御する手段としての機械的なインデックス投資を指向されて、自身の人間心理に振り回されること無く、投資開始から着実に資金を増やして行かれる方は、ある意味天才的だと思います。

敵を知り、己を知れば百戦危うからずといいますが、まず自分を知ることが重要と言うことですね。

以前書いた「欲と恐怖」というブログの続編のような内容になってしまいました。ご興味ある方は、下のリンクも合わせてご覧ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_84b4.html

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2007年6月23日 (土)

為替に関する雑感

相変わらず、順調に世界通貨に関する円安が続いていますが、為替と世界株式市場の動きの連動の仕方が変わってきたように思いませんか?

2月末から、ずっと、

上海やUS市場の下落⇒円高

という連動の仕方を続けていましたが、昨日今日は、逆に、

上海やUS市場の下落⇒円安

という、最近にない動きをし始めているように思います。

単なる思い込みではありますが、世界通貨に対する円安現象に対する市場の解釈が変わってきたのではという気がします。

今までは、

世界株安⇒リスクテイク余力の収縮⇒キャリートレードの解消⇒円高

というストーリーを、市場は連想し続けていたように思います。なので、世界株式市場の下落と短期的な円高揺り戻しが幾度と無く同時に起こってきたと解釈しています。

しかしながら、最近では、大前研一氏も確か金融雑誌で、日本の国力の低下と円安についての記事を書いていたように思います。どんどん、世界通貨に対する恒常的円安傾向と日本の国力の低下の関係についての指摘を行う方が増えてきています。

矢口新氏ではないですが、短期投機資金には長期相場のトレンドは作れないのが、金融市場の力学でしょう。買ったものは売って、売ったものは買って早晩、ポジションクローズする必要があるからです。その一連の投資行動が市場に与える影響はゼロスクエアのはずです。

為替市場で、米ドル除く世界通貨に対して円安がもう6~7年も一貫して進んでいるということは、おそらく円⇒米ドル除く世界通貨(あるいは円⇒米ドル⇒米ドル除く世界通貨)という、一方向で反対売買されない資金のネット移動が恒常的にプラスであり続けていると解釈すべきだと思います。

例えば楽天証券や米国証券口座で、ETFのEFAに長期投資する資金が流入し続けることも、円⇒米ドル除く世界通貨への反対売買されない一方向の資金移動であって、これも間違いなく米ドル除く世界通貨に対する長期的円安の原因となると思います。

市場がこういった本質的な解釈をし始めると、ある意味短絡的な、

上海やUS市場の下落⇒円高

という、最近よく起こってきた特定の現象は、徐々に起こりにくくなってくるのではないかと思います。

「市場の長期的トレンドを作り出すのは、投機的資金ではあり得ない」のであって、「投機的資金はいわば市場の潤滑油でしかない」ことはおそらく真理なのだろうと思います。市場がそれに気づき、長期的な円安にはおそらく、それを生み出す根源的な理由があるのだという認識に至れば、このトレンドはより強化されていくのではなかろうかと考え、またそれを危惧します。

ここ数日の為替と株式市場の動きを見ながら、こんなふうにつらつらと考えをめぐらしています。

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2007年6月11日 (月)

金融商品の罠

今日は、週刊ダイヤモンドの最新号の「金融商品の罠」に関して、コメントしてみようと思います。

全て精読できたわけではないのですが、ざっと読んだだけでも、以前までの金融週刊誌とレベルが違っていることがわかります。特にオプションが組み込まれた金融商品に関する記事は特筆ものです。正直、このような商品に関して、その罠のしくみを真っ向解説しようと試みた金融雑誌を、当方は存じていません。金融週刊誌として、それほど特筆すべき、以前までとは飛びぬけた高レベルの内容に思えました。

正直、こんなシチュエーションが訪れるとは思っていませんでした。なので、私もこんな零細ブログで、こつこつと金融商品、特にオプション内包商品の罠について警鐘を鳴らしていたわけです。

皆さんも、一家に一冊、このような網羅的な、「金融商品の罠」についてやさしく解説された雑誌や書籍を持っておくことをお勧めします。そして、複雑で理解できない商品は、そこに罠が隠されている可能性は100%に限りなく近いと心得て、このような書籍や雑誌等で納得いくまで調べるか、そもそもそんな罠を隠すためにやたら複雑にしていることが疑われる、怪しさ満点の商品には近づかないという、賢い消費者としてのスタンスを固められるとよいと思います。

こういう「だまし商品をはっきりだましと表明する」ことのできる能力と気概がある書き手は、応援したくなります。

週刊ダイヤモンド、今後も注目したいと思います。

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2007年6月 9日 (土)

懐かしい名前

懐かしい名前といっても、良い意味ではありません。

今日の日経新聞朝刊に、懐かしい名前が踊っていました。「日経平均リンク債」です。来週より、みずほインベスターズ証券が本格的に販売し始めるそうです。

記事から推測すると、これはデリバティブが組み込まれた債券で、一定以上の将来の日経平均の下落時に損失を蒙る可能性がある代わりに、通常より高めのクーポンが得られるしくみになっているようです。

商品内にいわゆる日経平均株価指数のプットオプションの売りの仕組みが存在し、そのポジションから得られるプレミアム収入が、超過金利の源泉となっています。

これだけではなく、最近、とある大手銀行のHP上でも懐かしい名前を見かけました。いわゆる「デュアルカレンシー債」です。クーポンと元本が別の通貨を基準に支払われる、デリバティブが内包された債券です。しかも、その商品は円安時(お客にとって好ましい方向への変動時)に早期償還される、まことにありがたくないペイオフの形になっています。こういった複数の不利な条項の見返りに、おそらくクーポン金利が上乗せされているのではないかと思います。

これらの商品や仕組預金にある意味共通しているポイントは、商品中にデリバティブを用いた、とてつもなく評価のしにくい不利益事項が混入されており、それと引き換えに、金利レートやクーポン水準といった、わかりやすく目につきやすい利益事項を作り出していることです。

すなわち、デリバティブの価値や不利益事項と利益事項のトレードオフがフェアかどうか判断できない、情報や知識弱者なお客をはめ込むための商品形になっています。

前にも書きましたが、実際、私の経験から言うと、デリバティブ内包金融商品で、そのデリバティブ機能の理論価格の1.5倍程度のコストが、お客にチャージされていることが非常に多かったのです。すなわち、オプション機能の不利益事項を許容することによるデメリット評価額の3分の2程度のメリットしか、利益事項からは得られないしくみになっていることが多いのです。言い換えると、還元率が67%程度といってもよいかもしれません。

