為替

2008年12月17日 (水)

毎月分配型投信 分配金の減額相次ぐ

16日の日経新聞朝刊の記事です。

//(以下、引用)------------------

分配金を投資家に毎月支払うタイプの投資信託の間で分配金を引き下げる動きが相次いでいる。各国の金融緩和で外国債券などの利回りが低下し、減資となる運用収益が細っているからだ。足元の急速な円高で環境は一段と悪化している。運用各社は分配金を抑制することで資金の流出を食い止め、長期的な安定運用を優先する。

分配金は、運用の成果を投資家に現金で配分するもので、株式でいえば配当に相当する。分配金の支払いを毎月にすることで、定期的な現金収入を求める高齢者など個人投資家の人気を集めてきた。投資信託協会によると毎月分配型投信の純資産残高は11月末で23兆円と公募株式投信の56.8%を占める。

日本より金利の高い外国債券で運用するファンドの人気が高かったが、毎月の利息収入が細り、分配金の余力が低下。ニッセイアセットマネージメントは10月に「高金利国債ファンド」の分配金(1万口当たり)を20円減らし、月60円にした。

純資産が4兆5000億円と国内最大の投信「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」(国際投信投資顧問)も格付けの高い先進国の国債などで運用しているが、欧州中央銀行(ECB)の利下げなどを背景に債券からの利息収入が減っている。11月末時点の平均利回りは2.83%と1年前に比べて1ポイント低下。円高で基準価格も6000円台前半と1年前に比べて2割程度低い水準に落ち込んでいる。分配金の形での外部流出を続ければ基準価格が低下する要因にもなる。国際投信は、将来の運用資産を確保するため、分配金の削減を含めて見直しの検討に入った。

//(引用終わり)------------------

以前のエントリーに書いた通りのシナリオが進行中という感じですね。まあ、当たり前ではありますが。ご参考のために、リンクをはっておきます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-cbd3.html

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2008年3月15日 (土)

ドル安

ドル安ですね。

1ドル100円を割ってしまいました。

注意しなければいけないのは、これはドル安であって円高ではないということ、すなわち、ドルとドルリンクの通貨が、その他の世界通貨に対して弱くなっているのであって、円がドルとドルリンク通貨以外の通貨に対して強くなっているわけではないということです。

なので、国際分散投資のために米国市場ETFに投資していて、その投資ビークルが全て米ドル建てであるからといって、それら投資ビークルの全てがドル円為替リスクを有しているわけではないことは、当ブログでも何度か書いていますけれど、押さえておかなければならない点だと思います。

このポイントが腑に落ちていない方は、以前書きました以下のブログをご参照いただければと思います。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_8f8f.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_b923.html

米ドル建てビークルであったとしても、米ドルに全く関係の無い国や地域に投資している限りは、「ドル円が100円を割った。どうしよう。」とあわてる必要はさらさらないわけです。

また、株式等のリスクプレミアムが存在するビークルに対する長期の分散投資を行う場合は、そのリスクプレミアムの存在がもたらす長期上昇期待値効果の方が、ゼロサムのぶれである為替の変動よりも、長期的には圧倒的に勝ってしまう結果となるため、このような投資を指向する場合は一般に為替のヘッジなどを想定する必要はないと思います。このポイントについても、以前当ブログで取り上げています。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_9b79.html

純粋理論的に理想的かつ仮想的な状況を考えれば、外国株の為替リスクをヘッジしようとヘッジしまいと、リターン期待値は同じになります。現実はそのような美しい理論世界でないところが事態を難しくするポイントではあるのですが、1つ明確なことは、株式等リスク資産に正のリスクプレミアムが存在することは、超長期の資本主義の歴史という実証統計で証明されている一方で、為替の1方向のポジションに明確なリスクプレミアムがあることを実証的に証明することは出来ていないはずだということです。すなわち、株式資産投資によって、将来リスクプレミアムが正のリターン期待値として見込まれることは、過去の資本主義の歴史という実証統計で証明されるほど確からしいことであって、その一方で為替のポジションからリスクプレミアムが得られるかどうかは、だれも実証統計で証明しきれないほど怪しいものだと言えるのではと思います。

実際は、為替ポジションをもつには、そのポジション保有期間中に見合った双方の通貨の金利差を清算する必要があります。すなわち、為替の世界では、ゼロサムゲームを前提とした裁定により、ポジションを持つ場合の適正清算額が決められるしくみになっています。要はポジションを建てる時点では、損得はフィフティフィフティ(つまり将来リターン期待値はゼロ)となるように、ポジションを持つ際の条件は定められます。これが、為替は純粋理論的にはゼロサムと呼ばれる理由です。

海外資産投資に、自前で為替ヘッジをかけようとすることは、投資ゲームの中にゼロサム、実際は様々な摩擦(手数料等)が介在するマイナスサムゲームを混入させることを意味することになります。

そのマイナスサムゲームに勝利するには、将来見通しの冴え、あるいはその他の、確実に世の中の平均を大きく上回る、何らかの優位性が必要になります。

その優位性をもたない一般の人間は、為替が怖いからといってヘッジしようとすると、様々なコストを含んだマイナスサムゲームの混入により、確実に長期のリターン期待値は下がります。(ここでは、将来のリターン額が確実に下がると言っているわけではないことにご注意ください。より不利な投資方法を採っていても、極端に運がよければ、結果は期待値を上回ることがあります。宝くじを1回買ったら、資金は期待値としては約半分に減りますが、中には当って億万長者になる人も若干はいるのと本質は同じです。)

純粋理論的には為替はゼロサムですが、実際は日本国家が破綻に窮して、このゼロサム前提が崩れる可能性もあります。どちらかというと、海外資産の為替リスクをヘッジしてしまうと、円通貨とモノの関係に強烈にベットしてしまい、日本国の信用力の低下等により円通貨の購買力が地に落ちてしまうと、それだけで投資の成果は見るも無残なものになるリスクに直面することになります。

外国資産の通貨をヘッジすることは、ある意味、日本国、日本円通貨、言い換えると日本国の信用リスクに対して、一点集中投資をしていることを意味するのかもしれません。「何が本当のリスクなのか」という問いは本当に奥が深く、難しい問いだと思います。

こんな考えで、私は長期国際分散投資を目的として投資した海外資産ビークルに対して、為替ヘッジなど全くしていませんし、将来も全くやるつもりもありません。

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2007年9月 7日 (金)

為替の効率市場仮説

以下は、為替の効率市場仮説というべきか、無裁定原理というべきかよくわかりませんが、いかにも学者チックな、現実には必ずしも成立していない理論世界の論理に対して、どうも整合的に見えない現実の為替の現象について、当方がある掲示板でコメントしたものです。

本来ならば、このブログで書こうと思っていた内容ですが、たまたまある掲示板で議論されていたので、長々と書き込んでしまいました。もともとはDBVというETF(高金利通貨買い低金利通貨売り戦略)が、なぜ市場で長期的に利益が出続けるのか?、理論的には2通貨間の金利差は為替変動で相殺されて、2通貨のリターン期待値は同じになるはずなのに、そうならないのは何故なのかという疑問に対しての仮説提示をしたコメントになっています。

様々な書籍でも、この現象についての記述があり、高金利通貨が弱くなるはずが、過去の統計上では、逆に高金利通貨が強くなっているという長期の統計結果は、確か複数の書籍で記述されていたように記憶しています。

しかしながら、当方が以下で触れるような視点、すなわち、すべからく金融取引ではリスクの交換とそれに見合うと市場が考えるリスクプレミアムのやりとりがなされているのに、為替取引でそれがないというのはいかにも不自然であるように思える点、すなわち為替取引でもリスク交換とリスクプレミアム支払いのやり取りは存在しているのではないかという主張は、不勉強かもしれませんが、今までどこでも見つけたことがありません。

