金融

2012年2月11日 (土)

株価指数より値動き小さい上場投信(その2)

標題の件、その1で資産全体のボラティリティを常に一定にコントロールする形の新しいETFについてのエントリーを書きましたが、その中で「個人的に検証した範囲では、リーマンショックのような急激かつ短期間の下げの場合に有利で、逆に日本のバブル崩壊のように非常に長期のダラダラした下げときに不利な投資のしくみ」であると書きました。

これに関して、少々の追加と個人的に思うことをもうちょっと書いてみようと思います。

上記の投資のしくみは長期のダラダラした下げに弱いだけでなく、今のようなリーマンショックという大クラッシュ後の気迷い相場にも、おそらくは弱いと思います。今のような市場環境では、ボラティリティが下がりリスク資産に傾けたら市場の下げにあい、それでボラティリティが上がってリスク資産から引き上げたら市場が戻してしまう、往復の逆ビンタを食らいがちです。

逆に、しくみ上、万人がいけいけの右肩上がり相場にはたぶん強いのではと思います。市場が好調なときは、安定的にボラティティティが下がり、リスク資産に多くのアロケーションを置くことになるからです。

つまり、この投資のしくみに投資すると、高確率で、これからのぐずぐず相場の往復びんたを我慢し続け、そのあとにやってくるいけいけ右肩上がり相場と市場の大クラッシュでその我慢の見返りを得るという感じになると思います。

言葉にすると簡単な話ですが、これは実際にやると、たぶんおそろしい苦行になるのではないでしょうか。たぶん、ほとんどの人はこの投資方法が報われる時期が来る前に、往復ビンタにより市場から置いていかれ続けることに我慢できず、途中で辞めちゃうことになるのではないかと想像します。

個人的には、これもある意味、一種のバックミラー投資に近いんじゃないかと思います。リーマンショックを食らった後で、リーマンショック前後のような特殊な状況のときに有利な投資のしくみを選んでしまうことになっていると思います。これでは、その後の全く異なる市場環境において、長期に裏目を引き続けてしまい、あきらめて報われる前にこの投資法をやめてしまうと、リスク資産に投資するにもかかわらず、リスク資産からの適切な無リスク資産超過リターンを得ることに失敗してしまう可能性が高いと思います。

バックミラー投資にもいろいろあります。バリュー株式ビークルへの投資も、バリュー株が調子悪くなったことを見た後でバリュー株式ビークルへの投資を減らし、調子が良くなってきたのを数字で確認した上でバリュー株式ビークルへの投資を増やしたりすると、同じようなバックミラー投資行動で、リスク資産に対するリターンを毀損してしまいます。この種のことは、昔も当ブログで取り上げ、ヒストリカルな実際データを用いて、この起こり得る現象を示しました。興味ある方は以下のリンクをご覧ください。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_1b95.html

いずれにせよ、個人的にはバックミラー投資は厳禁として、これを行わないように心がけています。ボラティリティをコントロールした投資をこの時期に始めることも、私にとってはバックミラー投資で、個人的にこの手の投資商品に手を出すつもりはありません。

それでは、良い休日を!

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2012年2月 5日 (日)

株価指数より値動き小さい上場投信

日経電子版に標題のETF新商品記事が出ています。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C889DE1EAE7E4EAE3EAE2E2E6E2E0E0E2E3E09797EAE2E2E2

さっそくこの記事に出ているETFの基になっている東証の指数がどんなものか見てきました。

指数構成方法をざっと読んで当方が理解した範囲では、この指数は配当込みTOPIXとキャッシュに投資され、TOPIXへの投資割合は、当該TOPIX指数の直近100日間の年率換算ボラティリティを基に、全体投資資産のボラティリティ値を事前に定めた一定率(例えば5%等)に保つように決められ、継続的、動的にこの割合がリバランスされていくしくみのようです。計算式から、おそらくはこのTOPIXへの投資割合はDailyでリバランスされるのでしょう。(素人の斜め読みでの解釈ですので、もし上記認識に間違いがありましたら、ご容赦願います。)

いわゆるリスク資産に対するボラティリティコントロールの仕組みで、例えば直近100日間のヒストリカルボラティリティ(年率換算)が20%であれば、上記の変動率5%の指数上では、TOPIXに25%、キャッシュに75%投資されることになります。大体、日本株式の平均的な年率ボラティリティ数値が20%前後ですので、資産の4分の1が日本株式に、4分の3がキャッシュに投資されるのが、この指数の平時の姿だろうと思います。