パチンコではこの還元率は90%程度と言われています。宝くじの場合は50%とも言われます。

これが意味することは、一般個人が銀行や証券会社の商品内でデリバティブ取引を行うと、その商品内で還元率がおおよそ67%しかないばくちをすることになるということです。

宝くじやパチンコを繰り返す圧倒的に多くの人が、ほぼ確実にお金を失っていくように、還元率の悪い賭けをし続ければ、いずれその期待値に収束していく確率はどんどん高まっていきます。デリバティブ内包商品を繰り返し購入するお客も、その行為を繰り返せば繰り返すほど、デリバティブを含まない金融商品を利用している人よりも、パフォーマンスがどんどん劣ってしまう確率が1に限りなく近づいていきます。

金融商品の中には、情報弱者や知識弱者からお金をむしりとるための商品設計となっているものが多くあります。しかも、そのような商品は、その目的を完遂し続けるため、どんどん手口と仕組みが高度化されていきます。最近、上のような懐かしい名前が再度踊っているのは、このタイプの商売をする新しい金融機関(銀行、銀行系証券)が増えてきていることと、おそらく無縁ではありません。

このような金融機関につかまらないように、上のような知識や考え方をお役立てください。

また、以前に仕組預金について書いたブログも以下にリンクしておきます。ご参考としてください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_e9d8.html

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2007年6月 4日 (月)

エージェンシー問題

昔、「日本経済のリスクプレミアム」の本の紹介の際に、「エージェンシー問題」という用語が出てきました。代理人が介することにより本来の目的から外れていってしまうことを総称して、エージェンシー問題と呼ぶとのことでした。

この間、「勝者の思考」という本を読んでいたら、また別のエージェンシー問題について記述がありました。

世のアナリストは、今は企業の3ヶ月決算のスケジュールに合わせて、企業評価をしなければならないそうです。なので、必死に企業評価レポートを書き終えたら、すぐに次の3ヶ月決算がやってきて、首がまわらなくなるとのことです。

世のアナリストがこんな状況だと、企業の3ヶ月後が買いか売りかといった、非常に短期の評価しかしなくなるので、投資対象に対し、長期的な投資評価ができなくなってしまいます。また、本当に長期を見据えた会社の施策が、3ヶ月といった短期でなんの成果も見られないため、評価されずに見過ごされてしまうことが起こってしまう可能性が高まります。

米国では、このような四半期決算でもまだ足りずに、ハーフクウォーター(半四半期)決算の流れにあるようです。まさに自殺行為です。

これも、アナリストがプロであるからこそ、企業の四半期報告に対するアナリストとしてのアウトプットが求められ、アナリストの本来目的である、将来の投資成果向上のための買い/売りの長期評価が、かえって出来なくなってしまっている例だと思います。これもやはり、エージェンシー問題の一種だろうと思います。

プロがプロであるがゆえに、最大の投資成果を得る目的に逆行してしまうような例は他にもいろいろ考えられると思います。

何だか皮肉ですね。

個人は、こういったリターンに必ずしも結びつかない仕事に煩わされること無く、将来の長期的リターンに結びつくと思われることのみに集中できるメリットがあるわけです。プロのエージェンシー問題がゆえの偏向や短期的指向等にとらわれず、グローバルな投資機会を上手に捉えて行きたいものです。

今回ご紹介の本自体は、いい仕事をしていい人生を送るために必要なことという視点でまとめられた本ですが、思考を立体化することの必要性を説く章で、著者の経済ジャーナリストとしての経験に基づく、中国、インド、ロシアといったBRICsのインプレッションも事例として提示されていました。この新興国関連に興味がある方も、この本を読む価値があると思います。

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2007年6月 2日 (土)

為替の懸念

為替がまた円安方向に放れはじめたような気がします。

http://quote.yahoo.co.jp/m3?u

ドル円が122円、ユーロ円が164円に乗りました。

また、いつのまにか、豪ドル円の100円超、ポンド円の240円超が定着しつつあります。

このブログで何度も触れている話題ではありますが、ブログの世界でも同じ懸念を表明される方が見受けられるようになってきました。

http://blog.goo.ne.jp/takekurabe/e/db4b0f0defa3a4e234800c689b393454

このような懸念が、単に思い過ごしであればよいのですが。私はとてもそうは思えず、ずっと前から身内の人間には、資産ポートフォリオに外貨エクスポージャーを必ず入れて、このリスクをヘッジしてくれとお願いし続けています。

http://www.shinseibank.com/fx_info/fx_sisanhozen_02.html#005

このような20世紀の英国ポンドの経験が、円で繰り返されなければよいのですが。

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血の通った物価上昇

先日、取り上げました「国債は買ってはいけない!」という本ですが、その中に、目を見張る新鮮な理屈がありました。

それは、「物価上昇には『血の通った物価上昇』と『血の通わない物価上昇』の2つがあって、庶民が見なければいけないのは、血の通った物価上昇であるのにもかかわらず、一般に目に触れるのは、血の通わない物価上昇だ。」という理屈です。

要は、「物価の上昇率を計るためには、正確に同じものの異なる2点間の値段で図らなければならない。」として、例えばお米の値段であれば、今も昔も「農林ナントカ号」の値段で物価上昇率を計っているが、これが「血の通わない物価上昇率」であると著者は主張しています。なぜなら、昔は「農林ナントカ号」が一般の食卓に上がる標準品だったかもしれないが、今ではそのようなお米を食べる人は少なく、「コシヒカリ」が標準品になっているかもしれないからです。

すなわち、同じ物を基準で計った物価上昇率を基準にすると、今でも長屋に住み、白黒テレビを見て、携帯電話もパソコンも水洗トイレもない生活を維持するために必要な物価上昇率を参照することになってしまうわけです。

また、20代前半の若者ならば牛丼屋の牛丼でもごちそうかもしれませんが、これが50代のいい年配者であれば、ごちそうどころか貧相な食事でしかないかもしれません。人間の一生においての時間の経過を考慮にいれたら、年相応の生活をするための必要なコスト増も物価上昇率の中に含める必要があると、著者は主張します。

なので、この本では物価上昇率を、以下の3つの物価上昇率に分け、その(1)を「血の通わない物価上昇率」と、そして(1)から(3)までの合計を「血の通った物価上昇率」と呼んでいます。