実際に、公社債市場では、デフォルトリスクの超長期の実際損失コスト統計結果と、そのデフォルトリスクテイクに伴いリスクテイカーが得る信用リスクスプレッドには、確か5倍から10倍程度の開きがあったと記憶しています。この世の中は、リスクアバースな世の中になっており、リスクを回避したければ、想定されるリスクがもたらす想定コスト期待値の5~10倍のリスクプレミアムをリスクテイカーに支払うことなしには、信用リスクを回避することができないのがこの世の中です。だからこそ、公社債にしろ、株式にしろ伝統的な資産のリスクを長期的にテイクし続ける者は、圧倒的な高確率で多額の無リスク資産超過リターンを手にすることになります。

為替取引においてのみ、そのようなリスクの移転とリスクプレミアムのやりとりがなく、学者が考えるような理想世界の取引になっているというのは、まことに不自然きわまりないと思うのです。

それでは、以下に掲示板に記した当方コメントを転載します。

//(以下転載)----------------------------------------------

以下はただの妄想、たわごとの類です。

もし、世界の基軸通貨(例えばアメリカUSD)と、世界のどこかの僻地の国で毎年財政は大赤字で、いつ国が革命や変乱等で消滅するかわからない状態で、かつ流通性が著しく劣っている通貨を取引するとしたらどうでしょう。

もしかしたら、USDを売って後者の国の通貨を買ってしまったら、明日デフォルトして、その通貨は紙切れになってしまうかもしれません。

この取引で、信用度の著しく低い通貨を売ってUSDを買う側と、USDを売って信用度の著しく低い国の通貨を買う側のリスクが同じとはとても思えません。

後者の人すなわち、世界で一番安全かもしれない通貨をわざわざ手放して、リスク満載の通貨を保有しなければならなくなる側は、より高いリスクを負う状態になる取引をすることに対して、その取引中で十分な見返りを求めたくなるのではないでしょうか?

すなわち、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値
ではなく、
  高金利通貨金利-低金利通貨金利≒将来為替変動期待値+(取引中のリスク大取引サイドのリスクプレミアム)

が成立しているのではないでしょうか。

すなわち、高金利通貨は一般に高リスク通貨であることが多く、より高いリスクのある通貨を長い間持つことの見返りが、取引中にリスクプレミアムとして内在されており、高金利通貨買い低金利通貨売りポジションを長い間維持すると、このリスクプレミアムが実現して、利益が発生するのではないかと疑います。

これは、株式を売る人がその株式を買い取る人に対し、確率的に将来、その株式が無リスクリターン超過スプレッドを実現させるであろう安い価格で売り渡さざるを得ないことと似ています。リスク満載の通貨からとてつもなく安全な通貨に乗り換えるには、相手側にその安全に見合った安全料を払う必要が発生するのではないでしょうか。

コーポレートボンド(公社債)でも、リスクを負う側が得る信用リスクプレミアムは、たいていその負うリスクがもたらす歴史的、統計的な実際平均損失幅の何倍ものスプレッドになっています。なので、そういった伝統的危険資産を長期的に保有し続けると、必然的に無リスクビークルリターンを明確に上回るリターン結果となるわけです。

デフォルトリスクは時間に比例しますので、通貨を持つ長さにかかわらず、この相対通貨信用度の差がもたらす信用リスクネットスプレッドは(もし存在しているとすれば)%あるいはbps(0.01%)単位で、表されることになるのではないかと思います。

とてもこれだけで説明できるとは思えませんし、正しいかどうかもさっぱりわかりませんが、もしかしたら高金利通貨買い低金利通貨売りで過去、長期的に利益が出てきた要因の1つくらいにはなっているかもしれません。

なお、DBVは高金利通貨買い低金利通貨売りのポジションを原則としてレバレッジ2倍で持ち続ける戦略のようです。(既出かもしれませんが念のため)

ちなみに、インフレ連動債の金利構造はざっくりいってこんな感じになっています。

インフレ連動債トータルリターン≒インフレ率ゼロの場合の当該債券利回り+インフレ連動債調整超過インフレリターン

すなわち、金利=期待インフレ率ではなく、金利=消費を先送りすることに対する超過プレミアム+期待インフレ率(正確にはインフレリスクプレミアム)となっています。

人はインフレ率ゼロの場合にも、将来まで消費を我慢することに対して見返りを求めるようで、米国のインフレ連動債ではこの消費先送りの見返りプレミアムは歴史的に1~3%程度で推移しているようです。しかしながら、もし上の理屈が正しければ、この1~3%程度の消費我慢プレミアムの中に、実は通貨に内在する絶対信用リスクプレミアムが含まれているのかもしれません。

//(転載終わり)---------------------------------------------

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2007年7月27日 (金)

今夜のUS市場は?

前日のUS市場、アジア市場、為替と大荒れですね。

ヨーロッパ市場も、なかなかすっきりせず、低迷しているようです。

さて、今夜のNYの天候は?あいかわらず暴風雨ですかね。

個人的には、急落に備えて投資資金を取っておくといったことは基本的にしないタイプなので、特段投資資金があるわけもなく、やることもないです。

http://finance.yahoo.com/charts#chart11:symbol=eem;range=20060724,20070726;compare=fxi;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

急落に備えて投資可能資金を取っておくことをしなくなったのは、このような軌跡を描く投資対象が多く、資金を取っておくと得られるべきゲインを失うという経験を結構したせいです。

ということで、興味があれば今夜のUS市場を見るかもしれませんが、眠くなればさっさと寝ちゃうかも。

こんな気楽な投資態度でいることができるのは、超長期の投資だけかもしれませんね。投資方法や考え方によっては、今はまさに、神経をすり減らし、胃をキリキリさせる状況なのかもしれません。

投資を成功裏に終わらせるためには、それを妨害する可能性の最も高い、自分自身の感情をマネージメントする必要があると思います。超長期の投資を指向しながら、このような場面で逃げたくなったり、リスク資産を処分したくなるようだと、ポートフォリオのボラティリティレベルか、心の持ち方、あるいは投資手法といった何かを見直すべきというサインかもしれません。

暴落時にものどかな気持ちでいることが可能な、長期国際分散投資のこういった利点を最大限満喫するために、ポートフォリオのリスクレベルと投資に対する考え方といったような部分を、ご自身に100%最適化されるのがよいと思います。

それでは、おやすみなさい。

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2007年7月20日 (金)

弱いドル

海の向こうにも、自国通貨の弱さに直面している国があります。

アメリカ人にとって、他の先進国通貨を持つと言うことそれ自体が、魅力的なリターンを得る手段となり得ます。どこかの国とそっくりです。

http://etf.seekingalpha.com/article/41597

他のエントリーのコメントでも書きましたが、USDは直近06/10~07/07までの期間で、3通貨を除いた世界中の通貨に対して弱くなっています。(週刊東洋経済7/21より)なので、リンク記事のように、他国通貨ETFへの直近の投資リターンがとても高くなっているわけです。

記事で例示された通貨のほかにも、オーストラリアドルやスイスフランといった通貨ETFに投資することが、米国市場では既に可能です。(日本円通貨のETFもあったりしますが、あまり意味は無いでしょう。USDより弱い、数少ない通貨の1つですので。)

国際債券ETFがSECfiling中であることも、とても頷ける話です。このままの流れが続けば、強烈なホームバイアスを有するアメリカ国民の間でも海外投資やFXが流行ったりするかもしれませんね。

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2007年7月15日 (日)

進む円安

本日は、円安関連で参考となるブログを紹介いたします。

http://mental-invest.seesaa.net/article/47731290.html

何だか、見事に現在の円安の構造の一面を言い表しているようにも思えます。こういったブログを読むと、あらためて、矢口新氏の名言「トレンドを作るのは投機資金ではあり得ない。」を思い出します。取ったポジションを短期的にクローズする短期投機家の市場に与える影響はゼロスクエアだからです。US$除く世界通貨に対し、6~7年も円安が続いているということは、円を売って外貨を買ったまま帰ってこない資金勢力が次から次へと現れて、その一大勢力が為替を一方向にずっと押し続けているのではないかということが疑われます。