他方、リーマンショック後のような特殊な状況では、直近100日間のヒストリカルボラティリティは40%とか50%等になり得ますので、仮にこの値が50%となったときには、当該指数に基づく投資アロケーションは、TOPIX10%、キャッシュ90%となると思います。

上記の記述で、この新しいETFの内容がイメージ出来ましたでしょうか?こういう定性的な情報で、この商品を買うとどんな投資ビークルに投資することになるのか判断するのは、結構、難しいと思います。

たぶん、この投資行動を取ると結果がどうなるのか、どんなときに有利でどんなときに不利な投資行動であるのかを定量的に見ることなしに、このタイプの商品の良しあしを判断することは、困難を極めると思います。

なので、非常に限定的ながら、当方の経験の範囲で書けることを書いてみようと思います。また、個人的にこのタイプの商品について思うことも。

当方、TOPIXやその他世界の株式指数について、上記のボラティリティコントロールの仕組みのパフォーマンスを簡易試算した結果を、伝統的な固定比率のアロケーション投資と比較してみたことがあります。この比較も、フェアに比較する方法についてよく考えると結構難しく、悩みどころなのですが、そのときは以下の通りの比較をしました。

まず、一定間隔のヒストリカルボラティリティ測定により、上記ETFのような総資産のボラティリティを一定率に保つようなデイリーリバランスを施した場合の指数の長期リターンを算出して、この計算で明らかになる、当該投資方法に基づく過去の平均的な株式指数への投資割合を算出します。そして、仮に最初からその比率で固定したアロケーションで株式指数とキャッシュに投資し続けていたらどうなっていたかを算出して、ボラティリティコントロールした投資結果と比較しました。

その結果は、結構特徴のある内容でした。リーマンショック時のような、急激かつ短期間に大きく下落する市場のときは、上記ETF指数のような、ボラティリティコントロールを施した指数の方がよい結果が得られ、逆に日本のバブル崩壊のような、非常に長期にわたってだらだら下げ続ける市場では、スタティックなアロケーションでのリスク資産投資の方が結果が良かったのです。

個人的な、かつかなり限定的な試算結果ですので、興味ある方は自身での計算や調査、考察等をおすすめしますが、上記の結果に対する当方の解釈は、短期的な市場のクラッシュでは、直近の過去のボラティリティ水準が情報として意味を持つが、非常に長期の構造的な下げの最中においては、直近のボラティリティ水準自体がある意味情報として意味を持たないのだと解釈しています。

ここからは、個人的な好き好きも含んだ個人的意見ですが、当方はこのタイプの商品には投資する気はないです。投資行動として、直近下げを見てリスク資産をたたき売り、直近上げでボラティリティが落ち着いてから、またぞろ投資をはじめることになる投資のしくみが、まさに素人っぽい安値売り、高値買い投資行動だということ(この安値売り、高値買い投資行動自体は、レバレッジ型ETFのしくみと本質的には同等だと思います。)もありますが、それとは別に、このしくみにまつわる本源的な考え方がどうにも好きじゃないのです。

こういう投資のアイディア自体が、投資はその投資先の株式会社の営業活動によって得られた株主に対するリターンを得る行為なのだという、本質的なスタート地点の考え方を否定しているように思えるのです。このアイディア自体が、投資は投資先からリターンを得るものではなく、それを売り買いする市場でうまく立ち回ることにより超過リターンを得るものといった発想が根元にあるように思えてなりません。

一般にはあまりこれは言及されることはないですが、長期投資の意味の1つとして、株式投資のリターンは株式市場から得るのではなく、株主配当や自社株買い償却といった手段で、投資先の株式会社から得るためという、重要な意味があると思います。株式投資のリターンを株式市場から得ようとすると、ミスターマーケットの気分でその行為の勝ち負けは定まり、株式市場に出入りする摩擦等によって、半数をはるかに超える人々が、構造的に負け組になります(ベンチマークに負けるということです)。上記のETF商品に投資することによって、圧倒的に負け組になりやすい投資行動の世界での、勝ち組になるための挑戦をすることになるのではないかと思います。ボラティリティコントロールのロジックにより、原理的に不利な世界での勝者になることにベットするのは、私は勘弁願いたいです。