(1)単純で、非社会的・非人間的な物価上昇・・・4.3%

(2)社会の発展による換算物価上昇・・・3.3%

(3)人間の年相応の生活による換算物価上昇・・・2.3%

後ろの数字は、この本に記述されている、1960年から2000年までのそれぞれの平均的な年率上昇率です。

全て足すと、およそ10%になります。このような、血の通った物価上昇率を考えずに、単純な2点間の同一商品の物価のみを参照して、「インフレ以上に資産が増えているから大丈夫」と考えていては、実際は資産の価値を毎年毀損していることを意味することになります。

最近はずっとデフレ傾向ですので、2000年以降の統計を用いて測定すれば、「血の通った物価上昇率」でも、おそらく10%よりもはるかに小さい値になるものと思います。なので、この本の示す数値も、現状の日本においては、誇張された数値ではあると思います。

それでも、「デフレだからゼロ金利でも損はしていない」というのは、上記の(3)の要素まで考えたら、必ずしも正しくないかもしれないという点は、私にとっては目新しく、勉強になる新しい知識でした。

どうでしょう。皆さんにとっては、役に立つ知識でしたでしょうか。

もし、このような内容にご興味があれば、この本を読んでみてください。

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2007年6月 1日 (金)

変額年金

またもや、身内ネタです。

最近、女房の父親から、「銀行から、XXXXXXXXXXという変額年金を勧められているが、買っても良いか?」と聞かれました。

脊髄反射で「ダメ!絶対買っちゃだめ!」と答えてしまいました。

どうも、新発売の商品らしく、銀行にしきりに勧められるのだそうです。

いつもいつも、脊髄反射で切って捨てるのもなんなので、今回はその商品について、その後ちょっと調べて見ました。

運用ビークルは、日本株式、世界株式、日本債券、世界債券(為替ヘッジなし)に20対15対20対45の割合で投資するバランスファンドのようです。保険の保証として、10年後の元本保証と運用途中の運用成果が一定パーセントに達したらその金額が保証される、いわゆる経路依存型でストライクプライスの切り上がる形のプットオプションが内蔵されています。

この保証の対価として、まず最初に契約初期費用が5%、保険契約関連費用2.65%、資産運用関連費用0.315%で、毎年資産残高に対し合計2.965%の費用がかかります。

かなり複雑なオプションが内蔵されており、簡単に解析的に計算することは不可能だと思いますが、間違いなく、計算するまでも無く

トータル費用=銀行への手数料支払い+資産運用会社への費用支払い+オプションプレミアム(権利購入費用)+保険会社の利益

という等式が成立しているものと思います。

たぶん、この商品の契約初期費用5%が、そのまま銀行の販売報酬として、保険会社から銀行へそのまま渡っているのだと思います。

銀行員がしきりに勧めるわけです。投資信託の販売報酬は通常2~3%であると思います。それが5%ですから、銀行にとって販売効率は約2倍です。

この破格の販売効率を支えるために、一般の人の「名目元本」に対する異常なこだわりに応える商品設計をしているのだと思います。

でも、ある意味、無意味な往復ビンタをやっているようなものです。すなわち、

「リスクを取らないとリターンが得られないのでバランスファンドに投資しましょう。えっ、でもリスクが怖いって?じゃあ、オプションを売りますから、それでヘッジしてください。」

ナンセンスの一言です。リスクが怖ければ、怖くない程度にまでしかリスクをとらなければよいだけのことです。10のリスクをとるためにお金を払い、そのリスクが怖いからそのうちの7のリスクを消すためにまたお金を払う。世の中のいたいけなご老人方は、こんな無意味な両建て商品でお金をむしられているわけです。

「いや、オプションによって、ペイオフの形が変わっている。これでお客のニーズに応えているのだ。」といわれれば、それもある種の正論かもしれません。でも、その正論の中には、「名目元本を守っても、資産の実質購買力が保たれるわけでは必ずしもないのに、多くのお客は名目元本を守ることに異常なくらいに執着する。よし、この心理を利用して高効率の利益を追求しよう。」という銀行と保険会社の意図が見え隠れしています。

「本当に顧客のためになるもの」を提供して、その対価をいただく商売ではなく、「多くの顧客の行動ファイナンス的な偏向を利用して、本当は顧客にとって意義の小さい商品形でも、感情的な引き付け効果の高い商品形で、たくさん売って手数料を稼ごう」という、まさに身勝手な発想が見えます。

いわば、「10年後に元本を返せば、そのときにその元本の実質購買力が地に落ちていても、私(銀行)のしったことじゃない。自分たちが手数料を稼げればそれでいいのだ。」といっているようなものです。

上記の商品でも、ざっくりいって初期に5%、毎年3%×10年で、合計で約35%もの総費用支払い負担があるのです。それで、株式比率が35%で、かつバリュエーションが割高で、将来の期待が小さい日本株に20%投資するアロケーションへの投資では、ろくな実質リターンが得られない確率が高いものと思います。

早く「名目元本への過度な固執」から卒業して、金融機関からこのような心理的な罠を利用され、手数料を巻き上げられないようになる必要があると思います。

前にも、上の話題に関連あるブログを書いていますので、ご興味ある方はご参考としてください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_5f8c.html

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2007年5月30日 (水)

印紙税

今日の中国本土株の下げは、印紙税の値上げがきっかけのようです。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070530NT001Y38230052007.html

2倍3倍のマネーゲームが展開されているであろう市場にしては、ずいぶん細かい税率変更に大きく反応しましたね。

この間の2月27日の、中国本土株をきっかけにした世界株式市場の下落は、当日夜の米国市場の大きな下落から、他国市場の本格的下落へと波及していったように思います。

不思議なのが、多くの国の株式市場で3月5日に底値をつけ、そこまでの累積下落率が軒並み、6%から9%程度といった非常に似通った水準だったことです。

前回のように、世界の株式市場が軒並み中国閉鎖市場の下落幅と同程度の値幅で下げていくのも過剰反応しすぎのように思いますが、米国景気の先行きが怪しげであるだけに、米国市場の反応は注目してしまいます。

さて、今回はどんな展開になりますか。今夜の米国市場がその後の各国市場の展開のキーになるかもしれません。

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2007年5月16日 (水)

個人向け国債の不振(その2)

先日、個人向け国債の販売が不振であるらしいことについて、当ブログで取り上げてその原因を考えて見たのですが、その後、以下のブログを読んで、それまで腑に落ちなかった部分が氷解しました。

http://practicalinvest.seesaa.net/article/41749117.html

銀行での個人向け国債の不振の理由で、キャンペーン金利による短期定期預金へのシフトという記事内容にずっとひっかかっていたのですが、種明かしは「抱き合わせ販売」のようです。

そう言われて見れば、もうずいぶん前から、短期定期預金(短期割り増し金利付)+投資信託or仕組預金の抱き合わせ販売を、銀行はこぞってやってましたね。

新聞の広告等で見て、「こんなのだれがひっかかるのだろう?」と思っていましたが、ところがどっこい、個人向け国債が大打撃を受けるほど、この手の販売が成功しているとは!