こういった資金勢力は、安定した年金代わりの配当が欲しい団塊以降の世代がいる以上、容易には消えてなくならないのではないかと思えます。

通貨の購買力平価等の理論、理屈を頭から信奉して疑わない人は、6~7年続いている、このとてつもないフォローウインドを取り逃してしまうわけです。つくづく、相場や市場といったものは難しいものだと思います。

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2007年7月10日 (火)

為替市場の不思議

相変わらず、世界各国通貨に対する円安と、円建ての海外株式の信じられないほどの高パフォーマンスが続いていますね。

インドやカナダなんかがとてもよくこの現象を象徴しています。

http://finance.yahoo.com/charts#chart3:symbol=^bsesn;range=20070102,20070709;compare=inp;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

http://finance.yahoo.com/charts#chart2:symbol=^gsptse;range=20070102,20070709;compare=ewc;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;logscale=on;source=undefined

円建ての比較グラフを作るのが難しいので、それぞれドル建てのグラフになっていますが、それでも、現地通貨では対して高パフォーマンスというわけではないのに、ドル建てでは、高パフォーマンスになっています。すなわち、円建てであれば、このグラフよりも、もっと高パフォーマンスとなっているわけです。(今年は、円はUSドルに対しても円安になっています。)

国際分散投資を行っている人にとっては、まさにホクホクな状況ではあるのですが、果たしていつまでこんな状況が続くのか、日本国民としては不安になります。

言い換えると、今の円安がどこまで行ってしまうのか、日本国はこのまま斜陽化してしまうのかという不安です。

今の円安は行きすぎで、いずれ大きく円高へのゆり戻しがあるという意見もあると思いますが、昔、私が血縁者に「もう円のUS除く海外通貨に対する円安は5年以上も続いている。頼むから、資産ポートフォリオに外貨を入れてくれ。」と頼んだときから、もう1年半くらいは経ったはずです。いったい、いつ、そんな時が来るのでしょうか?

円の金利は世界通貨で最低であるほど低いので、高金利通貨に流れており、それで円安になるのだという、ある意味単純な主張があります。果たして、事態はそれほど単純なのでしょうか?

通常、国の信用力が低ければ低いほど、高い金利を払わなければならないはずです。それは、発展途上国の金利を見れば一目瞭然だと思います。では、日本の国家としての信用力は、世界一なのでしょうか?どうも、そうは思えません。日本政府のとてつもない大借金状態は変わらず、またプライマリーバランスもマイナスで、今もなお、事態は悪化し続けているようです。国の抜群の信用力による超低金利というわけではなさそうです。

では、低金利は不景気が原因でしょうか?確か、今は戦後最長の好景気の渦中ではなかったのでしょうか。そもそも、不景気で政策金利である短期金利は低くできても、10年国債等の長期金利は、国の信用力が低ければ、その高騰が免れないはずです。

もしかすると、国の需要不足が原因でしょうか?世界に誇る少子高齢化の国ですし、もうモノ不足の国でもないですから、モノへの需要が小さく、相対的にモノに対する円通貨の需要が大きく、構造的にインフレが進みにくい国の体質になっているのでしょうか?

そういえば、車の国内販売も、ずいぶん低迷しているようです。

米国も、ユーロも、イギリスも、カナダも、世界中であちこち利上げが行われているようですが、おそらく日本は、今のところ、インフレが進まず、金利を上げなくても実質金利がマイナスにならない、数少ない国なのではないでしょうか?

純粋理論的には、金利裁定を仮定しても、購買力平価を仮定しても、円安ではなく、円高に向かうべきであるように思えたりするのですが、実際はとてつもない円安に進み続けています。

ファンダメンタルからいって、円はどちらに向かうべきなのでしょうか?

以前、ご紹介した「日本経済のリスクプレミアム」という本では、相対購買力平価説に基づく長期分析では、なんと足元が円高すぎるという結論で、ファンダメンタルからいうと、さらなる円安への動きが妥当という、ある意味、びっくりする結論でした。

与六さんが以前ご紹介された記事でも、モデルによって円が割安であったり、割高という結論だったりして、理論的な正解が一方を指し示す形になっていないという結論になっていたようです。おそらく、学者を含む世界中の誰もが、確信をもって今の円が割高か割安かを証明することなどできないというのが、まぎれもない真実なのかもしれません。

http://yoroku.blogspot.com/2007/06/blog-post_23.html

学者が想定する、マーケットは合理的投資家で成っており、非合理な歪みは、瞬時に裁定されて本源的価値に収束するという美しい仮定は、為替市場においては、そもそも円が割安なのか割高なのか、誰一人正解を知るものがいないという、まことに情けない実態により、そもそも否定されかねない前提であるわけです。

もともと、その程度のまことに怪しい本源的価値であって、かつその本源的価値も日々変動し、どちらかの方向に動き続けているかもしれないとあっては、為替市場に対して、ファンダメンタルの立場から、どちらか一方向への方向の先にフェアバリューがあるという結論を持つこと自体が、まことに困難なことかもしれません。

ひとつ言えるのが、各国でそれぞれ存在する、強烈なホームバイアスによって、各国間の金利と為替においても、フェアな裁定が働いてはいないのではということが疑われます。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_3a2a.html

この記事においても、各国の企業年金で軒並み極端に思えるほど自国資産を保有する行動が見られます。また日本国債の殆どが日本国民に保有されていることを見ても、日本国の信用力が、他国と十分裁定された上で、その国債金利水準が定まっているとはとても思えません。

大前研一氏によれば、日本人の資産保有行動は、全くもって非合理的とのことです。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/86/

たしかに、冒頭のように、他国に投資するだけで円安に背中を押してもらってとてつもなく儲かる現状で、日本国資産だけに固執するのは、合理的な投資行動には見えません。

それでも足元では、日本人の外国資産への投資(含むFX)は、どんどん加速してきているように思えます。今でも個人金融資産に占める外国資産の割合は3%とか、そういった水準だったように記憶しています。日本人の投資行動が、強烈に非合理的なホームバイアス満載の状況にあって、それでも、合理的となる方向へ資産が動いているのが今の状況だとすれば、この方向への動きは、何十年もかけて今後も継続していくのかもしれません。

イギリスの企業年金の自国資産への投資割合が60%程度であって、その他の先進国の80~90%超といったクレイジーな水準とは明確に一線を画しているのは、もしかするとただの偶然ではないかもしれません。過去、ホームバイアスによって、自国の斜陽化が進む中、強烈なポンド安と他国の発展による果実を取り損ねてきたという経験を積み重ねてきた国であるからこそ、そのホームバイアスの度合いが、先進各国中で一番ひどくないのかもしれないと、ふと考えます。

錯覚であるのかもしれませんが、日本人のホームバイアス、極端な少子高齢化、極端な低金利と、恒常的に進む異常な円安とが、互いに深い関係を持っているように思えてなりません。そして、そのホームバイアスは少しずつではあっても、確実に解消の方向に事態が進んでいるように見えることから、日本の低金利は長い目でみて解消していき、また異常に見える円安はさらにその加速度を増していくのかもしれません。

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2007年7月 9日 (月)

海外証券口座の為替リスク(その2)

以前の表題のエントリーに対して、ひいさんから以下のようなご質問をいただきました。

「海外投資における為替リスクがよくわかりません。自分で具体的な数字を当てはめて計算してみたりしたのですが、たとえば例題1の場合、なぜ円対中国元の為替リスクが存在し、円対ドルの為替リスクが存在しないのか、理解できないでいます。
もしよろしければ、具体的な数字で仕組みを説明していただけないでしょうか?」