自身の限定的な試算でも、どちらに転ぶかは非常に怪しいベットだと思いますし、株式市場は市場参加者の将来行動によって過去の試算自体も通用しなくなる構造の世界ですし。市場でこのボラティリティコントロール投資をすると、市場での売買が自然に多くなるこの投資行動で証券業界が利益を得るだろうことは確かですが、投資家自身はその分だけ不利になるだろうことも見逃せません。構造上、東証のこの投資指数よりも実際のパフォーマンスが悪くなるだろうことも、やってみるまでもなく明らかなことでしょう。

いずれにせよ、日本のETF商品の世界も、いろいろ考えなければならない時代に入ってきているようですね。

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2011年9月17日 (土)

リーマンショックを経て-バリュー効果の検証(2)

前回の検証に続き、今回も当ブログの左側で掲載しているおすすめETF等のうちバリュー系のETF等について、リーマンショック以後を含むパフォーマンス分析を行ってみようと思います。

前回は、新興国ETFのDEMとEEMを比較しましたが、当ブログでは小型株効果の期待できる、US除く先進国小型株、新興国小型株、US小型株のETFを過去取り上げていますので、これらのETFを通常の時価総額加重のインデックス運用ETFとパフォーマンスを比較してみます。なお、今回の目的は、バリュー効果の検証であって、小型株効果の検証ではないので、同じ小型株に投資する時価総額比例投資のETFとの比較を以下では行うこととします。

まず最初にUS除く先進国小型株のETFとして当方も保有しているDLSと、比較可能な類似のUSを除く世界の先進国株式市場の小型株に投資しているETFのうち、ある程度の運用期間のある、GWX、SCZ、IFSMの3つのETFのパフォーマンスを調べてみました。

これら4つのETFのうち、一番運用期間の短かったIFSMに合わせ、2007年12月27日から現在までのパフォーマンス(配当効果反映後数値、USYahooFinanceより)が以下の通りでした。

2007/12/27-2011/09/16 期間中累積リターン数値

DLS  -17.5%

GWX -15.7%

SCZ  -19.5%

IFSM -21.3%

上記の通り、DLSは同様の投資対象の小型株ETF3つに対し、1つに負け、2つに勝ちという結果でした。うーん、はっきりしない玉虫色の結果ですね。

次に行きます。次は新興国小型株のETFとして当方もかなり保有しているDGSと、同じく新興国小型株が運用対象となっている時価総額加重ETFのEWXを、また運用期間の短いEWXの方に合わせ、2008年3月22日から現在までのパフォーマンスを比較してみます。(配当効果反映後数値、USYahooFinanceより)

2008/3/22-2011/09/16 期間中累積リターン数値

DGS +10.7%

EWX -10.6%

今度は、はっきりしすぎるほどはっきりした異なる結果となりました。(上記は符号記載間違いではありません。)この大きな結果の差異は前回のDEMとEEMの非常に大きなパフォーマンス差異に通じる結果かもしれません。少なくとも新興国市場では小型株も中大型株でも、リーマンショック前から現在までのパフォーマンスはバリュー系優位とのわかりやすい結果です。

次はUS小型株です。

当ブログでもおすすめしたUS小型バリュー株ETFのIWNと、同じくiSharesのUS小型株ETFのIWMを比較してみました。これらiSharesETFの運用期間は非常に長く、2000年からの運用ですが、2000年直後から比較するとITバブル崩壊等の効果のせいか、IWNの圧勝になってしまって、リーマンショック以降の動きが完全に埋もれて分からなくなってしまうため、当ブログで初めてIWNを取り上げた2007年3月13日から現在までのパフォーマンス比較(配当効果反映後数値、USYahooFinanceより)を以下では行ってみます。

2007/3/13-2011/09/16 期間中リターン数値

IWN  -13.4%

IWM -1.5%

(IWO +8.8%)

今度は逆の結果となりました。US小型株ではリーマンショックを含む直近のパフォーマンスでは時価総額加重型ETFであるIWMの方がパフォーマンスが良かったということになります。これは興味深い結果なので、追加でIWO(US小型グロース株ETF)のパフォーマンスも調べてみました。結果、上記の通りとなり、すなわち、直近ではUS小型株市場はグロース株相場だったことが推測されます。これは、個人的には全く把握していませんでした。データに当たってみて、「へー、そうなんだ。」と思った次第です。