お客の程度が低いのか、銀行の手口が巧妙なのか、果たしてどちらなのかはわかりませんが、この手の販売が個人向け国債が売れなくなるほど蔓延っているという推定は、状況証拠からしてどうも正しそうですね。

この場合は、銀行は企業貸付という本業をやっているのではなく、実質投資信託等の販売手数料割引販促キャンペーンというフィービジネスをやっているだけになります。そして、いくら短期の高金利の預金を集めてこようと、確実に販売手数料と信託報酬の販売会社取り分で儲かるので、企業貸付案件の想定などする必要はなく、無限に集めて最悪預金部分は現ナマで寝かせておいても全然問題ないわけです。

記事から、こんな簡単な銀行の構造も見抜けなかったとは。我ながら情けない。しかし、腑に落ちなかったところに合点がいき、とてもすっきりしました。

もし、銀行から抱き合わせ販売の提案があった場合は、その投資信託やそれに類する代替商品が、ネット証券でノーロード等で販売していないかどうか、またそもそも、そのような投資信託等が自分にとって必要なのだろうかと自問してみる必要があります。

それにしても、銀行は着実に昔の証券会社の道をそっくりそのまま歩んでいるように見えますね。しかも手口が数段低レベルです。例えば、

・金利10%ただし適用は1ヶ月のみ、その後普通金利で1年解約不能といった外貨預金(しかも往復2~4円の為替手数料付)

・短期限定高金利預金と投資信託等の抱き合わせ販売

・解約不能な仕組(デリバティブ)預金

銀行でも、いずれ過去の証券会社のワラントやリンク債、デュアル債といったような手の込んだ手口に発展していくのでしょうか?それとも、このまま、上記のような比較的初歩的な手口でお客を引っ掛け続けていくのでしょうか?

また、まだ聞こえてきませんが、いずれ郵便局もフィービジネスのノルマ達成のために、こういった方向にビジネスを傾斜させてくるかもしれません。一億総自己責任時代がやってきそうです。自分のお金を守れるのは自分だけです。銀行等に不利な商品を買わされないためにも、マネーリテラシーを向上させていく必要があると思います。

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2007年5月14日 (月)

個人向け国債の不振

個人向け国債の販売が不振なのだそうです。

http://keizai-no-news.seesaa.net/article/41603661.html

http://fund.jugem.jp/?eid=332#sequel

http://fund.jugem.jp/?eid=335#sequel

http://blogs.yahoo.co.jp/nikotama1001/11235445.html

http://blogs.yahoo.co.jp/naoznet0417/48776700.html

http://blog.so-net.ne.jp/FXspeed/2007-05-12-1

記事によると、銀行の短期定期預金にキャンペーン金利を乗せて銀行が積極的に販売しているせいだと書いてあったりしますが、どうも腑におちません。銀行が預金を積極的に集めるためには、企業貸付のニーズが好景気等により旺盛になっていおり、かつ貸付スプレッドが広がっているという状況が必要です。貸付投資先がたくさんあり、大きな儲けが想定されているわけでもなさそうなのに、銀行がキャンペーン金利で資金集めに走るのはいかにも不自然です。

個人的に、この話題に詳しいわけでもなく、詳細に状況を知ることのできる立場にいるわけでもないので、100%推測で話をする他ないのですが、上記のような腑に落ちない点があるので、その他の仮説を考えて見ました。そこで個人的に想定できるその他の仮説は、

1.日本の将来の大きな金利上昇の可能性が小さくなったという市場コンセンサスが醸成されてきた。

2.単に金融機関が手数料稼ぎの態度を強めている。

3.銀行のデフォルトの可能性が小さくなり、逃避商品としての意味を失い始めた。

4.日本国のデフォルトの可能性が認識され、日本国債に資金を投入する個人投資家が減った。

5.単に個人向け国債を買ってもよいというお客が一巡し、伸び悩みになっている。

どれが正解なのか、あるいはその他の要因があるのかはわかりませんが、このようなときは単一の要因と言うよりは様々な複合的な要因の合成の場合が多いように思います。

10年ものの減少が激しいとのことで、上の仮説の1が結構有力です。実際、10年物個人向け国債の変動金利の基準となる10年国債の金利はここしばらく低位安定しています。また、日銀も容易にどんどん金利を上げていけるような状況になく、10年国債金利に連動する変動金利が得られる商品の魅力は、お世辞にも高まっているとは言えそうにありません。

郵便局での売上が減っており、その一方で郵便局での投資信託販売があいかわらず好調とすれば、郵便局をはじめとする金融機関がより手数料稼ぎに走っているという、仮説2も有力です。

また、もともと日本のお客は、将来のインフレリスクや市場金利変動リスクについての理解が十分だとはとても思えません。なのでお客のうち10年物個人向け国債の金融商品としての価値を十分理解している人の比率はとても低いのではと推測します。もしそうであれば、必ずしも本質的ニーズで売れていたわけではないことから、販売一巡するとなかなかそれ以上売れなくなると言う、仮説3及び5も結構あり得る話です。

おそらく購入顧客としてはお年寄りが多いだろうことから、あまり日本の財政等に興味を持っている人は多いとは思えず、仮説4はちょっとありえないような気がします。

ということで、仮説1,2,3,5の複合現象というのが、今の個人的推測になりました。おそらく、銀行、証券会社、郵便局の今の売れ筋商品がつかめれば、もっと精度の高い分析ができるのだろうと思います。新たな強力なはめ込み商品が出現しているといった落ちがなければよいのですが。

日本国も国債安定消化のための戦略見直しが必要になってくるかもしれません。

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2007年5月 9日 (水)

日本経済のリスク・プレミアム(その2)

先日の「日本経済のリスク・プレミアム」という本の感想の続きです。

この本は、日本市場に関して実証統計分析を交えて様々な点について述べており、この本を読んでいると様々なテーマで物事を考えさせられます。

この本は、為替についても一章設けて、分析考察を行っています。

あまりにネタばれになってもいけませんので、この部分についてもさわりだけ、題名とサブタイトルから明らかにわかるような内容に限定してご紹介しようと思います。

大きなポイントは、円ドル相場の適正水準を分析を通じて探っており、また、理論的に為替リスクテイクにはリワードとしてのプラスのリターン期待値がないこと(これは純粋理論としては当たり前といえば当たり前ですが)について述べています。