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_8f8f.html

ということで、リクエストにお応えして、実際の数字で、このエントリーが示すことを表現して見ようと思います。

ただし、中国元のレートはちょっと個人的に把握していないので、以前のエントリー例1をちょっと変更して、以下の例1ダッシュを実際に数値で計算しようと思います。

1’.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建てのイギリス株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

直近の関係する為替レートは以下の通りでした。

1USドル=123.31円

1イギリスポンド=247.89円

1イギリスポンド=2.010300USドル

ここで、3番目のドルポンド為替レートは1番目と2番目のレートからも算出できます。すなわち、

247.89/123.31=2.010299

となります。

まず、日本円で100万円をUSドルに換えて米国証券口座に送金します。

米国証券口座残高=100万円/123.31=8109.642ドル

このUSドルで、その時点で100の株価がついているイギリス株式のETFを買うこととします。すると81.09642株買えます。

ここで円USドル相場が変わるとします。1USドル=130円と大幅に円安になったものとします。もし、ここで円ポンド相場が変わらないとすると、為替レートは以下のようになります。

1USドル=130円

1イギリスポンド=247.89円

1イギリスポンド=1.906846USドル(=247.89/130)

イギリス株式市場が全く変化がないとすれば、ドル建てのイギリス株式ETFの価格は以下のように変化します。

以前のイギリス株式ETFの価格×(現在の1イギリスポンドのUSドル換算値)/(以前の1イギリスポンドのUSドル換算値)

=100×1.906846/2.010300

=94.8538

なので、USドル建ての米国証券口座資産は、イギリスETFの株価×株数で、

94.8538×81.09642=7692.304USドル

となります。最後に、このUSドル建て資産を円換算してみましょう。

7692.304USドル×130円=1,000,000円

ということで、当初の円投資金額の100万円となりました。

円ポンドレートとイギリス株式市場の変動がない限り、円ドル為替がどう変動しようとも、イギリス株ETFの円資産価値に変動がないことがこの例でわかります。

要は、円ポンドレートが変化ない状況で、円ドルレートが動いたということは、ドルポンドレートも動いたということです。上記の例では、円ポンドレートが動かないが、1ドル=130円とドル高円安となっています。すなわち、円ポンドレートが変わらないのですから、3通貨のうち、USドルだけが強くなり、ドル高円安、ドル高ポンド安が起こったことになります。

例えば、円をのびたくん、USドルをジャイアン、イギリスポンドをスネ夫とすると、もし、ジャイアンが鉄アレイで腕を鍛え、より強くなったとします。すると、ジャイアンはのびたよりさらに強くなり、またスネ夫よりもさらに強くなります。でも、いくらジャイアンが鍛えて強くなろうとも、のびたとスネ夫の力関係は、それだけではなんら変わりません。

なので、のびたからすれば、スネ夫の力が相対的に強くなったのか弱くなったのかを把握するには、直接スネ夫と自分の力を比べればそれでOKなのです。スネ夫とのびたの相対的な力関係に変化がないならば、相変わらずスネ夫とのけんかに勝てる可能性は以前と変わらないはずなのです。

のびたがスネ夫とのけんかに勝てる可能性を把握するのに、スネ夫と自分との力関係の変化を見れば十分で、ジャイアンの強さの変化が関係ないように、イギリス株式に投資した成果が円ベースでどうなっているか把握するには、円ポンドレートとポンドベースの英国株式市場の2つの動きを見ていれば十分で、円ドルレートは関係ないわけです。

こんな感じですが、いかがでしょうか。

ご理解の参考になりましたら、幸いです。

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2007年6月23日 (土)

為替に関する雑感

相変わらず、順調に世界通貨に関する円安が続いていますが、為替と世界株式市場の動きの連動の仕方が変わってきたように思いませんか?

2月末から、ずっと、

上海やUS市場の下落⇒円高

という連動の仕方を続けていましたが、昨日今日は、逆に、

上海やUS市場の下落⇒円安

という、最近にない動きをし始めているように思います。

単なる思い込みではありますが、世界通貨に対する円安現象に対する市場の解釈が変わってきたのではという気がします。

今までは、

世界株安⇒リスクテイク余力の収縮⇒キャリートレードの解消⇒円高

というストーリーを、市場は連想し続けていたように思います。なので、世界株式市場の下落と短期的な円高揺り戻しが幾度と無く同時に起こってきたと解釈しています。

しかしながら、最近では、大前研一氏も確か金融雑誌で、日本の国力の低下と円安についての記事を書いていたように思います。どんどん、世界通貨に対する恒常的円安傾向と日本の国力の低下の関係についての指摘を行う方が増えてきています。

矢口新氏ではないですが、短期投機資金には長期相場のトレンドは作れないのが、金融市場の力学でしょう。買ったものは売って、売ったものは買って早晩、ポジションクローズする必要があるからです。その一連の投資行動が市場に与える影響はゼロスクエアのはずです。

為替市場で、米ドル除く世界通貨に対して円安がもう6~7年も一貫して進んでいるということは、おそらく円⇒米ドル除く世界通貨(あるいは円⇒米ドル⇒米ドル除く世界通貨)という、一方向で反対売買されない資金のネット移動が恒常的にプラスであり続けていると解釈すべきだと思います。

例えば楽天証券や米国証券口座で、ETFのEFAに長期投資する資金が流入し続けることも、円⇒米ドル除く世界通貨への反対売買されない一方向の資金移動であって、これも間違いなく米ドル除く世界通貨に対する長期的円安の原因となると思います。

市場がこういった本質的な解釈をし始めると、ある意味短絡的な、

上海やUS市場の下落⇒円高

という、最近よく起こってきた特定の現象は、徐々に起こりにくくなってくるのではないかと思います。

「市場の長期的トレンドを作り出すのは、投機的資金ではあり得ない」のであって、「投機的資金はいわば市場の潤滑油でしかない」ことはおそらく真理なのだろうと思います。市場がそれに気づき、長期的な円安にはおそらく、それを生み出す根源的な理由があるのだという認識に至れば、このトレンドはより強化されていくのではなかろうかと考え、またそれを危惧します。

ここ数日の為替と株式市場の動きを見ながら、こんなふうにつらつらと考えをめぐらしています。

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2007年6月 2日 (土)

為替の懸念

為替がまた円安方向に放れはじめたような気がします。

http://quote.yahoo.co.jp/m3?u

ドル円が122円、ユーロ円が164円に乗りました。

また、いつのまにか、豪ドル円の100円超、ポンド円の240円超が定着しつつあります。

このブログで何度も触れている話題ではありますが、ブログの世界でも同じ懸念を表明される方が見受けられるようになってきました。

http://blog.goo.ne.jp/takekurabe/e/db4b0f0defa3a4e234800c689b393454

このような懸念が、単に思い過ごしであればよいのですが。私はとてもそうは思えず、ずっと前から身内の人間には、資産ポートフォリオに外貨エクスポージャーを必ず入れて、このリスクをヘッジしてくれとお願いし続けています。

http://www.shinseibank.com/fx_info/fx_sisanhozen_02.html#005

このような20世紀の英国ポンドの経験が、円で繰り返されなければよいのですが。

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2007年5月19日 (土)

人民元

人民元の1日の許容変動幅が拡大されるようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070518-00000175-jij-int

為替が自由化されていないのが、過剰流動性の発生⇒中国本土株式市場のバブルの大きな理由だと理解していますので、正常化の方向ではあると思います。

まちがいなく、このような力学から、元高の方向に加速していくのだろうなと思います。

だんだん、中国本土株バブルウォッチャーになってきた気分です。

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2007年5月 9日 (水)

日本経済のリスク・プレミアム(その2)