ちょっと最近のUS小型株の市場の機微に詳しくないため、何が起こっていてのグロース相場か、今のところわかりませんが、興味を惹かれる結果です。

ご参考のため、IWNが運用を開始した、2000年7月28日から上記分析期間の直前の2007年3月13日までの運用パフォーマンスの結果も以下に記載します。

2000/7/28-2007/3/13 期間中累積リターン数値

IWN  +120.3%

IWM +66.1%

(IWO +14.0%)

どこでバリュー相場とグロース相場が切り替わったのかは調べていませんが、上記の通り、以前の期間中は完全なバリュー相場で、IWNの圧勝であったことがわかります。過去の様々なデータでも、バリュー相場とグロース相場は当然のことですが交互にやってきていて、バリュー株ビークルの投資は何年も報われないことが当然に起こり得ます。過去の世界の株式市場の統計上、これらの年単位のグロース相場、バリュー相場を何度も何度も超えた長期のデータで、バリュー株への投資の方が優位な結果が出ています。

バリュー、グロース投資のデータを利用するときに当方が厳禁と考えているのが、数年単位でバリュー優位ならその市場への投資を続け、バリュー不利な直近結果でバリュー株ビークルへの投資をやめてしまったり、逆のグロース株ビークルへの投資を始めてしまったりすることです。これをやってしまうと、市場環境の悪いとこ取りになってしまい、市場のバリュー効果はあったのに、自身の投資は時価総額比例投資に負けてしまったという最悪の結果となりかねません。10年20年と腰を据えてバリュー株ビークルに投資する腹積もりがない、あるいはそれを続ける精神力について自信のない場合は、やってはいけない投資だと思います。

これについては、以前のエントリーでも書いていますので、ご参考のために以下にリンクを貼っておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_1b95.html

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2011年9月 4日 (日)

リーマンショックを経て-バリュー効果の検証(1)

ずっと当ブログで取り上げたいと思っていて、なかなか書けなかったのが、標題の内容です。

ちょっと時間が取れましたので、軽く検証してみようと思います。

当方、ずっとバリュー株ETF等のビークルに投資を続けており、バリュー効果が市場に存在し続けているかどうかという命題は、自身の投資方針が道理にかなったものでありつづけているかどうかという問いに等しいことになります。なので、個人的には非常に重要なテーマです。

かといって、当方ただの個人投資家で、研究者のような広範囲、網羅的で恣意性のない、適切な研究、検証など望むべくもありません。ということで、当ブログの左側のタブで紹介しているETF等のうち、バリュー系のビークルを取り上げて検証していこうと思います。

今日は、個人的にも一番多くの残高を保有しているDEM(新興国高配当株ETF)と通常の新興国インデックスに追随する時価総額比例型のETFであるEEMを比較してみようと思います。

DEMのローンチ日からの両者のパフォーマンス比較(配当再投資後)の数字は以下の通りです。

Adj Close base(配当効果考慮後数値)

2007 Jul 13, DEM 44.41, EEM 44.47

2011 Sep 02, DEM 56.09, EEM 41.56

期間中投資リターン:DEM 26.3%, EEM:-6.5%

年率換算投資リターン(4年2カ月として計算):DEM 5.76%, EEM -1.61%

(US Yahoo Financeデータより)

本当はグラフで示したかったのですが、YahooFinanceのグラフの調子が悪いので、当該サイトのヒストリカル数値から転載、計算しました。

数字を見る限り、出来すぎなくらいのバリュー効果が見られます。より正確な検証のためには、絶対に避けることのできない両者の配当にかかる10%の課税を考慮しなければならず、配当額としてはDEM>EEMであると思われるので、上記の計算上の差は実際には若干小さくなるとは思いますが、それでも両者の差はそのような要素では埋めようのない非常に大きなものとなっています。これは、期間中の市場環境がリーマンショックを含む期間で、グロース株に不利な状況であったであろうこと、かつリーマンショックに大きく関係する世界的な金融機関群とはほぼ無関係に近い保有銘柄群であることが関係していると個人的に判断しており、当該結果はかなり割り引いて考える必要があると考えています。

とは言え、この結果から新興国株式上のバリュー効果を否定するには、すさまじすぎるベンチマーク対比の高パフォーマンスです。DEMがローンチしてから、個人的に新興国株式ETFはどんどんDEMにシフトし、今ではDEMとDGS以外の新興国株式ビークルは全く保有していません。やっぱり投資は単純であるに越したことはなく、これからもずっと新興国株式はWisdomTreeETFオンリーで行く予定です。