円ドル相場の適正水準については、特に相対的購買力平価を用いて分析を行い、適正水準について議論しています。その結果は、私のイメージ(円高、円安の観点です)とまるで正反対であって、ちょっと驚きでした。分析結果がどちらに振れているのか、興味ある方はぜひこの本を買って読んで見てください。特に資産運用にご興味のある方は、この章に限らず、考えさせられるテーマが満載だと思います。

ここからは本の感想ではなく、上記に類するテーマに関する私見ですが、為替はほんとに難しいです。いつまでたってもそのしくみを理解できたと思えません。それでも、今わかっている明らかなことは、沈み行く国の通貨をもっていても良いことはなさそうということです。

この意味では、為替リスクテイクにプラスのリターン期待値はないという上の理屈と一見矛盾しそうですが、上の理屈は国の通貨にデフォルトリスクはないと仮定した理想的な理論世界の話であって、実際はこのリスクの存在だけでも通貨が割安になったり割高になったりするはずです。

純粋な通貨ではないですが、どこかで各国の国債のグラフを見たことがあり、ドイツ国債が世界大戦直後に無価値になっているのを見てある種の恐ろしさを感じました。グラフの棒が、まさに床に突き刺さっていました。

まあ、これはある種異常な、世界大戦の敗戦国といった状況での出来事で、現代の平和な時代には通常、非常に起こりにくいことではありますが、国債にしろ通貨にしろ、その可能性が微小ながら確実にあることは忘れてはならないと思います。(たしかアルゼンチンは実際にデフォルトしましたし、確か2度したのではなかったでしょうか。(記憶があいまいです。)またLTCMは国のデフォルトの可能性を踏まえなかったために破綻しました。)

また、実際のマーケットは、その恐れが増えたとか減ったとかだけで、市場のセンチメントを梃子にして行き過ぎるものだと考えており、為替の振れはそのような市場のセンチメントによってより大きな振幅を描くのだろうと思います。

ただし私は日本が確実に沈み行く国だとも考えていません。個人的にそのリスクも多少はあると考えていると言うことであって、そのための防衛的な通貨分散投資が有効だと思っています。

ここでも、前にも何度も書きました、何がリスクか?という問いかけが有効です。為替リスクを取りたくないから全て円預金で資産を保有していたら、日本国が斜陽化して円通貨の購買力は地に落ちてしまいましたということが仮にあれば、この人はリスクを回避していたのでしょうか?それともリスクテイクしていたのでしょうか?答えは明らかです。日本国の信用リスクに一点買いのリスクテイクをしていたとも考えられるわけです。

実はこの世にリスクの無いポジションはなく、誰もが何らかのリスクテイクしつづける以外に方法は無い。そしてその状況で有効なのは、リスクを避けることではなくて、リスクをマネージしていくこと。決して一点買いのリスクテイクをせず、賢く分散すること。可能な限り有利でリスクに対してリワード(見返り)の良いリスクを選んで取っていくこと。個人的にはこのようなリスクとリターンに関する世界観を持って行動しています。

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2007年5月 6日 (日)

日本経済のリスク・プレミアム

GWの真っ最中ですが、やっとやっつけるべき仕事もだいたいひと段落し、ずっと積みあがっている本を読み始めています。

それで表題の本を読んだのですが、非常に興味深い内容が数多くあり、様々な学びの得られる良い本だと思いましたので、ご紹介したいと思います。

この本の中で、行動ファイナンスの先駆研究者の研究を紹介しており、それによると、想定運用期間が短い投資家ほど近視眼的な損失回避の傾向が見られること、それにより、そのような短期的投資行動を取る投資家ほど、投資資産に大きなリスクプレミアムを要求しがちであるという研究成果が書かれていました。

すなわち、測定方法にもよりますが、例えばアメリカで株式が安全資産に対し6%もの超過リターンがもたらされるのは、その投資家の多くが短期投資家であって、より多くのリスクプレミアムを要求するからという主張でした。

どのように測定するのか本書からだけでは不明ですが、実際のデータからもこの短期投資家ほど大きなリスクプレミアムを要求する現象が確認できるとのことで、その測定結果もグラフ等で示されていました。

6%のリスクプレミアム水準はちょうど1年保有の投資家のリスクプレミアム水準と同程度のようです。これを踏まえると、我々長期投資家の安全資産超過リターンは、圧倒的多くの1年程度の短期投資家のリスク回避性向によってもたらされていると考えて良いのかもしれません。

我々は世の主流派である短期投資家の方々に感謝すべきなのかもしれませんね。

この話で、もう1つ面白いポイントがあり、それは著書の中でエージェンシー問題と呼んでいる問題です。世の機関投資家の運用者は本来の受益者に雇われた代理人であって、3年から5年程度の短期間で判断され、結果が悪いとクビになりかねないため、運用目的からしたら本来なら長期投資ができてリスクが取れるのにもかかわらず、短期指向、リスク回避指向が強くなり、必要以上に債券その他の安全資産の比率が増えてしまう傾向にあるとのことです。これに限らず、代理人が介することにより本来の目的から外れていってしまうことを総称して、エージェンシー問題と呼ぶそうです。以前、これに類する話を当ブログでもちょっと書きましたね。

ここからは個人的意見ですが、こういったことを踏まえると、機関投資家の作るポートフォリオをそのまま無批判に真似ることにもちょっと問題がありそうです。

個人であれば、例えば、勤め人としての給与のうちの貯蓄可能部分が将来にわたって日本円のキャッシュインフローとして見込めること、現状の日本円金利では日本債券資産からのリターンは無視できるほど小さいこと等から、資産運用ポートフォリオ中に日本債券資産を持たないという判断も十分あり得るものと思います。

そもそも、伝統的な日本債券ファンドは通常、その殆どが日本国債で占められており、唯一存在する金利リスクによる変動は、超低金利の現在においては、資産下落の方向にしかほとんどその時価変動の動きが期待できません。すなわち、現状の日本債券にはポートフォリオのボラティリティを下げる役目しか期待できず、他資産の下落と日本債券資産の上昇による相殺といった分散効果を期待することは非常に難しい状況です。

このような状況では、ポートフォリオ構築の際にも、現状ではリターンがとてつもなく低く他資産との相殺効果も小さい日本債券を入れずに、ポートフォリオのボラティリティを下げる方策もやはり考えてみるべきでしょう。そういった意味で、証券会社のバランスファンドの設計なんかもなんだか芸が無いように見えます。