先日の「日本経済のリスク・プレミアム」という本の感想の続きです。

この本は、日本市場に関して実証統計分析を交えて様々な点について述べており、この本を読んでいると様々なテーマで物事を考えさせられます。

この本は、為替についても一章設けて、分析考察を行っています。

あまりにネタばれになってもいけませんので、この部分についてもさわりだけ、題名とサブタイトルから明らかにわかるような内容に限定してご紹介しようと思います。

大きなポイントは、円ドル相場の適正水準を分析を通じて探っており、また、理論的に為替リスクテイクにはリワードとしてのプラスのリターン期待値がないこと(これは純粋理論としては当たり前といえば当たり前ですが)について述べています。

円ドル相場の適正水準については、特に相対的購買力平価を用いて分析を行い、適正水準について議論しています。その結果は、私のイメージ(円高、円安の観点です)とまるで正反対であって、ちょっと驚きでした。分析結果がどちらに振れているのか、興味ある方はぜひこの本を買って読んで見てください。特に資産運用にご興味のある方は、この章に限らず、考えさせられるテーマが満載だと思います。

ここからは本の感想ではなく、上記に類するテーマに関する私見ですが、為替はほんとに難しいです。いつまでたってもそのしくみを理解できたと思えません。それでも、今わかっている明らかなことは、沈み行く国の通貨をもっていても良いことはなさそうということです。

この意味では、為替リスクテイクにプラスのリターン期待値はないという上の理屈と一見矛盾しそうですが、上の理屈は国の通貨にデフォルトリスクはないと仮定した理想的な理論世界の話であって、実際はこのリスクの存在だけでも通貨が割安になったり割高になったりするはずです。

純粋な通貨ではないですが、どこかで各国の国債のグラフを見たことがあり、ドイツ国債が世界大戦直後に無価値になっているのを見てある種の恐ろしさを感じました。グラフの棒が、まさに床に突き刺さっていました。

まあ、これはある種異常な、世界大戦の敗戦国といった状況での出来事で、現代の平和な時代には通常、非常に起こりにくいことではありますが、国債にしろ通貨にしろ、その可能性が微小ながら確実にあることは忘れてはならないと思います。(たしかアルゼンチンは実際にデフォルトしましたし、確か2度したのではなかったでしょうか。(記憶があいまいです。)またLTCMは国のデフォルトの可能性を踏まえなかったために破綻しました。)

また、実際のマーケットは、その恐れが増えたとか減ったとかだけで、市場のセンチメントを梃子にして行き過ぎるものだと考えており、為替の振れはそのような市場のセンチメントによってより大きな振幅を描くのだろうと思います。

ただし私は日本が確実に沈み行く国だとも考えていません。個人的にそのリスクも多少はあると考えていると言うことであって、そのための防衛的な通貨分散投資が有効だと思っています。

ここでも、前にも何度も書きました、何がリスクか?という問いかけが有効です。為替リスクを取りたくないから全て円預金で資産を保有していたら、日本国が斜陽化して円通貨の購買力は地に落ちてしまいましたということが仮にあれば、この人はリスクを回避していたのでしょうか?それともリスクテイクしていたのでしょうか?答えは明らかです。日本国の信用リスクに一点買いのリスクテイクをしていたとも考えられるわけです。

実はこの世にリスクの無いポジションはなく、誰もが何らかのリスクテイクしつづける以外に方法は無い。そしてその状況で有効なのは、リスクを避けることではなくて、リスクをマネージしていくこと。決して一点買いのリスクテイクをせず、賢く分散すること。可能な限り有利でリスクに対してリワード(見返り)の良いリスクを選んで取っていくこと。個人的にはこのようなリスクとリターンに関する世界観を持って行動しています。

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2007年5月 6日 (日)

日本経済のリスク・プレミアム

GWの真っ最中ですが、やっとやっつけるべき仕事もだいたいひと段落し、ずっと積みあがっている本を読み始めています。

それで表題の本を読んだのですが、非常に興味深い内容が数多くあり、様々な学びの得られる良い本だと思いましたので、ご紹介したいと思います。

この本の中で、行動ファイナンスの先駆研究者の研究を紹介しており、それによると、想定運用期間が短い投資家ほど近視眼的な損失回避の傾向が見られること、それにより、そのような短期的投資行動を取る投資家ほど、投資資産に大きなリスクプレミアムを要求しがちであるという研究成果が書かれていました。

すなわち、測定方法にもよりますが、例えばアメリカで株式が安全資産に対し6%もの超過リターンがもたらされるのは、その投資家の多くが短期投資家であって、より多くのリスクプレミアムを要求するからという主張でした。

どのように測定するのか本書からだけでは不明ですが、実際のデータからもこの短期投資家ほど大きなリスクプレミアムを要求する現象が確認できるとのことで、その測定結果もグラフ等で示されていました。

6%のリスクプレミアム水準はちょうど1年保有の投資家のリスクプレミアム水準と同程度のようです。これを踏まえると、我々長期投資家の安全資産超過リターンは、圧倒的多くの1年程度の短期投資家のリスク回避性向によってもたらされていると考えて良いのかもしれません。

我々は世の主流派である短期投資家の方々に感謝すべきなのかもしれませんね。

この話で、もう1つ面白いポイントがあり、それは著書の中でエージェンシー問題と呼んでいる問題です。世の機関投資家の運用者は本来の受益者に雇われた代理人であって、3年から5年程度の短期間で判断され、結果が悪いとクビになりかねないため、運用目的からしたら本来なら長期投資ができてリスクが取れるのにもかかわらず、短期指向、リスク回避指向が強くなり、必要以上に債券その他の安全資産の比率が増えてしまう傾向にあるとのことです。これに限らず、代理人が介することにより本来の目的から外れていってしまうことを総称して、エージェンシー問題と呼ぶそうです。以前、これに類する話を当ブログでもちょっと書きましたね。

ここからは個人的意見ですが、こういったことを踏まえると、機関投資家の作るポートフォリオをそのまま無批判に真似ることにもちょっと問題がありそうです。

個人であれば、例えば、勤め人としての給与のうちの貯蓄可能部分が将来にわたって日本円のキャッシュインフローとして見込めること、現状の日本円金利では日本債券資産からのリターンは無視できるほど小さいこと等から、資産運用ポートフォリオ中に日本債券資産を持たないという判断も十分あり得るものと思います。

そもそも、伝統的な日本債券ファンドは通常、その殆どが日本国債で占められており、唯一存在する金利リスクによる変動は、超低金利の現在においては、資産下落の方向にしかほとんどその時価変動の動きが期待できません。すなわち、現状の日本債券にはポートフォリオのボラティリティを下げる役目しか期待できず、他資産の下落と日本債券資産の上昇による相殺といった分散効果を期待することは非常に難しい状況です。

このような状況では、ポートフォリオ構築の際にも、現状ではリターンがとてつもなく低く他資産との相殺効果も小さい日本債券を入れずに、ポートフォリオのボラティリティを下げる方策もやはり考えてみるべきでしょう。そういった意味で、証券会社のバランスファンドの設計なんかもなんだか芸が無いように見えます。

もともと唯一の正解の無い世界の話です。重要なのは、長期投資を指向しながら、一時的な急落で怖くなって安全資産に逃げ込んだりといった結果にならないよう、長期継続可能な水準にまでポートフォリオのリスクの水準を下げること、そのために分散投資のポートフォリオ設計を指向することだと思います。

このプロセスの中に、機関投資家の短期指向がゆえの偏向を混入させる必要はないものと思います。ポートフォリオ設計の際にも、個人ゆえの利点を最大限に生かすことができるはずです。

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2007年5月 3日 (木)

娘に贈る12の言葉

ジム・ロジャースの「人生と投資で成功するために-娘に贈る12の言葉」という本を読みました。

稀代の投資家と呼ぶべきか、投機家と呼ぶべきか、定義は難しいですが、あのジョージ・ソロスと一緒にクォンタムファンド(ヘッジファンド)を運営し、破格のリターンを生み出したヘッジファンドの世界の伝説の1人です。この筆者が、遅くに授かった幼い娘に向けて、投資と人生をダブらせながらその貴重なエッセンスを語ります。