ご参考のため、DEMに関係する当ブログの過去エントリーのリンクを張っておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/wisdomtreeetf_dddd.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_2519.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/wisdomtreeetf_7286.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/dem.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/dem_86a1.html

当該検証は(2)以降も続けていき、他の銘柄についてのエントリーも書いていこうと思いますが、(2)はいつになるのやら。何の期待もせず、お付き合いいただけたらと思います。

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2011年2月24日 (木)

ひさしぶりの調整

ひさしぶりに株式市場に本格的な調整の季節がやってきた感じですね。どこまで下がるか「神のみぞ知る」だと思いますが、今回もしっかりと買い下がりながら、追加投資をしていこうと考えています。

ところでどうでもよい話ではありますが、以下のリンクの記事を読んで、個人的に大いにひっかかりました。

(NHK会長、テレビとネット同時配信検討 民放反発も)

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E0E6E296858DE0E6E2E0E0E2E3E38698E2E2E2E2

最初は、NHKも”企業努力”のようなものをやっていくという、好ましい記事かと思いきや、最後まで記事を読むと、海外の事例をまねることにより、「テレビはなくても、ネットは利用してるでしょ。ネットでも同時配信なのだから、受信料払え。」といえる状態に持っていくのが真の目的か?と思わせる記事内容で、がっくり。

商品を押しつけて金を払えという商売はいいかげんなんとかしてほしいです。その商品がいらない人には、むりやり押しつけられずに済む手段を作ってほしいと心から思います。(厳密な法令解釈は別にしても、これ、倫理的には犯罪じゃないかと思ってしまいます。)

ひさしぶりに、力の抜ける記事でした。

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2010年5月 5日 (水)

荒れているGW

GW中、市場が荒れている感じですね。

昨日、旅行から帰ってきて、ちょうどUS市場が大きく下がっていたので、米国証券口座でETFを仕込んでおきました。

今夜も大きく下がるようなら、追加で投資資金を投入しようと考えています。

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2010年2月14日 (日)

うーん、あやしい

ETFのシンセティックリプリケーションというしくみを眺めていると、どうもあやしさが漂ってくるのですが、どなたか種明かししていただける方はどこかにいませんかね?

http://www.dbxtrackers.com.hk/pdf/EN/prospectus/prospectusLU0292109187_2009_08.pdf

このpdfファイルの仕組み図を見ていると、この仕組み、銀行が良くない目的のために、もしかすると利用可能なのではないかという気がしてなりません。

ちなみに担保資産の内容は当該pdfで確認できます。

http://www.dbxtrackers.com.hk/EN/binaer_view.asp?BinaerNr=303

私はこちらの方面も専門でないので、単なる素人の勘ぐりでしかありませんが、この仕組みだと例えば、こんなことは実現可能でしょうか?

例えばXX銀行がBBB格付に落ちた債券を保有していて、この債券を保有していることのリスク資産認識がBIS規制等の銀行のレギュレーション上不都合な状態にあるとします。このとき、当該債券を担保資産としてシンセティックレプリケーションETFの担保資産サブファンドに放り込んで、ETFの投資家に買ってもらいます。これで、銀行にはBBB格付債券の代わりに同一時価の現金が手に入ります。このETFがUS株式ETFだとすると、当該銀行はOTCデリバティブでUS株式のパフォーマンスを返さなければいけませんので、この手に入った現金でUS株式を買います。すると、当該銀行はUS株式のリターンをETFに払い、ETFからはBBB格付の債券のリターンを受け取ることになります。すると、当該銀行は、ETFの担保資産に債券を拠出する前と全く同じ、BBB債券のリターンとリスクにさらされている状態にあるにもかかわらず、BBB債券のリスク資産認識をする代わりに、US株式+パフォーマンススワップ(US株式リターン支払、BBB債券リターン受取)のリスク資産認識をすることになると思います。このデリバティブを含むポジションのリスク認識方法が、実質BBB債券のリスクが残る形の、精緻精巧なものであれば良いのですが、そうでなければ問題だと思います。

特に、上記のように単純な姿ではなく、担保資産がごった煮状態になっていたとき、銀行制度上、どんな結果になるのでしょうか。たとえばBBB債券とAA債券で担保資産が構成されていると、担保資産は平均A債券となります。もしこの平均格付がリスク評価で使用されるとすると、このポイントだけで、銀行にとってまことに都合のよい結果となり得るのではないでしょうか。