もともと唯一の正解の無い世界の話です。重要なのは、長期投資を指向しながら、一時的な急落で怖くなって安全資産に逃げ込んだりといった結果にならないよう、長期継続可能な水準にまでポートフォリオのリスクの水準を下げること、そのために分散投資のポートフォリオ設計を指向することだと思います。

このプロセスの中に、機関投資家の短期指向がゆえの偏向を混入させる必要はないものと思います。ポートフォリオ設計の際にも、個人ゆえの利点を最大限に生かすことができるはずです。

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2007年5月 5日 (土)

マイホーム購入という不動産投資

おそらく、知っている人にとっては何を今さらという感じでしょうが、表題について軽く書いて見たいと思います。

似たようなことは、確か橘玲氏の書籍か、AICの書籍かどちらか忘れましたが、それらの書籍にも書かれている有名な話です。

でも実生活で、これに類するやり取りをすると???という反応を受けることが今だに多く、いわゆる金持ち父さんのロバート・キヨサキ氏の言うラットレースにはまり込む大きな要因が、今だにここにあるのではないかと思います。

ここで主張したい主旨は、「マイホーム購入は経済的にはれっきとした不動産投資である」ということです。

すなわち、「マイホームは自分で住むのだから、不動産投資ではない」というのは、少なくとも経済的にはおもいっきり間違っているという主張です。

ここで、簡単な例を挙げます。まずは不動産投資から考えます。

物件総額:5000万円(上モノ:4000万円、土地:1000万円)

自己資金:1000万円

借入金:4000万円

返済期間:30年、借入金金利:4%

でさくっと計算すると、毎月返済額は18.87万円程度になりました。

すなわち、この不動産投資でキャッシュフローから利益を得られる良い不動産投資であるためには、少なくとも家賃収入マイナス毎月必要経費が18.87万円を超過している必要があります。(この毎月のキャッシュフローがプラスなのが、まさにロバート・キヨサキ氏の言う、お金を運んできてくれる良い投資の最低条件です。)

ここで、仮にこの物件から得られる家賃収入が18.87万円だとします。この不動産投資を行う事業者をAさんとしますと、Aさんは毎月家賃収入18.87万円を得て、それを借金返済に右から左に回します。

ところが、Aさんが不動産投資をしようと購入したこの物件に、よんどころのない事情で自分が住むことになってしまいました。偶然ではありますが、借りていたアパートの賃料がこれも18.87万円だったので、このアパートの賃貸契約を解消して、この物件に引っ越して自分で住むこととしました。

するとあら不思議、不動産投資物件に自分で住むこととしたので、予定していた家賃収入がなくなってしまって、18.87万円の減収になってしまったのですが、その代わりにいままで借りていたアパートの家賃18.87万円を支払う必要がなくなったので、そのお金を不動産の借金返済に回すことが出来ました。

すなわち、Aさんは不動産投資していても、物件に自分で住んでも、将来キャッシュフローは全く同じで差がないのです。これは、とりもなおさず、マイホーム購入と不動産投資は、少なくとも経済的には全く同じ投資行為であることを明確に示していることになります。

実際は将来の賃料上昇等の要因等があって、上の計算のように単純ではありませんが、その場合にも、例えば借金返済方法を階段式にする等の調整をすると、全く同じ議論が維持できます。

ここで気がつくのは、もし不動産投資とマイホーム購入が経済的に同一の行為だとしたら、不動産投資では毎月のキャッシュフローを大きなプラスにすべく努力して良い物件を血眼になって探すのに、マイホーム購入時には、賃貸に回したときの毎月の想定キャッシュフローを考えなくて良いのだろうかということです。

マイホーム販売のセールスマンの必殺トークの1つは間違いなく、「借りるよりも買ったほうが毎月の負担は安い」といったトークだと思います。でも、おそらく純粋な毎月返済のみでこの状態にすることは難しく、実際はボーナス返済込みのプランでやっとこさ、賃貸家賃よりも毎月返済額を低くするのが実態かと思います。

それはすなわち、「マイホーム購入者は高確率で、不動産投資としては想定毎月キャッシュフローがマイナスの、駄目な不動産投資物件に投資している」という帰結にならないでしょうか?

もしかすると、これはマイホームを欲しがる一般大衆の心理が作り出す超過スプレッドなのかもしれません。この超過利益がおいしいから、たぶん不動産業者は、その不動産物件を賃貸に出さずにマイホームの欲しい個人に売却するのでしょう。マイホームの夢に浸っている個人の側とは対照的に、逆サイドの販売側には冷静な経済合理性が働いており、収益還元価格よりもはるかに高く売れるから、おそらく彼らは個人に売却するのです。

ロバート・キヨサキ氏が言う、キャッシュインフローをもたらす良い投資ではなく、逆に想定キャッシュフローがマイナスの非常に不利な投資案件に、勤労人生の初期に高レバレッジでつかまってしまうから、一般にラットレースから抜け出すのが非常に困難になってしまうのではないでしょうか。

当然、マイホームを持つ精神的価値といったものがあることも重々承知しており、そのために大きなプレミアムを支払って当然という考え方もあるかと思いますが、少なくともその精神的価値と、本質的に不利な投資案件に高レバレッジでつかまってしまい、フィナンシャルフリーダムは大きく遠のいてしまうというネガティブ要因を天秤にかける必要があるのではないかと思います。

そうしなければ、本質的にラットレースから抜けられるか否か、あるいは抜けようとするか否かという重大な決断を、マイホーム購入時に無意識に、またそうと知らずに行うことになってしまうかもしれません。

「マイホーム購入は経済的には不動産投資と同じ」という理屈は、知っていて損はありません。というか、主体的人生を歩むためにはぜひ知っておかなければならない理屈なのではないかと思います。

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2007年5月 3日 (木)

娘に贈る12の言葉

ジム・ロジャースの「人生と投資で成功するために-娘に贈る12の言葉」という本を読みました。

稀代の投資家と呼ぶべきか、投機家と呼ぶべきか、定義は難しいですが、あのジョージ・ソロスと一緒にクォンタムファンド(ヘッジファンド)を運営し、破格のリターンを生み出したヘッジファンドの世界の伝説の1人です。この筆者が、遅くに授かった幼い娘に向けて、投資と人生をダブらせながらその貴重なエッセンスを語ります。