まず最初に、授かった幼い子に対する愛情に溢れている本です。私も子供を授かったときの気持ちを思い出しました。

次に、稀代の投資家らしく、重要な投資の本質を端的に表現している本です。私も読んで見て、やはり耳が痛い部分がありました。(他人の情報を鵜呑みにすることなく、自分自身で納得できるまで調べること等、これが重要だとわかっていてもなかなか徹底することは難しいものです。)

3番目に、娘に向けて、そして読者である投資家に向けて、自分が得たもの(お金等ではなく考え方)を分け与えたいという気持ちに溢れています。私も、ジム・ロジャースの知見と英知に比べると、足元にも及ばないとてつもなくレベルの低いものではあっても、「もし投資を始めたときに、今腑に落ちているものがはじめから自分にあれば、こんな回り道はしなかったのに。また後に続く人にはこんな回り道をして欲しくない。」といった気持ちは押さえようも無く沸いてきますので、筆者の上のような思いはこの本を読んでいてもひしひしと感じ、共感します。

でも、おそらく私を含め、ほとんどすべての人は貴重な英知を自分のものにするには、様々な回り道と多大な時間のロスが必要で、それが自分の腹に落とすための必要経費なのではないかと思います。それが知っていることと、わかることの違いだと思います。これはおそらく投資に限らず、人生全てに言えることではないかという気がします。たぶん、その多大なロスや回り道自体が、実際は人生の大きな醍醐味なのでしょう。

この筆者は、投資での回り道はたぶんほとんどなさそうですが、さんざん時間をかけて年を取ってはじめて、いままで否定していた子を持つ意味と価値を腹に落としたことが、この本を読むとはっきりわかります。

そんなことを考えさせてくれる本でした。投資の本で心を揺さぶられることはそうそうありません。まちがいなく二重丸で、お勧めだと思います。

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2007年4月28日 (土)

通貨分散

ユーロが強いですね。

http://quote.yahoo.co.jp/q?s=eurjpy=x&d=c&k=c3&t=1y&l=off&a=v&z=m&h=on&q=l&p=m65,m130,s

今、これを書いているところで、163円台に乗ってしまいました。

このチャートを見ていたら、昔のことを思い出しました。

ある時、嫁の両親に、こうお願いしました。

「円は米ドルを除く世界通貨に対し、もう5年以上も一方的な円安が続いている。日本人はドル円しか見ないから、世界的な他通貨に対する円の独歩安に気づいていないけれども、このトレンドには何かしらの意味がある可能性がある。外貨MMFでもいいから、資産の一部を主要世界通貨に分散して、実質購買価値の低下を防止するための資産ヘッジポートフォリオを考えてくれ。」と。

で、後日。

嫁の親が証券会社に行って買った外貨資産は、米ドル債と豪ドル債でした。

まさに、がっくりしたのを今も覚えています。証券会社のセールスは外貨を、高金利を得るためのビークルとしか考えずに、直利の高い豪ドル債やニュージーランドドル債を個人に勧めることしかしないのです。今起こっているような、ユーロに対する円安といった可能性を踏まえた通貨分散の発想が全く無いことにあきれてしまいました。そこで、言った一言が、

「ユーロを買わなきゃ、通貨分散として意味がない!」

でした。

日本の金融機関と日本人の金融オンチぶりを如実に示す事例です。

http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person11/060901_person11.html

ここで為末大選手の語る世界の人々の通貨に対する態度と比較すると、なんと日本人は遅れていることか。

それにしても、円安はどこまで行ってしまうのか。1ユーロ150円で大台だと感じたのがうそのようです。まさに円は20世紀のポンドの再来なのか。

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_06ed.html

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_34c2.html

このような将来のリスクに備えた資産ポートフォリオが望まれます。

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2007年4月11日 (水)

為替の円安と為替変動の長期的影響

為替の円安トレンドがまた顕著になってきました。

下のリンクをご覧ください。

http://quote.yahoo.co.jp/m3?u

このページの下のチャートを見ると2月下旬から3月上旬の波乱で乱れたチャートが、各通貨でまた円安のトレンドにきれいに復帰してきているように見えます。

市場は今週末のG7で円安が主要議題にならないと見透かしているのでしょうか。

実際、対ユーロと対豪ドルでは既に円は新安値を更新してきています。(新聞はユーロ円しか話題にしていませんが)

日経ネットではこの豪ドル通貨の強さに関して、こんな記事が書かれています。

http://markets.nikkei.co.jp/column/fxwatch/index.cfm

さて、実際のG7はどうなるでしょうか。このまま何事も無く通過し、さらなる円安トレンドが加速していくのでしょうか?それとも?

世界の株式へ長期の国際分散投資をしている限りにおいては、株式の超長期のリスクプレミアムがもたらす期待リターン累計の方が為替のボラティリティよりも通常圧倒的に大きくなるので、当面どちらに進んでもらってもたいして問題はないと考えているのですが、純粋な興味本位で注目しています。

なお、上記のロジックは、期待リターンは経過年に直接比例しますが、ボラティリティは経過年の平方根に比例するという、期待値とボラティリティの性質の違いに起因しています。

例えば、世界株式の年率リターンが10%、対円の海外通貨為替の年率ボラティリティも10%、運用期間が25年とすると、

25年後の期待リターンは10%×25年=250%

25年後の為替ボラティリティは10%×(「25の平方根」すなわち5)=50%

という計算になるので、超長期の株式運用になればなるほど、株式リターンが為替のボラティリティに打ち勝つ可能性が加速度的に高くなっていく構造にあるのです。

(ここでは、資産の分布を対数正規分布と仮定し、その自然対数の右肩の正規分布の平均とボラティリティを想定した論理を展開しています。このような仮定においてのみ複数年リターン期待値が単年リターン期待値の年数倍になります。また実際の資産の分布はかならずしも完璧な対数正規分布に従うわけではありませんが、上記のような議論の範囲においてはその結論には概ね相違ありません。)

後半はずいぶん数学的な話になってしまいましたが、経過年数が長くなればなるほど、ボラティリティよりも期待値の影響が相対的に強くなる理論的構造を理解いただければ幸いです。またこのロジックは、リスクプレミアムの存在する資産への投資の場合、長期投資になればなるほど報われる可能性が高まる理屈でもあります。

長期投資の優位性は、このような形で理論的にも明確に示すことができるところが、結構意外なことかもしれませんがおもしろいところです。

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海外証券口座の為替リスク

海外証券口座に関係する話で、為替リスクに関してよく誤解しがちな点があります。

1.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建ての中国株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

2.ルクセンブルグの証券口座を開設し、円をユーロに換えて送金。そのユーロ資金でユーロ建てロシアファンドを購入。この投資にユーロ円の為替リスクは存在する?

3.米国証券口座を開設し、円をドルに換えて送金。そのドル資金でドル建ての日本株式ETFを購入。この投資にドル円の為替リスクは存在する?