実際、上のpdfファイルを見てみると、担保資産は様々な資産のごった煮状態になっています。この中にやばそうな代物が含まれていても不思議ではありません。(担保資産として許される資産の定義は最初のpdfファイル中に書かれています。上場株式やADR、転換社債やETF、それにBBB+までの国債、社債などはOKのようです。)

すなわち、もしかすると銀行は担保資産の中に、銀行のバランスシートに残しておくと不利な資産を優先的に放り込み、まぎれこませることによって、銀行本体のビジネス上の規制逃れが出来てしまうのではないかということです。

これは、考え始めると寝れなくなりますね。(上記はただの素人の勘ぐりですので、本質を外している可能性大です。それを踏まえ、読んでいただければと思います。)

なお、上記の論点は必ずしもETFを買う側からみた論点ではないですが、それ以外のETF購入者から見た論点として、上記対象ETFはデリバティブカウンターパーティリスクに晒されていることはしくみ上間違いの無いところだと思います。当該ETFの記述を見る限り、デリバティブのカウンターパーティが飛んだら、10%はやられ得るストラクチャーのように私は理解しました。私はこのしくみのETFを買う事はおそらくは無いものと思っています。

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2010年1月30日 (土)

バークシャー株

バークシャー株がS&P500に採用されるということで、かなり上がっています。まさに、以前に当ブログで書いたエントリーのような状況になっています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_784d.html

発端はB株を50分の1に分割するところから始まっています。指数採用のための十分な流動性がないため、今までS&P500指数に採用されていなかったようです。実際にS&P500に採用の発表がある前から、さらにはB株が分割される前から、採用されるのではという憶測のもと、株価は上がり始めていました。(分割されたのは、1月21日)

このような記事まで書かれています。

http://www.fool.com/investing/general/2010/01/29/berkshire-shares-could-rise-another-20.aspx

この一連の現象でバークシャー株が上がっている時、ちょうど世界の株式市場が下がっている最中でしたので、バークシャー株をお持ちの方はポートフォリオ分散効果でアセットがあまり下がらず、比較的穏やかに世界株の下げを見ておられたのではないでしょうか。

指数採用で急騰している株を推奨する意図は全くもってないのですが、ちなみにこのバークシャー株(B株)は日本のネット証券会社でも買えます。(マネックス証券)

私は、近々血統書が発行される予定の、プレミアムがガンと乗ってしまった株をジャンピングキャッチするつもりは全くなく、ただ興味本位で今後も推移を見てみたいと思っています。

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2010年1月20日 (水)

ウォーレン・バフェット 華麗なる流儀

ひさしぶりに投資関連本の紹介です。

表題の本を読みました。

当該書籍は、あなたもこのように投資したらバフェットのような結果が得られるという類の書籍ではありません。そうであったら、私は買いませんでした。(私はバフェット式の個別株投資はやっておらず、今後もやるつもりもないため。)どちらかというと、直近の金融危機やその中心となった会社や証券化商品等についてを読み解いていく本です。それらについての詳細な描写やバフェットと著者の見方が面白く、投資関連の本としては最近では珍しく、最終ページまでたどり着けた本でした。

著者が引用したバフェット語録としては、『ビジネスの世界で最も危険な言葉は、5つの単語で表現できます。「ほかの誰もがやっている(Everybody else is doing it)」です。』が最も私の心に響きました。私の属する業界も、この台詞が100%フィットする業界で、飽きもせず何度もこれで滅びていきます。人間の本質って本当に変わらないものだなあと思い、また十分な自戒が必要だなあと思うポイントです。

興味があれば、読んでみてください。

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2009年11月27日 (金)

来ましたね。

今月も来ましたね。市場波乱です。

今回はドバイが波乱元ですか。

今月の投資資金を投入するチャンスと見ています。

今回は単なる株式市場の波乱だけではなく、急激な円高(最近では当たり前のドル安ではなく)もセットになって訪れましたので、あっという間に海外資産の買い好機を迎えたと認識しています。

それはそうと、最近ずっと進行していた新興国通貨の強さも、瞬間的に逆流している感じですね。最近売れ筋の実質ブラジルレアル建て投信等についても、最初の試練ですかね。

単純な興味本位ですが、当該市場がどんな展開を見せるかも楽しみです。

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