まず最初に、授かった幼い子に対する愛情に溢れている本です。私も子供を授かったときの気持ちを思い出しました。

次に、稀代の投資家らしく、重要な投資の本質を端的に表現している本です。私も読んで見て、やはり耳が痛い部分がありました。(他人の情報を鵜呑みにすることなく、自分自身で納得できるまで調べること等、これが重要だとわかっていてもなかなか徹底することは難しいものです。)

3番目に、娘に向けて、そして読者である投資家に向けて、自分が得たもの(お金等ではなく考え方)を分け与えたいという気持ちに溢れています。私も、ジム・ロジャースの知見と英知に比べると、足元にも及ばないとてつもなくレベルの低いものではあっても、「もし投資を始めたときに、今腑に落ちているものがはじめから自分にあれば、こんな回り道はしなかったのに。また後に続く人にはこんな回り道をして欲しくない。」といった気持ちは押さえようも無く沸いてきますので、筆者の上のような思いはこの本を読んでいてもひしひしと感じ、共感します。

でも、おそらく私を含め、ほとんどすべての人は貴重な英知を自分のものにするには、様々な回り道と多大な時間のロスが必要で、それが自分の腹に落とすための必要経費なのではないかと思います。それが知っていることと、わかることの違いだと思います。これはおそらく投資に限らず、人生全てに言えることではないかという気がします。たぶん、その多大なロスや回り道自体が、実際は人生の大きな醍醐味なのでしょう。

この筆者は、投資での回り道はたぶんほとんどなさそうですが、さんざん時間をかけて年を取ってはじめて、いままで否定していた子を持つ意味と価値を腹に落としたことが、この本を読むとはっきりわかります。

そんなことを考えさせてくれる本でした。投資の本で心を揺さぶられることはそうそうありません。まちがいなく二重丸で、お勧めだと思います。

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2007年4月11日 (水)

為替の円安と為替変動の長期的影響

為替の円安トレンドがまた顕著になってきました。

下のリンクをご覧ください。

http://quote.yahoo.co.jp/m3?u

このページの下のチャートを見ると2月下旬から3月上旬の波乱で乱れたチャートが、各通貨でまた円安のトレンドにきれいに復帰してきているように見えます。

市場は今週末のG7で円安が主要議題にならないと見透かしているのでしょうか。

実際、対ユーロと対豪ドルでは既に円は新安値を更新してきています。(新聞はユーロ円しか話題にしていませんが)

日経ネットではこの豪ドル通貨の強さに関して、こんな記事が書かれています。

http://markets.nikkei.co.jp/column/fxwatch/index.cfm

さて、実際のG7はどうなるでしょうか。このまま何事も無く通過し、さらなる円安トレンドが加速していくのでしょうか?それとも?

世界の株式へ長期の国際分散投資をしている限りにおいては、株式の超長期のリスクプレミアムがもたらす期待リターン累計の方が為替のボラティリティよりも通常圧倒的に大きくなるので、当面どちらに進んでもらってもたいして問題はないと考えているのですが、純粋な興味本位で注目しています。

なお、上記のロジックは、期待リターンは経過年に直接比例しますが、ボラティリティは経過年の平方根に比例するという、期待値とボラティリティの性質の違いに起因しています。

例えば、世界株式の年率リターンが10%、対円の海外通貨為替の年率ボラティリティも10%、運用期間が25年とすると、

25年後の期待リターンは10%×25年=250%

25年後の為替ボラティリティは10%×(「25の平方根」すなわち5)=50%

という計算になるので、超長期の株式運用になればなるほど、株式リターンが為替のボラティリティに打ち勝つ可能性が加速度的に高くなっていく構造にあるのです。

(ここでは、資産の分布を対数正規分布と仮定し、その自然対数の右肩の正規分布の平均とボラティリティを想定した論理を展開しています。このような仮定においてのみ複数年リターン期待値が単年リターン期待値の年数倍になります。また実際の資産の分布はかならずしも完璧な対数正規分布に従うわけではありませんが、上記のような議論の範囲においてはその結論には概ね相違ありません。)

後半はずいぶん数学的な話になってしまいましたが、経過年数が長くなればなるほど、ボラティリティよりも期待値の影響が相対的に強くなる理論的構造を理解いただければ幸いです。またこのロジックは、リスクプレミアムの存在する資産への投資の場合、長期投資になればなるほど報われる可能性が高まる理屈でもあります。

長期投資の優位性は、このような形で理論的にも明確に示すことができるところが、結構意外なことかもしれませんがおもしろいところです。

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2007年3月 6日 (火)

複利効果と税金

投資の複利効果と税金の関係は通常、切っても切れない関係にあります。なぜなら、中途の税金支払いは、資産運用上の複利の魔力を大きく減ずる要素となるからです。

ここで、簡単な試算結果をお示しします。

100万円を30年間投資して、この期間中8%の利回りで資産が回ったものと仮定します。途中で分配金等ないものとすると、30年後の運用成果はおよそ1,006万円にもなります。ここで、キャピタルゲインに対して20%の課税があったとすると、手取りの金額は825万円となります。

その一方で、運用成果に対して毎年分配金支払いがあって、分配金に対して20%の源泉分離で課税された後に分配金を再投資することを仮定すると、30年後の課税後の受取額は、643万円程度になってしまいます。

毎年、課税されて少しずつお国に抜かれることで複利運用効果が減じられ、最終的に180万円以上も手取り金額が少なくなってしまうことになります。

これが、受け取りの必要がない人は決して毎月配当ファンド等を買ってはいけない理由でもあります。まさに「塵も積もれば山となる」ということわざ通りの結果です。

同様の理由により、投資信託の信託報酬のちょっとした差も、上記のような計算で、長期の運用の後には驚くほどの運用成果の差になってしまいます。

上記のような計算はExcel等の表計算ソフトを使えば誰にでも簡単に出来るものですので、信託報酬の差異や分配方式の違い等に直面したら、実際に表計算ソフトで試算してから投資判断を行うと、無駄に投資成果を大きく損なうことを避けることができます。

このように考えていくと、投資信託の分配金とはなんと無駄な機能なのかという気になってきます。本当に受け取りが必要な人のみが、定期的あるいは不定期に受け取りが出来るような機能があれば十分ではないかと思います。すなわち、分配金再投資のしくみを作るくらいなら、分配金を無くして部分引出のオプションの取り扱いを可能とし、本当に受け取りが必要な人や必要な場合にのみ税金支払いをするような形にすればよいと思うのですが。ほんと世の中のしくみはナンセンスなものが多いですね。

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2007年2月24日 (土)

FX投資は儲かるか?