答えはすべてNoです。(ただし、円を他通貨に換えてから資産購入までの為替変動は考えないものとします。)

これ、簡単なようで、結構あちこちでこんがらがった記載等が見受けられますので、題材としてみました。

他人のことは言えず、自分もたまにこんがらがることがあります。例えば、今度のG7においての米国サイドのドル安要請といったニュースを聞くと、

ドル安⇒円高⇒米国証券口座資産減少

と、つい連想してしまいます。でもこのうち、2番目の⇒が厳密には正しくないのです。米国証券口座で投資していても、かなりの部分がETFを通じて米国以外の他の国の株式へ投資されているので、対USドルでの円高、円安はその米国以外の国への投資部分においては全く影響を及ぼさないのです。それらの部分については、例えばユーロMSCIに投資している部分はユーロ円の、英国に投資している部分はポンド円の影響を受けるのです。

そうです。このような投資で、本質的にどんなリスクを取っているのか簡単に判断するには、途中を省略して最初と最後だけ考えればよいのです。例えば、上記の1の例では、日本円資金を拠出して、中国株式を購入したのですから、中国元と日本円の為替リスクと中国株の中国元ベースでの資産価格変動リスクを有していることになります。

同じように3の例を考えて見ると、日本円資金を拠出して日本株式を購入していますので、なんら為替リスクを取っておらず、取っているリスクは日本株式の円ベースでの資産価格変動リスクのみです。

わかる方にとってはなんでもないことなのですが、海外証券口座で投資をしていて、取っている為替リスクについてついこんがらがってしまう場合には、このような判断の仕方が役にたつと思います。

(後日、リクエストにお応えして、上記で述べたような構造を実際の計算でお示しした追加のエントリーを書いています。以下をご覧ください。)

http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_b923.html

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2007年3月21日 (水)

勝率と期待値

今回は趣向を変えて、確率的、数学的なお話です。

ここに、丁半2分の1ずつの確率の賭けがあります。この賭けに勝ったら掛け金が2倍になり、負ければ掛け金を失うものとします。

この賭け事に、1度負けるごとに投資額を2倍にしていく方法を取れば、絶対に負けないという主張する人がいます。

確かに、

一回目で勝ち⇒1を賭けて2を手にする(2-1=+1)

二回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて4を得る(4-2-1=+1)

三回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて2を失い、4を賭けて8を得る(8-4-2-1=+1)

四回目で勝ち⇒1を賭けて1を失い、2を賭けて2を失い、4を賭けて4を失い、8を賭けて16を得る(16-8-4-2-1=+1)

・・・疲れてきましたのでこの辺で止めておきますが、このような賭け方をすると、いつかは必ず勝ちが舞い込むはずで、そのときは必ず掛け金合計より+1だけ多いリターンを得ることができます。

はて、そもそも丁半2分の1ずつのまさにゼロサムの賭け事ではなかったのでしょうか?なぜそのような賭け事に必勝の策が存在するのでしょうか?

実はこの賭け方は必勝法にはなっていません。例えば最初の掛け金が1万円だとすると、仮に10回負けたとすると、その次の掛け金は1024万円です。

20回連続負けたとするとその次の掛け金は、104億8576万円です。

だれもが資金量に限りがあり、負け続けたときに資金が尽きて資産のすべてを失い負ける確率が、非常に小さい確率ながら存在するのです。

すなわち、

(資金が尽きる前に勝ちが来る確率)×(+1)+(初めて勝ちが来る前に資金が尽きる確率)×(-資金が尽きるまでの総負け額)=0

という等式が成り立っており、無限に資金があるわけではないすべての人にとって、やはりこの賭け方でも所詮、ゼロサムゲームはゼロサムゲームなのです。

でも、この賭け方によって、賭けの性質にひとつ大きな変化が見られます。それは、資金が尽きて破産する事態にならない限り、必ず勝てるという形に賭けの形が変化しているところです。すなわち、最初の勝ちが来るまでを一回の賭けとして見ると、勝率がとてつもなく高くなっています。

勝率がとてつもなく高いけれども、賭けによる勝ち金額が、負けのときの負け金額よりもとてつもなく低いので、期待リターンを計算するとその期待値はゼロとなり、勝ち負けの帳尻が合ってしまっていて賭ける意味のない賭け事になっています。

こうやって例を挙げて示すとその賭け方の無意味さは明らかで、議論の余地もないものと思われますが、実際、人間は結構この心理的な罠にはまってしまう傾向にあります。

まず、本屋に行って株式や投資関係の棚に行くと、「株式投資でXX勝X敗」といったタイトルが目に付きます。人が期待値よりも勝率に反応する心理を知り尽くしたタイトルです。

例えばシステムトレードをやられる方はよくご存知の通り、勝率を高めようとすると得てして勝ちの際の利益額が小さくなり、システム全体として儲かりにくいシステムになりがちです。トレンドフォローのシステムでは実際、勝率は30~40%程度であったりすることが多く、勝率をわざわざ下げても、勝ちの際の利益額が負けの際の損失額を大きく上回るように設計するのが、システムトレードを設計する際の重要事項であったりします。

株式投資でも、「下手なナンピンすかんぴん」なんて言い回しがありますが、延々と倍々投資でナンピンをしていけば、その銘柄が倒産しない限り必ず勝てそうな気はします。でもそれは、その銘柄が万一倒産してしまったら、総資産がふっとんでしまう投資手法であることを意味しているのかもしれません。まさに最初に挙げたゼロサムゲームの賭け方に近い投資方法になっているように思います。

実は、このようなことは投資の初心者のみが行うものでもなく、有名なヘッジファンドであるロングタームキャピタルマネージメントが破綻した理由も結構似たようなものです。それは「どんな国の債券もデフォルトする可能性がある」ことを踏まえずに特定の2国間の国債の鞘を抜くポジションに集中投資しすぎてしまったという理由です。

行動ファイナンスの観点からは、人は負けるのがことのほか嫌いで、だから勝率に異常にこだわり、高い勝率と引き換えに確率的には低くても負けの際に致命的となる戦略をとってしまいがちです。

あなたは、高い勝率を得る代わりに大きな危険を背負ってはいませんか?

冷静にその期待値を計算することと、それでも発生の可能性がある負けに備えて必要な分散を心がけることが、賭け事に限らず投資においても必要なことだと思います。

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2007年3月 1日 (木)

通貨取引のコスト

中国株の下落等を契機として、世界株式市場の波乱と為替の急激な円高が起こりましたね。いまごろ、東洋経済の記者さんはまさに溜飲を下げているところかもしれません。

でも、円安(2)で紹介しましたとおり、為替は円ドルだけではなく、かつ円は米ドル以外の通貨に対しては軒並み円安が6年以上も続いています。なので、ずっと前から米ドル以外の海外資産をもっている人にとっては、これくらいの円高は痛くも痒くもないといったところだと思います。

なぜ、円は米ドルを除く世界通貨に対して驚くほどの円安が続いているのか、個人投資家に資するために、金融雑誌はそのような特集をして欲しいものです。

なんだか、表題と全く違う話となってしまいましたが、ここで表題に戻りますと、国際分散投資を行う際には、円を海外通貨、たいていは米ドルに換える必要があります。銀行で円をドルに換えると片道1円も取られてしまうのが通常です。証券会社の場合は銀行よりは安いですが、それでも50銭くらい取られてしまうのが通常でしょう。これが、FX(通貨証拠金取引)口座であれば、例えば5銭とかのスプレッドしかかからなかったりします。(別途、小額の固定費用も徴収される場合があります。)

確かにこれは魅力的なところではあります。

なので、FX会社を使って円を低コストでドルに替えてすぐに、他の会社の口座にドルベースで送金するというようなウラ技もあるようです。(個人的にはそこまでしたことはありませんが)

FX会社にとってはこのような使われ方はたぶん想定外で、うれしくないものと思われますが、通貨取引のコストを節約したい方にとってはよいやり方かもしれません。今もできるかどうかわかりませんが、研究してみる意味はあるかも。

米国証券会社の中には、円とUSドル等の交換を5~10銭程度で行える会社も実はあります。海外投資口座を持ち、国際分散投資を行うことが目的であれば、このようなUS証券会社の口座を開くのもよいと思います。

それにしても、日本の銀行や証券会社が、リアルタイムレートで通貨取引を行って5銭程度の費用徴収しかしなければ、そもそも通貨取引のコストで悩む必要もないのです。システムが整備された現代では、1日中同一レートを適用し、そのリスクの裏返しに1円もスプレッドを取るなんてビジネスは前近代的でナンセンス極まりないと思います。しかしながら日本の銀行や証券会社がこのおいしいビジネス構造を容易に手放すとは考えにくいですので、このコストが気になる場合は何らかの自衛手段が必要です。

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2007年2月24日 (土)

FX投資は儲かるか?

ブログを書き始めて、初めてわかりましたが、インターネットの世界では「FXであなたも月100%のリターン!」なんて刺激的な内容のものが有料で販売されていたりするのですね。

昔は、確か電話の「ダイヤルQ」(記憶があやふやですが)で、株式の銘柄情報をテープで流してお金を取るようなものがありましたが、何だかそれと同じにおいがします。

計算してみるとわかりますが、100万円を握り締めてこの「月100%のリターン」の投資を行って、その通りの成果が出たとすると、1年後には40億円、2年後には16兆円になります。それどころか、3年後には、驚くなかれ、6京円(単位あってるかな?)。うーん、すごいですね。為替マーケットを1人で制してしまいそうです。

そんなノウハウが1万円や数万円で売られているなんて不思議だとは思いませんか?月100%のリターンを生む投資ができる人の時間給だと、1商品数万円の商品販売に関わること自体が非効率、かつ時間の無駄かと思います。

それどころか、おそらく世界で最も巨大なマーケットといえる為替市場で月100%のリターンが出せる投資ノウハウを持っていれば、間違いなくヘッジファンドの世界でもトップに立てると思います。その人はただ米国に渡るだけで、年俸数十億円や数百億円稼げるはずです。

このあたりの理屈はわかる人にはごく当たり前の理屈で、「いまどきこんなものに引っかからないよ。」という感じでしょうが、まずは初歩の初歩について触れてみました。

冒頭のキャッチフレーズを見て、「ちょっといいな。やってみたいな。100%は無理としても50%ぐらいなら出来るかも。駄目もとで買ってみようかな?」なんて思う人は危険です。持ち金が多い人は特に。高レバレッジビークルでご自身の資金を吹っ飛ばす前に、投資について真摯に勉強されることをお勧めします。

次の機会は、もうちょっと専門的な話をしようと思います。

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2007年2月22日 (木)

日銀追加利上げと円安

日銀が追加利上げ(0.25%⇒0.50%)を明らかにしてから、逆に市場では一気に円安に振れましたね。

米ドル円相場は119円台から、現在(22日21時)121円を大きく超えてきました。

本来ならば、日本の金利が上昇して、外国通貨との金利差が縮小したのですから、相対的に日本円の魅力が外貨に比べてアップしたことを意味し、円高になるのではと思われる局面でもあります。

しかしながら、実際、蓋を開けてみると大幅な円安でした。

こういう現象を相場の世界では「材料出尽くし」とか「理外の理」といったりするのだろうと思いますが、こういう場面は市場と対峙しているとしょっちゅうあり、つくづく相場を張ることの難しさを感じます。

おそらく、様々な人がそれらしい後講釈をあちこちで述べているのだろうと思いますが、重要なことは、「日銀が追加利上げを決めたら、短期的には円安に振れる」と事前に主張していた人はなかなかいなかっただろうことです。知的(と思われているよう)なエコノミストであれば特に、「えっ!円高じゃないの?」と一般人に頭の構造を疑われかねませんので、まずこういったことは言わないのではと思います。

エコノミストも、これからは一方的な円安は進まないと言ったばかりなのに円安に大きく振れてしまってばつが悪くなっている人がいるのではないでしょうか。

まさに理外の理、FXで短期の鞘抜きをしている人も、日銀の行動を的確に予測し、かつ相場に破れてしまった人がいるのではないかと思います。

日銀決定を読みきっていても短期相場に破れることもあります。「急がば回れ」とはよく言ったもので、これは投資にも当てはまります。どちらに転んでもよしと思える投資ポートフォリオを構築して、短期相場など張らずに悠然としていれば、市場の半数以上に高確率でらくらく勝ててしまう。まさにインデックス運用と同じような現象です。

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2007年2月 4日 (日)

円安(2)

前回の「円安」で書いた日本の構造的な要因について、以前ある掲示板に投稿した内容をここで紹介したいと思います。

以下、投稿//////////////////

V-Max - 07/1/14() 9:13 -

スワップ狙いの投資の是非は、ある意味外貨、為替に関する投資の是非に
似ていると思います。

スワップ狙いの投資は、「内外金利差は為替レートで概ね自動調整される
ので、円資産超過の金利収入は長期では元本の為替差損で相殺される」
として批判されることが多いのではと思いますが、これをいってしまうと
「内外金利差は為替レートで概ね自動調整されるので、外貨資産投資は
円資産投資の期待値に長期では近似する」と主張しているようなものなので、
ある意味外貨保有の意味自体を否定することになってしまいます。

日本ではドル円しか注目されないので、日本円が米ドル以外の通貨に対して
6年もの間、ほぼ一貫して円安傾向で推移していることが公に注目される
場面があまりないようですが、個人的には、これは20世紀のポンドと同じ、
先進国が世界の主役から落ちていく際のその国の通貨の超長期の下落トレンド
の始まりなのではないかと危惧しています。

http://quote.yahoo.co.jp/q?s=EURJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=GBPJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=CHFJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=AUDJPY=X&d=c&t=5y&l=off&z=b&q=l&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s

なかなか手に入りにくいのですが、上記のような先進国に対する円の下落
トレンドと同じく、中国、韓国その他新興国に対しても円は同様の下落
トレンドを描いているようです。

金融理論上ではスワップ狙いの投資、加えて外貨投資自体の意味まで
切捨てられてしまう可能性がありますが、実際、20世紀の英国ポンド
のように、フリーランチのない理論世界では想定できないような一方向
の巨大トレンドが為替では起こりえます。

金融理論では期待超過リターン0として、投機と判断される部類の行為
でも、実際世界では理論的、確率的にはおよそ発生し得ないような巨大
トレンドが往々に発生し、その順方向にポジションを取れば大きなリタ
ーンが得られます。
その可能性として今、妙味があるのが、米ドル以外の外貨買い円売り
ポジションなのだと思います。今のこのような円安(米ドル以外の通貨
に対して)が続く限り、円金利が非常に低いので、スワップ狙いの投資
は結果的に大きな実を結ぶことになると思われます。

まさに、ポジションを取るも自由取らぬも自由、すなわち、理論的に
期待値0だから投機でやらないという人も、それでも妙味があると考え
やるも自由。スワップ狙い投資の場合は今のところ、妙味を感じて投資
する人が恩恵をこうむる展開が続いているというところだと思います。
私個人は、このトレンドは超長期でつづく可能性があり得ると考え、
外貨資産(米ドル以外)を努めて保有するよう、心がけています。

以上、投稿終わり//////////////////

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円安

円安が進んでいますね。

今日の日経新聞ではやけに円安が強調されていました。

もうずいぶん前(6年ほど前)から米ドル以外の通貨に対する円安トレンドは継続しており、私もずいぶん前から外貨投資の必要性には注目していました。

いったいいつになったらマスコミはこの現象に気づくのだろうと思っていましたが、やっとこさマスコミも気づいたようです。

私は投資でフィナンシャルフリーダムを目指してしており、そのため株式を中心とした国際分散投資を行っています。

昨年も一昨年も海外通貨に対する円安で、投資のパフォーマンスはざっくり言って+10%程度かさ上げされていると思います。

日経新聞は、この円安は日本の超低金利政策のせいとしていますが果たして本当でしょうか?直近の日本のゼロ金利政策解除の時期から、かえって円安が加速しているのはなぜ?米国の短期金利の上昇が止まった最近は、米ドルに対しても円安がかえって進んでいるのはどうしてでしょう?

新聞に書いてある、いかにももっともらしい理屈は、往々にして後付けのいいかげんなものであることがよくあります。(読者がどこかの業界の専門家であれば、その専門分野の記事がいかにいいかげんかは、よく経験されていることでしょう。)

金融に対する記事も同じです。私は、この円安は現在の日本の国の構造的な要因によって起こっているのではと疑っています。

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