ブログを書き始めて、初めてわかりましたが、インターネットの世界では「FXであなたも月100%のリターン!」なんて刺激的な内容のものが有料で販売されていたりするのですね。

昔は、確か電話の「ダイヤルQ」(記憶があやふやですが)で、株式の銘柄情報をテープで流してお金を取るようなものがありましたが、何だかそれと同じにおいがします。

計算してみるとわかりますが、100万円を握り締めてこの「月100%のリターン」の投資を行って、その通りの成果が出たとすると、1年後には40億円、2年後には16兆円になります。それどころか、3年後には、驚くなかれ、6京円(単位あってるかな?)。うーん、すごいですね。為替マーケットを1人で制してしまいそうです。

そんなノウハウが1万円や数万円で売られているなんて不思議だとは思いませんか?月100%のリターンを生む投資ができる人の時間給だと、1商品数万円の商品販売に関わること自体が非効率、かつ時間の無駄かと思います。

それどころか、おそらく世界で最も巨大なマーケットといえる為替市場で月100%のリターンが出せる投資ノウハウを持っていれば、間違いなくヘッジファンドの世界でもトップに立てると思います。その人はただ米国に渡るだけで、年俸数十億円や数百億円稼げるはずです。

このあたりの理屈はわかる人にはごく当たり前の理屈で、「いまどきこんなものに引っかからないよ。」という感じでしょうが、まずは初歩の初歩について触れてみました。

冒頭のキャッチフレーズを見て、「ちょっといいな。やってみたいな。100%は無理としても50%ぐらいなら出来るかも。駄目もとで買ってみようかな?」なんて思う人は危険です。持ち金が多い人は特に。高レバレッジビークルでご自身の資金を吹っ飛ばす前に、投資について真摯に勉強されることをお勧めします。

次の機会は、もうちょっと専門的な話をしようと思います。

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2007年2月22日 (木)

日銀追加利上げと円安

日銀が追加利上げ(0.25%⇒0.50%)を明らかにしてから、逆に市場では一気に円安に振れましたね。

米ドル円相場は119円台から、現在(22日21時)121円を大きく超えてきました。

本来ならば、日本の金利が上昇して、外国通貨との金利差が縮小したのですから、相対的に日本円の魅力が外貨に比べてアップしたことを意味し、円高になるのではと思われる局面でもあります。

しかしながら、実際、蓋を開けてみると大幅な円安でした。

こういう現象を相場の世界では「材料出尽くし」とか「理外の理」といったりするのだろうと思いますが、こういう場面は市場と対峙しているとしょっちゅうあり、つくづく相場を張ることの難しさを感じます。

おそらく、様々な人がそれらしい後講釈をあちこちで述べているのだろうと思いますが、重要なことは、「日銀が追加利上げを決めたら、短期的には円安に振れる」と事前に主張していた人はなかなかいなかっただろうことです。知的(と思われているよう)なエコノミストであれば特に、「えっ!円高じゃないの?」と一般人に頭の構造を疑われかねませんので、まずこういったことは言わないのではと思います。

エコノミストも、これからは一方的な円安は進まないと言ったばかりなのに円安に大きく振れてしまってばつが悪くなっている人がいるのではないでしょうか。

まさに理外の理、FXで短期の鞘抜きをしている人も、日銀の行動を的確に予測し、かつ相場に破れてしまった人がいるのではないかと思います。

日銀決定を読みきっていても短期相場に破れることもあります。「急がば回れ」とはよく言ったもので、これは投資にも当てはまります。どちらに転んでもよしと思える投資ポートフォリオを構築して、短期相場など張らずに悠然としていれば、市場の半数以上に高確率でらくらく勝ててしまう。まさにインデックス運用と同じような現象です。

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2007年2月21日 (水)

リスクをとってリスクヘッジ?-外国資産投資の意味

奇妙な表題と思われるかもしれませんが、「何が本当のリスクか?」という視点で物事を見れば、通常、リスクを取る行為とみなされるものがリスクヘッジになっていたり、リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっていたりということが往々にして起こります。

もう、既にその1例をお示ししました。

「仕組預金等、名目の元本を保全することに固執して、実質購買力が失われるリスクを平気で取る傾向にある人が多いこと」が「リスクを回避しているつもりが、実は大きなリスクをとっている」実例でした。

今回は、外国資産投資もこれに当てはまるというお話をしようと思います。

私の経験上、年配の方は特に、外国資産は怖い、わからないといった反応で、ご自身の資産ポートフォリオにほとんど外国資産が含まれていないといった方が非常に多いように思います。

このような方は、「外国資産や外貨を持っていると為替リスクを背負うことになるので危険」と考えているように思われます。

このような発想で、多くの預貯金と、よく知っているつもりの少々の日本株式といった資産のポートフォリオ構成であるとすると、

円安による輸入物価の高騰や、それによる、あるいは他の理由による円通貨のインフレ等が発生したとき、あなたの資産はどうなるでしょうか?

あなたの資産の実質購買力は確実に減少します。

一方で、資産の一部で外国資産、例えば外貨MMF等の短期外貨資産を持っていたら、同じ状況でどんな結果になるでしょうか?

円安により、外貨MMFの円建ての資産額は増大し、これが、輸入物価の上昇による生活コスト増をまかなうための原資となります。また円通貨のインフレであれば、外貨の部分はインフレによる実質購買力の毀損はなく、通常の状況では外貨建て短期金融資産による投資においても実質購買力は維持向上しますので、このような状況による被害が軽減あるいは無くなります。

また、ここ数年言われ続けている、日本国の大借金体質はどうでしょう?このまま順調に日本国の借金が天文学的に増えていくと、安心して円通貨を持っていたいという人は増えるでしょうか?減るでしょうか?

このような理由で、将来、予想もできないほどの円安が待ち構えている可能性も否定できません。

日本は少子高齢化の面からいっても、世界で最もひどい状況にあると言え、主にこのような理由によるものと思われますが、世界最低水準といってよいほどの経済成長率の低さをも誇っています。

理由は異なりますが、過去20世紀において、世界の最先端の資本主義市場としての地位を失ったイギリスでは、実際、驚くほどのポンド安がこの世紀に発生しています。

これらの日本国固有の状況や先進斜陽国の過去の実例等を考えると、為替リスクを避けて外国資産を持たないことは、果たしてリスクを回避していると言えるでしょうか?実は、大きなリスクを取っていることになってはいませんか?

これが、今日の表題の「リスクをとってリスクヘッジ?」の意味です。

円建てで元本を割ることが、本当のリスクなのか。そのリスクが回避できれば、極端な話、その元本では